this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
島山梅園華始(しまやまばいえんはなはじめ)。
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
さてその日、
鴻上 彰尋
が島山梅園を訪れたのは、ねこったーで偶然手伝い募集の呟きを見かけたからだった。何だろう、と興味を持ってホームページの詳細を確認してみれば、梅の花漬を作る手伝いをして欲しいのだという。
幸いにしてと言うべきか、奇遇にもと言うべきか、彰尋には梅の花漬けを作った経験があった。ならば役にも立てるだろうし、なんだったら上手に花漬けが出来るアドバイスも出来るかもしれない――そう考えて彰尋は、島山梅園での手伝いに行くことに決めたのだった。
暦の上では立春を過ぎ、春を迎えたとは言っても、2月はまだまだ寒い。まして朝ともなれば尚更だと、今日の手伝い用の汚れてもいい動きやすい服の上に来た防寒具を確かめる。
もっとも、実際に動き始めれば汗もかくかも知れないから、スポーツ用のタオル生地なリストバンドも持って来ているのだけれど。後は、希望者には分けて貰えるそうなので、作った梅花漬を持ち帰れる容器も。
どこか寒さから逃れるような風情で足早に待ち合わせの場所に行くと、そこにはすでに
弥逢 遊琳
の姿があった。花漬けとか好きそうかなと思い、彰尋が『よかったら』と誘ったのだ。
「鴻上、こっち」
手をひらひらさせて声を上げる遊琳の姿は、土や樹皮に擦れても良い様に、茶色ベースの服とゴム系のショートブーツ。さすがに庭師さんが着る様な外套は無いから、上は少し温かめに着込んで来た。
あとは、大分汚れて後は捨てるばかりのエプロンと、汗拭き用タオルを2人分、それから彰尋と同じく持ち帰りの漬物容器も一応持ってきている。元々梅昆布茶が好きな遊琳だから、彰尋の予想通り、花湯にも興味を持っていた。
(今後の料理の参考にも出来たらいいな)
そんな風に考えている遊琳の元へ、彰尋はさらに足を早めて近づいていく。軽く上がった息を整えながら、おはようございます、とまずは挨拶をして。
「待たせましたか?」
「川一本挟むとはいえ星ヶ丘寮からは近いから。今し方来たばかりさ」
尋ねた彰尋に、尋ねられた遊琳は事も無げにそう返しながら肩をひょいと竦めて見せた。そう言えば何だかんだでこの子の事は名字呼びだな、と思う。
もちろん、別に彰尋の事が嫌いだからとかではなくて、寧ろ彼に対する一種の尊敬とか、そんな感じの故なのかもしれない。彰尋は遊琳にとって後輩ではあるけれど、何とはなしに自分と似たものを感じていた。
けれどもそれは、彰尋にとっても同じ。彰尋にとって遊琳は、演劇フェスでもお世話になったし、和食について色々と話も出来るし、日頃の気配りや物腰などでもとにかく、ものすごく尊敬している先輩なのだった。
閑話休題。
それじゃあ行こうか、と遊琳と彰尋は、並んで梅園の入り口をくぐった。そうして『まずは入って直ぐのベルを鳴らして下さい』と言われていた通り、門の傍に設置されたベルを鳴らす。
すぐに門の脇に建つ一軒家から、1人の青年が姿を見せた。名乗ると「こちらへどうぞ」と家の前へ案内される。
その一軒家の前で、すでに到着していた
井野 つばめ
はもう、何度目になるか知れないため息を吐いた。
(母さん、ちょっと横暴だと思うんだよね……)
つばめが島山梅園へとやって来たのは、実の所お小遣いの為である。どこからか梅園で人手を探していると聞きつけた母が、つばめに手伝いに行って来いと言い出したのだ。
『うちで漬けてる梅干しは島山さんのとこのだよね。島山さんにはあんたも昔からお世話になってるでしょ』
と言うのがその理由なのだけれど、世話になったってそれは一体何歳の頃の話だというのか。つばめはまったく覚えてないのだから、ただの言いがかりとしか思えない。
とは言え、行けばお小遣いをあげるから、とまで言われては行くしかなかった。何しろ欲しいものはたくさんあるのだ、ゲーム、服、あのアーティストの新曲、好きな漫画……
