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寝子島高校
唐突な使命
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店番と称して椅子に腰かけ、何をするでもなくじっと往来を眺めていた。
その前を、きゃっきゃと楽しげに会話をしながら通り過ぎていく女子学生たち。あの制服は寝子島高校――
シダ 美穂戸
が今年から通っている高校のものである。
もしかしたら同級生かもしれない。そんな彼女たちの交わす言葉を、シダはほとんど理解できなかった。
(……日本語、むずかしい)
ベトナムからやってきたシダにとって、一番の壁は言語であった。
日本語はカタコトしかしゃべれず、意味もほとんど分からない。そのため入学式から日が経っても彼女には友達ができず、学校が終わればさっさと家に帰る毎日が続いていた。
そうして彼女がいつものように、世話になっているベトナム雑貨屋で店番をしているときだった。
「……ん?」
ふと顔を上げると、店の前に一匹の猫が立っていた。
金にも赤にも見えるような、ふわふわとした不思議な毛色。
そしてそれ以上に不思議だったのが、その瞳である。
きらきらと輝くその目は、光の角度によっては虹色のようにも見える。
(きれい……)
思わず立ち上がったシダは、まるで引き寄せられるようにその猫に手を伸ばした。が、猫は猫らしい機敏さでするりと彼女の手を逃れる。
懐っこくないその様子は、一種の気高さすら感じた。
「師匠」
シダは最近覚えたその単語を口にする。そうだ、この猫をシダの師匠にしよう。
その気高さ、美しさを学ぶために。
その猫は決してシダに懐こうとはしなかったが、見放すこともしなかった。
一定の距離を保ちながら、二人はいつしかいろんなところを一緒に冒険するようになった。
いつからかまるでシダを試すかのように、師匠は険しい山道を進んでいくが、ベトナム格闘技で体を鍛えているシダにとってはどうということはない。
やがてたどり着くのは、見晴しのいい崖。いつもここで師匠と並んで腰掛けるのがシダの日課となっていた。
あるときは青空の下でうたたねをし、あるときは沈みゆく太陽を眺め。
そうだ、と今日もやはりその崖に腰を下ろしながら、シダは懐からバインミーを取り出した。ハムと野菜のぎっしり詰まった、ベトナムのサンドイッチだ。
その味が気に入ったのか、普段は懐こうとしない師匠も食べてくれる。
そうして師匠とふたり、空を眺めながらゆっくりバインミーを食べていたときだった。
ふとその崖から見える滝壺の近くで、一匹の鹿が溺れているのが見えた。滝の激しい水流に巻き込まれ、その体は今にも沈みそうだ。
「大変!」
シダは思わず駆け寄ろうとした、が、思いとどまる。
鹿の体躯を自分が支えられるはずがない。一緒に行ったところで共倒れになるのは目に見えていた。
そう葛藤するシダの隣で、師匠はいつものようにまっすぐとした気高い目つきのまま、滝壺に飛び込もうとした。人間の自分ですら無理なのに、猫の師匠が行くのは自殺行為である。だめ、と小さく叫ぶとシダは師匠を胸に抱きしめる。
触れられるのを避ける師匠のことだ。すぐに暴れ出すだろうとシダは覚悟したが、腕の中の師匠は予想に反してじっと動かず、シダの方を見上げている。
――なら、お前が助けろ
ふと、頭の中にそうはっきりと聞こえた。
しかし今、ここには自分と一匹の猫しかいない。
いったい誰が……? そのことに疑問を抱く前に、シダの体はしなやかな赤褐色の獣――サオラに変身していた。
自らの変化、師匠の言葉、それらの謎に思考を向ける前に、シダの獣の体は滝壺へと向かっていた。勇敢に飛び込むと、ほとんど沈みかかっていた鹿の体をひっぱりあげ、どうにか浅瀬の方まで押しやる。
そうして無事鹿を助け出した後、シダは辺りを見回した。が、その時にはもう師匠の姿はどこにもなかった。
あれ以来、シダは変わった。
言葉の壁をいったん乗り越えてしまえば、寝子高の友人たちはシダのカタコトの言葉もきちんと聞き取って言葉を返してくれた。
生来、明るい性格のシダである。言語さえ乗り切れば、学校に馴染むのはあっという間だった。
今では親友と呼べる存在もできた。
あのときから姿を消してしまった師匠を、シダは今日も探し続けている。
その瞳は、以前よりもずっと生き生きと、この地への愛に満ちていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月16日
参加申し込みの期限
2013年09月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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