プールびらきはサニーデイ｜リアクション

プールびらきはサニーデイ

　ぐるぐるぐる……ぐるっと巻いたロールクレープを、ぱくっと島野夏帆は口にしました。
　それは生クリームとクレープ生地、渦状にまじわるハーモニー。やわらかくてほのかに温かくて……とっても甘い！　泳ぎ疲れた体には、なによりのご馳走なのでした。
「おいしいね！！」
　夏帆が笑いかけます。
「うん、おいしい！！」
　チョコバナナ味のロールクレープをほおばって、十文字若菜も満面の笑顔です。
　ぐるぐる祭をもって楽しくもゴージャスに、プールびらきは幕を閉じました。
　クレープのおごりをかけた夏帆と若菜の対決も結局、互いに勝って負けてを繰り返して引き分けという結末に終わったのでした。
　とことん戦って決着をつけてもよかったかもしれませんが、なんだか途中でどうでもよくなって、こういう形に落ち着いたのです。
　だから若菜のクレープ代金を払ったのは夏帆で、夏帆の分は若菜が出しました。
　夏帆の髪はまだ湿っています。
「十分に乾かしたつもりだけど……なかなかサラッサラにはならないね」
「うん……それに、なんだか塩素の匂いもする」
　二人は顔を見合わせます。
「でも」
「うん」
　ここでぴったり、二人の声がハーモニーを生み出しました。
「気持ち良かったー！」

　塩素の匂いも濡れ髪も、みんなまとめてプールびらき。
　クレープをかじって空を見上げましょう。とことん良い天気です。濃いブルーのサニーデイ。これから本格的な夏、ずっとこういう日が続くことでしょう。毎日のようにサニーデイが。
　でも、と二人は思いました。
　――プールの日は毎日、こんな天気だったらいいなあ！

　『プールびらきはサニーデイ』　了

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あとがき

担当マスター：桂木京介
ファンレターはマスターページから！

　いやはや、自分でも驚くほどの大作になってしまいました！
　これというのも、皆さんの熱い熱い想いが、アクションにギュッと凝縮されていたからだと思います。すべてのアクションを丹念にリアクション化するともっと分量が爆発してしまうので、ある程度の省略があったことをお許し下さい。
　また、登場シーンは分割しているキャラクターもいますのでお見逃しなく……です。

　暑い夏、楽しい夏、ドキドキする夏がはじまりました。
　どんな夏になるでしょう。記憶に残る夏にできるでしょうか……？

　それでは、また新たなシナリオでお目にかかる日を楽しみにしています。
　桂木京介でした。

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