this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【お花見】花の盛りの寝子島で
<< もどる
1
…
27
28
29
30
31
…
42
つぎへ >>
「癒しですね」
大きな白猫の身体から桜の花びらのように次々と溢れだしてくる白い子猫たちをてのひらに包み込みながら、綾花は隣の珪に微笑みかける。子猫たちはふわふわで、撫でるととても気持ちが良い。
ふわふわを撫でれば、ふんわり幸せな気持ちにもなれた。
「お花見なのをすっかり忘れてしまいそう、……」
言いかけた綾花の唇が止まる。開いた唇は、けれど足元に子猫たちをまとわりつかせてちょっぴり嬉しそうな顔をしている珪を見た途端にふんわりほっこりな笑みのかたちになった。
「よーしよしよし、」
同じクラスの女子と司書教諭を横目に、幸次は近くをふわふわ飛んでいた子猫一匹をもっふり抱き寄せる。てのひらの上できょとんとする子猫と目があった途端、思わず満面の笑顔になりつつ、優しい手でひたすらに撫でる。無心に撫でる。
「……お、消えた」
花びらになって風に舞い上がる元子猫を見送って、今度は足元にすり寄って来た子猫を抱き上げしゃがみこむ。ふわっふわの子猫の身体でてのひら全部で温めるように丁寧に満遍なく撫でて撫でて、頬ずりするついでにお腹の毛に顔を埋める。
子猫のお腹は、日向の花の匂いがした。
「……消えたね」
勢いで自分のてのひらに顔を突っ込む格好になってから、幸次は両手で顔を覆ったまま周囲を見回す。
もふもふに顔を寄せていたとき、ものすごくだらしない笑顔だった自覚はある。ちゃんとある。
(……誰かに見られてないよね?)
見回した視線の先、綾花と目があった。思わず赤くなる幸次の心情を理解したのか、クラスメイトの女子は見なかったふりでそっと視線を逸らしてくれた。
「っ……」
言葉に詰まる幸次の足元を、すばしっこい子猫たちがにゃあにゃあと駆けて行く。
(こ、この足じゃ追いつけない)
そう素早く判断するなり、幸次は目を閉じる。
(こんな時こそろっこん、猫チェンジ! 獣人化!)
手足を猫のかたちに変えることで素早さと跳躍力を底上げし、幸次は駆けだす。とにかくこの場から逃げ出す──もとい、子猫たちを追いかける。
「まてーっ!」
手足が猫のかたちした幸次が心底楽しそうに子猫たちを追いかけて行く。追いかけられた子猫たちがにゃあにゃあと楽しそうに笑う。
子猫たちを捕まえた勢いを緩めきれず、壁の如く立ちはだかっていた巨大白猫の胸のあたりにもっふーと埋まってしまっても、幸次は悲鳴のひとつもあげない。むしろしばらくもふもふを堪能する。
「夢を見てるのかな」
足元で子猫たちがはしゃいでも目を覚ます素振りも見せない巨大な白猫を仰ぎ、修は呟いた。
「どんな夢かな」
「子猫になってみんなと遊ぶ夢、とか?」
あおいの問いに応じながら、修は傍らをふわりと過ぎようとした子猫をてのひらに包み込む。
(であれば、子猫達は眠り猫の心の一部か)
てのひらの中で丸くなる子猫がいかにも可愛らしくて、そうっと撫でる。自宅で飼っている猫たちが喜ぶ優しさで撫でてやれば、子猫はふとした瞬間に桜の花びらとなった。
ふわりと舞う花びらを追えば、他の人々の手に寄って子猫から変わった桜の花びらがひらりひらりと夜空に踊っている。
あおいと共に子猫たちと戯れ、そうすることで彼らを桜の花びらへ変えながら、修は花びらの舞う郭を眺める。
去年はお城と支え合うようにして咲く千年桜が見られたものの、今その場所に在るのは、桜と城ではなく真っ白な眠り猫。
それでも、巨大な白猫を背景に桜の花びらと綿毛にも似た子猫たちがふわふわと舞う景色は不思議で美しかった。
「この島ならではの花見だね」
ほわほわと微笑んだ修は、あおいの視線が足元に置いた鞄に注がれていることに気が付いた。鞄の口から見えるのは、詰め込まれた過去問題集。底の方には単語帳も入っている。
