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島山梅園華始(しまやまばいえんはなはじめ)。
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ひと足先に梅花摘みから抜け出して、
志鷹 若菜
は島山家の台所に立っていた。島山家の奥さん、杉子さんと一緒にお昼ご飯を作るためだ。
今日のメニューは、梅味とおかか味のおにぎり。大根の煮物はすでに出来上がっているし――余談だが、島山家の梅園横にある畑では大根が今まさに収穫期のピークを迎えているため、この煮物は商品にならない大根を消費するべく島山家の食卓に常に並べられているらしい――卵焼きは杉子さんがせっせと焼いている所。
ゆえに若菜はひたすらに、おにぎりを握り続けていた。助かるわー、と額に汗をかいた杉子さんにお礼を言われ、とんでもありません、と若菜は微笑んで首を振る。
若菜にしてみれば、今日は弥生とその家族のために少しでも力になれたら――とやって来ているのだから、この位は安いものだった。お手伝いの10人分と島山家の4人分、合わせて14人分のおにぎりを握るのは、まあ、確かに重労働だったが。
作り終えた昼食は、杉子さんと手分けして客間に運ぶと、用意されていた大きめの座卓が一杯になった。さすがに軽く目を見張っていると、杉子さんが何処で今日の話を知ったのかと聞いてくる。
彼女はどうやら、子ども達の知り合いでもない人たちがこんなに大勢やって来るのが、不思議で仕方ないらしい。そんな杉子さんを安心させるように、若菜はにっこり微笑んだ。
「私は、今日は友人から聞いて来たんです……あぁ、彼女です」
「えっ、私ですか?」
ちょうど久幸の後に続いて客間に入って来た
衛藤 まりえ
を指さした若菜に、いきなり指差されたまりえはきょとん、と目を丸くした。何の話だと尋ねると、今日来た切っ掛けの事だと言われて納得する。
興味深そうな眼差しを向けた、杉子さんにぺこ、と頭を下げた。
「
衛藤 まりえ
です。祖父母から今回のお話を聞いて、是非お手伝いがしたくてお友達と来ました」
「おじい様とおばあ様から?」
「はい。祖父母は島山さんのご一家の事は存じ上げていると申しておりました」
実際には顔馴染みだと言っていたのだが、そこは少し謙遜しておく。だが旧市街に住んでいる母方の祖父母の名前を聞いた杉子さんは、あああの、とたちまちにっこりした。
お孫さんこんなに大きかったのね、と隠す気のない好奇心で向けられた眼差しは、だが杉子さんの人柄のゆえだろうか、不快ではない。例えるなら近所の顔見知りの小母さんに向けられるような、好意しかない眼差しをくすぐったく受け止めていたまりえに、杉子さんが「うちの息子がごめんなさいねぇ」と肩を竦めた。
「いきなり花摘みなんて、初めての人には大変だったでしょう」
「そんな事は……ですよね、先生」
「そうだね。久幸さんが親切に教えて下さったし」
ちら、とまりえが眼差しを向けながら話を振ったのに、隣で一緒に話を聞いていた
志鷹 佑都
は大きく頷いた。それはもちろん、普段は使わない部分の筋肉を使った疲労は大きいけれど、純粋な体力の消耗としては日頃の病院勤めの方がよほど過酷だ、と言える。
やった事はと言えば、久幸に依頼された通り一重で8分咲きの梅の花を、佑都とまりえと若菜、三人で情報共有しながらせっせとカゴに集めていくのみ。摘んでも良い木や花を間違えないよう確認しながら慎重に摘んでいったので、そういう意味での大変さは確かにあったが――
佑都がそう告げると、聞いていたまりえと若菜も「そうですよ」と異口同音に頷いた。
「梅の花湯、素敵ですから是非私もお手伝いさせて頂きたかったんです。花の香りも楽しめましたし」
「すごくいい香りでした……! 枝や他の花を傷つけないように、そっと摘むのがちょっと大変でしたけど」
「……という訳ですから。お気になさらないで下さい」
口々に告げる3人に、杉子さんはきょとんと眼を丸くしてから、ありがとうね、と微笑んだ。自分達は台所で食べるという杉子さんを見送って、佑都達はバイキング方式になっている昼食の皿から、自分達の分を取り分ける。
そうして、そこそこ広い客間の中で十海達と一緒に座卓についている、弥生の方へと足を向けた。必要なら食事も運んだほうが良いかと思っていたけれど、それは必要無さそうだ。
