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【お花見】花の盛りの寝子島で
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今日だけの特別、のはずだった。
予約しているお花見列車のことは秘密にして、おでかけしましょう、と仲良くしている
古家 日暮
とその家族を連れて寝子島駅まで歩いて、
「サプライズです!」
お花見列車のパンフレットを手に、桜咲く駅舎を背景に日暮たちをわくわくと振り返った
宮祀 智瑜
が見たのは、視界いっぱいを埋める青の世界。
「わっ?!」
思わず声を上げて気が付いた。息が出来る。話も出来る。
「日暮さん、夕さん、こんちゃん」
背後で茫然と立ち尽くす友人たちのもとに駆け寄る。いちばん小さなこんの手を取る。
「大丈夫ですか?」
「へいき! ふしぎ!」
おかっぱ頭の髪をゆらゆら水に揺らし、怪談好きな幼女が顔中で笑うのにひとまず安心する。隣に立つ日暮と夕も、驚きはしているものの取り乱してはいない。
「なんや町があるなあ」
「だあれも居らへんみたいですねえ」
のんびりと言葉を交わすふたりの視線の先には、水底に沈む石の町があった。石の家々を呑み込むようにして根を伸ばし枝を伸ばして満開の花を咲かせる桜の樹があった。
「電車の中ではなさそう、です……」
水中に咲く桜の不思議さに夜色の瞳を瞠る智瑜の手をこんが引く。行こう行こうと促され、桜の花びらがところどころに散らばる白砂の上を踏み出した、そのとき。
「智瑜ー! こんー!」
大型の魚の勢いで、町から蒼い髪の子どもが飛び出して来た。あっという間に智瑜たちのもとに到達して砂の上に舞い降りるなり、
「遊ぼう! なんか桜いっぱい咲いてて変だけど綺麗だ!」
少し前から寝子島の海に棲みついている水底の世界から来た少年は興奮しきりに笑った。
「夕もいる! 古家のおっちゃんも!」
こんとだけ知り合いかと思っていたものの、ユニは夕と日暮とも顔見知りであるらしかった。どうやら日暮の家の近所に友人が引っ越したことが縁で知り合ったらしい。
あとから歩いて行く、と穏やかに笑う日暮と夕に手を振り、智瑜はこんとユニと手を繋ぐ。慣れた動きで泳ぎ始めるユニに半ば引っ張られるかたちで、桜咲く遺跡の町へと向かう。
桜の根が這う路地をふわふわと歩いてみたり、町に遊ぶ魚たちと追いかけっこをしてみたり。歩くのに飽きたら水中に跳ね上がって、町を覆う幾百もの桜の樹を横から見たり上から見たり。
「この樹がいちばんでっかい! すごいんだ!」
なんだか得意満面なユニに連れられ、桜の巨木の梢に三人で並んで座ってみたり。
「綺麗……」
丘に造られた町の天辺にある神殿の屋根より高い位置で枝を広げる立派な桜に腰掛け、舞い散る桜に手を伸ばしながら、薄紅に飾られた白い石の町を見下ろしながら、智瑜は笑った。
春の寝子島を楽しみながら、三人で買い物に来ていたはずだった。
それなのに、気づけば水中に桜が舞っていた。
(え、え、なにこれ神魂?)
慌てて口元を抑えて息を詰める
小山内 海
の手を、
橘 千歳
の手が優しく掴む。
「大丈夫よ、息は出来る」
冷静な口調で静かに宥められ、
「……また神魂か?」
周囲を油断なく見回す
御剣 刀
に背中を軽く叩かれ、海は強張っていた肩から力を抜く。ふたりが居てくれれば、どんな事態に陥ってもきっと大丈夫だ。
「まぁ、いつものやつよね」
刀に応じつつ、安心させるように手を繋いでくれる千歳の優しさに海は口元を綻ばせる。こぽん、と唇から零れた空気が、銀色の泡になって水中を登って行った。
(水の中なのに息ができるのってなんか不思議)
幼い頃に患った病の関係で、海は声を発することができない。普段はスケッチブックを使って筆談しているけれど、ここでの紙の使用はもしかしたら難しいかもしれない。
鞄を探り、小さいサイズのホワイトボードとペンを取り出したとき、
「凄いな」
刀が小さく呟いた。碧の世界に凛と背を伸ばして立つ刀の視線を追う。いつもは青い空が占めるはずの頭上を、今はきらめく水面が埋め尽くしていた。
刀の視線は上から正面へと巡る。透き通る碧い水ばかりかと思っていた視線の先には、白い石で出来た町があった。そうして、その町を埋め尽くさんばかりにして咲き乱れる、薄紅の桜。
『ほんとにすごい』
海がホワイトボードに書き込んだ文字を確かめ、刀は笑う。
「折角だ、ここでデートの続きをしよう」
「あれは遺跡?」
刀の言葉に小さく微笑みつつ、千歳は青い水の世界に眼を凝らす。満開の桜に包み込まれた石の町には、誰かしら居たりするのだろうか。そうしてその誰かは、こちらに危害を加えてきたりしないだろうか。
「町の跡かな?」
