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【お花見】花の盛りの寝子島で
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ダブルデートをするのも三回目、今日は寝子島温泉で宿泊しての二日目だ。
「わ、すごい!」
「おおー、さっすが!」
貸し切りの混浴露天風呂への扉を開けた
城山 水樹
と友人の檜原友美が賑やかな声を上げている。藤製の衝立の向こうから、春風と共に流れ込んでくる温泉の匂いに、
ヒュー・ヒューバート
は頬を緩めた。
畳敷きの脱衣所で浴衣を脱ごうとして、ふとその手が止まる。いつもの癖で、腕に時計をはめてきてしまった。
「いい時計だ」
隣で同じように浴衣を脱ごうとしていた友美の恋人、高丘大地が穏やかに笑んだ。獣医志望の大地は、モデル業をしている友美の華やかさを包み込むような優しい笑顔をする。
「ありがとう」
ホワイトデーでもある誕生日に水樹からもらった時計をそっと外し、脱衣籠の中に大切に忍ばせる。
「ね、早く早く!」
「先に入っちゃうよー!」
衝立の横からひょこりと顔を覗かせる湯浴着姿の女性ふたりに、ヒューと大地は顔を見合わせて笑いあった。今行く、と混浴風呂に備え付けられた湯浴着を纏い、四人揃って外に出る。
温かな湯気と春風に包まれた檜造りの屋根の設けられた岩風呂の周りには、今を盛りの桜が満開だった。
「温泉旅館と言えば朝風呂だよねー」
「そうだね」
はしゃぐ友美と頷く大地の背を眺めつつ、ヒューは隣に並ぶ水樹の滑らかな肩にいつのまにかくっついていた桜の花びらをそっと指先でつまんだ。きょとんと眼を丸める水樹に、掌に乗せた桜を示す。
「ほらもー、いちゃついてないで入って来てよー」
先に湯舟に浸かっていた朋美に囃し立てられ、水樹とヒューは顔を見合わせたままふたり揃って顔を赤らめた。
「付き合って二年でしょー? 倦怠期とかないわけー?」
「もう、からかわないで」
呆れたような羨ましいような顔をする友美の隣に水樹がわざと湯を蹴立てて入り、派手に飛沫を上げて抱き着く。
貸し切りであるのをいいことにきゃあきゃあと子どものようにはしゃぐ女性たちから離れ、ヒューと大地はのびのびと湯につかる。
「昨日は楽しかった」
「それは良かった」
大地の言葉にヒューは微笑む。
昨日四人で行った寝子島イリュージョンランドでは、去年のようにフォトセッションをして遊んだ。とはいえ去年はふたりきり、今年は友人カップルも一緒に。恋人二組での写真撮影は、ふたりきりの時とはまた違った楽しさがあった。
「ヒュー!」
「大地!」
湯の中で仲良く抱き合っていたかと思えば、今度はこちらに向けてお湯を掛けてくる水樹と友美に、男性ふたりは顔を庇いながら声を上げて笑う。
「そうだ、お花見電車に乗ってみない?」
今朝方にスマートフォンで寝子島の観光案内サイトで見つけたという情報を友美が得意げに披露し、水樹がおもしろそうよねと頷けば、旅館を出たあとの予定は決定。
「お昼のに乗れるんじゃないかな」
「さっすが友美!」
今日一日きりしか走らない電車について如才なく時刻表までチェックしていた友人に、水樹はもう一度抱き着いた。
花降る露天温泉を堪能し、温泉旅館の朝ごはんってなんでこんな食べられるんだろうねとみんなで言いあいながら和食も堪能し、こころゆくまで楽しんだ寝子島温泉旅館をチェックアウトする。
古びた温泉街を、荷物を手に歩く。
実家が旧市街で古本屋を営んでいる水樹にとっては見慣れた風景も、東京住まいの友人にとっては旅情たっぷりの観光地。
まだ開店前の温泉まんじゅう屋を覗き込んだり、昔懐かしい雰囲気の民宿を背景にスマホで写真を撮ってみたりと、めいっぱいはしゃぐ友美につられ、水樹もふわふわと楽しい気持ちになってくる。
「このまま歩いて寝子島神社の桜祭りでも立ち寄ってみる?」
「乗車時間まで余裕ありまくりだしねー」
大地と腕を組んで先を歩く友美に提案すれば、待ってましたとばかりの返事が返って来た。
桜に彩られた坂道を下れば、周囲の桜を映してきらきら輝く耳福池を経て、寝子島神社に辿り着く。昼前の桜祭りはまだ少し人出は少なくて、だからこそ爛漫に咲く桜を楽しむことが出来た。
頭上の桜を仰ぎつつ、水樹は傍らを歩くヒューの手にそっと触れる。迷うことなく握り返してくれる掌が嬉しくて、同じ高さにある横顔を見たはずが、ヒューも水樹を見ていてくれた。
思わぬ近さで視線が絡まって、ふたりはほとんど同時に胸を高鳴らせる。顔を赤くしてしまう。それでも見つめ合った瞳を外せずにいると、
「真昼間からそんなにのろけてどうするのよ!」
