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さくら、たちばな、ももの花。~ひなまつり in ねこじま~
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花の香を纏った春風が、ひらり、華やかな衣装の袖を宙へと舞わせる。一歩を踏み出すたびに風に踊るおひなさま衣装が楽しくて、海は思わず頬を緩めた。
弾む足取りのままに向かうは、境内に軒を連ねる屋台の通り。
(おなかも空いたし)
わたあめ、たこやき、焼きそばにお好み焼き。チョコバナナにフライドポテトに、気になるものはたくさんある。
(衣装を汚さないようにだけは気を付けてね)
まずはと目を留めたのはカップ入りのフレンチトースト。生クリームとカラフルチョコスプレーがたっぷりトッピングされた目にも楽しい一品だ。
「ひとつ、くださいな」
空と海色の瞳をキラキラさせて並んだ店には、ちょっと目のやりどころに困るくらいセクシーな和風ゴシック衣装の紫苑が先に立って注文をしていた。注文の品が供されるまでの間も、両手に持ったひなあられをかけたソフトクリームをぺろり、カップ入りの大学芋をぱくり。凄まじい速度で屋台スイーツを口に運んで行きながらも、その仕草はあくまで優雅で淑やかで、動くたびにひらひらと際どく揺らめく衣装の端にもシミひとつつけたりしない。
「ありがとうございます」
生クリーム山盛りのカップを受け取り、後に並ぶ海に軽やかな会釈をし、セクシー衣装の食欲の権化は屋台全メニューを制覇すべく歩いて行く。
屋台のお兄さんに限らずどの屋台のお姉さんからも呼び込みを掛けられ、そのたびに足を止めては必ず何かしらを買い求めるセクシーなお姉さんはどうしたって人目を引く。
「……」
颯爽と歩いて行く紫苑に思わず視線を引き寄せられそうになって、けれど慎之介はなんとか堪えた。だって隣には輝夜がいる。
「屋台巡って食べるぞ!」
無邪気に笑ってあちらこちらの屋台へと視線を巡らせる幼馴染の女の子を見遣り、慎之介は快活に笑って見せた。
「半分こしようね」
着物姿で楽しそうに笑う少女は、寝子島の輝夜姫と見紛うばかりに可愛い。
そう思ってしまうのは、先のバレンタインデーに彼女からの告白を受けたからなのかもしれない。
(……いいや、ノーだ)
可愛いなと思っていたのは告白されるよりも前からだ。それより前から、
(好きだったんだ)
たこ焼きの屋台に並んで焼き上がりを待ちながら、慎之介は傍らの女の子をちらちらと盗み見る。普段着の彼女も可愛いけれど、着物姿の今日もやっぱり可愛い。自分のためにお洒落をしてきてくれていると思えばなおさらのこと。
(そこは思い上がり、かも?)
