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●月、虹の入江にて(1)
月に地名を付けたのはいったい誰なのだろうと思う。
本来であれば見渡す限りの荒野であるはずなのに、その地名は果てしなくロマンティックだ。
そう例えばこの場所――『虹の入江』も。
月の平原と高台の境目が湾のように弧を描くこの場所にも、そんな夢のような名前が付けられている。
そして今、虹の入江は名前にふさわしいパラダイス空間となっていた。
嵐の大洋で敵が作り出した海の幻覚の影響がここまで及んでいるおかげだった。
闇を湛えた天穹には星々とともに青々と大きな地球が浮かび、砂浜を穏やかに照らしている。
打ち寄せる波は白く泡立ち、常夏の夜のビーチのような温かさと湿り気を帯びた風が心地いい。
「私、どうしてこんなところに……?」
仙藤 蒼
は呆然として呟いた。
昨日は徹夜でゲームしていて、そのまま寝落ちした……はずだった。
それなのになぜかリゾートのような夜の海にいて、寄せ返す波に膝まで浸かっている。
「しかもどうしてビキニ……?」
ミルキーホワイトにピンクの柄を散らしたビキニには見覚えがあった。姉の
仙藤 紫
のものだ。
全身はすでに濡れそぼっていた。
手足から胸へ視線を移し、蒼は違和感を感じて首を傾げた。
「私ってこんなにスタイル良かったっけ? 私というよりお姉ちゃんみたい……そうだ、お姉ちゃんは?」
あたりを見回す。
自分ひとりだ。
心細く思ったそのとき、どこかとても近くから姉の声が聞こえてきた。
「蒼」
「え、お姉ちゃん? どこ?」
「蒼こそ、どこにいるの?」
声はこの上なく近くから聞こえるのにお互いを確認できない。
水面を跳ねかせて探し回りやっぱり見つからないと項垂れて――水面に映る自分の姿を見て、蒼は仰天した。地球の星明かりの中、水面に映ったその姿は、姉によく似た大人びた美女だったからだ。髪型は蒼に似たボブのアシンメトリーで、青のインナーカラーが入ってる。
「あれ? お姉ちゃん?」
「蒼?」
「お姉ちゃん? 私……もしかして、お姉ちゃんの中にいる?」
「そうみたいね……私たち、合体しちゃった」
「ええーーー! どうなってんの?」
「困ったわねえ」
姉のおっとりとした声に同意しかけた蒼だったが、よく考えたらそんなに困っていないことに気付く。
(大好きなお姉ちゃんと一緒になっちゃったなんて、願ってもない状況じゃない? むしろこのままずっと合体したままでも――)
ずっと、というわけにはいかないかもしれない。
けれどこの状況を楽しむくらいのことは、してもいいんじゃないだろうか。
「ねえ、お姉ちゃん。困ってたって解決なんかしないって。それより波打ち際で泳ごうよ。月のビーチで泳ぐことなんて、二度とないかもしれないよ?」
それもそうね、と紫は同意した。妹と体を共有しているというのはいささか恥ずかしい気もするが、せっかく開放感のある浜辺なのだ。星空と地球を見上げながら、ゆっくり休息したってバチは当たるまい。
◇
さて。
そんな楽園めいた虹の入江の片隅で、手酌で酒を飲むくたびれた風体の男がいた。
男の名は
タナカ
といい、年の頃は三十路に見えた。
彼は絶神の右足の化身であったが、攻撃してくる素振りもなくただ哀し気に酒を飲んでいるのであった。
「月で酒を飲んでいるのは働きすぎて大切なものをなくした罰、ですってぇ……?」
お相手をするのはふたりの
三夜 深夜子
とふたりの
佐藤 英二
。
「一緒に飲んで酔いましょう! ぐだぐだしましょう愚痴りましょう!」
深夜子はタナカとちょうど同じ年頃で、自分の日常にも重なるタナカの姿に酒もすすむ一方だ。ちなみに日本酒と洋酒とカクテルのみで、ビールや焼酎には手を出さないのが深夜子流。
一方、英二はまだ高校生なので、ソフトドリンクで穏やかに聞き役を務めている。
「タナカさんが凄く頑張っていたのはよくわかります」
「正直、世の中、理不尽なことだらけですよね」
ふたりの英二がそういうと、タナカは顔をくしゃくしゃさせて泣き崩れた。
「そうです……そうなんです! 深夜子さぁあん! 英二さぁあん! 僕、僕……そんな優しいこと言って貰ったのはじめてで……うぇっ、うぇっ、うわぁあん!」
深夜子1と深夜子2が左右から肩をポンポンして慰める。
「っていうかどんな仕事してるの? 上司の対応は? 色々愚痴って楽になりなさい!」
「そうよ聞かせなさい、場合によっては上司にダイレクトダメージごほんごほん」
口に出したら憚られるが、いろいろ手はあると言いたいらしい。
結局タナカの仕事がなんなのかはよく分からなかったが、デスクワークで時間外労働も当たり前、人間らしい感情を感じる間もなく必死に働き、平穏から遠のいていることは間違いないようだ。
紫と蒼――ひとりになっているので便宜上「
紫
」と呼ぼう――が濡れた髪をかき上げ、麗しい水着姿のままビーチからあがってきた。砂浜に並ぶデッキチェアのひとつに身を横たえ、うっとりとした表情で、時折トロピカルドリンクを口に運びながら星明かりを見つめている。
「なんて素敵な女性(ひと)なんだろう」とタナカは夢見るように言った。
「僕の隣に、あんな人がいてくれたら……」
深夜子が止める声も聞かず、タナカはふらふらと紫の傍に近づきカクテルを差し出した。
「あのう……いっしょに飲みませんか?」
「すみません、私、未成年なのでお酒はちょっと」
そういって断るとタナカは突然うわーっと泣き出す。
「やっぱり! こんな素敵な美女は僕とお酒なんか飲んでくれないんだ!」
紫の中の蒼は思いっきり眉をしかめた。
「なんなのよ!」
悪態をつくとタナカはびくっと肩を震わせた。それをみて紫は彼が不憫になったらしい。
「何かあったんですか? 辛いことでも?」
タナカは、そうなんです、と捲し立て始める。
紫がやさしく話を聞くのを、蒼は苦々しく思っていた。酔っぱらいの話なんてどうでもいいし、なによりせっかくの姉とのいいムードに水を差されたことが気に喰わない。
(まったく……無視すればいいのに、お姉ちゃんは優しいんだから)
やれやれと蒼は天を仰ぐ。タナカの話は長くなりそうだ。
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担当ゲームマスター
笈地 行
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ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
72人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年11月01日
参加申し込みの期限
2020年11月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年11月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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