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さくら、たちばな、ももの花。~ひなまつり in ねこじま~
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正統派お雛さまコスプレな少女たちに、お揃いのひよこ着ぐるみの少年に、セクシー和ゴスお雛さま。時間を見合わせて集まってきた行列参加者たちに次々と衣装を見繕ったり着付けたりしつつ、黄色い鳥はまだまだ貪欲に参加者探しに駆けずり回る。
「はっ、そこな屋台巡りのお兄さん! その儚げで美少年な感じが鳥の勘にビビッと来ましたよ生き雛になりませんか!」
「……生き雛?」
息継ぎなしに声を掛けられ鳥の羽で騒がしく手招きされ、七瀬は屋台の間をウロウロしていた足を止めた。フライドポテトにフライドチキン、練乳掛け放題なふわふわかき氷、あれもいいなこれもいいなと迷いに迷って結局まだ何も口にしてはいなかったけれど、
「……なるほど、要はコスプレなんですね」
黄色いバスの前で黄色い鳥の説明を聞き、七瀬はおもしろそうですと頷いた。
「僕は五人囃子の小鼓持っとーの衣装がいいです」
「イエス、ご用意いたします!」
「小鼓叩いてみたい!」
「もっちろん、御座います!」
さあさあとバスの中の更衣室に通され、あっというまに袴を着付けられ小鼓を持たされ、七瀬は上機嫌でバスから降りる。華やかなお雛さま装束の人々の中に紛れ、手にした小鼓をぺんと叩いてみる。
(うーん)
前に聞いたことのある小鼓はもっと心が弾むような音が出ていたけれど、見様見真似ではそう簡単にあの音は響かせられないようだ。
(残念)
夏草色の瞳をぱちりと瞬かせる七瀬の脇を、仕事熱心な鳥がまたも駆けて行く。まっすぐ向かうは、
「そこのモデルばりの綺麗なお嬢さん!」
境内で配られていた甘酒の紙コップを両手に包み、鐘楼を背に立っていた水樹。
「貴女はおひな行列に参加すべきだと鳥は強く思う所存です」
プロポーズするように鳥足の片膝をつき鳥の羽の手を差し伸ばしてくる黄色い鳥に、水樹は長い睫毛に縁どられた黒い瞳を丸くする。いきなり参加を迫られていささか面食らいはしたものの、
(面白そうだし)
楽しいこと好きな彼女は甘酒をぐいと飲み干し、快活に笑ってみせた。
「やってみるか」
「ハイおひとりさまご案内!」
衣裳部屋兼更衣室な黄色いバスに連れ込まれ、さあさあこれをと渡されたのは正統派お雛さま衣装。現役モデルの本領発揮とばかりに素早く着替え、波打つ艶やかな黒髪を手早く結い上げる。
「……ん、いい感じ」
更衣室に用意された姿見を確かめれば、映し出されているのは可憐さの中にも大人の妖艶さを醸し出す、華やかな印象のお雛さま。
「いやー、色んなお雛さまが拝見できて、鳥はとっても眼福眼福」
バスから出てきた水樹にどこからか取り出したデジカメのシャッターを切り、黄色い鳥は至極満足げに頷いた。
(……?)
ピピッ、というデジカメのシャッター音に紛れ、聞き慣れたカメラのシャッター音を聞いた気がして、水樹は黒髪を揺らして小さく首を傾げる。
(でも、今日は仕事だって)
プロのカメラマンである恋人──
ヒュー・ヒューバート
の顔が頭に浮かんだ途端、ふわり、恋の熱が頬に昇った。
(……もう)
顔を浮かべただけでそうなってしまう自分の感情を持て余して頬をてのひらで抑える可憐なお雛さまに向け、ヒューは、──水樹が今脳裏に描いたばかりの彼女の恋人は、そっとシャッターを切る。
ファインダーに映るお雛さま姿の恋人の姿が誰よりも美しく見えて、思わず何度も撮影してしまいそうになる手を堪える。今日は、寝子島観光協会からの仕事で、フォトグラファーとして寝子島神社のひなまつりの撮影に従事している。
撮影した写真の何枚かは協会の広報誌やポスターなどに使われると聞いている。彼女だけを被写体にするわけにはいかない。
ここに至るまでにも、流し雛や縁日屋台の様子などを撮影している。
(……うん)
晴れやかなお祭りの場では、輝くようなたくさんの笑顔を撮ることができる。穏やかであったり、楽し気であったり、屈託のない笑顔をたくさん撮ることの出来る祭りの場は、ヒューにとっても楽しい仕事の場だった。
おひな行列の準備に追われる黄色いバスの周辺や本殿や社務所、行列の開始を待つ参加者たちの様子を撮影し、もう一度だけ、こちらには気づいていない水樹に焦点を当てる。
(綺麗だ)
告白するようにシャッターを切る。
華麗なお雛さまの衣装を纏い、黒髪を美しく結い上げた彼女は、ラフな格好を好むいつもの姿とは別人のようにも見える。それでも、愛しいひとの持つ明朗快活な雰囲気は見紛うはずがなかった。
(行列に参加するのかな)
声を掛けようとしてやめる。
(衣装を着ていて髪も結っているからそうだろうけど……)
耳朶に蘇るのは、彼女の口癖。
──面白そうだから
水樹の声が心に浮かんだ瞬間、頬が赤くなった気がして軽く頬を擦る。ちらりと笑み、ヒューは水樹に見つからぬよう祭りの賑やかな人込みに紛れた。
(そっちの方が面白そうだし)
