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さくら、たちばな、ももの花。~ひなまつり in ねこじま~
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星ヶ丘駅で降りた途端、周りを埋める極彩色の着物の女子たちになんだか目がくらくらした。駅の構内のあちこちも、吊るし雛に雛飾りに、何なら壁のポスターだってひなまつり一色に染まっている。
(本当は父さんと釣りの約束してたけど)
電車から賑やかに降りて賑やかに星ヶ丘へと繰り出す着物姿の女の子たちから十歩も二十歩も離れて歩きながら、何の因果か三月三日が誕生日な
猫島 寝太郎
は首から提げたデジカメをお守りじみてそっと撫でてみた。
よくよく考えてみれば、父との釣りは誕生日プレゼントになるのだろうか。
うっかり思考の迷路に迷い込んでしまいそうな頭をぶんぶんと横に振る。
(まぁ、仕方ないよね~)
満面の笑顔で出かけて行った妹の顔が浮かんだ。
女の子のお祭りの日でもある今日は、ひなまつりイベントと被ってしまえば昼間は妹の時間、夜は兄である自分の時間、ということになる。
(キャットロードだっけ)
おひなさまの恰好をして商店街を巡るイベントらしい。
──お兄ちゃんお内裏さまと一緒に歩く~?
ほくほく顔の母に問われた妹は、けれど真顔で首を横に振った。
ちょっぴりショックを受けるお兄ちゃんには目もくれず、妹は学校にいる仲良しの男の子の名前をあげた。どうやらその子と約束しているらしい。
隣で一瞬真顔になった父は怖かった。
どんな男の子なのか必死に聞き出す様子はもっと怖かった。挙句、
──父さん、偵察があるから!
ビデオカメラ片手に、釣りの約束も頭からすっぽ抜けた顔で鼻息荒く出て行ってしまった。
(まぁいいか~)
多めにもらったお小遣いに免じて、父の翻意は許すことにする。それに、妹の『彼氏(仮)』が気になる父の気持ちも分からないでもない。
最初は寝子島神社の縁日にでも行こうかと思っていたけれど、ステッラ・デッラ・コリーナのロビーに飾られるお雛様も見たかった、との妹の言を思い出した。
(自分も雛祭りのプレゼントしちゃおうか)
豪華な雛壇の写真をたくさんコレクションしよう。現像して渡せば、妹もきっと喜んでくれる。
そう思い定めて星ヶ丘に来てステッラ・デッラ・コリーナに向かったものの、
(わ)
話題の星ヶ丘の高級ホテルは着物姿の女の子たちがずらりと列を成していた。
(わわ)
華やかな女の子たちの勢いに押されに押され、それでも妹のために頑張って列に並んで、雛壇と一緒に写真を撮る女の子たちの群れに揉まれながら、できればあんまり邪魔にならないように豪華な雛壇をデジカメでどうにかこうにか撮影する。
一息つこうとラウンジカフェの前に立ち、ひな祭り限定メニューを見るものの、
(とってもハイソサエティでブルジョワジー……!)
