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ねこ温泉郷の大冒険
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目の回る速さで空を駆けてきた巨大な白猫の背中からするりと滑り降り、目が回るままにぺたりと座り込んだのは、更に目が回りそうなくらいに続く石段の前だった。
「あれ!?」
小麦色した大きな瞳をくるりと丸め、
時高 クレオ
は石段の上に巨大なお山の如くそびえる紅い柱と青銅の屋根が印象的な建物を仰ぐ。観音開きの大扉の上には『湯』と墨書された扁額、重なり合った青銅の屋根のそこここからふわふわと漂う湯煙。
「ここはどこ、」
咄嗟に呟いてみる。
「私は、」
そこまで呟きかけて我に返った。
「……クレオだわ」
大丈夫、自分が誰なのかはしっかり理解している。分からないのはここがどこか、ではあるけれど、それも分かる気がする。浮世離れした大きな大きな温泉旅館、そこへ向かう白い石段を辿っているのはひとではなく、たくさんの猫たち。
その中に混ざり、ひときわ体格の良いヒョウ柄の猫が不意に足を止めた。不意に我に返ったような仕草で石段の上に佇み首を捻る。
石段の上を見、下を見、石段の下にぺたりと座り込む猫耳をつけた少女を見、
(なんでもありだなこの島は)
志波 高久
であるところのヒョウ柄猫は琥珀色した瞳を楽し気に細めた。
ここがどこなのかは知らない。
己が何故猫となっているのかも分からない。
それでも高久は静かに強気に笑う。
(それが楽しいところでもあるんだがな)
猫耳をぱたぱたと動かしてみる。尻尾をゆらりゆらりと動かしてみる。地につけた四本肢を眺めてみる。そうして、まあしばらくすれば戻るだろうとアタリをつける。ならば焦ったところで仕方がない。
のんびりしよう、と思いかけて思い直す。せっかくの猫姿で、動かずにいるのももったいなかろう。
地元の福岡から寝子島を訪れる度、島のあちこちに遊ぶ猫たちの身体能力はよく目にしている。驚くほどの柔軟性、驚くほどの跳躍力。それらを身をもって味わうには、これは絶好の機会。
準備運動とばかり爪先から尻尾の先まで伸びをして、まずは一駆け。前脚で地を掴み、後ろ足で蹴る。そうするだけで人間には及びもつかぬ素早さで駆けることが叶う。尻尾で舵を取れば、速度を落とさずに方向を転ずることも容易く出来る。
駆けた速度のままに地を蹴る。石段の脇に生える桜の樹に跳び上がり、駆けのぼる。背丈の何倍もの高さまで跳躍ができることに、木肌に爪を立てれば滑らず登攀できることに、高久は笑った。
(このしなやかさは羨ましい所だな)
ただ、と樹の枝の上に音もなく着地しながら琥珀の瞳を細める。ただ、猫の身は妙に軽い。軽すぎて落ち着かない。
枝から枝へひょいひょいと飛び渡ってみたり、歩いてみたり。そうするうち、石段の上にへたりこむ三毛猫の姿を見つけた。躊躇なく、その猫の傍へと飛び降りる。
なんだかびっくりしたような顔をする三毛猫は、もしかすると己と同じようにここに連れて来られた元人間であるのかもしれなかった。
状況に戸惑って疲れ果てたような三毛猫に、高久は何のてらいもなく己の背を示してみせる。
『──送っていくぞ』
こちらが人間であることに気づいていないのだろう、三毛猫は少し迷ったのち、大人しくその背にしがみついてきた。
重くなる背に、高久は笑みを零す。さっきまでの妙な身軽さよりも、やはりこちらの方が性にあっている。
(トレーニングにちょうどいいだろうしな)
四肢に力を籠め、石段を登り始める。
三毛猫をその背に乗せている割に軽々とした動作で石段を上る高久の耳に、
「ねこ温泉郷!」
石段の下で座り込んでいた猫耳少女の声が届いた。
(温泉か)
高久は渋く笑う。ならば、いい汗をかいたら温泉に浸かるとしよう。
「うん、ねこ温泉郷だわ!」
久しぶりに訪れることが出来た不思議な場所に、クレオは華やいだ声をあげる。寝子島なのかどうかもわからない温泉郷は、探しても願っても滅多と来ることのできない楽しいところ。せっかくの温泉郷となれば、することはただひとつ。
(めいっぱい楽しんじゃう!)
