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こうして鷹取洋二がゲーセンで盛り上がっているこのとき、生徒会長こと
海原 茂
はどうしていたでしょう?
書店。
茂は身を屈め、左右をうかがいながら身を進めていました。学校では常に、胸を張るかのように身を反らせ気味の彼がここでは逆の姿勢、おまけに前髪を垂れ気味にしたりして、正面から受ける印象はずいぶん異なります。
どうも彼、誰かに目撃されることを極度に恐れているようです。
このとき、
「あ……!」
という声を聞いて、茂は尾を踏まれた猫のごとく身をすくませました。
本棚の一つにマッハの速度で隠れます。茂一人を見ている限り、現在この書店で命懸けの鬼ごっこでも開催されているような印象がありますね。
「維都月……じゃ、ないな」
茂が飛び上がったのは、それが聞き覚えのある声だったからです。
「どこへ行ったのやら……」
それは
八神 修
、人を捜している様子です。ちらちらと携帯電話を見ているのは、探している相手からのメッセージを待っているからでしょうか。こちらに気がついた様子はありません。
安堵した風で茂は、修が戻っていくのを確認してから本棚の影から出ました。
ところが、
「えーと、『おちこぼれ姫』……」
再び茂は、口からスポーンと心臓が飛び出しそうな表情になりました。こちらの声については聞き覚えがない様子でしたが、それでも仰天せざる得ない事情がある模様です。
ショッキングな事態が連続したせいでしょうか、茂は足をもつれさせ、おっと、とよろめいてしまいました。倒れるまいとして茂が手を付いたその場所が、まさしく、
「あった! 『おちこぼれ姫』シリーズの新刊!」
声の主、すなわち
維都月 茉菜
の探していたコーナーなのでした。
好奇心旺盛なお年頃、それがこのところの茉菜です。
このごろの茉菜は知りたい盛り、アンテナがぐぐーんと空に向かって伸びた状態といっていいでしょう。面白そうな情報はどんどんキャッチしています。
そんな彼女のアンテナについ最近、ひっかかったアイテムというのが『おちこぼれ姫』シリーズなる本でした。どのような本なのか、それはこの場では申し上げますまい。ただ、茉菜によれば「新ジャンル」であり、「普通の本とも漫画とも旅行ガイドとも違うのっ!」ということです。
はっ、と時間が止まりました。
とある本棚、『おちこぼれ姫』のような本がたくさんならんでいる、なんとも暖色系の一角で時間が止まりました。
本当に止まったわけではないのですが、茂、茉菜、ともに硬直してしまったのです。
本棚に片手を付き、首だけひねって茉菜を見つめている茂。
両手を胸の前に重ねて立ちつくし、そんな彼を注視する茉菜。
――え? あの人、どこかで見たような……?
とっさのことで茉菜は、茂のことが思い出せませんでした。
けれど、
――『おちこぼれ姫』新刊に手を乗せて、あんなに熱い視線をそそいで……きっと同好の士に違いないよ!
そう思ったのです。
『自分の好きなものを好きな人が悪い人には思えない』という法則が、ある種の少女の世界にはあります。むしろ友達になれるかもしれない……そんな夢想すら抱かせるという世界法則が。
話しかけたい――切実に茉菜は思いました。
けれどどうやって? そのハードルは彼女にはとても高いものでした。
といっても、彼女にはとっておきの手があるのです。
――勇気を……!
心の中の天使に祈りを捧げます。
そのとき茉菜は、大天使のやわらかな翼に抱きしめられたような気がしました。
抱きしめられた気持ちになったのは茉菜だけではなかったはずです。瞬間的に強張っていた茂の頬にも、幼児のような自然な笑みが浮かんでいました。
茉菜も微笑したまま言いました。
「これ面白いですよね、このジャンルの好きに性別なんか関係ないと思うんですっ。女の子がすごく可愛くて……」
普段の茂であればまず間違いなく、「いや急いでいるので」とか冷たいフレーズを放ちその場を亜光速で離れたはずですが、このときはちがいました。
なんと彼は、照れくさげに、
「僕……いや、俺は、あの……こういったものは知らないのだが」
などと、頬に薄紅色すら浮かせながら言ったのです。
「……悪くないと、思う」
茂が恥ずかしそうにしているので、茉菜もなんとなく声をひそめます。
「ついに新作が出ましたね。私、ずっと楽しみにしてたんです。良かったら、その……レジまでご一緒しませんか?」
「あ……いや、俺はこれを買いに来たわけじゃ……けれど、せっかくのお誘いだ。そうしよう」
一冊を手に取り茉菜は歩き出しました。宙を歩くような足取りで茂も続きます。
なんだか幸せな気持ちが二人の間をながれていました。手をつないで歩いているわけではないのに、手をつないでいるような一体感。
もちろんここでかわされる二人の会話は、『姫』について。
「それで、前の巻では……」
「あのあたりの表現は好きだな。甘酸っぱい、というのだろうか」
さっき「こういったものは知らないのだが」と言ったばかりのその口で、思いっきり饒舌に『姫』トークをかます茂ですが、それもご愛敬というやつでしょう。
夢見心地でレジを終え、密封紙袋に本を入れてもらったところで、タイミング良く(悪く?)、修が茉菜を見つけました。
「ここにいたのか、維都月」
「あ、ごめんね八神くん。探した?」
「探したに決まってるだろう」
ぽふぽふ、と彼女の頭に手を置く修です。
「さっきまでどこにいたんだ?」
「ちょっとね、秘密のお買い物」
「なにが秘密なんだか……あっ、海原先輩。ご一緒だったんですか」
ここで『大天使の加護』(茉菜の『ろっこん』です)が切れたのか、瞬時にして普段のクールな彼に戻り、茂はきりっとした視線を修に向けました。
「ほんの偶然だな。八神は買い物か?」
「ええ、そこにいる維都月と本を買いに来たんです。俺は学術書を。茉菜は?」
「秘密っ」
「あー……そういうことらしいです。先輩はなにを?」
「俺も、参考書の類だ」
このとき茂は、眼鏡の下の視線をするりと茉菜に滑らせました。
わかってます、という風に茉菜は片目を閉じました。茂にだけ伝わるように。
このとき、茉菜の胸は高鳴っていました。
――今やっと気づいたよ! 私、生徒会長さんと話してたんだ!
高鳴ったって当然でしょう。
だって茉菜は、茂と秘密を共有できたのですから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月10日
参加申し込みの期限
2013年09月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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