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実験島NEK-0J1MA
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【コンフリクト】
「突撃!!」
崩壊の調べは、島中にあまねく響き渡る。
剣崎 エレナ
の号令を皮切りに始まった破壊の波は、胡乱な鉄筋コンクリートの建造物へ浸透し、広がってゆく。
白衣を着た作業員たちが阿鼻叫喚を上げ、逃げ惑う。しかし襲撃者たちに彼らへの同情の念はない。
襲撃者は『野良猫解放戦線』。革命の徒らが足を止めることはなかった。
「この施設を止めれば、住人へのMTTBの供給を断つことができるはず。……黒服が出てきたわね。曖浜さん!」
「おう!!」
曖浜 鴻
の鍛え抜かれた肉体から繰り出される拳が、黒服の数名をも吹き飛ばす。
ダンスにも似た剣崎の武闘が黒服の振るうスタンバトンをいなせば、曖浜が真正面からぶつかり豪腕を叩き込む。先頭の彼らを矢尻に見立て、数十名を数える解放戦線の同志らは、施設へ深く侵入してゆく。
しかしここは、実験島のまぎれもない要だ。MTTBの供給が断たれれば、島の体勢は崩壊を免れまい。故に黒服らの抵抗も並では無かった。
「く、さすがにただでは通してくれないわね……」
「剣崎。あんたに以前、尋ねたな。『忌み嫌う邪道に堕しても、奴らを討つ覚悟はあるか』と」
激しい戦闘のさなかに剣崎の顔をうかがえば、彼女もちらとうなずいた。
曖浜の故郷は今や遠い。帰郷を望むも、本土との行き来は扉によって固く閉ざされている。扉はすなわち、MTTBだ。ふとした拍子にその服用を忘れることがなければ、曖浜もまたこの島で飼い殺されるのみだったろう。
なんの実験やら知らないが、帰り道を阻まれる道理はない。手心を加える必要も、その意思もない。
「アレを使うぜ。異論はねえな?」
「ええ。もう後戻りはできないのよ」
「良い答えだ。……神野! シリンジャーライフルを頼む!」
神野 美野梨
が化学者を志したのは決して、MTTBに含まれる諸成分を解析してその中和剤を研究したり、解放戦線へ薬剤や爆薬を供給するためではなかった。
しかし彼女は、気づいてしまった。彼女自身にあてがわれたろっこんが自己にのみ認識できる類であったがゆえに、彼女の聡明さならば疑いを抱くのは必然だったのだ。
「もっとも、エレナさんと出会わなければ、認めることはできなかったでしょうけれど……」
そして神野はMTTBと島における社会的地位をキッチンのシンクへ流し、解放戦線へと身を寄せることとなった。
「曖浜さん、これを使って!」
「おう! また改良したのか? 手に馴染むぜ」
曖浜が手にしたライフルを構え、黒服へ向け躊躇なくトリガーを引く。射出されるのは金属弾ではなく注射針と液薬のタンクを備えるシリンジ弾であり、充填されているのは神野が液体化したMTTBだ。
曖浜の発案を受け神野によって開発されたシリンジャーライフルは今や、解放戦線の主たる刃となった。目には目を、だ。
MTTBがもたらす認知能力の低下作用は、島中に配された偏向因子……壁に掲げられた何気ないチラシの文言や、ラジオから流れる音声に隠された感応短波や、眼鏡のレンズに映し出されるサブリミナル映像の働きにより、黒服の存在を覆い隠す。
ならば、黒服自身がこれを投与されたなら?
