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島山梅園華始(しまやまばいえんはなはじめ)。
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城山 水樹
が恋人の
ヒュー・ヒューバート
と共に島山梅園を訪れたのは、午後を少し回った頃の事だった。
大学は春休みに入ったし、今日はモデルの仕事もオフだ。そして偶然にもというべきか、ヒューもまたこの週末に時間が空いたので、土日は2人で過ごせることになったのである。
ゆえに今日のデートは水樹の案内で、寝子島の隠れた名所だという島山梅園を訪れることにした2人だ。この季節になると毎年、綺麗な梅の花が咲くこの梅園を、水樹は子供の頃から何度か訪れたことがある。
最後にここへ来たのは大学に入る前の春休みの時以来だから、3年ぶりだ。桜の花とはまた違った美しさがある、梅の花も水樹は好きだった。
「桜の名所は寝子島にいくつもあるけど、梅の花はこの島山梅園よね、って思ってるの」
「確かに、静かに梅の花をめでるには最適な場所だね」
そんな水樹のどこか誇らしげな言葉に、ヒューは咲き誇る梅の花を見遥かしながら頷く。決して賑やかな場所ではなく、それこそ地元の人以外で訪れるのは偶然ネットか何かで知った遠方の人くらい――といった感じの、よく言えば素朴な雰囲気がある梅園だが、そこが良い。
そしてこの梅の花だ――今日は一際美しく咲き誇っているこの花達が、どんな装飾よりも美しくこの場所を彩っていた。桜の花とはまた違った魅力を醸し出しているこの花を、水樹が好きだというのも納得できる。
そう称賛するヒューに、でしょ、と水樹は誇らしげに笑った。そうして梅園の入り口を潜ると、まずはその脇にあるベルを鳴らす。
来園者は必ずこのベルを鳴らすのが、立て看板の注意書きにも書いてある島山梅園のルールだ。ここは観光専門の梅園ではなく、観光も受け付けている農業梅園だから、勝手に入られて梅の木を傷つけられたり、変に地面を荒らされては大問題である。
ゆえに水樹はベルを鳴らし、島山家の誰かがやって来るのを大人しく待つ。少しして、やって来た島山夫妻に水樹は、ひょい、と頭を下げて挨拶した。
「お久しぶりです」
「おー、水樹ちゃんか!? 大きくなったなぁ……って、あれ?」
「初めまして」
懐かしそうな表情から一転、目を丸くした人々に、ヒューが礼儀正しく挨拶した。あれ? と再び自分の上に戻ってきた視線が聞きたがっている事を、痛いほど感じて水樹はひょいと肩を竦める。
その仕草からしっかりと答えを読み取って、島山夫妻がまるで孫の成長を見た祖父母のような顔になった。というか、あの小さかった水樹ちゃんが……と頷き合う様は、まさに祖父母そのものだ。
年齢的には両親と同じ位なんだけどな、と苦笑いする。3年前は本土の大学に行っていて居なかったお兄さん、久幸さんともそう歳は変わらないし――
「――そう言えば、久幸さんはまだ本土?」
「ああ、今日は弥生を尋ねて来てくれた人が居てね。今はその人と話してるんだけど――そろそろ終わるだろうから呼んで来よう、案内は久幸にさせるから」
そう言って自宅の方へと歩いて行った、ご主人はすぐに久幸を伴って戻ってきた。あの小さかった水樹ちゃん!? とこちらも同じような反応をする久幸に、案内してあげなさい、と言いつける。
今は梅園の案内はすべてやっているという久幸は、その父の言葉に「わかってるよ」と当たり前に頷いた。スッと仕事モードに切り替わり、水樹とヒューに梅園での注意を伝えると、絶対に自分の後をついてきてください、と言って歩き出す。
そんな久幸の後について歩き出した、水樹はすぐに目の前の光景に目を奪われた。3年ぶりに見る梅の花は、記憶の中のそれと変わらず美しく咲き誇っていたのだ。
それに言葉にならない感動を覚えて、水樹は「うわー、綺麗」と呟く。そうしてから、我ながら何とも芸のない感想だと軽い自己嫌悪に陥ったが――いや、下手に言葉を飾るより、シンプルな方が感動が伝わるはずだ、うん。
自分にそう言い聞かせながら、さり気なくヒューと久幸の様子を窺ってみたけれど、2人とも特に気にしていないようだった。それにほっと息を吐き、暑くもないのに少し火照ってしまった頬を手で扇ぐ。
