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カワウソの宝石商と宝石を生む人々
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〇早朝の黒曜石
ざざん、と波が寄せる。
ひゅう、と風が空を渡る。
透明な髭を北風にひよひよそよがせ、カワウソの宝石商は相棒のスーツケースをお供に海岸沿いの道を行く。
「ねこがはま、しーさいどたうん、」
肩掛け鞄から引っ張り出した地図を片手に時々眺め、黒い目をあげては該当する方角を指差し確認し、ついでに名称を口にする。
「だいいち住民は、あっち」
黒い鼻先をひこひこ動かして北風ににおいを探る。
「きっとじょうしつな宝石、みられる」
黒い瞳をきらきらと輝かせて、浜から流れてきた砂がところどころ溜まる道をぺたぺたぺたとしばらく歩いて、ふうと一息。旅の相棒であるところのスーツケースによいしょと寄りかかる。
「ほうせき、宝石」
歌うように呟きながら、スーツケースの上に乗っかる。爪先で地面を蹴って、コロコロコロ、相棒のキャスター頼りに道を行く。しばらく行ったところで縁石に乗り上げそうになって慌てて止まる。あぶないあぶない、とその場にぺたりと座り込んだところで、
「カワウソさんなのですー」
いつのまにか隣にしゃがみこんでいた銀色の少女と目があった。
朝の太陽に銀色に輝く瞳をぱちぱち瞬かせ、膝の下まである長く波打つ髪をふわふわ揺らし、染みひとつない純白のワンピースもふわふわ揺らし、銀色の少女は人懐っこい笑みを浮かべている。
「はい、宝石商をいとなんでおりますカワウソです」
立ち上がってシルクハットを取り、丁寧にお辞儀するカワウソに、
「カワウソさんこんにちはなのですー」
少女も軽やかに立ち上がってふんわり微笑んだ。
「ゼロはゼロなのですー」
「はい、ゼロさま」
「ゼロなのですー」
互いにこくりこくりと頷き合い、
ゼロ・シーアールシー
とカワウソは波防壁沿いに置かれたベンチに並んで座った。しばらく、カワウソはひよひよと海風に透明髭をなびかせる。ゼロは潮風に銀髪をさらす。
背中を向けた海から、冬の波音が絶え間なく聞こえている。
「うんとね、」
「はい」
「なでなですりすりぽふぽふさせてくださいなのですー」
「では、こちらをどうぞ」
シルクハットを脱いだ小さな頭を差し向けられ、ゼロは笑った。ぴこぴこと動く耳もつやつやの毛に覆われた頭も、ちいさな掌で優しく撫でる。もふもふの首を両手に包んでぽふぽふ触る。小さくて黒くて濡れた鼻先に北風に冷えた頬を寄せ、くすぐったさにくすくす笑う。
「カワウソさんふわもこなのですー」
「はい、ふわもこのカワウソですー」
北風がひゅるひゅると笑っていても、ふわもこカワウソにくっついて居ればあったかかった。
カワウソのもふもふな首に抱き着いて頬を埋めつつ、ゼロはカワウソの傍らでジッと待つスーツケースに眼を止める。
「カワウソさんはまたたびカワウソさんなのです?」
「はい、股旅です。宝石をもとめてしょこくまんゆうです」
鼻先にふわふわ触れるゼロの銀髪に透明髭をしきりとひよひよさせながら、カワウソは神妙な顔で頷いた。
「今日はこの島のひとびとが宝石をうみだすとくべつの日なので、こちらにおじゃまいたしました」
「今までどんなところを訪れたのですー?」
「おや、おききくださいますか」
「ききたいのですー」
黒い瞳を輝かせ、カワウソは肩掛け鞄から分厚い本を引っ張り出した。
「図録です」
今まで目にしたり手にしたりしてきた宝石のすべてを記してあるのだと誇らしげに髭を揺らし、カワウソは図録のページを繰る。
「こちらはふかい森で鹿のおきなが生じた緑柱石」
「森のいろなのですー」
「こちらが海の底の少年のなみだから生まれた水晶」
「さびしいいろなのですー」
丸い石に尖った石、巨大な石に小さな石。すべての宝石にそれを生み出した誰かの物語があった。感情があった。
カワウソの描いた宝石を興味津々、カワウソの首のうしろをもふもふしながら眺めていたゼロが、ふと首を傾げた。その途端、ころん、とゼロのどこかから宇宙の深淵を写し取ったかの如きに黒く、どこまでも広がってゆきそうな真円のかたちした宝石が図録の上に転げて落ちる。
「黒曜石です。これはまた、とてもとてもふかい漆黒の宝石。どこまでもすいこまれてゆきそうな色です」
つぶらな丸い目をますます真ん丸にするカワウソに、ゼロはなんでもないように瞬くばかり。
「お近づきの記念に宝石はあげるのですー」
「よろしいのですか」
「もちろんなのですー」
こくりと頷き、ゼロは銀色の髪を揺らしてベンチから立ち上がった。最後とばかり、ベンチに座ったままのカワウソのお腹にぎゅっと抱き着いてもふもふふわふわを堪能する。
「また寝子島に遊びに来てね、なのですー」
白い手をひらりと振り、純白のスカートの裾を潮風にはためかせ、銀色の少女が寝子島の景色の中に何処ともなく消えてゆく。
少女を見送るカワウソの宝石商の手の中には、光さえ吸い込んでしまいそうな漆黒でありながら、なにもかもを優しく包み込んで沈み込ませるような夢の如き色した宝石がひとつ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月03日
参加申し込みの期限
2020年10月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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