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【お花見】花の盛りの寝子島で
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携帯ゲーム機の画面の中、虫取り網を肩に担いだ少年ふたりが森の中を歩き回っている。
『右手に桜です』
「りょうかーい」
オンラインゲーム仲間が音声チャットで知らせてくれた情報に頷き、
エスカルゴ・臼居
はゲーム用チェアをぐるりと回転させつつゲーム機を操作する。
緑も鮮やかな画面の中の森に、色鮮やかにデフォルメされた桜の樹々が現れた。
画面の中の少年の一人、頭上に『文月』と表示された少年が桜の樹を揺すって桜の花びらを落として集め、『蝸牛』と表示されたもうひとりが虫取り網を振り回して空中に舞い散る花びらを収集する。
『花びらあと何枚集めたらアイテム作れますかね』
「目標百枚」
『結構大変なんですけど!?』
ふたりがプレイしているオンラインゲームは一見ファンシーな世界に見えて、意外とシビアだ。オープンワールドなフィールドのあちこちにイベント期間中だけ咲く桜の花びらを集め、『桜シリーズ』と呼ばれるアイテムをすべて作成するには恐ろしく地道な作業な上にとてもとても時間がかかる。
オンライン上で黙々と花びら収集をしながら、エスカルゴはちらりと窓の外を眺めやった。
星ヶ丘の駅からほど近い立地にあるマンションの窓からは、寝子島街道や寝子電の線路に沿って爛漫に咲く桜がよく見える。
キャスターつきの回転椅子で、ついー、と床を移動して窓の外を覗き込んでみれば、街道のあちらこちらに設けられた屋台や、晴れた空の下で桜を愛でるひとたちで賑わっているのが見えた。
(世間は花見かぁ)
とはいえ、こうしてマンションの一室から薄紅に染まった島を眺めるのも、
(これもまたいい感じの花見だなぁ)
そんなことを考えながらも、ゲームの中で花びらを集める手は止まっていない。ゲームの中でも花見は出来る。
(リアルの花見もいいんだろうけど、人込みはまだ苦手で行きたくないし)
両親の事故に端を発した遺産相続の騒動で人間恐怖症となって、それはオンライン生活やオンライン仲間のお陰で多少軽減されたものの、それでもやっぱり怖いものは怖い。仲間を集めて会社を設立し、会社員となった今も引きこもりライフは継続中だ。
(付き合ってくれる文月にはとばっちりかもしれないけど)
申し訳ないなと思ったりは、──あんまりしない。
「さぁ、桜でも愛でながら花びら集めを頑張ろうか! あと他のゲームでもなんか新しいシーズンイベント始まってたからいこう!」
鬼と言わば言えとばかり、エスカルゴは芝居じみた高笑いをしてみせる。
「春の限定スキンも取りにいこう!」
『あー外ではみんな花見やってんのに、俺は部屋で何をしているんだろう』
「何って、ゲーム」
『ゲーム楽しいけどいい天気だなぁ、あったかそうだなぁー』
ぼやき始めた挙句、ゲーム内のアバターまでうずくまっていじけるポーズを取り始める文月に、エスカルゴは首を傾げる。
「文月もリアルの花見がしたいの?」
『したいなぁー』
「自分の部屋から見えない?」
返事の代わり、アバターの少年が首を横に振った。
(それはちょっとつまんないだろうな)
窓の外をもう一度眺めてみる。窓の下に見える満開の桜は、ひとりじめするにはちょっと惜しいかもしれない。
「ねぇ文月、僕の家に遊びに来る?」
場所は知ってると思うけど、と回転椅子をゆっくりぐるぐる回しながら提案してみる。
「僕の部屋から綺麗な桜が見えるよ」
『なんて羨ましい環境……!』
心の底から溢れたらしい言葉に、思わず言葉が弾んだ。
「しょうがないにゃあ、きたらいいじゃん。うちに」
『やったー!』
フィールドに大の字になっていたアバターの少年がぴょこんと起き上がった。張り切ってものすごい勢いで桜の花びらを集め始める。
『これ終わったら急いで支度して向かいますね!』
「電車に揺られて桜を見ながら来たらいいんじゃない?」
そういえば、と思い出す。郵便受けに『お花見電車』なる寝子電企画のイベントの広告が入っていた。街道の屋台はそのイベント関連なのだろう。
時間が合うかは分からないけれど、桜の花のラッピング電車に乗って来るのも楽しいかもしれない。時間が合わなくても、普通電車でも桜は眺められるだろう。
『電車賃がもったいないからチャリで行きます!』
「元気だな……」
はしゃいだ返事に、引きこもりの会社員は自転車で爆走する男子高校生の姿を想像して思わず笑った。
大はりきりな文月のお陰で、桜の花びら集めは思っていたよりも短い時間で終わらせることができた。