「これが邪道の技ってやつだ。俺たちの業は深いな、神野。剣崎」
返答はない。
無垢な瞳を浮かべ地に転がった黒服たちを眺め回し、彼らは深く息を吐いた。自己認識という概念を喪失した彼らの精神は、赤子へと還元されるのだ。二度と戻ってはこれまい。
「……神野さん! 中央の扉が堅くて開かない。爆薬はあるかい?」
「ええ。今行くわ」
新入りの、何と言ったろうか。自身と年も変わらないような青年に先導されながら、神野は人知れず微笑む。
「楽しいわね。第三者の視点から事象を観測し、読み解くのは。この不条理は、化学者冥利に尽きるわね」
終わりが近いことに、神野はほのかな惜別を抱いた。
神野を導きながらも、
志波 武道
の目はあの鮮やかな青を探していた。
「潜入任務、ご苦労だったわね。おかげでつつがなく突入することができたわ」
「軽いカルイ☆ 島のみんなのためなら、何だってやるさ」
自らの言葉にちくりと、志波は胸に痛みを覚えずにいられない。
黒服の息のかかった清掃業者を装い、事前に施設内部へ潜入して、突入の手引きを整える。危険かつ過酷な任務であったと言わざるを得ない。
それでいて志波を突き動かしたのは実のところ、革命と出会って芽生えた勇ましい義憤……などではなかった。
「あの朝、俺がMTTBを飲むのを忘れなかったら。俺がろっこんを使うつもりで手刀を撃ち込んだ時、黒服の姿がうっかり見えてしまわなかったら……俺はいまだに何も知らないまま、単なる実験対象として暮らしてたんだろうな。ゾッとするよ」
「そうね。私たちのように気づくことができたのは、幸運だわ」
「だからこそ、そういう人たちの目を覚まさせなきゃな。自分の目で見て、自分の足で歩いてもらうこと。それが俺たち、解放戦線の役割! ってNE♪」
半ば嘘だった。まるきりそのような思いがないではないが、志波自身、建前と認めざるを得ない。
手の震えを必死に隠す。唇の青さに気づかれてはいないだろうか。気を張っていなければ、今にも半狂乱になってしまいそうだ。
ああ。あの時、新しく配給された薬を、残さずトイレに流してしまっただなんて。自分はなんて愚かなことを。
「……いや。違う。良かったんだ。あれで良かった、あんなものはいらない。俺にMTTBは必要ない。必要ない。MTTBを。俺は……」
「大丈夫? 顔が真っ青だわ」
気づけば神野が顔を覗き込んでいた。
「ああ、いや。ははは、まだチョーットキンチョーしてるカナー、なんて☆ だって黒服たちの支配がもうすぐ終わるんだろ? 住人たちがMTTBから解放されたら、この島はどうなってしまうんだろうって……考えないかい?」
「もちろん、考えたわ。でもきっと、それが私の役割だから」
神野は志波にはさほど興味も無さげに、扉の爆破作業にかかった。
彼女はシリンジャー弾薬の製造や中和剤の精製のため、きっと日常的にMTTBを扱っていることだろう。
少しはつまみぐいなんて、しないのだろうか? あの青い錠剤は、俺たちを誘うというのに。
志波の目は泳ぐ。ここはMTTBの精製工場だ。探せばきっと、保管されているだろう。
曖浜が志波の肩を叩き、震えた。
「MTTB保管庫の扉が開いたら、根こそぎ焼き払うぜ。あのくそったれな薬が青い火花を放ちながら、どろどろに溶けていくんだ。待ち遠しいだろ?」
「あ……ええ、そうッスね! も、ぼんぼん焼いちゃいましょう、ぼんぼんと!」
大丈夫。大丈夫だ。まだ時間はある。
全てが失われてしまう前に、確保しておけばいい。そう、大量に。
「……違う。俺は……おれは、なにを考えた……? 今?」
MTTBをこの島から排除せねばならない。あんなに素晴らしい薬を? 全てを根絶やしにするのだ。全てを? 正気か? 島の住人たちを真実の世界へと解き放つ、それが自分の役割なのだから。本気で言ってるのか?
あの鮮烈な青を、本当に?
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年04月17日
参加申し込みの期限
2020年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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