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さくら、たちばな、ももの花。~ひなまつり in ねこじま~
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願いごとを書いた桃色の人型を乗せた笹舟を大切に捧げ持ち、たくさんの人々が春の花咲く参道を辿っていく。
路を案内してくれるのは、桃や橘や桜の造花。道端の花瓶や樹の根本に飾られた造花を辿って山道を行けば、同じように桃の節句の花々に彩られた小さな橋へとたどり着く。
橋のたもとの河原に降り、穏やかな流れに願いを託した笹舟を放つ人々を海色の瞳に映し、海も河原へと降りる。
(願いごとは、……やっぱりこれかな)
小さく息を切らしながら山道を登る間中、ずっと考えてきた『願いごと』を桃色の人型紙に書き込む。
──これからも三人一緒にいられますように
ついでに大切なふたりと自分、三人の特徴をとらえたちょっとしたイラストも描き、笹舟に乗せた。
(願い事、叶うといいな)
知らず頬に笑みを滲ませ、笹舟を澄んだ川の流れに委ねる。流れてゆく笹舟に小さく祈り、春の中に立ち上がる。折角黄色い鳥に誘われたことだし、そろそろおひな行列に参加するための衣装を纏いに向かってみよう。
立ち上がる海の横を、仲の良さそうな姉妹が並んで立つ。
戻ったら今度はたこ焼きを食べるんだ、と笑う妹にほんとによく食べるね、と半ば呆れ半ば感心しつつ、琳子は社務所で受け取り願いごとをしたためてきた桃色の人型紙を笹舟に乗せた。
(一家全員、無事一年を過ごせますように)
隣で水が冷たいだの山道疲れただの、きゃあきゃあと笑いながら流し雛を流す妹をそっと横目に眺めてみる。
(何を願ったのか、……)
聞かぬが花、というやつだろうか。そっと首を横に振る。それに、どうせ聞いたところで、
──ないしょ!
そう言って笑うのは目に見えている。
(良かった……)
たくさんの人々と一緒に桃の花で飾られた山道を辿り、流し雛を行うための河原を歩きながら、
恵御納 夏朝
は小さく安堵の息を吐く。
(今年も無事に、ひな祭りを迎えられた)
ちらりと思い出すのは、去年の賑やかなひな祭り。
去年は去年で、友人たちと寝子島神社のひな祭りに参加した。あのときも、流し雛に願いを託した。その願いは未だ叶ってはいないけれど、
(来年も必ず平穏なひなまつりを迎える)
夏朝の願いは今年も変わっていない。
(僕等の願いを叶えて、夏夜ちゃんと二人で迎えるんだ)
去年はこの願いごとは特殊だからとこっそり書いた願いごとではあった。フツウや世界を壊す可能性を考えていちばん叶えたい願いごとを諦めるようなことも書いた。けれど、
(今年は妥協はなし!)
去年と同じ桃色の人型に書き込んだ自分の文字を見下ろす。
『僕と、別人格の夏夜ちゃんが
其々を保ちながら・心身ともに分離する願いを叶えて
二人並んで、皆と共に、フツウの日々を過ごせますように』
心からの願いごと。
いちばんに叶えたい願いごとだけを記した人型紙に祈りを籠め、笹舟に乗せる。願いを託した流し雛をそっと水に浮かべ、あとを流れに任せて、
(どうか──)
手を合わせ、今年も願う。
「去年も先生と流し雛しましたね」
春の木漏れ日の中に先生の姿を追いながら、綾花は知らず声を弾ませる。
「先生の願いは叶ってましたね」
坂道を登っていた珪先生の足が僅かに緩んだ。穏やかに振り返り、遅れがちだった綾花の歩調に合わせて歩いてくれる。
「そうだね」
「図書館の利用者は増えてますから」
並んで歩くだけでも心が弾んで、綾花はくすくすと笑む。増して、腕の中には珪先生が射的で取ってくれたハチワレにゃんこのぬいぐるみがある。
「綾辻さんの願いごとは叶ったかな」
「私はまだまだです」
だから今年も、同じお願いにしようと考えている。
──将来の夢がみつかりますように
掌に包んで大切に運んできた桃色の人型紙をちらりと見やる。流し雛をする河原についたら早速書き込もう。
「本屋さんでバイトしてるけど楽しいし、司書も珪先生を見てると興味があるし、でなかなか決まらないんです」