ゆえに静かに、だが煩くない程度の足音を敢えて立てながら近づくと、まりえと若菜はまずは弥生達に声をかけた。こちらの存在を弥生に認識してもらうためだ。
目が見えない人に対して、いきなり体に触れたり、それに近しい行為をするのは厳禁とされている。それは、強い恐怖を与える行為だからだ。
目が見えている人間でも、いきなり暗がりから腕を掴まれたり、背後から肩を叩かれたりすれば驚くだろう。目が見えない人にいきなり触れるのは、それと全く同じ事――否、それより悪い行為と言っても過言ではなかった。
ゆえに声をかけた若菜達に、弥生と、一緒に食事をしていた何人かが振り返った。合うはずのない弥生の眼差しに、それでも目を合わせるようにして微笑む。
「私たちもご一緒させてもらっても良い?」」
「香りの良いハーブティーもありますよ。良かったらご一緒に飲みませんか?」
まりえも手にしたティーポットを軽く持ち上げて、その香が十分に広がるよう動かしながら、弥生達に声をかける。中に入っている、若菜が持ってきたハーブティーは、こうして持っているだけでも心くすぐられる良い匂いだ。
その匂いに惹かれたのか、何人かが手を上げた。その中に混じって
楡宮 遠海
も、ハーブティーを所望する。
受け取ったハーブティーは、もし零しても火傷をしないようにだろう、熱過ぎず温過ぎない、ちょうど良い飲み頃の温度だった。ありがたい、とハーブティーで喉を潤して、遠海はまた昼食の手を動かす――彼女は今、この上なく空腹なのである。
何しろ朝早くに家を出て午前中しっかりと働いたのだ、遠海の空腹がピークに達するのもむべなるかな。おまけに出された食事は梅味とおかか味のおにぎりにお茶、卵焼き、大根の煮物と、見るからに美味しそうなのである。
ついでに『ご自由にどうぞ』と言われては、この空きっ腹を慰めるべく全力で食べまくるしかない。そんな訳で先刻から、遠海の手はお皿と口の間を忙しなく行ったり来たりしていた。
もっとも、空腹に任せてどんどん手を動かして食べているとはいえ、見ていて不快になるような食い散らかしをしているわけではない。きちんとテーブルマナーは守っているし、次々と口の中に消えていく食事だって、きちんと味わって食べている。
この、傍から見ればまるで何かの冗談のようにも思える速度と量に、作った当の若菜は目を丸くした。とは言え喜んで食べてもらえるのは、悪い気はしない。
おにぎりと卵焼きと大根の煮物、いつも彼女が食べ慣れている物なのだろうか、前に置かれたお皿に左手で触れ、右手で皿の上を探っては食事する、弥生の姿にふと父の姿を思い出した。若菜はそんな弥生の傍に近づくと、手を握らせてね、と断ってからそっと彼女の手を包む。
「余計なお世話だったらごめんなさいね。ここがおにぎり、こっちに卵焼きがあるよ」
そうしてほんの少しだけ、彼女の食事の手助けをした。もちろん、友人である十海や他の人達も彼女の手助けをしては居るだろうけれど。
弥生は一見して、物静かな少女だった。幼い頃は快活な子供だったと聞いているけれど、その姿は今の彼女からは想像もつかない。
もちろん、成長と共に変わっていくのは当たり前だけれども。弥生の変化はそれ以外の要素の方が大きいのだろうと、胸を痛めながら若菜は優しく語りかけた。
「弥生さんは音楽や本が好きなんだって?」
「はい――」
「私も音楽と本が好きなの。弥生さんはどんな音楽や物語が好きなのかな」
まずは共通の趣味から話すのが打ち解けやすいかと、話題を考えながら若菜は言葉を紡ぐ。叶うなら、今の生活の中で不自由に感じている事も、あれば是非訊かせて欲しい。
半盲の親を持つ娘として、医者として、何か力になれたら――そう思いながら、弥生を見つめ、言葉をかける。彼女の父とは違って両目の機能をほぼ失っている少女は今は、若菜の言葉に考え込むように虚空を瞳に映していた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年09月14日
参加申し込みの期限
2020年09月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年09月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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