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プールびらきはサニーデイ
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目の前を横切っていくハイレグ水着の少女……つまり、クラスメイトの天満七星の姿を見送って、
伊藤 佳奈
はなんとも複雑な表情になりました。
――すごいなぁ……。
七星は誰か、溺れそうになった少女を水から引き上げています。万が一のときは助けようと佳奈も体を動かしかけましたが、その少女(やはりクラスメイトの北原みゆきでした)が無事なのを確認したので、気を取り直して再び歩き出します。
――北原みゆきちゃんも結構胸あるんだなぁ……完全に負けてる。
そんなことを思うと、なんだか自分がこのプールで一番バストがないような気がしてきます。実はそのみゆきだって体型にはいわれのないコンプレックスがあり、プロポーションに恵まれた七星も、水着のことで両親の真意や自分の選択に思い悩んでいたりするという事実を佳奈は知りません。いえ、みゆきも、七星もそれぞれ知りません。悩み多き乙女時代なのです。
とはいえ今の佳奈に、そんなことを思う余裕はありません。周囲を歩く女子生徒を見るたび、自信をなくすばかりです。
「で、でもあたしくらいの方が絶対速く泳げるんだから。水の抵抗も少ないし!」
……でも、と涙目になってしまいました。ですが彼女は目をごしごしと拭って、さっと心を立て直したのです。
「うん、気にしちゃダメダメ。あたしだってそのうちきっと大きくなるんだから!」
小声で自分に言い聞かせ、きっちり準備運動してから第7コースに向かいました。
泳げばそんな悩みも、ぱっと解消するのは嬉しいですね。水に飛び込んだとたん、佳奈のモヤモヤは溶けて消えていきました。
クロール、それから平泳ぎにバタフライ、背泳ぎだってやすやすと披露して、水泳部の現役ほどではないにせよ、なかなかの力泳っぷりを見せます。
とりあえず一通り泳いで、じゃばっと水から佳奈は上がりました。
「……やるじゃん」
声をかけられて顔を上げると、そこには
毒島 林檎
の姿がありました。
「林檎ちゃん」
元気? と佳奈は問います。
「……まあ、俺にはプール開きなんて関係ないんだがな」
退屈だからのぞきに来ただけだ、という林檎は、なんとも奇妙な出で立ちでした。
学校指定の水着着用です。それはいい。
けれど、首に赤いマフラーを巻いているのはどうしたことでしょう。六月だというのに。ていうかそもそも、ここはプールだというのに。
なおこのマフラーは完全防水加工してあるということです。水に落ちても大丈夫。たぶん。
「見ててくれたの!? もしかして、あたしを探してくれたとか?」
「……は? なに言ってんだ」
林檎は真横を向きました。
「……たまたま来ただけ……って言ったろ。伊藤を探す義理なんかねェし……勝手に泳いでればいいし……」
そうは言っていますが、ここで林檎の心の声(?)を聴いてみましょう。
「ふぇ……今日がプール開きって事失念してたよ……一応、必死に探してロッカーに水着入ってて助かったけど……友達と合流するタイミング逃しちゃったよ……。ゆづきちゃんは他の友達といて話しかけられなかった……佳奈ちゃんが一人じゃなかったら……寂しくて寂しくて泣いちゃったかもしれないよぉ……」
もちろんこの声は佳奈には聞こえませんが、佳奈はなんだか理解したような顔をしてうなずきました。
そこへ、
「ちょっと、あなた」
腕を組み仁王立ちして、林檎を見つめている姿がありました。
「ハイレグ水着はギリギリ見逃せても、それはちょと見逃せないわ」
恐怖の風紀委員長、北風貴子です。(その後ろから、佐久間堂鉄もついてきていました)
「なんか用……ですか?」
とってつけたような敬語で応じ、ナイフのような目で林檎は貴子を見つめます。身長は同じくらいでしょう。けれど貴子のほうが、そびえ立つ巨人のように感じるのはなぜなのでしょうか。
「プールでマフラーは認めるわけにはいかないわ。首が絞まるかもしれないから危険よ。外しなさい」
「で、でも林檎ちゃんのマフラーは……」
佳奈はおずおずと反論しようとしましたが、林檎は彼女を手で制して言いました。
「……ッ!? こ、断る! これは俺のトレードマーク……そして俺の大事な……」
