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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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決戦絶神！ 分かれ合わさる運命、絶望、未来
●月、静かの海、センジョ戦（２）
「わ、なにこの身体！」
雨寺 凛は仰天していた。
なににって、自分と近石 簾とが合わさってしまったことにだ。
切りそろえた長い髪は凛のものだが色は簾のような炎色になっている。顔立ちも簾のつり目がちなところと凛の明るい口元など、お互いの特徴を混ぜた中性的な雰囲気になっていた。――便宜上『凛簾』と呼ぶことにする。
「まさか……雨寺と合体することになるとはな……！」
女子の扱いってのはよくわかんねー、てか今は俺も半分女子なのか！？ と困惑する簾。凛もそれは同じで。
「なんか不思議な感じ、すっごいそわそわする！」
しかも月だというのだからパニックにならない方がどうかしているというものだ。
けれどそこは神魂事件に慣れた寝子島民。
すーはー、すーはー、と深呼吸して気を落ち着かせる。
「ちょっと落ち着いたね」
「う、うし、雨寺も緊張してたんだな。おかげで俺も落ち着いたぜ」
「と、とにかく絶神を倒すために協力しないとだね」
「ああ。……いや、この状況が全然気にならねーかっていうとウソだけど、とにかく、今はあいつらを倒すことに集中しねーと！」
最後方に弓を手に毒矢を放ってくる敵、センジョ。
彼女の軍隊であるヒキガエルの大群もまた、背のイボに危険な毒を蓄えている。
そのカエルたちがまるで凛簾を押しつぶそうとするかのように低く跳ねながら押し寄せてくる。
「くそっ。カエル多いな！」
「触ったらだめだよ」
「分かってる！」
工場が好き、工具が好きな簾のポケットには、常に各種工具が入っている。
そして、彼のろっこん＜Titan's Toolbox＞はレンチを巨大化させるというもの。
簾はさっそくチェーンレンチを巨大化させると、鞭のように奮って近づいてくるカエルたちを薙ぎ払う！ 一撃で五匹、十匹と跳ね飛ばすことができるので身を守るのに苦はないが、カエルの波が減った気がまったくしないのが精神的に堪える。
「くそ、キリがないな」
簾が悪態をついたそのとき、「そうだ！」と凛が閃いた。
「私達のろっこんを組み合わせてうまく戦えないかな？」
凛のろっこん＜加虐的虚偽声楽＞は進化能力で、とても大きな音を出した際、同時に音量に応じた強さの衝撃波を出すことができる。
「簾くんのろっこんで巨大化したレンチを投げてもらって、それを私のろっこん、【加虐的虚偽声楽】の衝撃波で射出しよう！ 月の重力なら飛ばせるはず……！」
いけそうだ。簾は即座にそう思った。そしてワクワクしてくるのを感じた。
「ひひっ、雨寺とならいいコンボができそうだ。よろしくな！」
言うが早いか簾はウェストポーチからソケットとレンチがセットになった工具箱を取り出し手早く開けた。ソケットはナットやボルトなどを付け外しする時に使う作業工具で、指先ほど大きさの筒状の金属パーツだ。微妙な大きさ別に１０～２０個ほどセットになっているうちのひとつを手の中に握り、それを口元に持ってくるのと同時、深く大きく息を吸う。
「ちょっとうるさくなるけど我慢しててね……！ 思いっ切り行くよ！ 食らえっ、レンチミサイル！」
右耳を触って凛のろっこん＜加虐的虚偽声楽＞を発動。口から超音速航空機のような轟音を発すると、進化能力でさらに衝撃波を発生させる。それと同時に、簾のろっこん＜Titan's Toolbox＞でソケットをぐんと胴回りほどに巨大化させ衝撃波の勢いで吹っ飛ばす！
銃弾のように豪速でカエルの群れの中を突き抜けるソケット！ まるで超高速の猪が走り抜けたかのように一本の太い渦の軌跡が生まれ、一拍遅れて、軌道上のカエルたちが吹っ飛ぶ！
「やったね簾くん！」
「雨寺の作戦すげえよ！ この調子でカエルたちを吹き飛ばしてやる！」
◇
そのころ、毒矢が掠った仕切聖女メイプルリリーは体のしびれと戦っていた。
「ゆっくり呼吸して。大丈夫だからね」
ふたりのなぎさが介抱しているが状態はあまり芳しくない。
（毒消しは持ってないし）
（このあたりは荒地で薬草みたいなものも見当たらない）
口では大丈夫と励ましても、内心途方にくれていたそのとき。
紫の瞳に銀の髪の少年がふたり、危機を察して走って来てくれた。
「リーパ、助けが必要な人がいます」
「ええ、フィル。僕らの力、役に立ちます」
フィリップ・ヨソナラと分離したもう一人だ。リーパもフィルも、フィリップの愛称である。彼らはとてもよく似ていてどちらも元の自分らしかったが、逆に普段呼ばれない名前の方が、どっちも自分だと思ったりしないだろうと呼び名を変えた。
「すみません、説明、あとでします」
「歯を、食いしばってください」
リーパとフィルはそういうと、メイプルリリーの頬を速攻で殴った！！
