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ねこ温泉郷の大冒険
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「竹林なのですー」
純白のワンピースに銀色の波打つ長い髪をふわふわ揺らし、純白の猫耳と尻尾もご機嫌に弾ませ、ゼロは降り積もった竹の葉っぱをさらさら鳴らして跳ねるように歩く。
後に続く誰よりも先へ先へと進んでいた小さな足が不意に止まったのは、
「……猫さんたちなのです」
雪がところどころ積もった竹林の開けた場所で、七輪を囲む老猫たちを見つけたため。近寄ってみれば、猫たちは人懐っこそうなまなざしをゼロへと向けた。
七輪の上にはクリーム色した筍がじゅわじゅわと美味しそうな音を立てている。
どうぞどうぞと箸を渡されたゼロはせっかくなのでご相伴に預かることにする。
七輪の周りで香箱を組んだり毛づくろいをしたりしていた猫たちは、にゃごにゃごとあとからやってきた人々の足元に脇腹を寄せたり尻尾を絡ませたりなご接待を始めた。
「か、かわいい──」
「可愛い……!」
膝の高さに林立する猫たちの尻尾に、脛に触れる猫たちの柔らかな体温に、クレオと夏朝が秒で陥落しそうになる。目的を忘れてその場に座り込み、猫たちと遊んでしまいそうになる。
「一緒に遊びたいのかな」
「遊びたい、よね……」
少女ふたりはうずうずと顔を見合わせるも、
「ああ、構っている時間は……!」
「っ、我慢……!」
なんとかかんとか『猫又さんの寝床』に向かうという目的を思い出した。
「ごめんねー!」
きちんと詫びて猫たちを踏まないように気を付けて尻尾の林を抜け出す夏朝に、猫たちがにゃおんと鳴く。
「……ちょっとくらいならいいよね」
その鳴き声にクレオが負けた。その場に膝を折って手を伸ばせば、待ってましたとばかりたくさんの猫たちが撫でろ愛でろと頭や脇腹をこすりつけてきた。
もふもふに埋もれて身動きできなくなるクレオを救ったのは、
「寝子島にも猫は多いけれど、こんなに触れあうことはあまりないからな」
猫尻尾の林の中に踏み込んで来て、猫たちの歓迎を受けるキジトラ猫の耳と尻尾つきな彰尋。膝に乗られ背中にしがみつかれ、尋常ではない猫たちの絡みっぷりに、彰尋は声をあげて笑った。お返しにと撫でてやれば、猫たちもにゃうにゃうと笑った。
寄ってくる猫たちを適度にあやしつつ、高久は頭上に揺れる竹の葉を仰ぐ。半分猫化している影響なのか、いつもより鮮烈に感じられる自然の空気に心がふわりと和むのを感じて瞳を細める。
「ごちそうさまなのです、おいしかったのですー」
ほこほこ筍でお腹を温めたゼロが七輪の前を離れたのを機に、猫たちの悪気の一切ない足止めを食らっていた人々もどうにか猫たちの呪縛を離れて道を進み始めるも、
「何で石ころみたいに落ちてるかな君達……!」
今度は、竹林の空気を堪能しながらみんなより少し遅れて歩いてきた遊琳が捕まった。
そこら中にころころと転がっていた猫たちは次なるお客の来訪に色めき立つ。歓声をあげんばかりに遊琳の足元に殺到してはにゃごにゃごと話しかける。脛に前脚をかけて抱っこしろとせがむ。ついには実力行使とばかりえいえいと登り始められ、遊琳は困惑した。
(いや人間の幼子と違うから苦手ではないけどまるで足止め……!)