出版社に入るのもいいかもしれない。だって作家先生の原稿を書店に並ぶ前に読めてしまうことにはとても憧れている。
「もうすぐ三年生ですから進路は決めたいですね」
「綾辻さんはどんな大人になるのかな」
楽しみだ、と笑う珪先生の視界の中に入りたくて、綾花はちょっと足を速める。正面に回り込み、珪先生の優しい瞳を覗き込む。
「珪先生のお願いは何にするんですか?」
好きな人の願いごとを、今年も知りたかった。
「皆が素敵な大人になれますように、……かな」
「皆、ですか」
もちろん、と先生は先生らしく微笑んだ。
「綾辻さんもね。願いが叶うといいね」
年上の男の人と並んで歩いてゆく、猫のぬいぐるみを片手に抱えた女子高生のお姉さんを視界の端に入れたまま、輝夜は前へ前へと足を進める。
右手の中には社務所で貰ってきた人型の紙と笹舟。
左手を伸ばせば手を繋げる位置に、ご近所さんで恋の相手でもある男の子の手。
スポーツ万能な慎之介は、山道もへっちゃらな顔で息も切らさず軽い足取りだ。
──向こうでも活躍できますように
大好きな男の子の横顔を見つめ、輝夜は桃色の人型紙に書き込んだ願い事を胸の内に呟いてみる。
恋は叶ったけれど、彼はもうすぐ留学のためにこの島を離れてしまう。
だから付き合えない、と言った慎之介の固い決意を宿した瞳を思い出し、輝夜は小さな息を吐いた。
(……だめだめ)
隣を歩く慎之介に悲しい顔を見せまいと瞬きを繰り返す。
(私は寝子高に進学が決まったし、慎之介くんも留学するって夢が叶ったんだから)
河原に並んでしゃがみこみ、ふたり揃って流し雛を水面に浮かべる。迷うようにくるくると漂っていた笹舟は、しばらくすると二艘仲良く並んで流れに乗った。
春の景色に遠ざかる流し雛に向け、輝夜は真剣な顔で手を合わせ、むむむと難しい顔で念を送る。
(どうか、)
大好きな男の子が、夢の先にあるものを掴めますように。夢の先の夢が、
(叶いますように──)
寝子島神社から続く山道は、時折ロードワークで走りこんでいる。
いつもなら駆け足で登る坂道も、流し雛に向かう人々で込み合っているともなれば流れに沿ってのんびり歩いて、いつもより時間を掛けて行くしかない。それに今日は、ジョギング用のトレーニングウェアでもシューズでもなく、多少ラフとは言え可愛めのワンピース。
(きょう一日はのんびり過ごせるわけだし)
大学は既に春休みに入っているものの、モデルとしての仕事が明日から都内のスタジオで始まる。詰まり気味のスケジュールの中にぽつんと空いた折角のお休みの日に、大好きな彼と会えないのが残念ではあるけれど、
(仕方ないわよね)
カメラマンを職とする彼は忙しい。今日は確か、寝子島観光協会からの仕事が入っていると聞いている。ということはきっと今は、寝子島のどこかのひなまつりイベントを撮影して回っているのだろう。
(がんばってね)
胸の内に大好きな彼氏を応援しつつ、手にした流し雛をちらりと見やる。
──これからもヒューとともに二人で同じ道を歩めますように
社務所で貰ってすぐ、迷うこともなく書き込んだ文字が目に入って、
城山 水樹
は白い頬を薄紅に染めた。好きなひとと結婚したい、と勢いで書いてしまった中学生のような恥ずかしい気分になって、坂道を登る足を思わず速める。
桜に桃に橘に、山道を賑やかに彩る道案内用の造花を横目に猫又川へ辿り着き、河原に降りる。願いを託した流し雛を澄んだ水面に流し、一息つきがてら、さまざまのひとがさまざまの表情で川の流れに放つ流し雛をしばらく見届ける。
(さて、次は何をしようかな……)
確か神社の参道で甘酒の振舞いがあった。三月とはいえまだ始め、川辺に立って冷えた身体を甘酒で温めようか。そのあとは縁日を眺めて歩くのも悪くない。
(今日はいちにち、のんびり過ごそう)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月22日
参加申し込みの期限
2020年10月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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