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紫陽花の古本市
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◆
鳳翔 皐月
の『リミュエール』が扱うのは、小説とパンフレット。それから画集。
客足はまばらだが、古本市ならまあそんなものだろう。主に売れているのはパンフレット。公開中に入手できなかったり、懐かしさにかられたりした人たちが購入していった。
(これで多少は数減るか)
そんなことを思いながら煙草を一服していると、また一人客がふらりとやってきた。着物を着、手には刀の鞘を手にしている。
流石の皐月も一瞬鞘に視線を奪われるが、いくらなんでも本物なわけはない。模造刀だろうと納得して気にしないことにした。
「いらっしゃい。好きに見てきな」
その客――
哀坂 子夜
はそれに応えることもなく、鞘を置いて無言で段ボールの中の小説を一冊手に取った。
携帯灰皿に灰を落としながら、その様子を眺める皐月。端麗な容姿、しかしその上にはなんの感情も表れていないようで。整っているだけに、かえって人形の様な印象を受ける。
そんなことは知る由もなく、ゆっくりとした動作で子夜はページをめくる。
ページの上に印刷された文字は、情報としては理解できる。風景も、人物の動作も――状況そのものを頭の中に描くことはできる。
しかし、それが何を意味しているのかがわからない。おそらくはそこに込められているはずの感情というものが、サッパリ理解できない。
3ページほど目を通したところで、手に取った時と同じように無言で閉じる。相変わらず、そこには何の表情も浮かんでいない。が、どこか悲しそうにも見える。
「おや、お気に召さなかったか」
子夜は静かに首を振る。
「……そういうわけじゃ、ない」
気に召すも召さないも、そもそも解らないのだから。
「物語は…解らない……。登場人物の行動の理由が、君には解るのかい……?」
皐月はまた一本煙草に火をつけ、煙をゆっくりと吸い込んだ。それから、深く、長く、吸い込んだ煙を吐き出す。
「まあ、想像くらいはできるかね。読んでくうちにピンとくるってこともあるしな」
「読んでいく、うちに……?」
「その場で全部説明されるわけじゃねえし。つーか、それだと物語って感じがしねえしな」
「……そういうもの、なのか」
そうだとするなら、ただでさえ感情というものがわからない子夜が、物語の最初を見てもさっぱりなのは当然なのだろう。
少しばかり、周りの喧騒が遠く聞こえる時間が続いた後、
「……邪魔を、した」
鞘を取り上げその場を去る子夜の後ろ姿を、皐月は携帯灰皿に灰を落としながら見送った。
◆
新品のシャキンとしたのも好きだけど、古本のくたっとした感じも好きだ。『ああ、この本は人にたくさんたくさん読まれたんだ』と、そう思えるから。
じーさんになって古本市で自分が書いたそんな本を見つけたら、きっと嬉しい。
まだまだ、うんと先の話だけど。
のんびりと古本市を回る
薄野 一月
の目に留まったのは、それ自体が骨董といった印象の革張りトランクが台になった店、『梨瓜屋』。
少し見ていこうと立ち寄ると、スケッチブックと向き合っていた店主の少年――
芹沢 梨樹
は一月に気付いて慌てて手を止めた。
「いらっしゃいませ。どうぞ、ご自由に見てってください」
「はーい」
言葉通り自由に並べられた本を見ていく一月。文庫の中から何冊か推理小説をピックアップしていると、並べられた画集にも目がとまった。
「絵、好きなの?」
「……はい、一応高校も絵画専攻で」
「なるほどねー。あれ、じゃあこのお店の周りに置いてある絵って、自分で描いたの?」
一月が目を向けた先には、数枚の絵。
一つは、店の位置から見える町並み。一つは、店の周囲。またある一つは、さまざまな色で描かれた紫陽花。
「そうです。店の周りに置いたら、ちょっとはアピールになるかなって」
「そっかそっか……ねえ、この絵って売ってもらえる?」
その言葉を聞いて、梨樹の顔に焦りとも驚きともつかない色が浮かぶ。
「絵は売り物じゃないんです…勉強中だから金が取れるようなものじゃ……でも」
「でも?」
「…でも、貰ってくれるなら嬉しい、です」
にこー、と一月は梨樹に笑いかける。
「じゃあ、一枚……そうだなー、この紫陽花の絵、貰ってもいい?」
「は……はい、どうぞ!」
少しだけ、梨樹の声が大きくなるった。その様子に、一月はまた一層の笑みを浮かべる。
「あとー、こっちの文庫とこの画集ももらえるかな?」
「はい。重いので……えーと、気を付けてください」
「ありがと! 大事にするねっ」
受け取った画集と文庫を鞄に仕舞うと、一月は足取り軽く梨瓜屋を後にした。
◆
絵を貰ってもらえ、少しばかり、否かなり上機嫌な梨樹。デフォルト仏頂面故に生じてしまう威圧感は、今のところ綺麗さっぱり消え去っていた。
そこにやってきたのは、
綾辻 綾花
。
「本、見せてもらってもいいですか?」
「ああ、勿論。自由に見てってくれ」
早速、文庫本に手を伸ばす綾花。手に取るわけではなく、一冊一冊背表紙のタイトルを指差しつつ確認していく。ざっと見たところ、多いのは推理小説と時代小説だろうか。
「推理小説と時代小説がお好きなんですか?」
「ん? ああ、そうだな。結構、読んでるし。そこにあるのは、従姉のも多いけど」
「じゃあ、これがおススメって作品はありますか?」
「おススメ、か……」
綾花の問いに少し思案してから、梨樹は一冊の文庫を取り上げた。
「これかな。館モノなんだが、最後叙述トリックで綺麗にひっくりかえされて――あっ」
慌てて口を塞ぐ。が、もう遅い。書店でたまにある『叙述トリック特集!』なんてポップばりのネタバレをきめてしまった。
「……ごめん」
綾花はくすくすと笑いながら、
「いえ、そもそも聞いたのは私ですし。ちょっと、その本見せてください」
「ああ……どうぞ」
ぱらぱらと冒頭の数ページを速読し、ひとつ頷いて本を閉じる。
「これください」
「えっ。大事なこと言っちゃったがいいのか?」
「いいんです。自分で見てみて、気になりましたから。それに叙述トリックだってわかったうえで、身構えながら読むのもきっと楽しいと思いますし」
そういうのも一つの楽しみ方だろう。それに重大なポイントとはいえ犯人を言ってしまったわけでもないのだから、そこの楽しみは残っている。
「そうか……」
こうして、梨樹おススメの一冊は綾花の手に渡ったのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月17日
参加申し込みの期限
2013年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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