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【お花見】花の盛りの寝子島で
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寝子島神社本殿まで続く石畳の上、ひとひらひらり、桜の花。優しい春風を纏っては舞い上がり、地面に落ちては笑い転げるようにふわふわと踊る。
花盛りの境内を、
ハルキ・イエハナ
と
シオ・レイゼルオーク
は並んで歩く。
お花見の人出に並ぶ屋台に、桜に華やぐ神社は賑やかだ。
屋台の呼び込みをにこやかな笑顔で柔らかく躱し、ふたりが向かうは神社本殿。
「ハルさん、ハルさん」
「うん?」
本殿に至る鳥居の前、シオがふと足を止めてハルキの袖を引いた。つと背伸びして耳に唇を寄せ、鳥居の前に鎮座する狛猫たちを示す。
「左が一之助さん、右が二右衛門さん」
「うん」
妻から日頃聞いていた寝子島神社の祭神、お三夜さまを護る狛猫たちに向け、ハルキは丁寧に一礼をする。
「御三夜大明神様にもご挨拶をしようか」
「そうね、もちろん」
狛猫たちに親し気ながらも敬愛をこめたお辞儀をしてから、シオはハルキと肩を並べて本殿に参る。
お賽銭を入れて鈴を鳴らし、二拍手一礼。亜麻色の髪に青い瞳のハルキと、薄墨色の髪に琥珀の瞳のシオが堂に入った様子で参る姿に、隣で手を合わせていた老夫婦が感心したようなまなざしを向けて去って行く。
(御三夜大明神様、狛猫様、)
それには気づきもせず、ハルキは丁寧に手を合わせ目を伏せる。
(日々見守って下さりありがとうございます)
何はともあれ、ご挨拶。
(伴侶シオがお世話になっております、夫ハルキと申します)
なかなか参拝へ伺えず申し訳有りません、と胸に呟き、ハルキは手を合わせたまま頭を下げた。
(お詫びと言ってはなんですが)
奉納品として用意したのは、仕事で育成した植物の繊維から仕立てた反物。それはここに来る前に社務所へ預けて来ている。
(後ほどお改め下さい、必要に応じてお使い頂ければ幸いです)
その他にも、シオが用意した季節の鮮魚とお花見菓子も併せて奉納している。
(宜しければお納めください)
シオが言うには、狛猫さまたちは立派な猫の姿にもなれるらしい。であれば、
(お三夜さまの警護等の慰労にもなれば幸いです)
ちなみにお三夜さまは可愛らしい黒猫の姿だと聞いている。機会があればご一緒したいとは思う。シオは狛猫さまたちとお花見をしたいと望んでいたけれど、この人出の中で顕現してくださるだろうか。
(何かお祭り等あれば又、伺いますね)
それから、とハルキは一層真摯に手を合わせる。
(シオを守るのに今後も精進します)
手を合わせたまま薄く目を開けて隣を盗み見れば、シオはなんだか険しい顔でお参りを続けている。先に終わらせるのも悪い気がして、ハルキは瞼を伏せた。もうちょっと、目をつぶっておこう。
(お三夜さま、狛猫さん、いつもありがとうございます)
ハルキの気配を隣に感じながら、シオは心のうちに敬愛する神さまたちにご挨拶をする。
(遅ればせながら、)
傍らの体温をちらりと意識する。
(伴侶ハルと参拝に参りました)
同じようなことを夫が告げているのかもしれないと思えば、ふわりと胸があったかくなった。今日は、隣に大切な夫が一緒にいる。一緒に大好きな神社にお参りしてくれている。シオにはそれがとても嬉しかった。
(僅かばかりですが、お花見の品も交えお持ちしました。後ほどお改め下さいませ)
夫の作った反物が良い品です、とそうっと言い置く。丈夫な上に、美しい色艶を帯びたあの布を使えば、お三夜さまによくお似合いのお召し物が仕立てられるはず。
(お三夜さま、狛猫さん。これからも──)
願うのは、ここに生きる全てのものの健康と幸せ。それらをどうかお見守りくださいと真摯に祈る。
伏せた瞼に、結んだ唇に、どこからか流れてきた春風が柔らかく触れた。鼻先をくすぐる春の香に、シオの頬が淡く緩む。
(冬を越えて、お花がきれいです)
折に触れて姿を現すこの神社の祭神は、今ももしかしたら黒猫の姿で境内を歩き回っているのだろうか。そうして満開の桜を楽しんでいるのだろうか。それとも、お参りするひとの多い今は、お社の奥でみんなの祈りに耳を傾けているのだろうか。
(敷地内なら一緒にお花見出来たりしますか?)