屋台巡りに精を出していたはずの友美が鋭く突っ込んで来た。とはいえ、少し羨ましそうではあるものの、大地と腕を組んだ友美の眼は楽し気に笑っている。
屋台で買った金平糖をみんなで分け合いながら参道商店街まで降り、朝早くから開いている土産物屋に友人カップルを案内するのは、地元住民である水樹の役目。
「サンマさんキーホルダーとか、最近だとマンボウくんクッキーとかかな? この時期だと桜にちなんだお菓子も出てるわよね」
あれやこれやと寝子島土産を買い込む友人を手伝っているうちに、気づけば電車の発車時刻はもうすぐ、寝子島駅ももうすぐそこになっている。
「もう到着してる……!」
ホームに停車している満開の桜が描かれたねこでんを見つけ、急げ急げと駅舎をみんなで足早に向かいながら、水樹はホームの売店をちらりと見やる。さんまさん弁当にお花見弁当、眼にも賑やかな駅弁が並ぶ売店では、仲の良さそうな女子二人組が楽しそうにお弁当を選んでいる真っ最中。
「セレッソさん、どれにしましょう?」
黒縁眼鏡の奥の黒い瞳をきらきら輝かせ、
薄野 五月
は目の前の商品棚にずらりと並ぶお弁当を右から順番にチェックする。
秋刀魚一本丸ごと使ったサンマさん一本勝負寿司や桜型弁当箱の花弁ごとに色とりどりのおかずが詰められたお花見電車限定弁当、花籠入りのお花畑のようなちらし寿司に菜花と卵のサンドイッチと苺のフルーツサンドの詰め合わせ──
「どれも美味しそうだね」
「どれも美味しそうナノ!」
隣で同じように商品棚を熱く見つめていた
御薗井 E セレッソ
が空色の瞳をくるくると丸くして笑う。
「迷っちゃうワ!」
「これは悩みます……」
「駅弁って沢山種類があるのネ!」
青空の下の桜の景色とよく似て賑やかで華やかな数々の駅弁を前に、ふたりは顔を寄せ合って迷いに迷う。
「……むむむ」
「むむむナノ」
そうして迷うのさえも楽しくて、五月は笑みを零す。
「ふっふ」
「うふふ」
つられてセレッソも笑ったとき、お花見電車の出発時刻を告げるアナウンスが流れた。念のためと売店内の時計をちらりと見やって、五月は目を瞠る。
「電車の時間が……!」
「も、もう搭乗時間ナノ?!」
慌てて駅弁を二個買い込み、詰めてもらった桜模様の袋をかさかさ言わせながらホームへと急ぐ。同じ電車に乗る人々の流れに沿って歩いた通路の先に待っていたのは、
「ワオ、桜ラッピング!」
満開の桜を描きこんだ特別仕様列車。
「ボックス席を予約しちゃったワ!」
「やあ、楽しみですねー」
迫る出発時刻を気にしてひとまず列車に乗り込めば、全席窓に向けられた座席が出迎えてくれた。床に描きこまれた桜模様や網棚に飾りつけられた造花の桜や小さな灯篭を楽しみながら、予約席専用車両に向かう。
ボックス席にひとつひとつつけられた花の名前の座席名をふたりで確かめながら通路を進む。なばな、たんぽぽ、すみれ──
「みーつけた! ナノ!」
「なでしこ、だね」
向かい合わせに座った途端、かたん、と電車が動き出した。
「やあ、何とか間に合ってほっとしたー」
ふっふ、と笑う五月と一緒に胸を撫でおろし、セレッソはふたりで挟む格好のテーブルにお弁当を置いて、
「テーブルがとっても大人ナノ!」
キャア、と歓声をあげた。
大きめの猫足硝子卓の硝子面に彫り込まれた精緻な筆致の桜模様を、セレッソは白い指先でなぞって瞳を細める。
「寝子島にはずっと住んでいるけど、そう言えばお花見電車に乗ったのは初めてかも」
「ちょっと星ヶ丘へお散歩に行くのになんだかとっても贅沢をしている気分ナノ!」
流れ始める春景色をふたりで楽しむ。
いつもよりもゆっくりめな線路の音、周りの人たちの楽しそうなざわめき、窓の外を彩る薄紅の桜と青空と春の海。
「小旅行みたいだワ」
「こうして見るとまた違う景色に見えて楽しいな」
寝子島街道に沿う桜並木の薄紅と菜花の黄色に瞳を和ませていたふたりの耳に、車内販売の開始を告げるアナウンスが届いた。
「そう言えば、慌てて乗ったから飲み物とかまだだね」
「五月チャン、ワタシにお任せナノ!」
スマートにみなしてみせるワ、と意気込みつつ、セレッソは車内販売のワゴンを意気揚々と待つ。近づいてきたワゴンに向けて元気いっぱい挙手して声をかければ、販売員のお姉さんはにこにこしながら商品を見せてくれた。
桜色のチョコ掛けクッキーに苺ミルクキャンディ、三色お花見団子や桜餅にあったかいほうじ茶や紅茶のペットボトル。
気になるお菓子やお団子、それからふんわりあったかいお茶を二人分。ありがとナノ、とお姉さんを見送って、ふたりはテーブルいっぱいに広げたお菓子やお弁当に揃って目を輝かせるも、
「きゃ──!!」