ぺこ、と頭を下げて挨拶をしながらも、内心では母さん約束は守ってよね、とぶつぶつ呟いていたのも、むべなるかな。そんなつばめの横に立っていた、
小山内 海
はいつも持ち歩いている筆談用のスケッチブックを開き、まずは、と久幸さんと十海、弥生に頭を下げながら挨拶を書いたページを見せた。
『おさないうみです
きょうはよろしくおねがいします』
家族や友人、クラスメイト達なら海の事情も知っているし、筆談にも慣れてくれているけれど、初対面の人にはやはり驚かれることが多い。だから彼らもそうだろうと思いながら頭を上げると、久幸さんが驚きの中にも困ったような表情を浮かべているのが見えた。
あれ? と軽く首を傾げれば、その傍らで十海が肩口で切り揃えた黒髪を揺らしながら、弥生の手を握って海の挨拶を読み上げ始める。それにこく、と頷いた弥生がようやく、にこ、と微笑んで「よろしくお願いします」と頭を下げた――海とは違う方向に。
(え……あの子、目が見えないの!?)
そのやり取りを見れば海にも、それが察せられた。普段は失礼だからじっと見たりはしないけれど、弥生の瞳を見つめればその色がくすんでいる事がわかる。
どうしよう、と焦った。目が見えないのなら筆談は出来ないけれど、海は声が出せないから彼女に声をかけることは出来ない。
えっと、えっと……と考えていた海は、あ、と以前試しにタブレットにインストールしたアプリの事を思い出した。
(そうだ、あの文章読み上げアプリを使えば……)
慌ててスケッチブックを仕舞って、カバンからタブレットを取り出した。慣れない入力に手間取って、焦りながらも何とか自己紹介を入力する。
ほっと息を吐いて読み上げボタンを押せば、アプリの音声が言葉を紡ぎ始めた。思いの外柔らかな、だが微妙なイントネーションの音声に、弥生の顔が真っ直ぐこちらを向く。
その瞳はやはり虚空を見つめていたけれど、微笑は確かに海に向けられていた。ありがとうございます、と紡がれた言葉は嬉しそうだ。
ほっと息を吐いた。そうして海はまた、タブレットに文字を入力して、読み上げボタンを押す。
『今日は弥生ちゃんもやるんだよね?』
「え……」
そうしてアプリが紡いだ海の言葉に、弥生がきょとん、と目を瞬かせた。その表情には戸惑いがありありと浮かんでいて、どうしたものか困っている様子が手に取るように判る。
梅園は観光用の小道があるとはいえ、基本的には地均しなどしていない、足元の悪い地面が続く場所だ。久幸や両親に手を引かれて、または1人で子ども用の白杖を頼りに探り探り歩くことはあるけれど、その時ですら1度や2度は躓いてしまうのが常だった。
だから人が多い時には弥生はいつも、家族の手を煩わせないよう自室に籠っているのが常で。今日もそうしようと、思っていて――
『一緒にやらない?』
そんな彼女の怯えるように握り締められた手をそっと握り、海は再びアプリで誘いの言葉を再生する。視力と声という違いはあれど、同じく不自由を抱えている同志として、海は弥生ともっと仲良くなってみたかったのだ。
音声アプリの硬質な声色からは伝わらなくとも、その感情は握った手のぬくもりからしっかりと伝わってくる。それに心動かされ、けれども初対面のお客様の手を煩わせて良いものかとやはり、迷い。
最終的に久幸の「弥生が嫌じゃなければ、一緒においで。俺も、十海ちゃんも一緒に居るから」という言葉に背中を押され、弥生はこく、と頷いた。その虚ろな瞳には、確かに喜色が映っていた。
1
2
3
4
5
…
6
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
島山梅園華始(しまやまばいえんはなはじめ)。
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年09月14日
参加申し込みの期限
2020年09月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年09月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!