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ねこ温泉郷の大冒険
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通学路にしていた路地が、いつも脇を通り過ぎていた紅い山茶花の垣根が瞬きのうちに遠くなる。学校も、図書館も消防署も。見慣れた寝子島の景色がびゅうびゅうと耳元で渦巻く風とともに通り過ぎて行く。
(フツウめ……!)
ふわふわの猫毛に覆われた三角耳が押し寄せる風にぱたぱた揺れるのを嫌い、耳の中に風が吹き込むのを厭い、
水上 桜
は我が身に起こった『フツウ』をいつものように盛大に嘆きつつ必死に耳を伏せる。
人間の姿であればまともに動かすこともできない耳なのに、猫の姿となった今は自分の意志で伏せるも立てるも自由自在。
(そんなことはどうでもいい!)
問題は自分の身体が猫の姿になっていることだ。黒と橙と白の三毛をふわふわ生やした猫の姿になっていることだ。
ひゅう、と北風が悪童じみて大笑いする。桜をその大きくてもふもふした背に乗せた巨大な白猫──『猫又さん』と呼ばれていたその名の通り、二股に分かれた尻尾を持つ大猫が、不意に、翼を得たが如く宙に舞い上がった。
(っ……!)
振り落とされそうな気がして、桜は必死の思いで猫又さんにしがみつく。
「大丈夫ですよ」
緊張しきった背中にふわり、ひとのかたちした掌が励ますように触れた。
猫の姿で見上げるひとの姿は、それが少女であってもとても大きく心強く見えた。ただ、その少女の頭には黒猫のかたちした三角耳が、お尻からは艶やかな尻尾が生えている。
『フツウ』に嘆くばかりの桜とは反対、
宮祀 智瑜
は三角耳と尻尾をわくわくとご機嫌に揺らす。だって『ねこ温泉郷』だ。前に行ってとっても楽しくて、また行きたいと願っていたところ。
「猫又さん、よろしくお願いします!」
北風に負けずに声を弾ませる智瑜に、にゃーご、と猫又さんもご機嫌な声で応じた。
猫又さんの大きな肢が宙を蹴る度、ぐん、と景色が空へ雲へと近づいてゆく。
(招待券、僕は持ってないけど……)
明るい橙と白の猫に変わった自分の姿を風の中に確かめながら、
恵御納 夏朝
はぱちぱちと瞬きをする。
智瑜と日暮が話していたのを聞いたところによると、空を駆けて楽しそうに躍動するふわふわの背中の持ち主の名前は『猫又さん』。自分が猫の姿になったのも、『ねこ温泉郷』に連れて行ってもらえるのも、『猫又さん』の力によるものらしい。
抱き着いたまま、風にぱたぱたと揺れる三角耳がなんだかとても楽しくなってきて、夏朝は笑った。
(ありがとう!)
お礼を言った声は、にゃあ、という鳴き声にしかならなかった。それでもそれはきちんと猫又さんに伝わったらしい。ごろごろと楽しそうに喉を鳴らす音が抱き着いたふわふわの背中越しに聞こえてきて、夏朝はふわふわ心地よい猫又さんの背中に頬を寄せる。
にゃあにゃあと聞こえる楽しそうな嬉しそうな猫の声に
黒江 ナオ
は思わず目を細めて、
『ねこ温泉郷、ってとっても素敵な名前……!』
猫の声に重なって聞こえてきた女の子の声に首をひねる。隣でご機嫌な橙白の猫の心の声が聞こえた気がしたけれど。
(ねこ温泉……?)
隣のにゃんこは、そこに行けることがとっても楽しみで仕方がない様子。
(寝子温泉?)
その名前に聞き覚えがあった。なんだっけ、とこくり、反対側に首を傾げて思い出す。
(ああ、そいえば前に)
ハロウィンのイベントでチケットを貰った。
あのとき貰った『寝子温泉宿泊券』の行き先と、大きな白猫の背に乗せられて向かう『ねこ温泉郷』は同じ場所なのだろうか。
(ねえ、)
隣で笑う橙白の可愛いにゃんこに聞いてみようと手を伸ばそうとして、
(あら)
気づいた。伸ばした手がしなやかな黒猫のかたちになっている。
(あたしったら)
人間のかたちをしていたときと同じ、ライムグリーンの瞳をぱちぱちさせ、ナオはクリームパンのかたちにも似たふかふかの自分の手を矯めつ眇めつ、まじまじと眺める。よくよく見れば、手だけでなく身体ぜんぶが猫に変身してしまっている。
(ふむ、これはつまり……)
ひとつの真実に行き付き、ナオは大真面目な顔で自分の手を見つめた。
(あたしは今、夢の中なのね!)
見つめる掌にはまっくろな肉球。
猫好きなのに猫には逃げられてしまうナオにとって、猫の肉球はふだん決して触れられない魅惑の存在。
ぷにぷにの肉球で反対の手の肉球に触る。
(ぷにぷに、ぷにぷに)
触った手にも触られた手にもぷにぷにぷにぷにした感触が返って来ることに、思わず無心になって触り続ける。
(ぷにぷに、……あっ!)
ずいぶん長いこと触り続けて、ふと我に返った。
(鏡ないかしら?)
猫の姿をしているらしい自分は今、どんな姿をしているのだろう。
鏡を探してきょろきょろすれば、頭についているらしい猫耳がぱたぱた揺れた。普段つけている猫耳カチューシャでは決して味わえない本物の猫耳の感覚に、思わず目を輝かせる。肉球の手で猫耳に触れ、くすぐったさにくすくす笑う。
さすがに猫又さんの背に鏡はなさそうだけれど、いつも持っているスマートフォンは持っていないのだろうか。
(写真、写真撮りたいー)
猫又さんのふわふわの毛で囲まれた自分の周りを肉球の手でもふもふ叩いて探してみる。探し物は見つかりそうにない。
(いやー、あたしのスマホー)
ナオはちょっぴり泣きたくなる。夢から覚めればきっと枕元に転がっていると思うものの、今のこの、周囲に猫ちゃんがいっぱいいる景色はできれば画像に残しておきたかった。これだけにゃんこがたくさんいるのなら、スマホの記録媒体に作成した『猫耳仲間フォルダ』と並べて、『猫ちゃんフォルダ』も作れたはずなのに。
そっと吐いた溜息が、にゃあ、という猫の声に変換されて聞こえた。
にゃあ、と聞こえたちょっぴり切ないような声に耳をぴくりともたげて、
(いいのかな)
自分の意志で動く猫耳にほんの少し躊躇しながら、
弥逢 遊琳
は星々を宿した紺碧の瞳をくるりと丸める。
自分は、『ねこ温泉郷』の招待券を貰ったわけではない。
むしろその招待券をイベントの景品として差し出した側だ。
蜜柑色の毛に覆われた猫のかたちした手を眺める。気が付けば猫の姿で、猫の背の上で。
突如として放り込まれた『フツウ』が不意に楽しくなって、遊琳は銀色の髭を揺らして笑った。そういえばさっき、案内人らしい男が言っていなかったか。
──猫又はんは大雑把やさけ
自分たちを猫の姿に変じさせ、あまつさえその背に乗せて『ねこ温泉郷』へ連れて行こうとする巨大な白猫のふわふわの毛並みを、遊琳は猫の手でふわりと優しく撫でる。
(……大雑把の結果ならいいか)
こうなったところで誰が咎める訳でもなし。遊琳は夜色の瞳に自分たちが今しも翔けている冬空の薄青を映す。
(たまの慰安旅行でも──)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月03日
参加申し込みの期限
2020年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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