登り始めたはいいものの落っこちそうになる子猫を慌てて抱きとめれば、他の子猫たちも揃って遊琳の身をよじ登り始める。
「ああもう、腕の中で良ければ構ってあげるから!」
両腕に抱えられるだけ子猫たちを胸に抱き、足元に他の猫たちを引きつれ、再び進む。時折子猫たちに頬を寄せ、掌で優しく尻を叩いてあやす。子猫たちが健やかな寝息を立て始めたのは、竹林を抜けたその先、金茶色に枯れたねこじゃらしの草原に入ってから。
ぽかぽかと日の当たる草原に、遊琳はそっと膝をつく。揺らさぬように子猫たちを下ろせば、ついてきていた猫たちが同じ場所に猫団子を作った。何匹も寄り添いあってお昼寝を始める猫たちに優しいまなざしを注いでから、遊琳は立ち上がる。
凛とした空気に満ちていた竹林とは違い、ねこじゃらしの草原は今にもうたた寝してしまいそうなくらいに柔らかく暖かかった。
「ねこじゃらしなのですー、ねこさんなのですー」
片手ずつにねこじゃらしを装備したゼロが、ねこじゃらしのまにまに猫たちと一緒になって飛び跳ねている。
ぴょこぴょこ飛び跳ねる猫のいっぴきとねこじゃらしの草原の真ん中で鉢合った彰尋がびっくりしたように足を止める。しばらく見つめあって後、ねこじゃらしと猫の誘惑に負けてその場にしゃがみこむ。
「うう、……負けそう……」
草原に遊ぶ猫たちの誘惑に耐えて歩を進めているのは智瑜と、
「もうちょっと遊んでいたいけど、本当に遊んでいたいけど、クレオそろそろ行かなきゃ……!」
散々遊んでもまだまだ遊び足りなくて、後ろ髪を引かれる思いでにゃんこたちに別れを告げるクレオに、
「寝床探しに来たのか、猫と遊びに来たのか、よくわからなくなってきた……」
猫の誘惑に負ける人々を遠いまなざしで眺めながら、一歩進む度に靴先にじゃれついてくる猫に困惑する桜。とはいえ、この状況は状況で、実のところちょっぴり楽しかったりする。大嫌いな『フツウ』の最中であっても、猫は可愛い。本当に可愛い。
歩を進める度に太陽の光をめいっぱい浴びた枯草の香が立ち昇る草原の真ん中、遊琳は青く晴れ渡った空を仰ぐ。見知らぬ場所を彷徨うのは、
(幼い頃のは小さな逃避行だった)
けれど、今日のこれは違う。
「それなりに楽しい冒険だ」
頬を笑みが彩る理由を、遊琳は知っている。
(今の僕は、帰る場所を肯定できるから──)
猫たちにまとわりつかれながら草原を進んだ先には、鳥居が目印の洞窟の入口があった。
洞窟の前にもやはり猫たちがにゃあにゃあとたむろしている。
「この洞窟に、猫又さんが……あれ?」
地中に潜り込むような洞窟の入口をのぞき込みかけて、夏朝は小さく首を傾げた。明るいこちらからは一層暗く見える入口付近で固まり合って互いに押し合いへしあいしている子猫たちに、見覚えがある。
「おや? 君は……」
同じように子猫たちに目を留めた遊琳もまた、彼らのうちの一匹に覚えがあるらしかった。
「ねこ電で出会った子猫さんたちなのですー」
ゼロが迷うことなく子猫たちのもとに突進する。
「お久しぶりなのです。おかわりなくてなによりなのです」
なでなでぽふぽふ、子猫たちを小さな掌で撫でれば、なんだか元気のなかった子猫たちはあっという間に元のかしましさを取り戻した。ゼロをもみくちゃにする勢いでにゃごにゃごとゼロの身体にしがみついてなにごとか話し始める。
「こんにちは……久しぶり」
ゼロにしがみつきそびれて不貞腐れる子猫のいっぴきを抱き上げ、夏朝は笑いかける。
「君達も『猫又さんの寝床』を探してるの?」
「ゼロも一緒に探すのですー、みんなで温泉王になるのですー」
目指すは洞窟の奥なのですー、と躊躇う素振りひとつ見せず、ゼロは子猫たちを肩や背中やお腹にくっつけたまま洞窟へと足を踏み入れた。