可能なら是非ご一緒したいです、と遠慮がちにお願いしてみるものの、正直なところ、聞き届けられるか否かはどちらでも良かった。もちろん、一緒に色んなところを見て回れたらきっととても楽しいだろうけれど。
もしも、をシオは思う。もしも、お三夜さまや狛猫さんたちが神社の外へ出ることがかなうなら。
たとえば、湖で星空を観賞してもいい。そのときにはあったか毛布とあったかいお茶を用意しよう。
たとえば、レトロモダン喫茶店へアンティーク着物で出かけてみてもいい。いつかに見せてくださった少女姿のお三夜さまは、きっととても画になるだろう。
(希望ばかり、ふくらみます)
そうやって思いを馳せるだけでも楽しかった。
(尊い)
お三夜さまたちの大ファンなシオのお祈りは長い。
(そうそう、ハルさんったらですね……)
ついでに夫の話まで仕掛けたところで、ふと我に返った。
(はわ、つい長々と失礼を)
お話する機会を得たとばかりに夢中になってしまった。慌てて目を開き、合わせた両手を解く。そっと隣を窺えば、ハルはハルでまだ手を合わせていた。ハルさんもお祈りしてたからいいかな、と愛する夫の横顔をじーっと見つめて安堵したとき、
「終わった?」
視線に気づいたハルが片目を開いた。にっこりと笑う夫がとても愛しくて、シオは思わず手を伸ばす。
(外ではくっつかないようにしてるのですが)
夫の手の甲を指先でつついて、その指をぎゅっと握る。手を繋ぐぐらい、構わないだろう。
(日頃から愛情を示すのも大事ですね)
外では滅多に触れて来ない妻からの手を繋ぐ許可に、
(ん!)
ハルキは内心で小躍りする。
(ご利益かっ!)
なんでもない顔を装いつつ、ハルキは大好きな妻の指に指を絡めた。咄嗟に解くことができないよう、いわゆる恋人つなぎに手を繋ぎつつ、花に溢れる参道をゆったりとした足取りで辿り始める。
(また奉納に来よう、そうしよう!)
齢四十にしてうっかりスキップしてしまいそうになるのは、そこは大人としてぐっと堪えた。隣でほんの少し照れた顔をしている妻の横顔を見つめるうち、ふと顔を上げた妻と目があった。春陽に照らされて微笑むシオは、とんでもなく美しい。
「桜が咲いてる道を散歩して帰りましょうか」
「うんうん、キレイだなー」
参道に咲く桜を見上げる妻の横顔に見惚れてしまいそうになりながら、どうにか桜にも目を向ける。
「この桜もいいけど山桜も味わい深いですよね」
「山桜はどうだろ、ここから見えるかな」
本殿より奥の九夜山を仰げば、早緑に萌える山のところどころ、咲き初めの薄紅がちらほら見えた。枝が垂れるほど密集して咲くソメイヨシノとはまた違って、楚々とした風情の山桜は確かにシオの言葉通り、味わい深い。
「そうだね、キレイだ」
山を仰ぐ夫の横顔を仰ぎ、シオは瞳を細めた。農業を生業とする夫のまなざしは、植物に優しい。
ハルキのてのひらの温かさを感じつつ、境内のあちらこちらに視線を投げる。境内には、寝子島高校で見かけたことのある生徒の姿もちらほらと見かけられた。
(新学期ですもんね)
和らいだ瞳の先、お三夜祭で意気投合したことのある女子高生の姿を見つけた。参拝のために本殿へ向かっているらしい黒髪の彼女──
響 タルト
に向け、シオは軽く会釈をする。
「声かけてみる?」
妻と並んで会釈をする夫の提案に、シオはこくりと頷いた。手を振るタルトと歩み寄り、穏やかに笑いかける。
「お花見日和ですね~」
「あ、旦那さんも一緒だ~、こんにちはっ」
ポニーテールを元気に揺らしてぺこんと挨拶してもタルトはなぜだかくすぐったそうな笑顔を見せた。
「いつもラブラブですね」
くるりとした栗色の視線が注がれているのは、並んで立つふたりの真ん中、ぎゅっと繋いだままの互いの手。
「はわ、これは、」
白い頬を見る間に薄紅に染め、動揺のあまり普段の口調を崩してしまうシオに、ハルキは思わず感動する。ついうっかり、恋人つなぎした手をもっとぎゅっと握り締めてますます解けないようにしてしまう。
「この手、いつのまに」
恋人つなぎにしていたことに気づいていなかったらしい妻が、ますます可愛らしかった。それでもあんまり動揺させてしまうと、これから先、外で手を繋いでくれなくなってしまうかもしれない。
「串団子、炙りたてのいい匂いがする」
タルトの気を逸らすべく話題を変えてみる。それに、動揺したシオを見られるきっかけとなってくれたタルトにお礼として何かしらおやつをあげたい。小腹が空いてきたな、と言い添えれば、
「オススメの甘味ってありますか?」
ともかくも気を取り直したシオが乗って来た。その隙にハルキは解かれかけた手を繋ぎ直す。
「僕も詳しくないけど、どれも美味しそうだね」
ハルキの視線を追いかけ、屋台の炭火で焼かれている串団子を眺める。
「やっぱりお団子かな~、花より団子っていうし」
「桜餅も美味しそうですね」
串団子の隣に並ぶ和菓子に目を奪われたシオの言葉にも頷き、タルトはそれじゃあとお辞儀をする。
「団子でも一緒に」
「ううん、ふたりの邪魔はしないですよっ」
ハルキの言葉に首を横に振るついで、悪戯っぽくウィンクしてみせれば、シオの顔がまたぶわりと赤くなった。
末永くお幸せに、と笑ってから、タルトは元気な足取りで本殿へと向かう。お作法通りに手を合わせ、お三夜さまにご挨拶。
(もう今年は三年生かあ)
高校の最高学年になっても、願うことはただひとつ。
(今年もたくさん面白いことや萌えと出会えますように!)
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3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
65人
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シナリオガイド公開日
2021年01月23日
参加申し込みの期限
2021年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月30日 11時00分
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