思い上がりでもなんでもよかった。
「焼きトウモロコシとイカ焼きとフランクフルトと、あとは……」
「食べきれるか?」
「ふたりなら大丈夫だよ」
だって輝夜は可愛い。それは間違いない。
輝くような笑顔を向けてくれる女の子と一緒に歩いて、美味しいものを半分こする。暗くなるまでお祭りを楽しんだあとは一緒に帰ろう。出来る限りの時間を一緒に過ごそう。
(……少なくとも)
留学のためにこの島を出るまでは、一緒の時間をたくさん過ごそう。
「楽しいね、慎之介くん」
「イエス、楽しいな。月守」
「今日は付き合ってくれてありがとう」
笑ってくれる女の子に、慎之介は心からの笑顔を返す。
「俺の方こそ、サンキュ!」
着物の少女に春物コートの少年少女が仲良く屋台に並んでいるかと思えば、おひなさまの衣装やそれを大胆にアレンジした衣装を纏った人々も楽し気に境内の屋台の通りをそぞろ歩いている。
あちこちで春風に揺れる吊るし雛や匂い立つ春の花々とも合わせて、ひなまつりに相応しい華やかな雰囲気の中、
「いちご飴っていうのが流行っているみたいなのよ」
恩は柔らかなまなざしを隣のセレッソへと向けた。女雛の恰好をしたままの少女は、いつもよりもちょっぴり歩きにくそうではあるけれど、それ以上にとても楽しそうに見える。春陽にふわりと上気した頬が眩しく見えて、恩はますます瞳を細めた。
「ここの屋台でもきっとあるんじゃないかしら?」
探して一緒に食べましょう、と長い三つ編みを揺らして屋台の通りに踏み込もうとして、いつものようにさりげなく小さな手と手を繋ぐ。
(さっきは気を遣わせちゃったもの)
今日はもう二度と可愛い彼女にそんな気持ちを抱かせたりさせない。
(ひなまつりだものね)
細い指を掴む手にそっと力を籠めて、セレッソと歩幅を合わせてゆっくり歩けば、忙しないお祭りの雰囲気の中でも心はふんわり和やかでいられる。
「イチゴアメ!」
「見ーつけた、ね」
人気の屋台の前には長い行列ができていて、でも、ふたりなら並ぶのだって苦にはならない。
「とてもキラキラしているノ!」
「そうね」
「宝石みたいでカワイイ!」
店先に並ぶ苺飴にはしゃいで輝くセレッソの青い瞳の方が美しく見えて、恩は思わず見惚れた。見惚れることのできる今の位置を嬉しく思った。
しばらくふたりで並んでやっと購入した苺飴を手に、屋台の通りから少し外れたベンチに並んで座る。
「はいセレッソちゃん、あーん」
苺飴を包む透明フィルムを剥がしてセレッソの唇にちょんとくっつければ、
「あーん、ナノ」
恩に言われるまま、セレッソはぱくりと苺飴をひと齧り。
「パリパリとジューシーがご一緒で素敵ネ!」
青い瞳を真ん丸にしてキラキラ輝かせ、着物の袖で隠れがちな掌で両頬を抑える。一口を存分に味わったあとは、今度は自分の番とばかり苺飴を受け取り、恩の唇にあーん。
「恩センパイ! イチゴアメと一緒に写真撮ってあげるノー」
小さく口を開く恩と宝石みたいな苺飴をスマホ内蔵のカメラで撮って、セレッソは春風のように笑った。
苺飴を半分こしたあとは、
「ひなあられに甘酒、かしら」
ひなまつりの景色を眺めて思案する恩に、セレッソは目をぱちぱちさせる。
「甘酒?! お酒じゃないのカシラ?! ワタシが飲んでも大丈夫?」
きょとんとするセレッソに、ちょっとだけ待っててね、とベンチを離れた恩が戻ったときに手にしていたのは、紙コップ入りの甘酒とおひなさまのイラストいりのパッケージに入ったひなあられ。
「こっちはお土産ね」
ひなあられをセレッソの膝に乗せ、紙コップは両手でそっと包ませる。
「大丈夫?」
「大丈夫よ」
恩が言うならと生姜の匂いのする飲み物を口に含む。口いっぱいに広がる優しい甘さに頬を綻ばせ、セレッソは笑った。
「えへへー、なんだかぽかぽかするみたい」
「ね」
つられて笑って、恩は僅かに瞳を伏せる。ふたりで過ごすひな祭りも、そろそろお開き。
「セレッソちゃん」
「何カシラ、恩センパイ?」
並んで座る間も繋いでいた手をそっと引き寄せる。
「セレッソちゃんをチャージしないと勉強に気合が入らないわぁ」
口だけは冗談めかして、大事に大事に抱きしめさせてもらえば、セレッソはくすぐったそうな嬉しそうな笑みを零した。
「とっっても楽しいひな祭りだったノ!」
腕の中で子猫のように笑う少女を、恩は思わずもっと強く抱きしめる。
「春休みに入ったらもう少しあえる時間が増えたらいいわね……!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月22日
参加申し込みの期限
2020年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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