「ここでも勉強するの?」
「いやいや、開かないよ」
くすりと笑うあおいに、修は笑い返す。
「多分、お守り……かな」
「受験勉強、大変?」
「頑張ってるつもり」
けれど、完全な自信があるわけではない。
修の笑みに何かを読み取ってか、あおいは少し考える風をした。
「修君はちゃんとがんばってるからね!」
大真面目な顔で言って、ぱしん、と励ますように背中を叩かれ、修はもう一度笑う。今度は、心からの笑み。
「ありがとう、あおい」
頑張りを見ていてくれる人が傍に居てくれることが、こんなに幸せなことだとは知らなかった。
幸せを噛みしめながら、ともかくも今は八夜城をもとに戻すことを考えようと、修は近くにいた城の住人に声を掛ける。眠り猫のことを──城に取り憑いた原因や、何をすれば喜ぶのかを訊いてみるも、子猫を懐に抱いた老翁は途方に暮れた顔で首を横に振るばかり。
ならば、と修は考える。
子猫たちは撫でれば桜の花びらへとその姿を転じた。
「子猫たちのように、あの眠り猫も撫でてもいいだろうか」
いいね、とあおいが頷く。いいかもしれないと老翁が小さく笑う。
早速準備に取り掛かる修たちの前を、
「白猫に、突撃ー」
「……白猫に、もふもふ?」
うり二つの姿したまうとまうまうが駆け抜けた。
「まうまうと一緒」
「まうと一緒」
試しにと大きな白猫の影でろっこんを使ってみれば、まうまうは人気のある場所に出ても消えることはなかった。大きな白猫が眠る不思議な空間であるお陰かもしれないと、ふたりは手を繋いで歩き回る。たくさんいる子猫をふたりで撫でて回ったり、片隅で固まって眠る子猫たちの中に潜り込んでみんなで一緒にうとうと眠ってみたり。
「楽しいね、まうまう」
「うん、楽しいね、まう」
くすくす笑いあう少女たちに、子猫たちがにゃうにゃうと身を寄せる。幸せそうに眠るふたりに小さく笑みを誘われながら、絢は元は城があった場所を見仰いだ。
巨大な白猫からは、今も白くてふわふわした毛玉──子猫が次々と生み出されている。
「そう、ですか……」
頷く絢の両腕いっぱいには、何匹もの子猫たちが抱かれている。にうにうみゃあみゃあと鳴く子猫たちを交互に撫で、絢は城の現状を教えてくれた住人に頭を下げた。
いわく、ある日突然に城が巨大な白猫と化し、白いふわふわを生み出し始めた。あれは異界を自在に行き来する大妖、『猫又さま』なのやもしれぬ。
それとほぼ同時、姫様が天守閣に籠り切りになってしまった。少し前から何かしら悩んでいたようにも見えたものの、原因はわからない。ただ、
「わしらは姫様によって救われた。じゃからの、姫様がどのような選択をされようとも責めぬ、責められぬ」
そう言って、住人は『猫又さま』を仰ぐ。
「『猫又さま』は姫様をお慰めしようとしているのやもしれぬのう」
しかし、と困った顔もする。
「この騒動が納まらないことには、せっかくの宴会の準備が台無しじゃあ……」
それはそれで城の人たちがかわいそうな気もして、絢は腕の中の子猫たちをひたすらに撫でる。満足すれば、子猫たちは桜の花びらとなって空に舞う。となれば、絢のすることはひとつ。
(暫くもふもふなでなで、……かしらね)
<< もどる
1
…
27
28
29
30
31
…
42
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【お花見】花の盛りの寝子島で
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
65人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月23日
参加申し込みの期限
2021年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!