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実験島NEK-0J1MA
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【解放】
中間管理職と言えばまだ聞こえは良いが、
椎井 莉鳥
の業務におけるまさに便利屋がごとき扱われ方には、彼女自身辟易としていたのも事実だ。
若くして異例の昇進を重ねた椎井は直属の上司となった
中沢 リッカルド
の覚えも良く、要領よく多岐に渡る仕事を効率的にこなすため、各方面に重宝されていた。実に引く手数多なのだ。
もとは単なる一黒服であった椎井もやがて、己の才を自覚するに至る。
実験島の管理・運営という業務の中で、彼女はあらゆる部品を回す潤滑油としての役割を果たし始めた。現場に入りろっこんを演出するのはもちろん、黒服たちのシフト管理や、本土においては新たな人材の発掘や推挙までも行った。
いつしか椎井は、黒服の幹部にまで上り詰めていた。
そんな彼女に、新たな仕事が舞い込んだ。
「野良猫解放戦線。ですか」
「ええ、あなたも聞いているでしょう? 崇高なる我らが目的を阻む癌、気高き理念を解さぬ愚か者どもですよ」
このところ、現場に在ればいやでも耳に入る名だった。徐々に彼らはその勢いを強めており、近く何か大きな作戦を実行に移す算段だとの噂がまことしやかに囁かれていた。
「それを阻止せよと」
「そのとおり、さすがに話が早いですね。方法はおまかせします。では頼みましたよ」
そして椎井は、つつがなく作戦を実行した。
「これで良かったかね。黒服さんよ」
「ええ、上々よ。よくやったわね」
椎井の手招きに応えたのは、解放戦線の長たる
剣崎 エレナ
の隣に立っていた、古株の同志だった。
剣崎の端正な面が歪む。
「あなた……ずっと私たちを騙していたの」
男は創設当時からの顔馴染みであり、剣崎が全幅の信頼を寄せる部下であったのだ。彼は剣崎の険しい瞳にひらと手を振り、悪びれることもなく言う。
「すまんね、リーダー。俺は夢から覚めたくなんてなかったよ。MTTBに染まって、幻想の幸福に浸っていたかったのさ」
「だから黒服どもの内通者になったってかい」
曖浜 鴻
は怯えた
神薙 焔
を背にかばいながら、獣のようなうなりを漏らす。
「おおっと。そう怖い顔するなよ。すぐにあんたも、全て忘れられるさ。MTTBを打たれてな。全て元どおり、丸く収まるってわけ……」
拳を叩き込まれ、男は昏倒した。
曖浜は椎井を睨む。一瞬の瞳の邂逅で、悟った。内通者の存在により、既に作戦は瓦解しかけていること。このままでは駆けつけた増援により包囲され、脱出さえままならぬこと。
「……志波。女たちを外へ連れ出してくれねえか」
名を呼ばれ、
志波 武道
ははっと我に返る。床に伸びた男が語る甘言に、しばし心奪われていたのだ。
「お、俺がですか?」
「ああ、頼む。男として、お前さんを信頼して言うんだぜ」
こうした窮地に陥った時、取るべき行動は彼らの中に一致していたのだろう。しんがりを務めるのは、曖浜の役目だった。
「こっちへ。さあ、行きましょう」
「うん……」
神野 美野梨
に手を引かれていく少女に優しげな瞳を投げ、志波と一瞬うなずき合い、先頭を行く剣崎を見送った。
「さて。椎井っつったか……ケリをつけようぜ」
「いいわ。付き合ってあげる」
黒服の女が口元をかすかに歪めたのは、気のせいだっただろうか。
例えば水流を放出するろっこんを演出するなら、まず水の出どころを確認する。ホースを伸ばしてきて、蛇口をひねり放水する。
聴覚を拡張し盗聴を可能とするろっこんなら、収音センサーを活用する。
猫を惹きつけるというかわいらしいろっこんは、手順も簡単だ。マタタビスプレーをシュッとひと吹きすればいい。
……なんて虚しい。
「ねえ。あなたもそうは思わないかしら」
「なんの、話だ……!!」
飛来する注射針を叩き落とし、砲弾がごとき拳の軌道を手首の返しで逸らす。間髪入れず打ち込まれた蹴りが腹にめり込み、内臓をひどく圧迫するも、椎井は思う。
悪くない。
「子どもだまし……幻想、妄想。演出効果……虚しいと思わないかしら」
シリンジャーライフルを曖浜の手から弾き、懐にもぐりこみ肩から全身を叩きつける。掌を放ち男の顎をかち上げ反転、鋭い足刀を打ち込んだ。
「ち……!」
「こんな不毛な戦いさえ、相手を倒せばいくらか胸がすくけれど。なんて虚しいのかしらね、私たちの仕事って」
椎井が胸に蓄積させた孤独や絶望を他者に説明することは難しい。それらの感情はあくまで、椎井自身にしか知り得ないものだ。
だからきっと、直後に彼女が浮かべた微笑の意味を理解できる者もまた、在りはしないだろう。
「俺はな……あいつらを無事に帰さなきゃならねえんだよ」
曖浜が掲げた起爆スイッチのボタンを押し込めば、施設は容易く消し飛ぶはずだ。
当然にして、曖浜に退避する時間などない。目の前の黒服との力量は互角であり、隙など見い出せるわけもない。
いざとなれば、もとよりそのつもりだった。とうに覚悟はできている。
女が笑う。曖浜の意図を悟っているはずだろうが、その微笑にはどんな意味があるのだろう。
「知ったことか」
心残りが無いではない。身体を張って逃がした仲間たちや、あの少女が未来を紡いでくれればと願うが、それ以上にこの瞬間、曖浜の胸に満ちている想いは、
「……ああ。故郷に帰りたかったなぁ……」
誰にも届くことはなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年04月17日
参加申し込みの期限
2020年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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