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さくら、たちばな、ももの花。~ひなまつり in ねこじま~
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(おひな行列……)
目の前にしゃがみこんでまくしたててきた挙句、
「まだ時間あるのでご熟考ください! その気になったら向こうの黄色いマイクロバスまで来てねー!」
黄色いお腹をもふもふさせて立ち上がり、黄色い羽をぱたぱたさせ、
「ヘイそこの綺麗なおねーさーん!」
黄色い鳥は次なる参加者を捕まえるべく走り去る。騒がしい着ぐるみを見送り、
小山内 海
はスケッチブックの上で止まったままだった鉛筆を握り直した。
(あるのは知ってたけど)
参加するつもりはなかった。
(でも誘われちゃったし)
せっかくの機会でもある。思い切って参加してみるのもいいかもしれない。
境内の端の端に停められた黄色いバスをちらりと眺め、声を発することのできない唇をちょっと緩める。行列が始まるまで、まだ時間がある。
(キリのいいところまでスケッチしたら、少し神社をまわってみようかな)
そう、ちょうど屋台の通りを楽し気に歩いているふんわりした雰囲気の男の子を描いてから──
(ひなまつり、ひなまつりー!)
お母さんから特別にもらったお小遣いをお財布に、
曖浜 瑠樹
はわくわくと縁日の屋台を見て回る。
屋台のお兄さんやお姉さんは元気いっぱい、通りがかるみんなに賑やかに声を掛け続けている。
(楽しいねぇ)
たこ焼きのにおいにふらふら、綿あめのふわふわにふらふら、あっちにこっちに気ままに見て回るその途中、
「あっ」
焼き鳥屋台のガスボンベの近くで大あくびをしている黒猫を見つけた。
春のにゃんこはふわふわだ。
「にゃんこにゃんこー」
境内に敷かれた砂利をじゃりじゃり鳴らして近寄れば、寝子島神社の人懐こい猫は眠たげなまなざしを瑠樹へと向けた。前脚を揃えて座り直し、撫でていいよとにゃあと鳴く。
「にゃんこも楽しんでるかなぁ?」
話しかけてくる少年に、黒猫はにゃあんと短くお返事。
ふわふわにゃんこを撫でさせてもらったあとは、何をしよう。
(可愛いゆるキャラグッズとかあるかなぁ)
栗色の瞳をきらきら春陽に輝かせ、瑠樹は好奇心いっぱいの瞳を境内に巡らせる。吊るし雛も可愛いけれど、あれは売り物ではなさそうだ。
(面白い物があったら買いたいねぇ)
くじ引きをしてみてもいい、お面屋さんを覗いてみてもいい。なんたって軍資金はそこそこある。
(何か楽しいものあったらいいなぁ)
(……んん、)
花びらのようにひらひらと降り注ぐ春陽の眩しさに翠の瞳を細め、
倉前 七瀬
は活字の海に沈めていた意識を浮上させた。
(なんだか賑やかなような?)
蒲公英の咲く公園の野原で横になって読んでいた本を胸の上に伏せ、街路を歩いて行く着物姿の少女を眺めやる。華やいだ服装の女の子の他にも、たくさんの人々がどこかへと向かっている。
(んー?)
春風が躍る青空を眺めてしばらく考えて思い至った。
(あ、そういえば、ひなまつりやったっけ?)
彼らが向かっている方向には、寝子島神社がある。
(神社でお祭りでもやっとーとですかね)
転がった地面から立ち昇る土と草の匂いを鼻先に感じつつ、ふむん、と思案をひとつ。本はいつでも読めるけれど、お祭りのような行事はそうそうあるものでもない。
(せっかくやけんお祭りのぞいていきましょう~)
ころんと転がり起き上がり、枕替わりにしていた本と今しがた読んでいた本を鞄に仕舞う。背中についた草を払い、ふらりと立ち上がってふらりと向かうは、ひなまつり真っ最中の寝子島神社。
参道商店街を彩る吊るし雛や雛壇をのんびり眺めて歩き、神社までの長い石段を飾る桃の花の匂いに励まされて段を登る。
登りついた先の鳥居の脇には、誰かと待ち合わせをしているらしい着物姿の女の子や、誰かを探しているらしいお洒落した女の子の姿があった。
(おお、屋台がたくさんありますねぇ)
着飾った女の子たちにはあんまり興味を惹かれず、七瀬が楽し気な目を向けたのは境内にずらりと並んだ屋台群。
焼きそばのソースの匂いに鼻をひくつかせ、大学芋の甘い匂いに頬を緩め、空腹を訴えにかかったお腹を撫でてなだめる。
「よってらっしゃいみてらっしゃいなのですー」
向こうの方には妙な人垣を作っている屋台もあるけれど、どうやら食べ物ではなさそうだ。
「謎のナニカはここでしか買えないのですー」
それが何なのか少し気にはなるものの、今はそれより食欲を満たすが先。フランクフルトにフライドポテト、焼き鳥に海鮮焼きに、美味しい匂いを放つものがよりどりみどり。
(どれも美味しやけん)
ふわふわと、ふらふらと、七瀬は屋台の間を彷徨い始める。何を食べるかはお腹の虫に任せよう。
(迷ってしまいますー)
黒地に銀の花を描いた着物は、お気に入りの浴衣と同じ柄。
浴衣ではまだ寒いからと母が用意してくれた着物の衿を淡い色のマニキュアで飾った指先でちょっと正し、
月守 輝夜
は黒い睫毛を伏せる。
(楽しく過ごせると良いな)
佇んだ鳥居の前から、神社の石段へと視線を伸ばす。ひな祭りを楽しむために石段を登って来るたくさんのひとの中に
