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【お花見】花の盛りの寝子島で
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朝のうちは頬が冷たくなるくらいの風が吹いていたけれど、お昼になればもうぽかぽかのぬくぬくで、抱っこしてきた兎のぬいぐるみのラピちゃんも兎のぬいぐるみ型カプセルギアのラズちゃんもやっぱりぽかぽかのぬくぬくで、
「……またお花見に混ざれるかなぁ……」
山桜がほろほろと咲く九夜山の山道を跳ねるような足取りで元気よく登りながら、
曖浜 瑠樹
はふわふわと頬を和ませる。
目指すは三夜湖。湖を囲むように咲く桜も、湖に映りこむ桜もどちらもとっても綺麗だけれど、瑠樹のお目当ては花ではない。
「八夜城……」
眠り猫城だっけ、とふわふわ天然パーマの黒髪の下の栗色の瞳を木々の先へと向ける。
桜の咲く頃、三夜湖に一夜限りの幻のお城が現れる──
去年の今頃、そんな噂を耳にして三夜湖に向かった瑠樹は、噂の通りに湖に現れた『眠り猫城』で、お城に今も住む人々や寝子島のみんなと一緒に楽しいお花見のひとときを過ごした。
「またお花見に混ざれるかなぁ……」
おっとりと呟く少年の視線の先には、木々の間に昼過ぎの光をきらきらと光らせる三夜湖がある。まだ早いかなぁ、と首を傾げながら近づいたそのとき、──まるで黒いカーテンをぐるりと巡らせるかのように、辺りが夜に包まれた。
「あれぇ?」
きょとんと立ち尽くす瑠樹の傍、がさがさと草むらが揺れる。ひょこん、と姿を現したのは、黒猫耳フードを被った女の子。
頭についた葉っぱはそのまま、
穂現 まう
は琥珀色した子猫のような瞳で周囲を見回す。
「こんにち、……ええと、こんばんは、かなぁ?」
「こんばんは」
ぱちぱちと瞬きを繰り返して突然の夜の暗さに慣れようとしながらもきちんと挨拶をする瑠樹に、まうもぺこんとお辞儀をする。
(三夜湖なら、場所によっては人がいないと思った……けど)
誰もいない場所でなら、まうまうとまたお花見を楽しめると思ったけれど、なかなかそうもいかないらしい。桜のあるところには大抵誰かがいる。
ちょっとだけ黒い睫毛を伏せかけたまうの耳に、
「あれぇ?」
瑠樹の驚きと喜びが混ざり合った声が届いた。
「なぁ、あれ!」
今にも飛び跳ねそうにしながら瑠樹が指し示すのは、
「すごい大きな白にゃんこー!」
三夜湖の真ん中に現れた、もっふりもふもふな白猫。ただしお城ほども大きい。
「一緒に寝たら暖かいかなぁ?」
あまりに大きな白猫に、けれど瑠樹は怯えることなく満面の笑顔になる。抱きかかえた白兎ぬいぐるみのラピちゃんラズちゃんをぎゅうっと抱きしめ、そのまま湖まで一直線に駆けて行く。
「なぁ、行こうよぉー!」
湖の縁で待ち構えるように浮かんでいた小舟の船頭と親し気に話したかと思うとぴょんと飛び乗り、まうに向けて手を振る。呼ばれるまま、状況をよく理解しないまま、まうも小舟に乗り込んだ。
おーい、と笠を被った老船頭が夜の森に向けて声を掛ける。
「あんたさま方も来てくれんかねー」
どこか助けを請うように声を掛けられ、
綾辻 綾花
は隣に立つ
早川 珪
先生を見仰いだ。どうしましょうか、と尋ねかけてくすりと笑む。面倒見のいい司書の先生は、助けを求めるひとが居れば迷うことなく手を差し伸べる。今だって、
「行ってみようか、綾辻さん」
突然夜になってしまったことに驚いたはずなのに、真剣なまなざしを湖へと向けている。
「はい!」
綾花は大きく頷いて返した。手に広げていたメモをぱたりと閉じ、鞄に仕舞う。
(それにしても……)
今年も八夜城が現れそうな予感がしてお散歩がてらに三夜湖まで来てみれば、まだまだ明るかった周りの景色が急に暗くなって空に月が浮かんだその上に、お城の代わりに現れたのは大きな白猫。
(まだ会った事ないにゃんこですね)
今までに会った猫たちのことを書き記した猫メモに新たな一頁を書き加えられたのは幸運なこと。
(それに)
ここまでの道で珪先生に会えて一緒に来られたのは更に更に、嬉しいできごと。
珪先生と一緒に小舟へと向かいつつ、綾花は見上げるほどに大きい白猫を眺める。長い長い透明髭をひよひよ、もふもふの毛皮に覆われたお腹をゆっくりのんびり上下させ、白猫はいかにも気持ちよさそうに眠っている。
「どんな夢を見てるんでしょうか?」
「こっちまで眠くなりそうだ」
先に舟へ乗り込んだ先生に手を貸してもらい、綾花はふわりと頬を赤くした。ありがとうございます、と言いつつ隣に座らせてもらう。珪先生はなんでもないように笑ってくれた。
「珪先生」
「うん?」
「お城がにゃんこになるお話って、ありましたっけ」
八夜城について書かれた本にそんな記載はなかったように思う。今までに読んだ本にも、登場したことはなかったはず。
首を傾げる綾花の隣で、珪先生も難しい顔で首を捻る。
「なかった、と思うけれど……」
言ってから、くすり、なぜだか楽しそうに笑う。
「読んだことのない本の方が多いからね」
「それはそうですね」
つられてくすくす笑う綾花の頭上、船頭の声が過ぎて行く。
「さアさ、そこのお三方も!」
