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唐突な使命
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どん、と弱くない力で肩と肩がぶつかり合う。
昼間だというのに薄暗い路地裏。近道だからと通り抜けようと入り込んだその小道で、
霧生 深雪
はぶつかったその相手にじろりと視線を向けた。半ば体当たりに近いその衝撃は恐らく故意だ。
「おい、痛ぇだろうがよ」
相手はいかにも柄の悪そうな男二人連れだった。霧生にぶつかった不精髭の男はすごむような声でそう言い、その横でガムを噛んだ連れの男がニヤニヤと嫌な笑顔を浮かべている。
「そっちがぶつかったんだろ。前見て歩けよ」
自分より頭ひとつ以上大きい相手をじろりと睨み上げると、霧生はそう吐き捨てた。
が、彼らは気分を害した様子を見せず、ねばついた笑みを更に歪めるだけ。
なんだよ、と霧生が更にその視線を鋭く尖らせたとき、ガムの方がくちゃくちゃと汚い音を立てながら口を開いた。
「お前、キリューって言うんだろ? こないだウチの後輩ボコってくれたみたいじゃん?」
ぺ、と男はガムを吐き出した。そのガムは霧生のローファーのつま先にべちゃりと貼りつく。
「三人派手にやられたからどんなゴリラ野郎かと思えば……女みてぇなツラしやがってよ」
不精髭の男が威嚇するように顔を近づけて言った。
霧生は湧き起こってくる怒りを必死に抑えながら彼らを睨みつける。
自分から手を出してはいけない。それは喧嘩に明け暮れる彼が唯一心に課しているルールだった。振り下ろす拳の重さ、相手の急所を踏み抜く感触、それらはすべて「仕方のない」ことなのだ。したくてやっている訳ではない。暴力をふるうたび、これは正当防衛なのだと、霧生は必死に自らに言い聞かせていた。
争いごとに巻き込まれる直前。思い出すのはいつだって両親の後ろ姿と弟の悲しげな顔。
相手の拳が飛んでくるまでのあいだ、霧生の優れた観察眼は完全にその軌道を目で追っていた。しかし身を逸らそうとはしない。
不精髭は霧生の右頬に勢いを乗せた拳を叩きつけた。相手も相当喧嘩慣れしているようだ。身構えていたとはいえ体格差は明らかで、細身の霧生はその衝撃に整った顔を歪めて二三歩よろめいてしまう。けれど怖気づいてはいなかった。
(……むしろすっきりする)
殴られた衝撃は一種の合図。
湧き起こるアドレナリンと「正当防衛」の四文字が、彼の中で燻っている暴力へのわずかな逡巡を完全に塗りつぶす。
ああ、もうこれで余計なことは考えなくていいんだ。俺は自分を守るために拳を使う。
ただそれだけのことなんだ。
二対一、先手を取られた喧嘩。
しかしその劣勢はすぐに逆転することとなった。
自分よりも二回りは大きい男に馬乗りになりながら、霧生は振り下ろした拳を叩きつける。
「うがっ……」
苦しげな声、相手の肋骨にめり込む感触。
暴力の音はどうしてだが無性に彼の気分を高ぶらせる。何かが潰れるその音を聞くたびに、腹の底から何かがみなぎってくるのを感じるのだ。
相手の顔は血まみれだ。さすがにもうヤバい。そう分かってはいるのに、けれどもっとその壊れる音が聞きたくて仕方がない。いつもと明らかに違うその『力』と違和感を意識したとき、彼はふとあることに気付いた。
いつの間にか歪んでいた表情。
(あれ……? なんでだ? なんで俺は)
なんで笑っているんだ?
霧生はそこでようやく殴る手を止めて自らの顔を触った。白い頬に相手の血がつくのも気にせず、確かめるように何度も、何度も触る。
「なんでだよ……」
絞り出すようなその気持ちは声になって空気を震わせた。
ふと自分の両手に視線を下ろすと、その手は相手の血で真っ赤に染まっている。
鍵盤の上で音楽と家族の絆を紡ぐ大事な両の手が、無意味な暴力に汚れていく。
やがて深雪はがくりとうなだれた。
その脳裏に浮かぶのは、やはり両親と弟の後ろ姿。
その背中は彼の頭の中からどんどん遠ざかっていく。名前を呼んでも、誰も振り向いてくれない。
「なんでこんな……どこでおかしくなっちまったんだよ……」
乾いた血のこびりついた頬を、生ぬるい涙が濡らしていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月16日
参加申し込みの期限
2013年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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