「じゃあ、遅めの昼とか食べるものは準備しておくから、文月はお菓子とか持ってきてよ」
『はーい!』
それじゃ、と音声チャットが切断される。
文月こちらに向かっている間に、食べるものを用意しておこう。
(お手伝いさんが、だけど)
ゲーム機を一旦スリープ状態にし、部屋を出る。
(花見っぽい食べ物って何だろうな)
ゲーム機と充電器を忘れず鞄に入れる。あとは財布さえあれば何とかなる。
「よし」
鞄を手に家を出れば、温かな春風が額を撫でた。眼鏡に貼り付く黒髪を払い、
史越 奈津樹
は自転車の籠に鞄を放り込む。
オンラインでよく一緒に遊ぶ青年のもとへと向け、自転車のペダルを大きく踏み込むと、籠の中に吹き寄せられていた桜の花びらがふわりと舞った。
花びらをお供に、寝子島街道を行く。
昨日に引き続きお花見日和な今日は、街道沿いのあちこちにお祭りじみた屋台が出ている。
焼きトウモロコシに海鮮焼き、綿飴に焼きそば。色んな屋台と桜並木と、お花見を楽しむ人々を横目に自転車を走らせていて、
(あ)
和菓子の並ぶ屋台の前で足を止める。お花見と言えばお花見団子に桜餅。色とりどりの金平糖も、ゲームをしながらつまんで口に運ぶのにいいかもしれない。
(コンビニのお菓子もいいけど)
お邪魔するからにはポテチやスナック菓子ももちろんいっぱい買っていくつもりではあるけれど、お花見っぽい和菓子も喜んでもらえるだろうか。
屋台の和菓子をふたり分買い込み、ついでに隣の飴屋で金平糖と桜の花びらのかたちをした飴も買う。もう一軒隣のポップコーン屋で苺ミルク味の甘いポップコーンも買う。あとは道の途中にあったコンビニに寄り、目についたお菓子を籠に放り込めば準備は万端、マンションの窓から桜を見下ろしつつ、一日中引きこもって心置きなくゲームが出来るというもの。
「うん、よし」
自転車の籠いっぱいにお菓子を詰め込み、寝子島街道を一路、星ヶ丘駅近くに建つエスカルゴのマンションに向かう。
「おー……」
星ヶ丘の瀟洒な街並みに、白壁に青いベランダが印象的なマンションはよく似合う。
(いつ来ても立派だ)
洒落たデザインのエントランスには、目立たぬ位置に小さな銘板がある。マンションに入っているいくつかのテナントの中には、モバイル向けゲームアプリや家庭用ゲームソフトを開発している会社もあった。
遊んだことのあるゲームアプリの開発会社の銘板をしばらく眺めてから、エレベーターホールに向かう。到着したエレベーターに乗り込み、エスカルゴの家がある上層階のボタンを押す。
上昇してゆくエレベーターの窓から、桜に彩られた島が見えた。
遠くに見える春の海の色にも目を細め、エレベーターを出る。ひとつの階層に数軒しかない豪華な造りに慄きつつ、オンラインゲーム仲間の家の玄関の前に立つ。インターホンを鳴らせば、お手伝いさんらしき女性の声がした。
「あっ、あの、史越といいます、コンニチハ遊びに来ましたっ」
「文月!」
緊張した声で告げるとほぼ同時、待ちかねたように扉が開いた。
「さぁ、イベント周回イベント周回!」
わくわくと目を輝かせるエスカルゴの、オンラインと変わらない様子に思わずホッとする。手を引かれるようにして部屋にお邪魔してみれば、待っていたのはお手伝いさんお手製のお花見弁当。
「ちょっと張り切り過ぎたらしくて」
「おー……!」
ほんの少し困ったように笑うエスカルゴとは反対に、奈津樹は目を輝かせる。
「そうだ、文月」
早速ゲーム機を取り出す男子高校生に、実は正体を隠して奨学金を支援している人物であるところのエスカルゴはシレッとした顔で訊いてみる。
「せっかくなら学校の話とかも聞きたいなー」
「学校の話はノーです!」
両手いっぱいに抱えてきたお菓子をお弁当の周りに広げながら、奈津樹はちからいっぱい首を横に振った。
「言いたくないです!」
その態度から期末試験に赤点が多かったこと、追試や補修で何とか進級できた状況であることを瞬時に察し、エスカルゴはそれ以上追求することを止める。
──あー勉強って難しい
そんな風に思い詰めているのか、その場にうずくまって頭を抱える奈津樹の背中をぽんと叩き、爽やかな笑顔を向ける。
「ゲームしよう、文月! あと花見!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
65人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月23日
参加申し込みの期限
2021年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月30日 11時00分
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