this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ねこ温泉郷の大冒険
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
「冒険、面白かったのだわ」
掌に残るたっくさんのにゃんこたちのふわふわもふもふした手触りを思い出しながら、耳元に聞いたにゃんこたちの優しい声を思い出しながら、クレオはほわほわな満面の笑顔で冒険の仲間たちを振り返った。でも、と両手をぎゅっと握り締め、ちょっぴり凛々しい顔をしてみせる。
「クレオは大人だからいつまでも遊んでばっかりじゃないのよ!」
『猫又さんの寝床』で見た幻をそれぞれの胸に初春の竹林を戻れば、ねこ温泉郷のお宿に続く小さな扉が現れる。
にゃうにゃうと足元にまとわりつく子猫を夏朝は抱き上げる。胸には片割れたる夏夜と別れた寂しさがほんの少しもやもやしているけれど、猫たちの柔らかさと温かさがそれを晴らしてくれる気もした。
一匹抱き上げれば、ぼくもわたしもとばかり足にしがみついてくる子猫たちをがんばって残らず抱っこして、
「一緒にお宿にも行ってみる……?」
ふわふわな小さな頭に頬を寄せて聞いてみる。にゃあ! 子猫たちは声を揃えて鳴いた。
「クレオがお世話するわ」
小さな身体で精一杯背伸びするクレオに子猫たちを任せ、夏朝はくるりとその場で一回転。瞬きの内に橙白猫に変化してみせる。
「お見事」
そう笑った高久や智瑜や桜も次々と猫の姿に変化する。猫又さんの寝床からの帰りは猫の姿のままだった彰尋やゼロと連れ立ち、もうしばらくねこ温泉を堪能しようと宿に入って行く。
「僕はもう少しここにいるよ」
宿に戻る人々に、遊琳は穏やかに手を振った。
風にそよぐ竹の翡翠の色の中に夜色の子猫と並んで佇む少年に、またね、と夏朝は言い置こうとして、けれど口から出てきたのは、にゃう、という猫の鳴き声。
『行こう』
『温泉入ろう』
『お魚お腹いっぱい食べよう』
『縁側でお昼寝しよう』
その代わり、周りの子猫たちの言葉が賑やかに聞こえてきて、夏朝はくるくるとした大きな瞳をくるりと丸めて笑った。
『猫さん達の言葉、わかる……!』
歓声を上げれば、にゃー、と猫の声が自分の口からあふれた。それさえも楽しくて、夏朝はにゃあにゃあと鳴く。
にゃあにゃあみゃうみゃう、猫の姿でそれぞれに行きたい場所へ散らばって行くみんなを見送って、クレオはよし、と腕まくりをする。向かう場所は決めている。
(千匹温泉の傍の休憩所……!)
畳の上にダルマストーブが置かれたあったかい小屋の中には、温泉から出てきて毛並みがつやつやした猫たちが思い思いに転がっていた。あのつやつやモフモフな猫たちをブラッシングしてあげれば、きっともっとつやっつやのモッフモフになるに違いない。
張り切って休憩所に向かおうとするクレオの足元、純白の子猫がこてんと転がった。竹の落ち葉が背中にくっつくのも構わずにゃごにゃごと気持ちよさそうに転がる子猫は、どうやら半分夢の中らしい。
「一緒に来る?」
ふわふわの毛玉みたいな子猫を抱き上げ、ついでに撫でてやりつつ、クレオは今度こそ休憩室を目指す。
仲居猫たちが忙しく行き来する宴会場前の廊下を過ぎ、おひさまの光が燦燦と降り注ぐ長い縁側で点々と転がっている猫たちを起こさぬようそっと通り抜け、竹林の見える渡り廊下を渡る。その途中に、目指す休憩所はある。
入口の引き戸の傍の棚に置かれたブラシを手にしてあったかい部屋の隅にちょこんと座った途端、畳の上にのびのびと寝ていた猫たちが我も我もと近寄ってくる。
「わ、順番にするから」
ブラシを構え、クレオが言えば、猫たちは案外素直に列を作った。
「ちょっと待っててね」
まだかまだかとじりじり近寄って来る猫たちに急かされながら、膝に乗った猫の毛並みを丁寧に梳く。そうするうちにもまだかまだか、順番待ちの猫たちはクレオの膝や背中に温泉あがりでほかほかでつやつやの身体をこすりつけ始めた。
「……はわぁ~」
猫たちのもふもふ攻撃に、ブラッシングを終えた猫のふわふわさに、クレオはほわほわと目を細める。
(きもちいい)
幸せはきっと、こんな感触をしている。
「あなたもどう?」
猫まみれなクレオが声を掛けたのは、休憩所の隅っこに置かれた鏡とにらめっこをしていた黒猫。クレオの声に、黒猫はライムグリーンが印象的な瞳をぱちりと瞬かせた。
(スマホで写真撮りたかったー)
にゃあ、と応じて鳴いてクレオのもとへと近づきながら、ナオはそれが残念でならない。だって鏡に映りこんだ猫ちゃんな自分はとっても可愛らしかった。自分の後ろの空間でごろごろ転がったりブラッシングされて喉を鳴らしている猫ちゃんたちもみんな可愛かった。できればスマホの記憶容量いっぱいまで写真を撮りまくりたかったのだけれど。
猫の姿ではスマホを持っていないのも仕方がない。
(でも、でもでも!)
