せんせいといっしょ：鷲尾先生編｜リアクション

せんせいといっしょ：鷲尾先生編

●お仕置きですよぉ～

　叫ぼうにも叫べないので、掃除用具入れの住人と化した雨崎荒太郎と八十八旗信彦は、穴から保健室の様子を窺っている。
　桃川圭花の生着替えが見られないのは残念だが、鷲尾先生の胸の谷間は、わずかだが見えている。
「相談が終ったようだから、掃除をしよう」
　八神修が掃除用具入れに近づいてきたので、ここにいるのがバレたらマズい！　と焦るふたり。
　開けようとするが、ふたりががりで開けさせまいと必死に阻止しているので開けられず。
「先生、立てつけが悪いのか、なかなか開かないですけど」
「壊れたのかしら？」
　鷲尾先生は、点検しようと掃除用具入れに近付く。
「あ、鷲尾先生が見えたー。まてよ？　ここからだとベストアングル！？　おぉぉぉ！　谷間が正面に！」
「何だって！？　俺にも見せてくれ！」
　競うように、ふたりは鷲尾先生の胸元を見ながら、あんな姿、こんな姿を想像しながら覗き込む。

　　　　※らっかみ！は全年齢対象です。全年齢対象です！　大事なことなので二度言いました。

「先生……私に任せてくださいぃ～」
　鷲尾先生に力仕事はさせられないと、添木牡丹が開けることに。
「な、なんだ、このプレッシャーは……！？」
「急に寒気がしてきたね……」
　掃除用具入れの住人ふたりは、ただならぬ雰囲気を感じた。

「……そこで隠れてる方々？　……クスクス、私が気づいていないとでも？　視線でバレバレですよぉ～？」
「ボタンちゃん、落ち着いて。話せばわかるって！」
「牡丹先輩！　僕達、閉じこめられたんですよー！」
　ニィと笑う牡丹は、問答無用と言わんばかりに、ふたりに逃げる暇を与えず、ロッカーから引き摺り出した。
「……覗きをする悪い子はぁ……お仕置きですよぉ～」
　引き摺り出されたふたりは、同時にアイアンクローをくらった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ぎゃーす！！」

　お仕置きされたふたりの大絶叫は、保健室の外にまで響き渡った。
（保健室での絶叫、これで二度目ね。私、理事長と校長先生に注意されないかしら……？）
　しょうがない子達……と苦笑しながら、ピクつくふたりを見る鷲尾先生だった。
「皆さん……今の事は他言無用……わかってますよねぇ～？」
　青褪めた表情で、鷲尾先生を除くお仕置きを見ていた全員、無言で頷く。
「この子達は、ベッドに寝かせておきましょう。ここにいると邪魔だし」
　尾鎌蛇那伊は、ひとりずつ肩に担ぎ、順番にベッドに寝かせた。
（ボタンちゃん……デートの邪魔をしないでくれ……！　あ、鷲尾先生、帰らないでください！）
　信彦は、牡丹に鷲尾先生とのデートを阻止された悪夢にうなされていた。
「えへへ……」
　荒太郎は、鷲尾先生にぎゅっと抱きつかれ、胸の谷間に埋もれている夢を、涎を垂らしながら見ている。

　掃除用具入れから掃除用具を取り出した修は、保健室で休ませてもらったお礼として、隅々まで清掃を。
「良し、終了」
「すごく綺麗になったわね。ご苦労様、八神くん」
「じゃあ、俺はこれで。ありがとうございました」
　やることが終ったので、修は帰宅することに。その際、家ではゆっくり休みなさいと鷲尾先生に言われた。

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