青木 慎之介
の姿を探す。
「何だかいい匂いすると思ったらお祭りだったんですねぇ……」
階段を軽やかな足取りで登ってきた大人っぽい雰囲気の女の人が小さな声で呟いた。なんとなく目があった輝夜に柔らかな仕草で会釈して、
巫部 紫苑
は食欲にきらきら輝く緋色の瞳を境内の屋台へと向ける。
「あっ、おねーさーん! おねーさーん!」
鳥居近くに屋台を構えていたたこ焼屋のお兄さんが一際大きな声で呼びかけてきた。
「夏の海辺でたくさん買ってくれたおねーさーん! たこ焼きあるよー!」
どうやらいつかどこかの屋台で顔を合わせたことがあるらしい。
紫苑は淑やかに小首を傾げる。何のお祭りで屋台全制覇したときのひとだろう。それとももしかしたらどのお祭りの屋台全制覇ででも顔を合わせたことのあるひとかもしれない。
彼がどこで出会ったひとであるのかなんて、紫苑には一向に構わない。大切なのは、
(今日も、美味しいものいっぱい食べられそうです)
その一点のみ。
「イカ焼きもあるよー!」
「はい、では端から順にお邪魔しますね」
まずはメニューを全種類。オススメのものは二つくらい頂こう。
今日も食欲は絶好調、食べ物屋台のメニューを全制覇してしまうくらい訳はない。
「ふふ、お祭りの屋台って何度食べても飽きませんよねぇ」
不思議です、と声を弾ませ屋台の喧騒に立ち向かう綺麗なお姉さんの凛と伸びた背中を見送り、輝夜は小さく瞬いた。
お姉さんの立ち姿を真似て背筋をぴんと伸ばしてみる。
(お母さんに着付けてもらったから大丈夫だと思う、けれど……)
がんばっておめかししてみたけれど、ひなまつりの今日は着飾った女の子たちがたくさんいる。その中に埋もれてしまったりしないかな。慎之介くんが私のことを見逃してしまっていたら悲しいな。
ことことと不安に鳴る胸を抑えて俯く足元、見慣れた靴の先が見えた。慌てて視線をもたげれば、
「ハロー、月守!」
いつも通りの笑顔を浮かべて、いつも通りに明るい声で、慎之介が立っていてくれた。
「慎之介くん」
「ソープリティ! だな」
何のてらいもなくかけてくれた言葉がすごくすごくうれしくて、輝夜は頬を赤く染める。
「どうした?」
「ちょっと緊張するね」
小さく笑えば、慎之介の頬もちょっぴり赤くなった。
「行こう、慎之介くん!」
照れくささに負けて先に立って歩こうとして輝夜はやめた。肩を並べて、ふたりで歩く。
「今日だけなのですー。買わないと損なのですー」
屋台の並びから少し外れた場所で穏やかな呼び込みに反して奇妙な人だかりができている。言ってみようと好奇心に負けた慎之介に誘われるまま人垣の端に立ってみれば、
「よってらっしゃいみてらっしゃいなのですー」
波打つ長い黒髪を春風にふわふわ揺らし、黒のキャミソールドレスに魅惑的な身体を包んだ少女──
エロ・イーアールオー
が『謎のナニカ』を売っていた。
人だかりをつくる人々の誰にもそれが何なのかわからない謎のナニカは、けれど何なのかわからないがゆえにいともたやすく売れて行く。
「もうすぐ売り切れなのですー。買わないと損なのですー」
次から次へと売れて行き、最後に一個残った『謎のナニカ』は、
「俺が買う!」
周りのひとの購買意欲につられた慎之介がうっかり手を出した。
「ありがとうなのですー」
「……ところでこれ何?」
「謎のナニカなのですー」
大事にしてくださいなのですー、と紙袋に入れて渡された『謎のナニカ』をとりあえず鞄の中に仕舞い、慎之介と輝夜はなんだか夢から覚めたような顔で次の屋台へと向かう。
「売り切れなのです」
空っぽになった売り台をひと眺めして、エロは満足げにひとつ頷く。これにてお店は閉店。少し早い時間ではあるけれど、売り物がなくなってしまったからにはしょうがない。
謎のナニカを売りさばき、エロの懐には幾ばくかのお金が入った。何に使うかと言えばもちろん、
「屋台巡りなのですー」
謎のナニカはあまりにも謎過ぎて誰にも正体不明の代物だけれど、とりあえず価値はある。ある、と人々は認識する。とはいえ謎のナニカであるため、然程大した金額にはならない。それでも、今日一日屋台巡りをして豪遊できるくらいのお金にはなる。
長い黒髪をふわふわ揺らし、ついでにおっきい胸もふわふわ揺らし、エロは近くの屋台に向かう。
「たこやき美味しいのです」
「美味しいですねぇ」
たこ焼きの屋台の傍で一緒になった紫苑と並んでたこ焼きを平らげ、
「焼きそば美味しいのです」
「ええ、美味しいですねぇ」
焼きそばも一緒に並んで平らげる。わたあめにイカ焼き、焼きうどんにひなあられ、甘酒に焼き鳥におでん。美味しい美味しいとなんでも次々もぐもぐ食べる美女二人組は、その日いちにち、ひな祭りの縁日屋台を営むお兄さんお姉さんたちのアイドルとなった。
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月22日
参加申し込みの期限
2020年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月29日 11時00分
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