はー、とナオは甘い溜息を零す。大好きな猫ちゃんになれた。一緒にお風呂に入ってのんびりもできた。まるで夢のような時間を過ごすことが出来た。
(夢だけど)
ねこ温泉郷のすべてが夢だと信じるナオは、だからこそ弾むような足取りで猫まみれなクレオの傍にちょこんとお行儀よく座り、ぐるり、猫耳の頭を巡らせる。
現実だと猫ちゃん大好きが過ぎて、どの猫ちゃんたちにも脱兎の勢いで逃げられてしまうけれど、
(同じ猫ちゃん同士ならワンチャンあるんじゃないかしら……?)
ここが夢であっても、ナオの願いはただひとつ。
(猫ちゃんとお近づきになりたい……!)
ライムグリーンの瞳を期待いっぱいにきらきらさせ、近くに寝転がるサバ猫を熱く見つめてみるも、猫は素知らぬ顔で香箱を組んでいる。
(そうね、……そうよね、あんまりガツガツしたらいけないわよね)
クレオに背中をブラッシングされてその気持ち良さに思わず喉を鳴らしてしまいつつ、ナオは猫友達を捕まえることに余念がない。
(だれか一人)
じゃなくて、とそこら中に転がっている毛色も種類もバラバラな猫たちに熱視線を送りまくる。
(一匹でいいから、お友達になりたいなー!)
クレオのブラッシングによってつやっつやのもっふもふになったナオが、周りの猫ちゃんたちに逃げられまくった挙句、ふらりとやってきたちょっぴり眠たげな純白の子猫と仲良くなったり、その辺で眠りこけていた茶虎猫が不意に猫耳尻尾な青年の姿になったのを見て、スマホがあれば、と猫髭を震わせたりするのは、──それはまた、別のお話。
◆◆◆◆◇◇◆◆◆◆
帰る時間だよ、と猫又さんににゃーごと呼び出され、仲居猫と番頭猫にまたのお越しをお待ちしておりますと送り出され、寝子島から連れ出されてねこ温泉郷にやってきた人々はねこだらけのお宿を出る。春待ち桜に挟まれた石段を下りて行く。
石段の下には、真っ白で巨大な猫又さんが待っている。
「ねこ温泉郷、いい所だね」
猫耳尻尾姿の夏朝にお腹に抱き着かれ、猫又さんは笑った。
(夏夜ちゃんも楽しめる日が来るといいな)
胸にひとつ願いごとを呟いて、夏朝は猫又さんの背に乗せてもらう。名残を惜しむように、猫の姿のままだったり猫耳尻尾姿だったりな寝子島の人々も、次々にその大きな大きな背中にしがみついたりちょこんと座ったり。
「猫又さん、今日はありがとうございました」
番頭猫からもらった『ねこ温泉饅頭』の箱を胸に抱え、猫耳尻尾な智瑜も猫又さんにご挨拶をして背中に乗せてもらう。
(寂しいけど……)
夏朝は、なんだか寂しそうにも見えるキジトラ猫の背中をそっと撫でる。
楽しかった場所から離れるのはやっぱりどうしたって寂しい。それはきっとみんなおんなじ。
(……うん、でも)
そうしてから、石段の上のねこ温泉郷を仰いだ夏朝が見たのは、見送りに出てきてくれたらしいたくさんの猫たちの姿。
「またね、猫さん達……みんなとっても可愛いよー!」
お別れの挨拶をする寝子島の人々をその背に乗せ、猫又さんは来たときと同じように風の如く空へと駆け上がり始めた。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました。
猫と温泉、お届けにあがりましたー!
酒池猫林(?)なひととき、お楽しみいただけましたら幸いです。
いいですねえ、ねこ温泉郷。わたしも行ってみたいのです。みなさまと一緒に猫になって温泉つかって、ご馳走食べたりごろごろだらだらお昼寝したいです。……そんなことをふわふわ思いながら書かせていただきました。楽しかった!
お読みくださいまして、ご参加くださいまして、ありがとうございました。
またいつか、お会いできましたら嬉しいです。
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ねこ温泉郷の大冒険
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月03日
参加申し込みの期限
2020年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!