林檎の手が、ぎゅっとマフラーを握りしめました。
このマフラーは、彼女の祖父の形見なのです。それと同時に、お守りでもあります。
林檎の心の中の声と表に出る声が異なるのはご周知の通りですが、ともすると内にこもり気弱になりそうな自身を支え、クールな振る舞いへと転化するための精神安定剤のような役割をこのマフラーは果たしているのでした。
「大事なものなら、私が責任をもって預かっておきます」
林檎が口ごもった隙を貴子が埋めました。ナイフの視線が突き刺さります。
「……と、ともかく! 絶対に外しはしない!」
こらえられなくなって林檎は駆け出しました。貴子と反対方向に脱兎のように駆けます。
「危ない!」
と声を上げたのは佳奈だったでしょうか。それとも貴子だったでしょうか。
いずれにせよその声が届いたときにはもう、つんのめった林檎の体は回転しながら、プールに落ちていたのです。
このとき、保健委員の当番は宇佐見望月から
御鏡 聖
にバトンタッチしていました。
ちょうど引き継いだばかりだったので、聖は保健当番のコーナーを整理しているところでした。
備えあれば憂いなし、聖の持ってきた道具は前任二人よりも多いものでした。
泳ぐと皮膚がふやけて怪我をしやすいということを考えて、傷薬と耐水性のある絆創膏を備え、激しい運動をすると汗をかくことから、水分補給のためのスポーツドリンクを用意していました。
誰かが溺れる可能性もゼロではないと考え、その後の対処についても考えているところでした。
「えっ、事故発生……ですか!」
弾かれたように立ち上がった聖は、一も二もなくプールに飛び込みました。
本当のところ、聖は泳ぎが得意ではありません。これは泳ぎに限らず、運動そのものが苦手なのです。
ですが万が一のことは常に考えていました。準備運動も十分に行って、いざとなれば救出するつもりもありました。その覚悟が突然、問われることになったのです。
――いざとなれば私だって……!
しかし、聖がそこまで頑張る必要はなかったようです。
「林檎ちゃん!」
佳奈がまっさきに林檎を捕まえていました。
それに貴子も、しっかりと飛び込んで手を貸しています。
――それなら私の役割は。
聖はすぐに水からあがり、救急箱を取って戻ってくるのでした。
「ふぇ、私はいったい……?」
林檎が気を失っていたのは、ほんの数秒のことでした。
「あわわ! なんでこんなに注目浴びてるの!」
ですがその数秒でなにがあったのか。彼女は自分が佳奈に貴子、それに多くの生徒や教師に囲まれ見下ろされていることを知ったのです。
「脈は正常です」
聖がうなずいてみせると、一斉に安堵の声が上がりました。
「林檎ちゃん……溺れてたんだよ!」
佳奈が伝えました。
「溺れてた? そ、そんな!」
このとき林檎の首にマフラーはありませんでした。
貴子はなにか言おうとしたのですが、うなずくにとどめます。代わりに佳奈が言いました。
「林檎ちゃん、あんな状況で急に走っちゃ駄目だよ。本当に心配したんだから!」
「ごめんなさい! 私……人様に迷惑かけるなんて……ごめんなさい! そして助けてくれてありがとう……」
このとき林檎は涙目でしたが、笑顔でもありました。
けれど、
「……あれ? マフラーは? あわわ!」
無意識のうちにつかもうとして、それがないことに林檎は青ざめました。
しかし心配するほどのことはありませんでした。その直後、少し離れたフェンスに赤いマフラーがはためいているのを彼女は目にしたのです。
もう一度、彼女はにっこりしました。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
学校生活
恋愛
スポーツ
定員
1000人
参加キャラクター数
108人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月26日
参加申し込みの期限
2013年10月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年10月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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