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島山梅園華始(しまやまばいえんはなはじめ)。
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お昼ご飯を終えて少し休憩したら、午後からはいよいよ梅花漬の仕込みだ。やり方は十海が読んだ本が頼り――という事で、一応の作業リーダーに収まっている彼女の顔には、緊張の色が――いや、見られない――?
ふと嫌な予感を覚えて、
弥逢 遊琳
は十海に声をかけた。
「その本、良かったら僕にも見せてもらえる? 一応レシピは調べてきたけど、そっちも確認しておきたいんだ」
「あ、なるほどですね」
彼女の表情からは何が『なるほど』だったのかはちょっと判らなかったが、とまれ十海はこくりと頷いて、遊琳に件の本を手渡した。それに目を通して作り方を確かめて、うん、と遊琳は頷く。
どうでしたか? と尋ねた彰尋にも本を見せると、彼もまた目を通して自身の知識と照らし合わせ。
「俺の知ってるやり方にも似てるので、手伝えると思います。皆川さん、良いかな」
「助かります」
彰尋と遊琳の申し出に、十海はこくりと頷いた。ゆえに十海が教える作り方を、遊琳と彰尋が横から補うような形で、漬け込み作業を開始する。
まずは皆で摘んだ梅の花を、綺麗に洗うところからだ。幸い梅の花を置いてある作業場は、日頃は農作物の出荷作業を行っているから、水はすぐに用意できる。
ゆえに
志鷹 若菜
は手ごろな容器を用意すると、その中にたっぷりの清水を満たしていった。同時に
衛藤 まりえ
はそれなりの大きさの鍋を用意すると、洗っている間にお湯を沸かしておこうと分量の清水を注ぎ入れる。
コンロはさすがの島山家の作業場にはなかったようで、十海が持参したというカセットコンロが代わりに、作業台の上に置かれていた。その上に重たい鍋を乗せ、カチッと捻ると青い炎がぽっと点る。
カセットコンロの火力だと、大きな鍋にたっぷり注いだ水が沸くまでにはかなり時間がかかるだろう。その間に洗浄をまずは済ませようと、全員でとりかかる。
花を洗う時もとにかく丁寧にそっと、というアドバイスのもと、若菜の用意した水の容器の中で、指先のみで優しく洗っては新聞紙の上に並べて行った。彰尋によると、洗い終わった花はこうしてしばらく陰干しをするのが良いのだという。
そうして梅の花を洗う作業は、神経は使うが時間もかかる。自然、あちらこちらでおしゃべりをしながらの作業になった中で、彰尋と遊琳も美味しく頂いたお昼ご飯の話に花を咲かせていた。
「この時期は根菜の煮物が美味しいですよね。お昼に頂いた大根も美味しかったです」
「うん、美味しかったよね。そうそう、大根は米のとぎ汁であく抜きするけど、面倒だったら研ぐ前の米粒を幾らか一緒に放り込んで煮ちゃえばいいんだよ」
「なるほど。それなら簡単そうですね」
遊琳のアドバイスに、今度自分も試してみよう、と彰尋は心のメモに残しておく。とぎ汁を用意しなくて済むのは楽だし――特にこの季節の米とぎは苦痛が大きい――煮込んだお米は煮汁をしっかり吸って美味しいだろうし、良い事づくめではなかろうか。
そう言うと、そうかもね、と遊琳が小さく笑った。勿論きちんとした手順であく抜きした方が美味しいのだけれど、必要に応じて手間を省くのも生活の知恵である。
――洗っている間にお湯が沸いたので、若菜は事前にきっちりと測っておいた塩を入れてしっかりと溶かし込んだ。量は多すぎても、少なすぎても香りが悪くなるようだから、作り方通りになるよう心掛ける。
あとは花を漬ける前にまたしっかり混ぜて、味が偏らないようにしないと――と考えている若菜の傍で、そう言えば、とまりえが呟いた。
「確か、お酢を入れると花びらの発色が良くなるっておばあちゃんが言ってたっけ……」
「白梅酢ですね。こちらで漬けたほうが香りもなお良いですよ」
この梅花漬は、単に梅の花を漬け込むという以上に、目の見えない弥生に梅の香りを感じさせてやりたい、という久幸の願いが込められている。ならばより香りが良い方が、その目的にも叶うだろう。