彼女の口癖を真似てみれば、くすり、また頬が緩んだ。
黄色い尾羽を振り乱し、黄色い鳥はまだまだ参加者確保に奔走する。
「そこ行く美人姉妹! 生き雛になってみませんかっ」
通りがかりの琳子と奏子姉妹にも素早く声を掛ける。あまつさえ前に回り込んで両羽を広げ通行妨害に及ぶ。
「え……」
「なんと参加費無料! これはもう参加するっきゃないでしょ!」
戸惑う様子の姉琳子に迫る鳥の隣には、お雛さまの格好が出来ると聞いて嬉しくなって大はしゃぎの妹奏子が並んでいる。
恥ずかしがる姉は妹と鳥とが挟んで腕を掴んでバスに引きずり込んだ。しばらく経ってバスから出てきたのは、目にも綾なおひなさま姉妹。
「あら」
恥ずかし気な姉の手を引いて笑う妹の姿や黄色いバスの前で行列の開始を待つたくさんの生き雛たちを優しい黒の瞳に映し、
早坂 恩
は淡く微笑んだ。
「セレッソちゃん」
傍らで赤毛をぱたぱた蝶のように跳ねさせ、青い瞳をきらきら太陽のように輝かせて見るからにご機嫌な
御薗井 E セレッソ
の手をそっと取る。
「おひな行列に参加しちゃいましょう」
「オヒナサマ?」
繋いだ手にきゅっと力をこめてますます笑顔になるセレッソの横顔が愛しくて、恩は思わず小さな息を零した。
恩は高校三年生、セレッソはひとつ下の二年生。受験生でもある恩は、三学期の自由登校時期に入ってほとんど学校に行っていない。それはつまり、大好きで大切な彼女と会う時間がとても少なくなっているということ。
(寂しかったものね)
セレッソの手を引き、スタッフらしい黄色い鳥に参加を申し込む。
「いいですね、カップル大歓迎! まずは彼女さんからお着換えしちゃいましょー!」
跳び上がって歓迎の意を示す黄色い鳥に連れられて黄色いバスに乗り込むセレッソにいってらっしゃいと軽く手を振り、恩はふたりで過ごせる時間を甘く噛みしめる。
(今日は甘えちゃいましょ)
「今日はデートですか?」
バス内にずらりと掛けられた衣装を選びながら黄色い鳥に問われ、セレッソは薔薇色に染まった頬に満面の笑みを浮かべた。
(いつも一緒の恩センパイと特別なお出かけ)
それをデートと言えるのは、とても素敵だとセレッソは思う。だって前日も当日も、デートだと思えばいつでもドキドキして嬉しくて楽しくて、ふたりで過ごす時間が『特別』になる。
「おひなさまデート! ナノ!」
「うわお、超キュート! プリティな貴女にはやっぱりこれ、本日の主役な女雛さま!」
「ミルフィーユみたいネ、素敵な着物」
いつも着せてもらう着物よりもいろんな色をたくさん重ねた十二単装束に、セレッサは目を輝かせ、そうしてからちょっと不安に紅色の睫毛を伏せる。
「赤いくせっ毛のワタシに似合うカシラ?」
「大丈夫、鳥にお任せください!」
バスの奥に設けられた更衣室で黄色い鳥に手伝ってもらって衣装に着替え、
「と言っても貴女は元々超ソーキュートなので鳥はちょっとお手伝いをするだけです」
ふふふと笑う鳥に普段結っている三つ編みやツインテールを解いてもらい、緩くまとめて桃花を飾った下げ髪風にアレンジしてもらう。
「ほらカワイイ!」
はしゃぐ鳥に背を押され、バスから出る。続いて鳥に車内へ引きずり込まれる恩の感嘆のまなざしを一身に受けつつも、セレッソは自分のことよりも着替えを終えた恩の格好ばかりが気になった。
(楽しみナノ!)
色んな生き雛たちを眺めながらわくわくと待つセレッソの前を、桃の花の冠を被った黒猫が通り過ぎて行く。
「待って、珠!」
猫用の衣装を手に追いかけて転びそうになるのは三人官女姿の
宮祀 智瑜
で、
「ちゆ!」
「智瑜さん」
咄嗟に後ろから抱き着く格好で支えるのは同じく三人官女姿のこんと、お雛さま姿の夕。
「珠、ええかげん観念せえ」
逃走を図る黒猫の珠を捕まえたのは、お内裏さま姿の
古家 日暮
。
日暮に抱きあげられ諦めたように大人しくなった珠に猫用の三人官女衣装を着せつつ、智瑜は黒い瞳をふわふわと和ませた。
「皆似合いますね」
「こない豪華絢爛な衣装着さしてもろてええんやろか」
戸惑った風の日暮に向け、智瑜は顔中で笑う。
「カッコいいですよ」
「……そらおおきに」
「夕さんは綺麗だし」
「……それは、まあ」
夕に向かった日暮のまなざしが照れ臭いような熱を帯びていることに気づき、智瑜は思わずつられて頬を染める。
「こんは? こんはー?」
「こんちゃんは可愛すぎ!」
「ちゆもかわいすぎー!」
衣装の袖を摘まむ小さな女の子を思わずぎゅっと抱きしめ、その流れで手を繋いだところで、
「さあ、おひな行列のはじまりはじまりー!」
最後の着付けを終わらせた黄色い鳥が、手にした太鼓をとんとんとん、と軽やかに叩いて行列の出発を告げた。
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月22日
参加申し込みの期限
2020年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月29日 11時00分
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