「わ、なにこの身体！」
雨寺 凛は仰天していた。
なににって、自分と近石 簾とが合わさってしまったことにだ。
切りそろえた長い髪は凛のものだが色は簾のような炎色になっている。顔立ちも簾のつり目がちなところと凛の明るい口元など、お互いの特徴を混ぜた中性的な雰囲気になっていた。――便宜上『凛簾』と呼ぶことにする。
「まさか……雨寺と合体することになるとはな……！」
女子の扱いってのはよくわかんねー、てか今は俺も半分女子なのか！？ と困惑する簾。凛もそれは同じで。
「なんか不思議な感じ、すっごいそわそわする！」
しかも月だというのだからパニックにならない方がどうかしているというものだ。
けれどそこは神魂事件に慣れた寝子島民。
すーはー、すーはー、と深呼吸して気を落ち着かせる。
「ちょっと落ち着いたね」
「う、うし、雨寺も緊張してたんだな。おかげで俺も落ち着いたぜ」
「と、とにかく絶神を倒すために協力しないとだね」
「ああ。……いや、この状況が全然気にならねーかっていうとウソだけど、とにかく、今はあいつらを倒すことに集中しねーと！」
最後方に弓を手に毒矢を放ってくる敵、センジョ。
彼女の軍隊であるヒキガエルの大群もまた、背のイボに危険な毒を蓄えている。
そのカエルたちがまるで凛簾を押しつぶそうとするかのように低く跳ねながら押し寄せてくる。
「くそっ。カエル多いな！」
「触ったらだめだよ」
「分かってる！」
工場が好き、工具が好きな簾のポケットには、常に各種工具が入っている。
そして、彼のろっこん＜Titan's Toolbox＞はレンチを巨大化させるというもの。
簾はさっそくチェーンレンチを巨大化させると、鞭のように奮って近づいてくるカエルたちを薙ぎ払う！ 一撃で五匹、十匹と跳ね飛ばすことができるので身を守るのに苦はないが、カエルの波が減った気がまったくしないのが精神的に堪える。
「くそ、キリがないな」
簾が悪態をついたそのとき、「そうだ！」と凛が閃いた。
「私達のろっこんを組み合わせてうまく戦えないかな？」
凛のろっこん＜加虐的虚偽声楽＞は進化能力で、とても大きな音を出した際、同時に音量に応じた強さの衝撃波を出すことができる。
「簾くんのろっこんで巨大化したレンチを投げてもらって、それを私のろっこん、【加虐的虚偽声楽】の衝撃波で射出しよう！ 月の重力なら飛ばせるはず……！」
いけそうだ。簾は即座にそう思った。そしてワクワクしてくるのを感じた。
「ひひっ、雨寺とならいいコンボができそうだ。よろしくな！」
言うが早いか簾はウェストポーチからソケットとレンチがセットになった工具箱を取り出し手早く開けた。ソケットはナットやボルトなどを付け外しする時に使う作業工具で、指先ほど大きさの筒状の金属パーツだ。微妙な大きさ別に１０～２０個ほどセットになっているうちのひとつを手の中に握り、それを口元に持ってくるのと同時、深く大きく息を吸う。
「ちょっとうるさくなるけど我慢しててね……！ 思いっ切り行くよ！ 食らえっ、レンチミサイル！」
右耳を触って凛のろっこん＜加虐的虚偽声楽＞を発動。口から超音速航空機のような轟音を発すると、進化能力でさらに衝撃波を発生させる。それと同時に、簾のろっこん＜Titan's Toolbox＞でソケットをぐんと胴回りほどに巨大化させ衝撃波の勢いで吹っ飛ばす！
銃弾のように豪速でカエルの群れの中を突き抜けるソケット！ まるで超高速の猪が走り抜けたかのように一本の太い渦の軌跡が生まれ、一拍遅れて、軌道上のカエルたちが吹っ飛ぶ！
「やったね簾くん！」
「雨寺の作戦すげえよ！ この調子でカエルたちを吹き飛ばしてやる！」
◇
そのころ、毒矢が掠った仕切聖女メイプルリリーは体のしびれと戦っていた。
「ゆっくり呼吸して。大丈夫だからね」
ふたりのなぎさが介抱しているが状態はあまり芳しくない。
（毒消しは持ってないし）
（このあたりは荒地で薬草みたいなものも見当たらない）
口では大丈夫と励ましても、内心途方にくれていたそのとき。
紫の瞳に銀の髪の少年がふたり、危機を察して走って来てくれた。
「リーパ、助けが必要な人がいます」
「ええ、フィル。僕らの力、役に立ちます」
フィリップ・ヨソナラと分離したもう一人だ。リーパもフィルも、フィリップの愛称である。彼らはとてもよく似ていてどちらも元の自分らしかったが、逆に普段呼ばれない名前の方が、どっちも自分だと思ったりしないだろうと呼び名を変えた。
「すみません、説明、あとでします」
「歯を、食いしばってください」
リーパとフィルはそういうと、メイプルリリーの頬を速攻で殴った！！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2020年11月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2020年11月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2020年11月08日 11時00分