そんな水樹にはやはり気付かない風で、久幸は慣れた様子で園内を歩きながら、育てている梅の種類などを説明していた。最後に会った時とは比べ物にならないしっかりとした姿に、水樹があれから変わったように、久幸だって変わっているのだと実感する。
何とはなしに、ぎゅ、とヒューと繋いだ手に力を込めた。そんな水樹の手を『わかっている』とでも言うように優しく握り返しながら、ヒューは時折デジカメを構えては、気になったり心惹かれたりした梅の花をファインダーに収めていく。
それにモデル魂がうずうずしたのか、水樹がふいに「ねぇ!」と声を上げた。
「ヒュー! あたしも梅の花と一緒に撮ってよ! 久幸さん、良いでしょ?」
「ああ、そっちの梅の木ならいいよ。あっちは近付かないで、こないだちょっと手を入れたばかりなんだ」
尋ねた水樹に、尋ねられた久幸は頷きながらも注意を促した。はーい、と素直に返事をしながら早速許可を得た梅に近づいて、こんな感じでどう? とポーズを取り始める。
さすがモデルさんだな、と久幸が関心の声を上げた。それにパチンとウィンクして見せて、ヒュー、と水樹が恋人を呼ぶ。
OK、とカメラを構えてシャッターを切った。時にはお淑やかに、時には冬の中の太陽のように快活に、くるくると表情とポーズを変える水樹と梅の花の『共演』を、余す事無く納めていく。
それから、今度は2人で写りたいというので、久幸に頼んで何枚か撮ってもらう事にした。高いカメラなんじゃ……とおっかなびっくりの久幸に、笑ってシャッターの位置を教えると、観光客に頼まれて写真を撮る事そのものには慣れているという久幸は、すぐに飲み込んでシャッターを危なげなく切ってくれる。
そうしてまた歩き出すと今度は、なぜか妙に梅の花の少ないエリアになった。そういう品種なのだろうか? と久幸に尋ねると、ここは午前中に手伝いの人を呼んで花を摘んだばかりなのだという。
花を摘む? と首を傾げたヒューに、ちょっと妹のために、と久幸が肩を竦めた。そう言えば、と水樹が軽く首を傾げて尋ねる。
「弥生ちゃんはどうしてるの? 元気?」
「ああ、うん、元気だよ。今日は弥生の為に『梅花漬』ってやつを作ってるんだ――ほら、弥生は花が見られないだろう」
「あぁ……」
そんな久幸の言葉に、水樹が納得とそれ以外の色の混じった頷きを返した。何か、と目線だけで問いかければ、久幸の妹、弥生の目は見えないのだと教えてくれる。
それを聞いて、なるほど、と水樹の態度に納得した。それは確かに、扱いが難しい事情だ。
ゆえにヒューは久幸の妹についてはそれ以上触れず、もう1つの気になった単語について質問した。――『梅花漬』とはなんだろう?
水樹も知らないと首を振ったその質問に、久幸が梅の花の塩漬けだと教えてくれた。これを花湯にしたり、お菓子にしたり、料理の隠し味に使ったりして、色々と楽しめるのだという。
何とも珍しい、面白そうなモノだと思った。だからお土産として梅花漬を買いたいと申し出たヒューに、だが久幸は困った笑顔で「それはちょっと」と首を振る。
「まだ試作の段階ですから、お客様に売れるようなモンじゃないです。例え上手くいったとしても、出来上がりは二ヶ月は先ですから」
上手く商品に出来そうならまた来年にでも買いに来て欲しいと、告げる久幸になるほど、とヒューは頷いた。来年のスケジュールはさすがにまだ不明だが、もしまたオフが良い時期に重なっていれば、水樹と2人で買いに来るのも悪くない。
それからはまた、久幸の案内を聞きながら、決して広くはない梅園を隅々まで見て回った。そうして心行くまで梅の花を堪能した2人は、久幸と島山夫妻にお礼を言って、家路についたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年09月14日
参加申し込みの期限
2020年09月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年09月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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