きゃあ、と両手を合わせて飛び跳ねて、気が付いた。頭の上にぴょこんと揺れるナニカがついている。お尻のあたりにもご機嫌にぴょこぴょこ揺れるナニカがくっついている。
「はわわ!」
おそるおそる触って、クレオは驚愕の声を上げた。いつのまにか、亜麻色の猫耳と尻尾がついている。しかも自分の意志でぴこぴこ動く。
猫耳を触り、尻尾をつまみ、自分の意志で尻尾をふりふり動かして、
(……悪い気はしないわね)
クレオはくすくすと笑った。これはこれでなんだか楽しい。
見回してみれば、自分をここまで運んできたらしいバスじみた大きさの白猫の背から、次々と猫たちが下りてきている。その中には、自分と同じように猫耳尻尾のひともいる。
にゃあにゃあと笑いながら石段を駆け上がる猫たちと一緒に、クレオも軽い足取りで石段を登り始めた。
桜樹の石段を、何匹もの猫たちが楽し気に登って行く。
微笑まし気な光景に細めかけた新緑の瞳は、その猫たちの中に混ざる猫耳尻尾つきの少女の背を映した途端に大きく見開いた。
(……ここはどこだ?)
石段の下に佇んだまま、
志鷹 佑都
は建物を仰ぐ。見慣れぬ様式の建物は、どうやら温泉宿ではあるらしい。ただ、ひとの姿はほとんど見えない。石段を上がるのも、観音開きの巨大な扉をくぐって行くのも、皆と言って良いほど全員、猫だ。
気づけば立っていた石段の下、佑都は瞬きを繰り返す。深呼吸を繰り返す。
その足元、するりと猫がすり抜けた。来ないの、とでも言いたげに振り返る猫に、佑都は小さく微笑み返す。
夢か現かわからぬまま、猫たちに誘われるように石段に足を掛けたとき、
「あ、ちょっと待ったって」
島で幾度か聞いた覚えのある青年の声を聞いた。振り返る佑都の目に映るは、帰り道を塞ぐ格好で香箱を組む巨大な白猫と、その猫の背から最後に降りる黒髪の青年の姿。
去年の夏の日の海の家で、それから少し前には不思議な貨物列車の上で。幾度か出会ったことのある青年の名を、そう言えば佑都は知らない。
「こないだはおおきに。助かった」
和服の裾を慣れた仕草で捌いて佑都の前に立ち、青年は着物の衿をぐいと寛げた。腹のあたりに収まっていた三匹の猫を手品のように取り出し、その場にしゃがみこみ丁寧な手つきで猫たちを地面に立たせる。
「いえ、……」
穏やかに返そうとして佑都は言葉に詰まる。青年の頭には猫の耳が生えていた。和服の裾からは猫の尻尾さえ覗いていた。
「ああ、……あー、まあ、気にせんといて」
佑都の視線に困ったように猫耳を片手で抑え、青年はもう片手で地面の猫たちの背を撫でる。
「夕、こん。挨拶したって」
青年の声に応じて、地面に座っていた虎猫と白猫が同じ仕草でぐうっと伸びをする。黒猫だけが素知らぬ顔で青年の脛から肩へと飛び乗る。
佑都が瞬きひとつするうち、二匹の猫はふたりの少女に姿を転じていた。
「今日は。うちの日暮がお世話になってます」
「こにちわ! こんはこん!」
ひとりは黒髪を着物の背の半ばまで伸ばした十代前半の少女、もうひとりはおかっぱに綿入れ半纏姿の四歳ほどの幼女。
「こっちは夕! こっちは珠! こっちは日暮!」
小さな指をさし伸ばして少女と黒猫と青年を示し、こんと名乗った幼女は鼻息も荒い得意顔で薄い胸を張った。
「ご紹介ありがとう、こんちゃん」
こんの前に膝をついて目線を合わせ、佑都は新緑の瞳を優しく和ませる。
「俺は志鷹佑都」
「ゆうと!」
大きくひとつ頷き、こんは元気な足取りで石段を登りだす。一段二段登るうち、幼女の姿はまた猫の姿に戻った。
「ほな、お先に失礼します」
十代前半とは思えぬ大人びた仕草で一礼したかと思えば、夕の姿も猫となる。そうしてこんの後を追う。
「あ、佑都はちっと待ったって」
同年代かひとつふたつ年下らしい日暮に呼びかけられたかと思った、次の瞬間。
にゃーご、と背後の巨大白猫が鳴いた。至極のんびりしたその声に気を取られて、気が付いたときには、佑都は黒猫の姿となっていた。
ひとのときと同じ緑眸をぱちりと瞬かせ、佑都は首元に着いたエメラルドのクローバーの飾りを前脚で触れてみる。手の大きさからして、体格はよさそうだと冷静に判断する。
「元の人間の姿のまんまやとのんびりできひんさかいな、猫の姿で居ったんがええ。猫又はん大雑把やさけ、佑都のこと猫化させるん忘れとったみたいやなあ」
そういえば自分には猫耳も尻尾もなかった、と頷く佑都と並び、日暮は石段を辿り始める。
その道すがら、日暮は世間話と称して喋る。
今はシーサイドタウンの古民家に住んでいること、さっきのふたりは家族であること。
「うん、珠も家族やで」
頬に猫パンチをくれる黒猫に詫び、日暮はどこか嬉し気に笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月03日
参加申し込みの期限
2020年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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