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#彼女の曖昧な考察 ~ブラック・ナイト~
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【深化】
「……キレーな月だねぃ」
怪異にまみれた夜にありながら、
呉井 陽太
は澄んだ空を見上げてぽつり。つぶやきます。
確かに美しく、それでいて怖気を震うような、あまりにも研ぎ澄まされた月でした。
「……?」
ちらと陰り、陽太はぱちぱちとまばたき。けれど気のせいか、月は変わらずそこへ佇んでいます。
ちらり。ちら、と。
(っと、いけない。集中しないと)
頭を振り、意識を絞ります。
自らの意思で赴いた陽太には、目的がありました。
(六本指。やっぱり気になるなぁ)
手のひらへ整列した
粘土細工たち
をつつき、放ちます。兎のウー君と視覚を共有すると、やがて現状の異様が浮かび上がってきました。
ただ月の光を浴びながら空にたゆたい、意思も無く、生気もなく。人型の異形はロケット発射現場をあまねく見据え、さながら監視ドローンのよう。フライングヒューマノイド、と巷では呼ばれている都市伝説の一種であることを、陽太も知っていたかもしれません。
耳障りなスパーク音を垂れ流す球電は、この場にあって月明かりを除けば唯一の光源であり、蠢く電弧の腕が生き物めいて獲物を探す光景はさながら、灯りで獲物を誘う深海生物を思わせました。
そして徘徊する、異様なまでに細身なスーツ姿の奇怪な人影たち。黒ずくめの男たちの中には、針のように細く鋭い触手を背に抱く個体もありました。うねるあれらの用途がなんであるのかは、想像に難くありません。
奇怪な者たちは全て、鎮座するロケット発射台を中央に据え配されているように見えました。
(想像してたより、ずっと異常な状況だ……みんなは大丈夫かねぃ)
オカルトに傾倒したWEB番組、そのホストたちもここを訪れていることを陽太は知っています。胡乱な夜に幾度も顔を合わせた彼女も、このまばゆい月影の下で配信を行っていることでしょう。
(! 声が)
不意に、つんざくような叫びが耳を貫きました。
他の誰かであったなら、気づきはしなかったでしょう。けれどそれは、陽太には間違えようもない程度に聞き覚えのある声でした。
「……武道君?」
呑みこまれそうだ。
月のまぶしさに目を背け、
志波 武道
はうっそりと歩きます。
「ロケットは……まだここにあるか」
そびえる荘厳。なぜだろう。武道にはそれがとてつもなく尊い存在として目に写ります。
全高10.6メートル。2.5tの全備重量を持ちながら固体燃料を3段階に渡って高圧燃焼させ、80kgのペイロードを超高層大気領域へと押し上げる、世界最小のロケット。
なんて、なんて、
「すごいじゃないか……」
飛び立つ威風。もう少し大型なら、宇宙へまでも飛んでいくことでしょう。それが少し惜しくも思いましたけれど、いくらか重力から離れることはできるでしょう。
そう。武道は思います。思うのです。
この地上には、なんと無駄があふれていることだろう。ひしめく無数の非生産種。食いつぶすばかりでなにも生み出さないごくつぶしの群れ。あんなものは、いらないじゃあないか?
あのロケットには、全てを正す素敵なものが入っている。そう、なんて素敵。自身も含め、矮小たる我らが地球もまた大いなる巡りの中へと組み込まれ、巡り行く。大いなる営み。その一部と同化する。なんて素敵。そう教えてくれた。
「……? 誰が? なにを……?」
素敵。ああ、素敵。武道は昂揚し、賜る栄誉を胸に前へ、前へ、
「いや……待て。待てよ。ああ、おかしい、おかしいぞ……?」
打ち上げよう。ロケットを打ち上げよう。素敵なあれを打ち上げよう。栄誉を賜ろう。優越者の御心のままに、
「俺はなんで、ここにいるんだっけ……? 確か……痛っ」
ずきりと頭が痛むも気にしない、それどころじゃあない、さあ打ち上げよう、打ち上げるんだ、彼らは望む、我らが星に望む、我らが星を望む。
「く、あ……痛ぅっ、俺は、そうだ……ここへ、あれを探しに」
ずきり、ずきん、けれど邁進すべきだ、そうだもう打ち上げてしまおう、待つ必要なんてない、管理棟でスイッチひとつ、ぽん! 点火しよう、打ち上げよう、点火しよう点火、点火、点火、
「……六本指を。そう、番組……俺は確か、彼らといっしょに。秘子ちゃん?」
ぱき。
弾けたのは、足元に踏んだ小石でしょうか。
音は、武道の脳内に響きました。
「う、あ……あ、あ、あ、あ! あ! あ!」
絡みつく触手、覗き込む無貌。針のごとき細身、スーツ姿の男。
おおおん、おおおんと口のない口から紡がれる言葉……ことば、でしょうか? 響きも意味も読み取れない呪言めいた声は武道の耳朶を這い上り、耳孔へ入り込み、武道の脳を侵します。
「あ! あ! あ! あ! 瞳が! 黒い瞳! 六本指! 瞳! 瞳! 黒い瞳!」
濁流のように押し寄せ、嵐のように渦巻く未知の写象。消し飛ばされそうな自我を必死に繋ぎ止める理性がまだ残っていることに自身で少しばかり驚きながら、武道はスーツの男の胸を手刀で突きました。
「……武道君!」
はたと気づけば、目の前に陽太の顔。
「あれ……俺は、うぐェっ」
腹部の鈍痛と猛烈な吐き気に、夕飯を残らず地面へ還元したところでようやく、武道の意識は透きとおりました。
「あー、ごめんよぅ。けっこー強く殴っちゃったから」
「また、俺は……飲み込まれてたのか」
腹を押さえて苦笑い。
「いい加減、この怪異に飲まれやすいメンタルはなんとかしないとネー。さんきゅー陽太くん、痛って!」
どうやら陽太が、武道を現実へ引き戻してくれたようです。いささか手荒い方法ではあったようですけれど、おかげで事なきを得たのも事実。
「って、あいつは? あのスーツ姿の……」
「武道君、あれに捕まったのん? オレが見つけた時にはいなかったよぅ」
少なくともごく近い周囲には異形の姿は見えません。陽太の肩にいるウー君を見るに、彼のろっこんがあたりを警戒してくれているのでしょう。
陽太の控え目な微笑に、武道もひとまずほうと深く息を吐きました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月20日
参加申し込みの期限
2020年06月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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