声が掛けられた方向には山道から歩いてくる仲の良さそうな少年少女と、もう一人、艶やかな黒髪を腰までも伸ばした少し胡散臭いくらいに美しい佇まいの青年。
ただしその両手には風呂敷包みのお重、肩からは熱いお茶が入っているらしい大きな水筒を提げて、どこかしら『お母さん』な雰囲気を醸し出している。
「お先にどうぞ」
八夜城でお花見をする気満々な装備の青年──
深縹 露草
に優雅な仕草で譲られ、
八神 修
はありがとうと丁寧な会釈をする。極く自然に連れの少女、
七夜 あおい
に手を差し伸べ、舟に乗るエスコートをする。
(『幻の八夜城』……)
修たちに続いて舟に乗り込みながら、露草は漆黒の瞳に八夜城があるはずの場所に眠る巨大な白猫を見遣る。
(昨年の花見は良い思い出で、)
だから今年は自分も料理を提供しようと腕を振るい、和食洋食中心にお重に詰めて持参したというのに、
(この事態は……)
ゆらりと揺れて水の上を渡り始める舟の上、露草は月夜を仰ぐ。三夜湖に来るまでは、空は確かに明るかった。
(去年、八夜城が現れたのは確かに夜だったというのに)
城が猫と化していることも、空の変化と関係があるのだろうか。
たとえば、普段は異界とも言える場所に存在する八夜城の領域が、寝子島へと滲出してしまっているとは考えられまいか。
──桜の事を、姫様の名を関した「お千代桜」と呼んでいる
──住民達は桜の咲かない時期は此処ではない何処かにいる・農耕等で働いている
──お千代桜が健在の内は住民達も在り続けなければならない
去年、八夜城を訪れた際に城の住人たちと話した内容の要点を頭になぞり、露草は気づかわしげなまなざしを白猫へと向ける。
(まさか、姫様が……?)
「おっと、まだまだ来てくれてたか」
櫂を器用に操りながら、老船頭は手庇で森を眺めやる。
「すまんがちっとお待ちくだされー!」
船頭の視線を追って振り返った修が見たのは、一組の家族連れ。父と母と、それから瓜二つの少女たち。
「恵御納」
「八神君、七夜さん」
並んで立つ少女たちの片方、どちらかと言えばふんわりとした雰囲気の少女──
恵御納 夏朝
がひらりと手を振る。
「あとでねー」
先に湖を渡る友人たちを見送りながら、夏朝は隣に立つ『双子』の姉、
恵御納 夏夜
に小さく笑いかけた。どちらかと言えば玲瓏とした雰囲気ながらも同じ顔をした夏夜と、そっと手を繋ぐ。
『諸事情で他の高校に通っていたが、寝子高に転入してきた双子の姉』──表向きには、そうなっている。
「夏夜ちゃん」
「ん」
「夏夜ちゃんにも、『幻の八夜城』とお城のひとたちを紹介したかったんだ」
「今年も現れるなら、って言っていたね」
夏朝から聞いていた、『幻の八夜城』。『眠り猫城』とも称されるはずの白く美しい城は、けれど今は城のかたちをしていない。遠目にも見間違えることのないほどにふんわりもふもふ、城の巨大さをもつ白猫と化してしまっている。
「……今年も現れるなら嬉しかったんだけどね……」
夏朝から聞いていた話とは違う要素をこげ茶色の瞳に映しながら、夏夜は冷静に呟く。
「何とかしないとね」
そうして、
(今年こそ、夏朝たちと一緒に花見を……)
握ったままの夏朝の手に力をこめたとき、ふたりの手を優しい掌が包み込んだ。自分たちとそう大きさの変わらない、けれど確かに大人の女性のてのひら。
「お母さん」
「……母さん」
娘ふたりに振り返られ、同じ顔でそっと微笑まれ、ふたりの手をきゅっと握ったまま、
恵御納 理沙
は顔中で優しく笑った。
「夏夜ちゃん、夏朝ちゃん」
「合流出来て良かった」
小柄な妻と娘たちを穏やかに眺めるのは、筋骨隆々容貌魁偉、見た目と朴訥とした喋り方のせいで誤解されることも多い
恵御納 久隆
。
「現地よりちょっとだけ手前で合流しちゃったわね~」
娘たちと手を取り合ってはしゃぐ妻を微笑まし気に眺めていた夫は、
「……父さん」
奇跡のように一人増えた娘に静かに笑みかけられ、強面を優しく崩した。
「花見を、しよう」
「お母さん、張り切って色々作ったからね~」
ふわふわ笑う妻に合わせ、久隆は片手に提げた重箱の包みを示してみせた。もう片手には、寝子島で購入してきた秋刀魚の味醂干しに始まるおつまみ色々に日本酒も持参している。
(去年も家族や城の住人達と花見をしたのだから)
何かしらのトラブルがあろうとも、今年も花見をしよう。何と言っても、今年は大切な娘がもう一人増えているのだから。
ちゃぷん、と軽い水音と共、小舟が一艘近づいてくる。
「お待たせしました」
小さく頭を下げる女船頭に、恵御納一家は揃ってお辞儀を返した。
緩く波打つ金色の髪を春風に揺らし、ともすれば娘たちと同じ年頃にも見えてしまう驚異の童顔で理沙は笑う。
「さあ~『幻の八夜城』、今年も行くわよ~!」
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
65人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月23日
参加申し込みの期限
2021年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月30日 11時00分
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