ちらりとカフェ内を覗いた途端に入る気を奪われてしまった。しかも中には着物姿の女の子たちで溢れている。この雰囲気の中ではどんなに美味しいものも残念ながら食べた気がしなさそうだ。
(……場所を、場所を移そうそうしよう……)
ラウンジの隅っこでデジカメの写真が綺麗に撮れているかを再確認し、高級ホテルを後にする。ヨットハーバーから聞こえてくる春の海の音に癒されながら、星ヶ丘界隈を散歩がてら歩いてみよう。
日本邸宅風に誂えた玄関口の上がり框を拭き清め、飾った桃の花の向きを整える。ひなめぐりに訪れるお客さま用に並べたスリッパをまっすぐに並べ、庭から見える座敷に飾りつけた雛壇の具合を確かめ、かと思えば台所に戻ってお菓子やお茶の用意を確かめる。ふと思い出してぱたぱたと玄関口に舞い戻り、エントランスに吊るし雛と雪洞が忘れず飾られているか確認する。
朝いちばんから何度となくそわそわと繰り返す動作を見かねてか微笑ましく思ってか、座敷に臨む庭の樹に留まっていたヨタカさんが短く鳴いた。
ヨタカさんの面白そうな声に、
御巫 時子
は星ヶ丘寮内を忙しく巡っていた足袋の足をつと止めた。三つ編みの髪を白い手でそっと撫でつけ、樹上から見下ろしてくる夜鷹のヨタカさんを見仰ぐ。頬を彩るのは、ちょっぴり恥ずかしそうな笑み。
「そんなに嬉しそうですか?」
応じてか、ヨタカさんはまた短く鳴いた。きょきょ、と笑うヨタカさんの声に、時子はくすり、淑やかな微笑みを零す。
「自分では気づかないですけど」
でも、と座敷に飾った雛飾りを眺めやる。
御巫家に代々伝わる雛飾りは、大切に大切に飾られてきたもの。汚れも色褪せもなにひとつない、美しいお雛さまたち。
実家から取り寄せた雛壇は、その豪奢さゆえに飾りつけに時間がかかる。星ヶ丘で行われるイベントに参加するべく昨日から進めていた準備は、今朝がたになってようやく一通り終えることができた。
広い座敷に堂々と鎮座する十段飾りのお雛さまを眺める時子の足元、縁があって共に生活をしている雷鶏さんが駆け抜けた。若鶏の姿した雷鶏さんは、とにかく好奇心旺盛だ。
「お雛様で遊んではいけませんよ」
興味津々に雛壇の下をうろうろする雷鶏さんと、樹上のヨタカさんに声を掛ける。不満そうな雷鶏さんには雛壇の傍に最近お気に入りの座布団を置いてやって、時子は再びそわそわと玄関と座敷を行ったり来たり。
「……尚輝先生には初めて来ていただきますね」
恋心を抱く高校の化学教師、
五十嵐 尚輝
の名を口にした途端、時子の頬は桃の花より美しい薄紅に染まった。
──ひなめぐりに参加しようと思っているんです
思い切って声を掛けてみて良かった、今はつくづくそう思う。
──よろしければ、見に来ていただけませんか
大好きな先生を寮に招待することがこんなにどきどきするものだとは思ってもいなかった。
来客を知らせるベルの音に、時子はぱたぱたと廊下を進む。途中で気づいて深呼吸をひとつ、
「ようこそお越しくださいました」
上がり框に端座してご挨拶をし、顔を上げる。玄関口に立っていた今日いちばん初めのお客さまは、
「尚輝先生……!」
「早過ぎたでしょうか……」
少し居心地が悪そうに視線を彷徨わせる大好きな先生だった。
「お雛様を見に来ていただき有り難うございます」
丁寧に頭を下げてはいても、胸はどきどきと高鳴っている。普段生活をしている寮で先生に会うのは、やっぱりなんだか気恥ずかしかった。
「今は他にお客様もおられませんし、ゆっくりしていってもらえると嬉しいです」
お邪魔します、と頭を下げる先生にスリッパを勧め、雛壇を設えた座敷に案内する。雛壇の傍の座布団で雷鶏さんが寛ぐ様子を真っ先に目にして、緊張気味だった先生の頬が緩んだ。
「先生、こちらにどうぞ。今日は良いお天気ですね」
座敷は桃の花の咲く日本庭園に臨んでいる。座布団の前にお茶とお菓子を揃え、時子はおっとりと笑んだ。
「……とても広いですね」
寮とは思えぬ建造物と庭の造作に呆気にとられてから、先生は照れたように頭を掻いた。
「星ヶ丘寮には、あまり来る機会がなくて」
「尚輝先生ならいつ来ていただいても嬉しいですよ」
座布団に座る先生の隣にそっと並び、時子はなんでもないように微笑んで見せる。
「良ければお部屋も案内しますし」
「いえ、そこまでしてもらうわけには」
狼狽した様子でお茶を啜る先生の様子をちらりと見て、それだけで時子は妙に照れた。ヨタカさんと雷鶏さんがいるとは言え、いつもはひとりで眺めることの多い庭を、今日は先生と並んで眺めている。それがとても嬉しくて、自分でもおかしなくらいに照れてしまった。
「ゆっくりして行って下さいね」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月22日
参加申し込みの期限
2020年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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