にゃあにゃあとひっきりなしに喋る子猫たちにふむふむなるほどといちいち頷きつつ、とことこと歩いていくゼロのワンピースの背中やスカートの裾から、ぽとんと子猫が一匹落ちる。こてんと地面に転がる子猫を見かねてそっと抱え上げるのは、妹や弟と同じ年頃の小さいひとが心配な彰尋。
「転びやすいから、気を付けて」
「はーいなのですー」
元気よく返事しながら振り返りもせずに先へ先へ進むゼロの小さな背中を見やりつつ、彰尋は掌に収まりそうなほど小さな子猫をふわりと撫でる。
(……壊れそうだ)
にいにいと鳴く子猫をもう一度撫でて、地面に下ろすのもなんだか心配になった。成猫であれば放っておいても大丈夫だろうけれど、こんなに小さくてふわふわな生き物をひとりで行かせて良いものか。
「一緒に探そうか」
上着のポケットに宝物のように子猫を滑り込ませ、彰尋は注意深い足取りでゼロの背中を追いかける。
「良かったら、一緒に行く……?」
残されたのは、夏朝の腕で安心しきった様子をみせる一匹と、もう一匹。他の猫たちに置いて行かれてもどこか泰然とした様子で佇む、青い夜の毛並みをした子猫。
懐かしい気持ちすら掻き立ててくる夜色の瞳で見仰がれ、遊琳は小さく微笑んで手を伸ばした。
「……中に入るか迷っているならおいで」
一緒に行こう、と誘われ、子猫は瞳を煌めかせた。案内を請け負ったが如く尻尾を揺らして先に立つ、どこか友人に似た雰囲気の子猫に遊琳は笑みを深くする。
「こっちであってる?」
寄ってきた猫たちの頭を撫でて、智瑜は小さく問うてみる。気持ちよさそうに目を細めた猫のいっぴきが案内するように洞窟の入口に前脚を揃えて座った。にゃあと鳴き、洞窟の中へと進む。智瑜が追ってくるのを振り返って確かめ、またにゃあと鳴く。
「触れると大金持ちになるって日暮さん言ってたけど……」
「さて、何が出るか」
智瑜より数歩先を歩きながら、高久は小さく笑う。
ところどころ崩落した箇所から陽光が滝の如く流れ落ちてきているおかげで、洞窟内はそう暗くはなかった。
(……そんなの決まっているさ)
『猫又さんの寝床』は、訪れた者の『欲しいと思うナニカ』の幻影を見せるのだろうと高久は踏んでいる。
己の欲するものが何なのか、高久は知っている。だからこそ、洞窟の先で出会うだろう『ナニカ』を思ってくすりと笑う。
(ちょうどいい、この姿を見せて笑わせてやろう)
自分の頭の猫耳に触れて笑うその顔は、男子高校生のように悪戯っぽい。
先に向かっていた『旅の仲間たち』は、洞窟の奥に鎮座する小さな祠の前で足を止めていた。
うっすらと陽光の届く古びて素朴な祠には、猫たちが運んでくるのか、ねこじゃらしが大量に供えられている。
「奥にも空間がありそう……」
両手に子猫を抱えたまま、夏朝が小柄な身体を伸びあがらせた。祠の向こう、抜け道にも似た狭い通路が続いている。
夏朝は子猫をいったん地面に下ろし、祠に手を合わせた。
「入らせてもらいます」
祠の主に挨拶をする夏朝の傍、遊琳もきちんと詣でる。その脇をさっさとすり抜けて奥に進むのは、遊琳と共に来た青毛の子猫。
暗く細い通路のその向こうには、眩しいくらいの光が満ちている──
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月03日
参加申し込みの期限
2020年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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