彰尋はそう微笑んで、花湯とか楽しんでもらえたらいいですね、と頷く。そうですねとまりえもそれに頷いて、白梅酢があるか島山家の人に確認しに行こうと作業場を出た。
と、その足が昼食後は久幸さんと話していたはずの
志鷹 佑都
と行き会って、止まる。
「ん? 何かあった?」
「いえ、白梅酢が良いと聞いたので、あるか聞きに行くところなんです。先生は久幸さんとお話しされていたんですよね、まだいらっしゃいますか?」
「いや――案内のお客さんが来たそうだから、今は忙しいんじゃないかな」
ふむ、と来た方を見やりながらそう言った佑都に、なるほど、とまりえは頷いた。なら久幸ではなく、ご夫婦を探した方が良さそうだ。
午後からも梅園で作業していると聞いたけれど、と考えていたまりえはふと、そう言えば、と佑都を再び見上げる。
「久幸さんとは、何をお話しされてたんですか?」
「うん、ちょっとね。――後で話すよ」
まずは作業を終わらせちゃおう、と肩を竦めた佑都に、解りましたと頷いてまりえは梅園に出て行った。それを見送って、佑都は今しがた話していた内容を思い出す。
取り立てて隠すような事は、もちろんなかった。――彼は久幸に、弥生との暮らしで何か困りごとはないか、聞いていたのだ。
五感のうちの1つを失った人との暮らしは、当たり前だが言うほどに容易いものではない。事に我々の『普通の生活』は実は想像以上に視覚に頼っている所が多いもので、それを失われた人がそうではない人と共に暮らすというのは、双方にとって困難の多いものだ。
だから――と尋ねた佑都に久幸は当初、微妙な微笑を浮かべながら『そうですねー、まあ、色々ありますよね』と言うだけだった。当たり前だ、幾ら本業は医師だと聞いても、初対面の人間にいきなりそこまで踏み込んだ事を話せる人は、そうは居ない。
その気持ちもよく解ったから、佑都はもちろん無理強いはせずに、なぜその質問をしたのかという事情を明かすのみにした。
『私の家族にも、片目ですが事故で視力を失った人がいます』
片目の視力を失った父と、その父を支えてきた母との暮らしを思い出す。佑都にとって久幸はだから、お節介に過ぎないのだろうと理解してはいても何となく、もう1人の自分のように感じられていた――多分、姉の若菜もそうだろう。
もちろん、全盲の弥生と半盲の父とでは、その困難は段違いだろう事も想像に難くなかった。それでも同じ困難を持つ者の身内として、彼が何か困ったり、案じたりする事があるのなら聴きたかったし、もし何かしら良い解決法があるのなら伝えたかった。
自分にその答えがなくとも、両親なら或いは。弥生と同じく女性で趣味も近い、若菜ならば或いは――
そんな佑都の願いにも似た言葉に、久幸は心動かされたようにも見えた。幾度か唇が動いて、だが結局『そこまで気遣って下さってありがとうございます』とぺこりと頭を下げただけだったけれど。
何かあれば連絡して欲しいと教えた連絡先は、役立つ事があるだろうか。彼の性格なら連絡して来ない気もするが、もしあれば力になれたら良いと思う。
ふ、と頭を軽く振って意識を切り替えた。先ほどまりえに彼自身が言った通り、今もっとも久幸さんの役に立てるのは、梅花漬の仕込みを無事に終わらせることだ。
ゆえに佑都はすっかり『いつも通り』の顔になって、作業場に入ってこう言った。
「遅くなってごめん、私も作業に入ろう。――重石を乗せるとか、力仕事の方が良いかな?」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年09月14日
参加申し込みの期限
2020年09月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年09月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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