this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
空飛ぶ秘密
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
11
つぎへ >>
「ちくしょう、どこ行きやがった」
飛んでいった秘密を追いかけて、キャットロードにたどり着いた
ジニー・劉
は、流れる汗を乱暴にぬぐった。
あちこちで、地面にはいつくばり、木の枝をめがけてジャンプを繰り返したり、「人に見られたくない秘密」が飛んでしまった被害者と思われる人々とすれ違った。
相当な量の秘密がばら撒かれてしまったようだ。
「ろっこんにしてはずいぶん強力だな」
嘆いていても、飛んでしまったものは仕方が無い。とは言え、手掛かりらしいものもない。
劉のろっこんは物の捜索には役立たない。
どうしても取り戻したければ、しらみつぶしにあたるしかなかった。
劉は道端に落ちている紙屑を片端から拾い上げてチェックする。
「妙なところに引っかかってなきゃ良いんだが……」
気がつけば空を飛んでいた紙類の姿は消えていた。
ろっこんの効果が切れたのだろう。
となれば、紙など風に吹かれてどこに行くか解ったものではない。
回収できる確立はひどく低いが、それでも劉は探さずにはいられなかった。
「……はぁ、はぁ……おいつい、た?」
聞きなれた声にしゃがみこんでいた地面から立ち上がる。
「洋美?」
汗だくになり、息を切らした
鹿嶋 洋美
がきょとんと首をかしげた。
「って、劉さん? どうしたんですかこんな所で珍しく元気よく?」
「……何でもねぇよ」
のほほんと近づいてきた鹿嶋が、大きな瞳で劉の顔を見上げる。
「あ、でも顔色はあんまり良くないんですね」
「……ほっとけ。つか、お前は何汗だくになってんだよ」
「それが何だか良く解らないんですけど、私の秘密の」
赤裸々寝子島日誌が空を飛んでしまって、と素直に言いかけて、鹿嶋はぴたりと口を閉じる。
言ったら絶対それは何だ、と言われる。
誤魔化さなければ。
いやしかしどうやって?
だらだらと、新たな汗を流して固まる鹿嶋をじっと見て、劉はため息をついた。
「お前の秘密の紙も空を飛んじまったのか?」
助け舟を出してやる。
「そうなんです! ってえ!? それって劉さんの秘密の紙も空に!?」
「……まぁな」
「大変じゃないですか! 私も手伝いますよ! いくら遠慮したって無理やりにでも手伝いますから! こんな時くらい頼ってください!」
どんっ! と胸を叩いて鹿嶋は任せてください! と決意の眼差しで劉を見つめる。
「まだ、なんも言ってねぇぞ?」
「だって劉さん絶対関わるなとか言うじゃないですか」
図星である。
「人の探す前に、自分の探した方が良いんじゃないか?」
話をすり替えようと、鹿嶋の「秘密の紙」に水を向けてみる。
が、のほほんと笑う鹿嶋には通じない。
「あ、大丈夫です! 劉さんのと一緒に探します!」
どうせ探すなら一緒の方が良いです! と曇りの無い笑顔で断言されては、劉に拒否権などあるはずもない。
というか、あっても使える訳が無いのだ。
「……そーかよ」
「そうです! で、劉さんの紙ってどんなのですか? 私のはノートなんですけど」
すでにやる気満々で鹿嶋はきょろきょろ辺りを見回している。
「写真だ……転ぶなよ?」
「写真ですか! わわっ」
言った側から勢い良く振り返りすぎた鹿嶋がよろけた。
「っとに……そんなんで、良くたどり着けたな」
肩を強引に引き寄せて、抱きとめてやる。
そういえばコイツは方向音痴でもあったな、とお人よしの割りにどこか抜けている鹿嶋の性格を思い出して劉はため息をついた。
「わー、すみませんありがとうございますっ」
「足、挫いてないか?」
「平気です!」
そうかよ、と思わず頭を撫でてしまう。無視しておけば良いし、普段なら間違いなくそうするが、どうも鹿嶋に対してはそれが難しい。
「お礼に絶対見つけますから!」
ダメだ。これはダメだ。
会話をすればするほど何かどつぼにはまる気がする。
劉は会話を打ち切ると道端に落ちている紙片を拾い上げて、写真を探し始めた。
紙くずの影に入り込んでいるかもしれない、とぐしゃぐしゃになった紙も広げてみる。
が、そうそう簡単に見つかるものでもない。
写真を探してみて思い知ったが、世の中に紙のなんと多いことか。
もともと捨てられていたものなのか、今回の騒動で飛んできた紙なのかも判然としない以上、紙と見ればとりあえず拾ってみるしかない。
しばらく無言で、ひたすら地面に蹲り、紙を拾って判別する単純作業に没頭した。
ふと、人の気配を感じて横を盗み見る。
鹿嶋の真剣な横顔があった。
自分の探し物はノートだと言っていたのに、手元に積み上げられた紙類は小さいものや紙切ればかりだ。
明らかに写真を真剣に探している。
(俺なんかに構って、物好きな女)
他人の為にこんなに一生懸命になれる奴もイマドキ珍しい。
しかも、自分の秘密が飛んでったって、あんなに慌てていたくせに。
「……」
「なんだか」
やはり追い払おう、と口を開くより先に、鹿嶋の楽しそうな声が零れた。
「男女が二人、こうして並んで探しものって何だかデートっぽいですよね」