海の手を刀に託し、千歳は町へと歩を進める。油断せず、瞳を凝らし耳を澄ませ、神経を尖らせるも、見えてきた町の入口やその付近に人の姿は見えなかった。もしかしたら同じように迷い込んだ人が居るのかもしれなかったけれど、少なくとも、そのひとたちがこちらに危害を加えてくるようなことはありえない。
桜の花びらがひらひらと舞う。舞い散る桜に戯れて、色とりどりの魚たちばかりが町に遊んでいる。
それはひどく幻想的で、ひどく牧歌的な景色にも見えた。
指先に海の手が触れた。追ってきてくれた海と刀に、千歳は静かな笑みを送る。
「……どうも住んでるのは魚だけみたいだから、買い物の続きは無理そうだけど」
町に近づけば、町を覆う満開の桜の美しさが目を奪った。
「満開だわ。いい花見が出来そうよね」
「まあ花見の道具とかは当然用意していないんだけどね」
『すごくきれい』
千歳の言葉に頷き、刀の言葉に笑い、海は視線を上げる。
青空の代わりに透き通る水と、そこを舞う桜の花びら。そうして、町のそこここで満開に咲き誇る桜。
(幻想的……)
確かに、ふたりが言うようにここでお花見をしていくのがいいかもしれない。となれば、問題は確かに刀が言うように何の準備もしていないこと。
(見て回るだけでも楽しいかもしれないけれど……)
絵を描かないふたりには、それだけではきっと物足りない。
どうしたものかと周りを見回してみた海の眼が止まったのは、刀の手元、いつの間にか抱え持っていたピクニック用のビニールシート。
「って、刀君」
『そのシート…』
海と千歳、ふたりの驚きの視線を受け、刀はちょっと得意げに笑った。
「神魂が絡んでるなら望めば出てくるとかあるんじゃないかな、って」
願ったら出てきた、とあっけらかんとした様子の刀に、女子ふたりは顔を見合わせる。
『ええ…』
「ほんとに?」
「ほんとほんと、ありがたいよな」
ここでいいかとシートを広げて早速腰を下ろす刀の隣、海と千歳も並んで座る。
「ここで花見するなら、何か軽食も欲しいわよね」
何もないシートの上を眺め、眼前に広がる桜と遺跡の景色を眺め、千歳が小さく首を傾げた。いくら神魂とはいえ、食べ物まで現れたりするものだろうか。
(悩んだって仕方ないわよね)
とにかくも目の前には綺麗な桜の景色があって、刀は何もないところから敷物を出現させてみせた。できるできないはやってみてから考えよう。
みんなで食べるにはどんなものがいいか考えてみる。
(サンドイッチとか……)
思い浮かべた途端、正座した千歳の膝の前に銀の皿に乗ったサンドイッチが現れた。黄身の色も鮮やかな卵に見た目からしっとり滑らかなツナマヨ、断面からして美味しそうなハムと胡瓜に新鮮シャキシャキなレタスとチーズ。
(本当だわ……)
魔法のように現れた食べ物を前に、千歳は戸惑う。恐る恐る卵サンドを摘まんで思い切って口に放り込んでみて、ぱちぱちと瞬く。味は悪くない。
(むしろ美味しい部類だわ)
神魂の奇妙さに目を白黒させる千歳の膝を海はぽんぽんと叩く。今度は私の番とばかり、張り切って食べるものを考えてみる。千歳がサンドイッチを出してくれたから、
(私は……これかな)
ぎゅっと瞼を瞑って願ってみると、崩して座った膝の前、ふわんと水が動く気配がした。そうっと開いた目の前には、丸くて大きな缶入りのクッキーたち。たっぷりチョコチップのクッキーやナッツぎっしりのもの、色鮮やかなジャムの乗ったもの。
(ほんとに出てきたよ、クッキー)
わあ、と目を輝かせる海を微笑ましく見つめ、刀はもう少しだけ考える。軽食にお菓子とくれば、
「飲み物も欲しいかな、俺は珈琲で」
口にした途端、マグカップ入りの珈琲が現れた。水の中にあって湯気を立てる不思議な飲み物を手に、刀はなんだか楽しくなって笑う。
海はミルクティ、千歳は無糖の紅茶、それぞれ好みの飲み物を手元に置いて、あとは花見をするばかり。
(この景色をスケッチできないのがちょっと残念かな)
左右に座ってくれている千歳と刀と寄り添いあって手を繋ぎ、海は青い世界に佇む桜を見上げる。今は、ふたりと一緒の時間を心ゆくまで味わっておこう。絵は、寝子島に帰ってから描こう。
(しっかりと目に焼き付けておかないと)
桜を仰ぐ千歳の真っすぐなまなざし、刀の手の大きさや力の強さ、水中に踊る薄紅の花びら、桜の樹々を纏った不思議な石の町、それら全部を包み込む透き通った青の色──
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
65人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年01月23日
参加申し込みの期限
2021年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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