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島山梅園華始(しまやまばいえんはなはじめ)。
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花漬の仕込みにようやく目途がついて、ふう、と
小山内 海
は息を吐いた。一緒に簡単そうな作業をやっていた弥生も、さすがに疲れた顔をしている。
『お花の形を崩さないように洗うの、大変だったね』
「うん」
「思ってた以上に注意が必要でしたね……」
海のアプリ音声での言葉に、頷いたのは弥生だけではなかった。
楡宮 遠海
もまた疲れ切った表情で、そんな風にしみじみと頷いている。
梅花をとにかく丁寧に、慎重に洗っていくのだけれど、ただそれだけのことが思った以上に難しい。何しろ、ちょっとした力の入れ方で花びらがぽろっと取れてしまったりして、その度にハラハラと気を揉まされたのだ。
とは言え、その甲斐はきっと十分にあった――と思う。少なくとも、遠海の中にはやり切ったという充足感があったし、それは他の人の表情を見ても同じだろう、という事は見て取れた。
そのうちの1人である、
井野 つばめ
が、これ、と梅花漬を仕込んだ樽を指さしながら振り返った。
「お客さんも買えるようになるの?」
「小父さんはそう考えてるそうです。久幸さんは――弥生ちゃん次第じゃないかなぁ……?」
こく、と十海が首を傾げながら弥生を見た。自分の名前を呼ばれた弥生は、だが同じようにきょとん、と小首を傾げている。
そんな少女達を見比べて、そっか、とつばめは頷いた。もちろん、今日の梅花漬は梅の花を見る事の叶わない弥生に、梅の花を感じさせてやりたい久幸の願いで作られたもの――ならその願いの先である弥生の気持ちが満たされることが、まずは大切だ。
もし買えるようになったら、母さんから貰ったお小遣いで買いに来ようと、だから思う。それまでそのお小遣いは、大切に置いておかなくては。
母さん約束は守ってよね、と朝とはまったく違う心持で呟いて、つばめは何だか眩しいような気持ちで梅花漬の樽を見つめた。完成するの早くて2ヶ月後、その時が楽しみだとつばめも、遠海や海も思う。
漬物容器を持ってきた人は分けて貰えるという話だったので、何人かが漬け込んだばかりの梅花漬を持参の容器に取り分けた。こちらも出来上がるのは同じく2ヶ月後、それまでは自宅の冷暗所に保管しておくのが良いらしい。
「そうそう。梅花はシロップも作れるよ、中国では乾かしてお茶にするし」
「へぇ……それも良さそうですね。また作り方を調べてみます」
そのうちの1人と見送りに戻ってきた久幸が話しているのを聞きながら、海は弥生の前に立った。今日はたくさん活躍してくれた、タブレットの音声読み上げアプリにまた文字を入力する。
再生ボタンを押すと、柔らかな音声が歪な発音で海の言葉を代弁した。
『ここの梅の花をスケッチしたいから、また今度遊びに来るね』
「うん!」
そんな海の『言葉』に、弥生がにっこり頷きを返す。そっと握った手がしっかりと握り返されて、彼女が本心から喜んでいる事を伝えてくれた。
アプリを入れておいて良かったな、と心から思う。このタブレットは、まだまだ活躍してくれそうだ。
そんな人々の中に立って、
志鷹 若菜
と
志鷹 佑都
、
衛藤 まりえ
も島山家の人々に挨拶をし、梅園を後にした。分けて貰ったガラス製の小さな漬物用ポッドを零さないよう大切に抱えながら、行けて良かったですね、と微笑む。
「たまたま先生方と休暇が重なっていて、ご一緒出来て良かったです」
「こちらこそ、誘ってくれてありがとうね」
そんなまりえの言葉に若菜が、まりえから貰ったお揃いの漬物用ポッドを抱きながら、お礼を言った。梅花漬の事も、弥生の事もそうだし――何より梅の花は志鷹家にとっても想い出の詰まった、大切な花だから。
知れて、関われて、手助けが出来て良かったと、心から思う。そんな姉の言葉に佑都も、そうだね、と頷いた。
「今度、父さんと母さんも梅園に招きたいね」
「そうね。きっと喜んでくれるんじゃない?」
そんな風に話す2人の会話を聞きながら、彼らの父が事故で片目を失明している事を思い出して、まりえはまた少し顔を曇らせた。今日は弥生を見るたびに、その向こうにまだ会った事のない彼らの父を思い出していたのだ。
今日1日過ごしただけでも、目の見えない弥生と共に暮らすという事は本当に大変な事だと、片鱗ながら実感した。まして長い年月を、大変な苦労の中で共に生きてきた彼らの両親は、一体どんな人達なのだろう。
「……いつか、先生のご両親にお会いしてみたいです」
「まりちゃんはびっくりするかもね。今もラブラブなんだよ」
「……確かに」
ゆえにぽつりと呟いたまりえの言葉に微笑んでいた佑都は、続く姉の言葉に苦笑した。子どもの立場から見ても『ラブラブ』と表現せざるを得ない両親の様子は、馴染みのない人間が見れば驚くに違いない。
そんな若菜の言葉にまりえも、そうなんですね、と笑顔になった。と、その時若菜のカバンから聞き鳴れた電子音が響き、3人は瞬時に顔を引き締める。
医療従事者である彼らの電話は、友人知人達からよりも、職場である病院からのコールの方がよほど多い。案の定、電話に出た若菜は仕事の顔になって「ごめん、緊急コール」と手短に告げた。
その意味が痛いほど解るまりえと佑都は、気を付けて、と急いで帰っていく若菜を見送る。念の為に自分達の携帯も確かめて、病院からの着信が残っていない事にほっとして。
ふと風に揺れるまりえの髪から香る甘い香りを感じて、佑都が向けた眼差しの先には1枚の梅の花びらが、しっかりと絡まっていた。まりえの唇と同じ薄紅色の花びらを、指先でそっとつまみ取る。
「え、先生? ……あ……」
突然触れられた事にドキッとして、佑都を見上げたまりえは彼の指先の花びらを見て、少し頬を染めた。そんな彼女に、佑都は少し哀しそうに微笑む。
なぜ哀しそうなのだろう、まりえはそう瞳を揺らした。なぜ――こんな時ですら、なぜこんなにも、この人は。
そっと胸の辺りで手を握り、帰りましょう先生、と何でもない声色で言う。まだまだ冷たい早春の風が、街へと続く道を吹き抜けていった。
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あとがき
担当マスター:
蓮華・水無月
ファンレターはマスターページから!
いつもお世話になっております、または初めまして、蓮華・水無月と申します。
この度はご参加頂きまして、本当にありがとうございました。
島山梅園での冬のひと時の物語、いかがでしたでしょうか。
季節はまだまだ冬には程遠いですが、冬の空の下に咲く梅の花の可憐な姿を感じて頂くことが出来ればと、頑張って執筆させて頂きました。
水無月も梅の花を感じたい気分になりましたが、残念ながらそうもいかず、動画などで楽しむのみで……
今年(来年)の冬はぜひ、家族で観梅に出かけたいと思います、まずは梅林を探すところから(ぁ
お届けさせて頂きましたリアクションが、皆様に僅かなりとも楽しんで頂ける物であれば、心から嬉しく思います。
またのご縁がございましたら、どうぞ宜しくお願いいたします(深々と
(運営部より)
こちらのリアクションは2週間以上前に完了しておりましたが、運営部の不手際によって公開が遅れてしまいました。
ご迷惑ご心配をおかけしまして、誠に申し訳ございませんでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年09月14日
参加申し込みの期限
2020年09月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年09月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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