「あ……!」
不意に明るく眩しくなった窓の外に視線を奪われた。
「セレッソさん、桜のトンネル!」
「五月チャン五月チャン凄いノ!」
思わずテーブル越しに手を取り合い、窓に額をくっつける勢いで窓の外を埋める桜の花と眩しい日差しの色を見つめる。硝子越しではもったいなくて窓を開けた途端、桜吹雪が舞い踊った。窓から次々に飛び込んで来てはテーブルの上に降る桜の花びらに、ふたりはくすくすと笑いあう。
「綺麗だねー」
「素敵ナノ!」
飛び込み参加な桜の花びらもお供にして、まずはお茶で乾杯。
「ふっふ」
「えへへー」
お楽しみのお弁当は、セレッソがサーモンと胡瓜にチーズや卵と照り焼きチキンをこれでもかと分厚く挟み込んだわんぱくサンドイッチのバスケット、五月が花形の桜色おにぎりに桜の塩漬けや筍の天ぷらや鰆の幽庵焼きがぎゅっと詰まったお花見弁当。
窓の外の桜を眺めたり、お弁当を食べたりお互いに気になるものを交換してみたり、お菓子を摘まんでお話をしたり。
(また来年も来れるといいな)
春の一日を大好きな親友と過ごしながら、五月はふわりと心を温かくする。
「五月チャン」
「はいー」
「五月チャンは……もう高校卒業のあとの事、決めたカシラ?」
桜景色の中に将来を尋ねられ、五月はちょっと真面目な顔をする。そうしてから、淡く、けれどしっかりとした光を瞳に煌めかせる。
「調理師免許を取りたくて」
旧市街は参道商店街の『蕎麦屋すすきの』の長女であるところの五月は、常日頃から店を手伝っている。お腹を空かせてお店に入って来たお客さんが美味しいものでお腹を膨らませて元気になるのを見たり、出前先のお客さんの待ちかねたような顔を見たりしているうちに、やりたいことは自然と定まってきていた気がする。
「マタ大に行こうか、それとも専門学校かで迷っていて」
もう私達も三年生なんだね、と瞳を伏せる五月の手を、セレッソはぎゅうっと両手で握った。
「五月チャンのお蕎麦、ワタシたーっくさん! 食べたいワ!」
「天ぷらもつけるね」
「えへへー」
「ふっふ」
ふたり揃って笑いあい、ふたり揃ってお茶を飲む。
「セレッソさんは?」
「ワタシはパーパとは違う形だけど、出版翻訳をやりたいなって思っているワ」
でも、とセレッソは少し考える風をする。
「皆とお話するのは大好きだけど、それを言葉として書き記すのはまだまだだと思ってて、……」
みんなに出す手紙のように便箋を重ねても伝えたいことを伝えるのは難しいかもしれない。でも、
「だから勉強したいノ!」
言葉を、たくさんたくさん。伝えたい気持ちを綺羅星のような言葉に包み込んで、伝えたいひとの心に届けられるように。
「でも、このまま寝子島で木天蓼大学に行きながら勉強をするか、語学部がある大学を目指すか迷っているワ」
目指すところは決まっていても、そこに辿り着く手段がまだ決まっていない。
「五月チャンと同じで、迷ってるノ」
ぱくり、セレッソは桜クッキーを口に含み、その甘さに顔を綻ばせる。真面目な顔で耳を傾けてくれている五月の口にもクッキーを放り込み、一緒に笑ってみる。
「パーパと一緒だった時は旅をするのとか慣れていたのに、今は環境が変わるのが逆にちょっとだけ怖いノ」
五月チャンはどう? と問われ、五月はもぐもぐしながら考える。
「セレッソさん、それは」
窓の外の春を眺め、正面の親友を見つめ、五月は瞬いた。
「今がとても楽しいということ、だよね」
「そうネ」
「だったら、私もやっぱりちょっと怖いかな」
言ってから、五月はふっふと笑う。笑って見せる。
「でもちょっとわくわくもする、かな?」
「そうネ、……そうナノ!」
ぱちん、とセレッソは両手を打ち合わせた。
「あのね五月チャン、ワタシたち今年で十八になるワ」
セレッソは続ける。もしかしたらワタシたちは『今一番大人に近い子供』かのしれなのノ、と。だから、とセレッソは爛漫の桜のような笑顔を浮かべる。
「この一年は今日の二人きりの花見電車みたいにちょっとだけ大人みたいな経験をして、桜吹雪トンネルの時みたいに子供のようにはしゃぐのヨ!」
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
65人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月23日
参加申し込みの期限
2021年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月30日 11時00分
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