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実験島NEK-0J1MA
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【籠の鳥】
「ああ。あの鳥のように……」
自分が人間ではないことを知ったのは、物心ついてすぐのことだった。
黒服たちは、
神薙 焔
という名で彼女を呼んだ。本当の名前なのかどうかは分からない。
焔が生まれてすぐ、その特異体質が判明するや否や、黒服たちは騒然となったのだという。
中沢 リッカルド
がそれを彼女に教えた。
君は、MTTBが効かない体質なんだよ。
この世界の人々が生命と健常を保つために欠かせない、大事な大事な薬が、焔の身体には効力を発揮しないというのだ。
MTTBなくして、人はどうして生きられようか。焔は鳥もはばたけぬほどに狭く、目に痛いほど純白な部屋へと隔離されて生きてきた。仕方がない、とは思う。自分は外の世界では生きられないのだから。
「あたしも、自由に……空を飛んで。あの雲の向こうへ……」
窓の向こうに、優雅な所作で遠ざかっていく海鳥たちを、何度こうして押し潰されそうな心持ちで見送ったろうか。
焔は自由な空を想う。輝きに満ちた外の世界を想う。
MTTBさえ効くのなら、焔もあの超常の力を得ることができるのだという。ろっこん、だったか。外の世界の人々はそんな不思議な力を用いて、毎日を面白おかしく愉快に送っているのだという。なんということだろう、この何もない部屋とは大違いではないか。
焔は病魔に侵されている。MTTBの助けさえあれば、自分も外の世界で生きていくことができる。
焔が輝かしい未来を得るための必要な治療なのだと、中沢は彼女の疑問に逐一同じ説明を繰り返した。ある程度の納得はあったし、人当たりの良い中沢を信用してもいた。それでもおびただしく血を抜かれたり、肌を裂かれたりする苦悶に勝る得心には至らなかった。当然のことだ、焔は精神も肉体も未熟な少女だったのだから。
それでも焔にとって、白い部屋と届かぬ窓の向こうの景色は、世界の全てだった。
足元からそれが揺らぎ始めたのは、一年前のことだ。
「ろっこん。超常の力。神さまからの不思議なおくりもの。ね……」
申し訳程度に部屋へ備え付けられているテレビが映し出すのは、いつもなら子供向けの教育番組か在りし日の美しい世界の風景、あるいはフィルムが擦り切れたような古いアニメくらいのものだった。
しかし……電波の混線か何かだろうか? その日ブラウン管テレビへ前触れもなく映り込んだのは、ひとりの
黒服の女性
の仕事ぶりを追うドキュメンタリー番組だった。
『まあともかく、寝子島で実験体の『ろっこん』を演出する、というのがメインの作業になります』
『そういった能力を彼らは持っていると思っていますから。それを再現するのが黒服の一番重要なお仕事です』
『さまざまな作業を担当する黒服が力を合わせて、寝子島という一つの舞台を運営してるんです……』
全てが偽りだと気づいてなお、焔にできるのは耐え忍ぶことだけだった。未熟な少女なのだ。知己に長け、実験体と称する多くの者らを掌握してきた彼らを、焔などがどうして出し抜けようか。
治療とは名ばかりの生体実験を、力なき焔に拒むことができようか。
「ああ。いいなあ。鳥はいいなあ。自由に外を飛ぶことができて」
人ならぬ超能力を持ち、ヒーローさながらに胸のすく大活躍。輝かしい毎日……などという幻想は、とうにない。
今や焔が求めるのは、ふつうの『ひと』としてのありふれた自由だった。
「ああ、いいなあ。あたしはどうして……こんな籠の中……」
そうして訪れた、今日のこと。
焔を打ったのは巨大な轟音と、砕けた壁の向こうから姿を見せた、白衣の女性が言い放った言葉だった。
「やっと見つけた。私は
神野 美野梨
。化学者よ。幻覚剤を受け付けないあなたの身体には、MTTBの抗体が満ち満ちている。人々を救うため、私たちに力を貸してほしいの」
焔の世界は、文字どおりに砕け散った。
「どこへ行くの? あたし、外に出るのは初めてで……」
少女の困惑は想像に難くないが、神野らにとて時間は無かった。
「大丈夫、安全なところに連れていくわ。そこで私に協力してほしいの。人々をMTTBから解放しなければね」
「あたしが……その鍵になるのね」
達観したように見えて、少女の瞳には恐れと迷いがくっきりと浮かんでいる。
不安げに揺れた頭を、
志波 武道
は優しく撫ぜる。
「だーいジョウブ、ダイジョウブ! お兄さんたちはすっげー強いんだゼイ」
「うん。ありがとう」
それでも、抗体を持つ少女の確保はいわばイレギュラーだ。彼らの目的はあくまで、MTTB精製施設の完全破壊にある。そしてそれは、生半には達成できぬことだろう。
「……ちっ。やっぱり、タダじゃあやらせてくれねえか!」
曖浜 鴻
の肉体が爆ぜる。堅牢な筋肉の鎧が、衝撃に軋みを上げる。
巨漢たる彼を吹き飛ばしコンクリート壁へ激突させたのは、小柄な女の放った蹴りだった。
冷たく見据え、
黒服の女
は言った。
「これも仕事よ。悪く思わないで」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年04月17日
参加申し込みの期限
2020年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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