えへへ、と楽しそうに笑う能天気な表情に一瞬固まる。
「……はあ?」
(指先、土で汚して汗だくで。何言ってんだよ)
「こんな時に何考えてんだ」
思わず呆れた声が出る。
「……はい、すみません、ちょっと呑気すぎましたね」
劉のぶっきらぼうな対応に落ち込むでもなく、鹿嶋は楽しそうに笑う。
そういうことじゃない、と言ってしまいたいが、言えばじゃぁどういうことなんですか? と他意の無い瞳で見つめ返されるのは明らかだ。
額に汗して捜索に集中する鹿嶋の肩を叩く。
「劉さん?」
「休憩。熱中症にでもなったら困るからな」
近くにあった自動販売機に向かう。
コインを投入して、缶ジュースを二本購入すると、ちょこちょこと追いかけてきた鹿嶋に差し出す。
「ん。奢ってやる」
「えー!?奢りですか、そんな悪いですよ~、私の分は出し……」
ごそごそとカバンをあさった鹿嶋が、がっくりとうなだれた。
「……財布、忘れてた……」
「どんだけ焦ってたんだよ」
クッと喉を鳴らして、缶ジュースを頬に押し当ててやる。
「ひゃっ」
「いーから、飲んどけ」
缶ジュースを押し付けると、劉は自動販売機の横にあったベンチに座る。
「……ありがとうございます」
うれしそうに微笑むと、鹿嶋が隣に座ってきた。
ぷしゅっと缶を開ける音が微笑ましい。
これで目的が秘密探しでなければ、それこそ、デートのようだ。
「あーあ、ホントどこ行っちまったんだか」
「そうですねぇ、こんなに探してるのに見つからないなんて……ゴミとかと違って、まだ綺麗なはずだから、すぐに見つかると思ったんですけど」
しょんぼりと答えた鹿嶋の声に、劉の目が見開いた。
「……まさか」
いや、その可能性は高い。思い付きを確かめるべく、劉は立ち上がると後も見ずに走り出す。
「劉さん!?」
驚いた鹿嶋が追いかけていくと、路地裏のゴミ箱をひっくり返し、ゴミを漁っている劉が居た。
「……って、何やってるんですか劉さんっ」
全身ゴミ塗れになりながらも、劉は必死だった。
「ゴミと間違えられたかもしれない」
「え、写真がですか? わ、わかりましたっ」
真剣さに飲まれて、鹿嶋もゴミを漁りだす。
「……っ」
黄ばんだくしゃくしゃの紙片を見つけて、劉がそっと拾い上げ丁寧に開いていく。
「女の子の……写真?」
見られた事に気がついて、写真を鹿嶋の目から隠す。
「隠し子……なんですか?」
真面目な声で素っ頓狂なことを聞かれ、劉の肩から力が抜ける。
「……はぁ?」
「あ、じゃあ妹さんとか?」
こてん、と首をかしげる鹿嶋のボケっぷりに、劉はため息をつかずにはいられない。
「ちげーよ! ……たっく……ガキの頃の俺だよ」
答えて、劉は写真を破きだす。
「え」
驚いた表情の鹿嶋に背を向けると、劉は破いた写真を風に飛ばす。
「でも、もう要らねえ。今の俺にはどうでもいい」
「どうでもいいわけないじゃないですか、今日走り回ってゴミまみれになりながら探した写真なんでしょう? なんで捨てちゃうんですか」
言葉が見つからなくて、劉は口を開けない。
「……抱えて辛い秘密なら、一緒に共有しましょうよ、私じゃ役者不足かもしれませんけど……」
人に話す事ではない。
それは劉の本心だった。
相手が鹿嶋であってもそれは変わらないはずだ。
だが、気がつけば劉はぽつりぽつりと秘密を話し出していた。
「俺の本名は劉静麗(リウ ジンリー)……母さんの胎ン中で死んだ姉貴の名前のおさがりだ」
引くだろうな、と思うのに、一度開いた口を閉じることができない。
「姉貴の代わりに俺は娘として育てられたんだ。だから、映ってんのは俺と母さん」
言葉と共に苦い思いが広がる。
「……もういいだろ、付きまとうなよ」
今、自分がどんな顔をしているのか、分からない。
それを見られるのが怖い。
今、洋美がどんな顔をしているのか、分からない。
それを知ってしまうのが怖い。
自分はどれだけ臆病なのだろう。
背を向けたまま、劉はため息をつく。
「でも……でも、劉さんが大事な思い出を捨てるのは嫌です」
勝手ですけど、と言いおいて鹿嶋は破れた写真を拾いだす。
そこには同情も侮蔑もなく、ただほんの少し傷ついた響きがあるだけだった。
捨てずに持っていた理由すら見抜かれた気がして、劉は泣きたいのか笑いたいのか分からなくなる。
「……いいんだ」
鹿嶋の手を押さえる。
「劉さん?」
顔を上げて首をかしげる鹿嶋の顔は、いつも通り曇りがない。
きょとんと見開かれた大きな瞳に、劉は苦笑する。
「……ありがとな」
それだけ伝えるのが、精一杯だった。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
11
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
空飛ぶ秘密
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笠井 月子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月14日
参加申し込みの期限
2013年09月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!