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唐突な使命
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旧市街のある一画。
「たちもり動物病院」という看板が提げられたその病院を、一人の子どもが訪れた。
息を切らした様子のその子どもの腕には、小さな白い猫が抱えられている。
「すみません、お医者さんはいますか!」
幼さの残る子どもの声は、似つかわしくない緊張感を含んでいる。ただ事ではないその声に、コーヒーを飲んでいたこの病院の若院長――
日月 透
は院長室から顔を出した。
「こんにちは。……その猫は?」
小さな来客に挨拶を交わした彼は、すぐにその腕の中で弱っている猫に目を留め表情を強張らせる。
子どもを治療室に招くと、治療台の上にそっとその猫を安置させた。
「……これは」
まだ幼い、にゃあとも鳴けないような子猫。
その薄い産毛のような毛並みは無残にも泥と血で汚されており、生々しい無数の傷跡が体中に走っている。
明らかに人為的な傷。それも執拗な……。
「こ、公園で、男の人がこの猫をいじめてたの。刃物みたいなので切ってて……」
子どもが顔を青ざめさせながら言う。
「だから僕が、隙を見て連れ出してきたんだ」
そこまで言うと、緊張の糸が切れたのか、改めて目の当たりにした子猫の傷にショックを受けたのか、大声で泣き出してしまった。よく見ると、子どもの服の胸元は猫の血で汚れてしまっている。こんな幼い子にとっては、暴力も血も大きな衝撃だったに違いない。
この子を頼む、とバイトの従業員に一言告げると、日月は治療台の猫と向き合った。
手の施しようがないというのは、まさにこのことなのか。
(……いや、それでも)
たとえ無茶と分かっていても、最善の手を尽くしたかった。理不尽な暴力を受けても必死に生を求めようとする子猫のために、そして身を呈して心無い人間から猫を助け出してくれた子どものために。
ぎゅっと閉じた瞳を、日月は開いた。
「絶対、助けますから」
その目に、もう逡巡や諦めの色はない。
それからどれくらい時間が経っただろうか。
ふう、と短くない息を着くと、脱力したように日月は治療室の椅子に腰かけた。
治療台の子猫は――息をしている。呼吸は先ほどよりも安定しており、絶望的と思われた状況はどうにか乗り越えられたようだ。
よほど精神をすり減らしていたのか。いつも以上に頭がふらふらとする気がする。
「この子の回復力……私の想像を遥かに超えていました」
日月はひとりそうつぶやいた。
奇跡的な回復。その言葉で片付けてしまうには、しかしあまりに奇跡的すぎる。
(ともあれ、この子は助かったんだ。それでいいじゃないか)
あとのケアは看護師に任せよう。とにかく少しゆっくり休みたかった。そう思い立ち上がろうとしたとき、
「……ん?」
治療室の入口のところに、一匹の猫が立っていた。
預かっていた猫かと思ったが、どうやら違うようだ。こんな目つきの悪い猫はいなかったはずだ。
「まいったな。……君、この子のお母さん?」
放っておくわけにもいかず日月がそう語りかけると、にゃごー、と猫は喉を鳴らした。
が、その声はどうしたことか人間の言葉として日月の耳に届いてきたのだ。
「お前のその力。どうやらもれいびになったようだな」
目つきの悪い猫はじっと日月を見据えながら、あくまで猫の鳴き声の響きのまま語りかけてくる。
(猫がしゃべった……もれいび……?)
疲れているのかと思った。しかし幻覚にしては意識もはっきりしているし、何より妙な確信が彼の胸に生まれつつある。
やっぱりあれは、不思議な力だったのか、と。
「お前には治療対象の自己治癒力を促進させる力があるみたいだ」
どう使うかはお前次第だがな。
言い捨てるように告げると、猫は日月の言葉も聞かないまま踵を返して立ち去って行った。
残された日月は、じっと自らの両の手のひらをに視線を落とした。
この手に、動物たちを助ける力が宿っている――。
にわかに信じがたい話だったが、それが事実だということは先ほど子猫の命を救った彼が一番分かっている。
(それなら……私はこの力を使って動物たちのために尽しましょう)
課せられた使命として。
若き獣医はその両の拳を握りしめ、胸の中にそう固く誓うのだった。
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あとがき
担当マスター:
花村翠
ファンレターはマスターページから!
こんにちは、花村です。
毎度おなじみで恐縮ですが、今回も長らくお待たせしてしましました。
今回はみなさんのろっこんについてのリアクションということで、
ガイドで触れた七夜さんのような小話をそれぞれ綴らせていただきました。
なので、みなさん各1ページのみの登場となっております。
日常の中でふと目覚めるものもあれば、
迫られた状況の中で突如覚醒するというものも。
今回の内容は、実は私が個人的に、みんなどういう風に覚醒したんだろう…と
気になってしまったところから始まりました。
みなさんのろっこんのきっかけに触れられたおかげで、
さらにらっかみの世界が、ぐんと身近に感じたように思えます。
今回はご参加の程、誠にありがとうございました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月16日
参加申し込みの期限
2013年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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