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- 00月00日生 00歳
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熱血！ 寝子島不良伝！ ～天帝降臨ッ！ 寝子高最後の日～
【復活、そして……】
「……これで、外傷は平気」
「……よかったです！」
庚が目を覚ましたとき、二人の声が聞こえた。
「じゃ、次に行くから」
そうして気配が離れていく。あれは林檎のだろう。
もう一つ……頭に柔らかい感触がする。
「これは、ろっこんか？」
「種も仕掛けもありませんよ。……私、能力使えませんし」
朔夜は先ほどまでの取り乱しよう（これは林檎しか見ていない）を取り繕って、微笑んで言う。
膝枕……本来ならば、勝ったあとでということなのだが、なりふりかまっていられなかった。
「……負けたのか？ 俺は……すまん」
「なんで謝るんですか？」
「……それは」
負けた、という言葉を言いたかった。
だけど、それを許せない自身がいる。
朔夜はゆっくりと庚と立ち上がる。
「一回くらい負けたから、何ですか。貴方が許せないなら――」
砂を払いながら、朔夜が言った。
「――私が、許します」
「あぁ。そうだったな」
その目は、すでに朔夜を見ていなかった。
今はまっすぐに違うところを見ているけども、それでいいと朔夜は思う。
「ああそうだ……俺はまだ、意地を立てちゃいねぇ！！」
庚は立ち上がると、そのまま一人苦戦する円と天帝の場所へと走る。
朔夜も迷わず、隣で走った。
その円は天帝の前に完全に劣勢となっていた。
「くっボクが今まで実践できているのは一間先まで……、しかし、この強敵、付け焼刃でも抜くしかない。寝子高を守るためにも、抜くしかないんだ！」
「が、今はタイミングではない……そうじゃないのかい？」
「……むぅ」
円も円なりに、色々と経験をし、それで得た事を使ってきているが、円は思う。
今これだけ立っていられることこそ奇跡じゃないかと……。
「まぁ、これで終わりだ」
ふっと気が緩んだ円に天帝の一撃が飛ぶ。
「！？ 今……体は……動く、唸れ精神力！」
それと同時に、音速拳が天帝に向けて放たれる。
（体は満身創痍、……だからこその脱力は完成している。余計な事は考えなくていい。自分の体はこの拳を振りぬくためにある！）
「ぐっ……」
ドンッ！ コンクリートもへこます一撃と円の音速拳が同時に決まる……。
「かはっ……」
天帝にはじめて苦痛の色が浮かぶ。
「……あ」
そのまま、円は倒れる。
説明しよう、音速拳とは、命をかけたスビードの一撃である。
古の修行方法により考案され。寝子島の島民らが刀を持つ野伏せりに対抗するため編み出したと思われる業である。
これを極めし者の拳からは最終的には二間先のロウソクの火を拳圧で消すだけの威力と、遅れて破裂音が響くという高速の攻撃が可能となる……。
『人は音速を超える！』（寝子島文庫刊）より
「さぁ…こっからだ…テメェの意地を見せてみろ！」
「効いたねぇ……おや……」
気がつけば、天帝の周りには人が居なくなっている。
対して、庚の周りには朔夜もいる。そして……各戦線を収拾した寝子島の生徒たちが次々と集まってくる。
「やはり、オイラはこうでなくっちゃね」
「……行くぞ」
その瞬間、拳が交差した。
天帝の一撃が骨を、それをさらに貫くほど、重い。
「……だが、……それが、どうしたぁ！」
庚はもはや倒れなかった。
（怖くねぇ……怖くねぇぞ！）
「……だが、まだまだだ」
急速な反撃……、それらはすべて庚の体に刻まれる。
「……くっ……」
柔術、古武術……見た事もない喧嘩殺法……。
時には爪を利用し、時には体そのものも利用する。
分身のように消え、現れたとたん、鋭い一撃がたたき込まれる。
「おおおおぉぉお！」
「ちっ……しぶとい！」
ガッ……と、徐々に拳は天帝を捉えはじめる……。
「……この一撃だけは神魂を抜きにした俺の全てだ！ 喰らえっ！」
「！？」
振りかぶった拳を、ガツッと当てる。
天帝も息が上がってきているのか、その一撃は見事に頬に当てる事が出来た。
「……ぺっ」
口から血を吐いて立ち上がる天帝……。
片膝を突きつつ、なおも立ち上がろうとする庚と、それ一番近くで見守る朔夜。
そして……その後ろにあるものを見て天帝はふっと笑った。
「……分かったよ。オイラの……負けだ」
そう言って、天帝は背を向けて去って行った。
どこまでも、孤独に……。
「俺達の……勝ち……か？」
ゆっくりと、庚は倒れ込む。
「……よかった。ほんとうによかった」
誰にも聞こえない朔夜の小さなつぶやきを……聞きながら。
「……これで、外傷は平気」
「……よかったです！」
庚が目を覚ましたとき、二人の声が聞こえた。
「じゃ、次に行くから」
そうして気配が離れていく。あれは林檎のだろう。
