this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ねこ温泉郷の大冒険
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
猫の姿でのんびり慰安旅行と洒落こもう。
そう思っていたものの、実際に猫の姿でお湯に浸かれば仲居猫たちがマッサージいたしましょうお背中流しましょうと寄ってきて、宴会場の座敷にちんまり座れば待ち受けたように目の前に豪華な料理の膳が据えられ挙句お茶のひとつを淹れるにも仲居猫が甲斐甲斐しく世話をしてくれるに至って、
(……っ……)
おひさまの光に琥珀色に透ける蜜柑色猫な遊琳は堪らずその場を逃げ出した。猫たちが辺り構わず寛ぐ廊下を抜け、人気ならぬ猫気のない階段の下に身を隠す。
「やっぱり無理……!」
ぐっと猫の身を縮めて願えば、猫の身は瞬きのうちにひとの姿に転じた。
しょぼくれる猫耳と尻尾をそのまま、遊琳は膝を抱える。猫と言えば自由気儘唯我独尊人間なんて下僕扱い──そんな性だと聞いたことがあるけれど、
(僕には合わないみたい)
尽くされるのもそれを当然のように気儘にするのも、
(……『違う』)
間違いなく、そう思う。尽くされるのは、だめだ。それがたとえ、自分のエゴからくるものであったとしても。エゴなのだと知悉していても。
とは言え、猫耳尻尾な人間の姿で際限なく尽くし続けるのも、
「その内慣れるのだろうけど」
抱えた腕に頬を乗せ、階段の上や廊下の向こうの宴会場から聞こえてくる猫たちの楽し気な声や軽い足音に耳を傾けながら呟いてみる。
(そうするともう僕が癒される旅ではなかろうし)
どうしよう、と肩を落としたとき、階段の上から猫のものではない足音がふたりぶん聞こえてきた。
「至れり尽くせりはありがたいが、やはり猫の体は慣れないな」
静かでありながらも力強い男性の声と、
「猫の姿でのんびりしていたけど、何か動いていないと落ち着かなくて……」
温和な中に強そうな意志を帯びた少年の声。
「俺は身体を動かしている方がどうも良いらしい」
「俺もだ」
朱色に塗られた階段を辿りながら、ヒョウ柄の猫耳尻尾な高久とキジトラ柄の猫耳尻尾な
鴻上 彰尋
は仲間を見つけた顔で笑いあった。
階段の踊り場で並んで足を止め、高久は己の頭に生えた猫耳に触れる。楽し気に笑う。
「どうにかなったはいいが、この年でこの姿は愉快だな」
女性や子供なら可愛らしいだろうがと言いつつも己の状況を心底面白く思っているらしい大人の男の余裕に、彰尋は小さく瞬いた。
「一枚写真でも撮っておくか」
冗談めいて笑って、さて、と高久は少し考え込む。これからどうしたものか。
人間の姿であれば、猫たちの奉仕に勤めなくてはならないらしいが、
「『猫又さんの寝床』」
思い出したように呟いた彰尋の言葉に気を惹かれた。
「うん?」
「猫たちが話していて。大金持ちになれるとか、山盛りのマタタビが現れるとか、けどすぐに消えてしまうんだとか」
「……欲しいナニカの幻影か」
「多分、そんなところかな」
高久の言葉に彰尋はこくりと頷く。
「折角だし行ってみるか」
「一体、何に出会えるかな」
穏やかに楽し気に話して頷きあうふたりのもと、
「僕も行ってもいいかな」
ぱたぱたと階段を上ってきた遊琳がそっと加わる。
「盗み聞きしてしまったみたいで申し訳ないのだけど」
感情を隠すように口元を袖で隠し蜜色の双眸に黒い睫毛の影を落とす少年に、高久は磊落な笑みを向けた。
「構わないさ。他にも行きたい奴がいないか、声を掛けてみるか」
ひらりと手を振り、高久が足を向けるのはたくさんの猫が集まる宴会場。
「旅の仲間を探すなら、ってな」
ヒョウ柄の猫耳尻尾を機嫌よく揺らし、悪童じみて笑う年上の男の呼びかけに応じた『旅の仲間』は、
「探すのですー」
「ここに居ても疲れるし、……行くわ」
宴会場の端っこで老猫たちとまったりまたたび茶を嗜んでいた純白の子猫なゼロに、窓辺の陽だまりのお昼寝から目覚めて伸びをした桜、
「温泉郷の奥にも色々あるのね。クレオも冒険してみたいわ!」
うっかり猫耳尻尾なひとの姿でうろうろしたために猫たちに添い寝をせがまれ、猫団子の真ん中で両手両足に大小さまざまな猫に乗っかられていたクレオ、
「あっ、私も一緒に行ってもいいですか?」
黒猫白猫茶虎に虎猫、いろんな猫とくっついてうつらうつらしていた白靴下を履いた黒猫から猫耳尻尾なひとへと姿を変えた智瑜。
「お土産、持ってきますね」
寝たまま起きないこんと珠の子守りに残るらしい日暮と夕にそっと言い置き、智瑜はその場を離れる。
「僕も、……行きたい」
施設内を探索していた橙白猫な猫耳尻尾つきの夏朝も小さく挙手する。
(『猫又さんの寝床』……)
夏朝の頭にあるのは、ねこ温泉郷まで自分たちをその背に乗せて来てくれたふわっふわの白くて大きな猫。
「どんなところなのかしら」
「きっと素敵なところだよ」
栗色の眸をきらきら輝かせるクレオに、夏朝はふわりと淡く微笑んだ。だって、あの猫又さんの寝床であれば、きっとそうに違いない。
(願いを叶えるご利益もあるかな……)
期待で胸を膨らませ、夏朝も『旅の仲間』に加わる。
ひとの姿を見るなりまとわりついてくる宿内の猫たちをどうにかこうにかかわして宿の外へと向かう途中、
「先に行っていてくれ」
ふらりと一度、高久が離脱した。戻ってきた彼の手には、『猫にまたたび』なるねこ温泉郷特産品らしい日本酒の四合瓶と塩漬け鮪に紙コップの入った風呂敷包み。
「それは?」
「厨房に頼んで用意してもらった」
彰尋の問いに応じてから、高久は周りが未成年だらけであることに思い至って渋く笑った。
「なに、俺の欲しいものは俺が一番知ってるってだけさ」
外に出たいのか、と法被を着た白猫に案内され、猫又さんの寝床探しの仲間たちは裏口らしい小さな扉から宿の外へと出された。
外に出た途端、扉が閉まった途端、宿の中に溢れていたにゃあにゃあミャウミャウ大騒ぎし続ける猫たちの声がふつりと途切れる。代わりに耳朶を打つのは、さらさらと青空に揺れる竹林のさざめき。
整備された竹林の、ところどころに雪の残った腐葉土の上を歩み始める。
歩を進めるごと、つと細やかに頬を撫でる竹の香や草の香、音も立てずに陽のぬくもりに溶けて行く雪の香までに気づいて、遊琳は陽の光に金色に透ける蜜柑色の猫耳を小さくそばだてた。
雪が水になって土にしみて行く音さえ聞こえた気がして、その心地よさに瞳を細める。
(もしや)
半分猫の姿であるがゆえに、さまざまの感覚が鋭くなっているのかもしれなかった。
清かに冷たい竹林の空気に流れる風の香に、その心地よさに、遊琳は甘く微笑む。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ねこ温泉郷の大冒険
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月03日
参加申し込みの期限
2020年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!