中学生、最後の試練！学年末テスト！＜物語編＞｜リアクション

中学生、最後の試練！学年末テスト！＜物語編＞

☆テスト開始

　いよいよ今日は3学期の期末テスト。
　３年生の篠原翠響にとっては中学最後のテストでもあるので、気合を入れて臨むことにしました。
　そんなわけで、少し早めに家を出て中学校に向かったのですが。

「えっ？　何これ？」
　一瞬、バーゲンセールのの店先にでも来てしまったのかと翠響はいぶかりました。
　校門前に人だかりができていて、とてもじゃないけどすぐには校門の中へ入れそうにないのです。
「何があったんだろう？」
（もしかして何か不祥事でも起きて、それで人が詰めかけている？）
　他の学年のことで翠響は詳しくないのですが、先日にも発砲事件があったとかでマスコミが中学校に押し掛けたことがありました。
　最近はそれも収まっていたのですが、何か新たな展開でもあったのでしょうか。
　翠響は普段はパッキーの箱の中に仕舞い込んでいる持ち込み禁止のスマホを取り出して、色々と検索してみました。
「寝子島中学校……別に新しいニュースはないみたいだけど」
　まだ早すぎてニュースになっていないのでしょうか。過去の記事は引っかかってきますが、今一つ要領を得ません。
（なんか、しょっぱなでこれじゃ……大丈夫？）
　と不安を感じる翠響の耳に。
「……ざあます！」
　というおなじみの声が聞こえてきました。
（あ、校長先生だ）
　どうやら校長の杉村小春先生が対応に当たっている様子で、ちょっとだけ安心しました。
　そうこうするうちに、人込みの流れに巻き込まれて、少しずつだけど校門の内部へ進んでいくような……行かないような。
　一進一退の状況となりました。

　それでも少しずつ進み、校長先生の近くまでやってきました。
「どうなってるんですか、校長先生」
　と翠響は声をかけましたが。
「さっぱりわからないざあます」
　校長先生は首を振って、一人言のようにつぶやきました。
「見覚えのある記者に前と同じことを聞かれるザマス。もう回答済なのに、今更……」
「？」
　よくわからないまま、どうにか人込みを抜けられたので、翠響は校舎内へ駈け込みました。
「間に合った……」
　時計を見ると、テストが始まる20分くらい前でした。
　ほっとしつつ、翠響は首を傾げます。
（結局人込みが発生した理由は何だったんだろう？）
　そうこうしているうちに担任の藤倉遼先生が入ってきました。
「それではテストを始めます」
　訳も分からぬままテストに突入となり、ひとまず翠響の頭から混雑のことは吹っ飛びました。

　
　テスト自体の出来は全科目良い成績でしたが、件のことでモヤモヤした気持ちはなんとなく残ったのでした。

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