もう一つ……頭に柔らかい感触がする。
「これは、ろっこんか？」
「種も仕掛けもありませんよ。……私、能力使えませんし」
朔夜は先ほどまでの取り乱しよう（これは林檎しか見ていない）を取り繕って、微笑んで言う。
膝枕……本来ならば、勝ったあとでということなのだが、なりふりかまっていられなかった。
「……負けたのか？ 俺は……すまん」
「なんで謝るんですか？」
「……それは」
負けた、という言葉を言いたかった。
だけど、それを許せない自身がいる。
朔夜はゆっくりと庚と立ち上がる。
「一回くらい負けたから、何ですか。貴方が許せないなら――」
砂を払いながら、朔夜が言った。
「――私が、許します」
「あぁ。そうだったな」
その目は、すでに朔夜を見ていなかった。
今はまっすぐに違うところを見ているけども、それでいいと朔夜は思う。
「ああそうだ……俺はまだ、意地を立てちゃいねぇ！！」
庚は立ち上がると、そのまま一人苦戦する円と天帝の場所へと走る。
朔夜も迷わず、隣で走った。
その円は天帝の前に完全に劣勢となっていた。
「くっボクが今まで実践できているのは一間先まで……、しかし、この強敵、付け焼刃でも抜くしかない。寝子高を守るためにも、抜くしかないんだ！」
「が、今はタイミングではない……そうじゃないのかい？」
「……むぅ」
円も円なりに、色々と経験をし、それで得た事を使ってきているが、円は思う。
今これだけ立っていられることこそ奇跡じゃないかと……。
「まぁ、これで終わりだ」
ふっと気が緩んだ円に天帝の一撃が飛ぶ。
「！？ 今……体は……動く、唸れ精神力！」
それと同時に、音速拳が天帝に向けて放たれる。
（体は満身創痍、……だからこその脱力は完成している。余計な事は考えなくていい。自分の体はこの拳を振りぬくためにある！）
「ぐっ……」
ドンッ！ コンクリートもへこます一撃と円の音速拳が同時に決まる……。
「かはっ……」
天帝にはじめて苦痛の色が浮かぶ。
「……あ」
そのまま、円は倒れる。
説明しよう、音速拳とは、命をかけたスビードの一撃である。
古の修行方法により考案され。寝子島の島民らが刀を持つ野伏せりに対抗するため編み出したと思われる業である。
これを極めし者の拳からは最終的には二間先のロウソクの火を拳圧で消すだけの威力と、遅れて破裂音が響くという高速の攻撃が可能となる……。
『人は音速を超える！』（寝子島文庫刊）より
「さぁ…こっからだ…テメェの意地を見せてみろ！」
「効いたねぇ……おや……」
気がつけば、天帝の周りには人が居なくなっている。
対して、庚の周りには朔夜もいる。そして……各戦線を収拾した寝子島の生徒たちが次々と集まってくる。
「やはり、オイラはこうでなくっちゃね」
「……行くぞ」
その瞬間、拳が交差した。
天帝の一撃が骨を、それをさらに貫くほど、重い。
「……だが、……それが、どうしたぁ！」
庚はもはや倒れなかった。
（怖くねぇ……怖くねぇぞ！）
「……だが、まだまだだ」
急速な反撃……、それらはすべて庚の体に刻まれる。
「……くっ……」
柔術、古武術……見た事もない喧嘩殺法……。
時には爪を利用し、時には体そのものも利用する。
分身のように消え、現れたとたん、鋭い一撃がたたき込まれる。
「おおおおぉぉお！」
「ちっ……しぶとい！」
ガッ……と、徐々に拳は天帝を捉えはじめる……。
「……この一撃だけは神魂を抜きにした俺の全てだ！ 喰らえっ！」
「！？」
振りかぶった拳を、ガツッと当てる。
天帝も息が上がってきているのか、その一撃は見事に頬に当てる事が出来た。
「……ぺっ」
口から血を吐いて立ち上がる天帝……。
片膝を突きつつ、なおも立ち上がろうとする庚と、それ一番近くで見守る朔夜。
そして……その後ろにあるものを見て天帝はふっと笑った。
「……分かったよ。オイラの……負けだ」
そう言って、天帝は背を向けて去って行った。
どこまでも、孤独に……。
「俺達の……勝ち……か？」
ゆっくりと、庚は倒れ込む。
「……よかった。ほんとうによかった」
誰にも聞こえない朔夜の小さなつぶやきを……聞きながら。
シナリオ
シナリオデータ
- 担当ゲームマスター
- 前回シナリオ
- シナリオタイプ（らっポ）
-
- ブロンズシナリオ（100）
- グループ参加
-
- なし
- シナリオジャンル
-
- 学校生活
- コメディ
- バトル
- 定員
-
- 30人
- 参加キャラクター数
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2013年09月15日
- 参加申し込みの期限
-
- 2013年09月22日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2013年09月22日 11時00分
