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悲しい銃弾
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エレノア・エインズワース
は建物の間に出来た隙間に身を潜めた。グレーのコートは周囲と馴染んで存在を消し去る。
緑色の目は空き地を見ていた。剥き出しの土に小石が混ざる。奥の方には誰かが棄てた鉢植えが転がっていた。
僅かに手元が光る。スマートフォンの画面に表示された時間を見て素早く電源を切った。
「そろそろでしょうか」
微かな笑みを湛える。
最初に目に留まったのは黒いパーカーを着た小柄な人物であった。長い銀髪の少女は白いコート姿で隣に寄り添う。
エレノアは目を細めた。
「意外な展開になりましたね」
二人の後続として厳しい表情の
夏夜
が現れた。少し遅れて
夜海霧 楓
が警戒した様子で続く。最後は二人、無表情の
朝鳥 さゆる
の腕に
Malice
が絡み付いていた。
エレノアが隙間から出ようとすると、別方向から二人が現れた。白いドレスを身に纏った
花風 冴来
と黒いコートの魔女然とした
常闇 虚
である。ほぼ同時に
志波 武道
も加わった。
「役者の多い舞台ですね」
肩に鞄を引っ掛けた。グレーのコートを着たエレノアは堂々と空き地に足を踏み入れた。拍手をしながら奥まで歩き、くるりと振り返って全員に目を向けた。
夏夜は鋭い眼光を飛ばす。
「ねこったーに書き込んだのは君だね」
「その通りです。犯人を誘き出す為に撒いた餌でした」
「じゃあ、二人が双子ってことも知らないし、犯行の動機もわかってないんだよね」
エレノアは銀髪の少女に目を移す。
「綺麗な容姿をしていますね。それだけに嫉妬の対象になり易いのでしょう。違いますか」
「この姿のせいで虐められて、それでこんな酷いことを、してしまいました。ごめんなさい」
「やったのは僕だ」
被っていたフードを脱いだ。銀色のショートボブを晒した少年は直後に黒いマスクを外して素顔を見せる。
「双子らしく、愛らしい容姿をしていますね」
「おイタが過ぎるお子ちゃまに興味はないわ」
Maliceは少年に背を向けてさゆるの腕に執拗に絡み付く。鬱陶しそうに腕を振っても離れなかった。
エレノアはにこやかな顔で、汚らわしい、と唇を動かして少年に言った。
「ここまで犯行を重ねていながら、今は飼い猫のようになっています。本当に虐められていたのですか? 被害妄想なのでは? もしくは、ろっこんの力に溺れてしまったパターンもありますね」
「そんなんじゃない! この姿ってだけで教科書を破られた。机にはマジックで落書きされた。先生も見ているはずなのに……子供も大人も、みんなが僕達の痛みを知ればいいんだ!」
少年は思いを吐露した。涙が滲む目でエレノアを睨み付ける。
「なんてかわいそうに、とは全く思いませんね。簡単に捕まって、もう降参ですか。安っぽい感傷に欠伸が出ます」
エレノアは開いた口に手を当てる。目にした武道は苦笑いで頭を掻いた。
「相変わらず、手厳しいねー、エレノアちゃんは。まだ子供なんだし、もう少しソフトに言ってもいいよね」
「このように甘ったれたボウヤとは思いもしませんでした」
「バカにするな!」
少年はパーカーのポケットから拳銃を取り出し、エレノアに向かって走り出す。
「お相手しましょう」
落ち着いた様子でエレノアは水鉄砲を手にした。
少年は至近距離で、思い出せ、と声を上げた。
「お断りします」
エレノアが先に水鉄砲を撃った。
少年は身体を傾けて銃口を向ける。勝ち誇った顔でトリガーを引いた。が、弾は出なかった。
「なんで!」
銃口を覆うように液体が貼り付いていた。指で触れると強烈な粘着力を見せる。
エレノアのろっこん、『オールド・ジョーク』の発動で水は強力な接着剤となって銃口を塞いだ。しかも、進化能力1で軌道を自在に操って避けることもできなかった。
「待ってください!」
少年を庇うように少女が走り込む。エレノアは肩に掛けた鞄から水の入ったボトルを素早く取り出し、一気に中身を撒いた。
再びのろっこんで二人は同時に拘束された。少年の胸に飛び込んだ姿で少女は貼り付けられた。その状態で倒れて身動きが取れなくなった。
急に興味を失ったかのようにエレノアは周囲に声を掛ける。
「皆さん、あとはお好きなように」
少し距離を取って腕を組んだ。
楓は手に持った投げナイフを縦に回す。柄を掴むと速やかに懐へ収めた。
「正直に言うと、俺は二人の事情に興味はない。雇われの身としては脅威を取り除ければそれでいい。他の者達で好きにやってくれ」
同様の態度で離れた。エレノアは横目で眺める。
「取り出したナイフは誰に向けられたものなのでしょうか」
「さあな」
楓は一言で終わらせた。
夏夜は一同を見回し、少年の前に立った。
「僕はエアガンで撃たれて過去の痛みに襲われたよ。
綺麗な顔したクソ女
のろっこんで、召喚された吸血蠅の大群に生きながら全身の血を吸われたんだ。そんな過去、君にはないよね」
「ごめん、なさい」
少年は下を向いて言った。夏夜は追い打ちを掛ける。
「自分達だけが痛い目に遭っていると思うな! みんな、少なくない痛みを抱えて生きているんだ! 知らないくせに勝手に他人を苦しめて、子供だからって許されることじゃないよ!」
少年は俯いて何も言わなかった。頬から流れる涙がズボンの一部を濡らす。
「……でも、少しはわかるよ。僕も昔は(夏朝)虐められていたから、ね」
武道が夏夜の肩をポンポンと叩いた。表情を緩めて場所を譲った。
「どーも、さっきぶり☆ 俺もちょっと話したいんだけど、いいかな?」
「……うん」
顔を下げたまま、鼻声で応じた。
「さっきはゴメンナー、激しい反応で驚いたよね。俺って何回か死ぬ程、痛い目に遭っていて、なーんて!」
「どっちよ」
冴来は軽い口調で言った。隣にいた虚は品定めするような目で見て、ふふふ、と蠱惑的な笑みで笑った。
武道はウインクを返し、少年に向き直る。
「イジメた人達と同じことをしちゃダメだよ。どれだけ悔しくてもダメなんだ。本当はこれもいけないんだけど、イジメた相手にやり返すなら、まだね。今回のように事情を知らない人達にしたら君達だって相手に恨まれて
仕返しをされても文句を言えない
状態になるよ。わかるよね」
「うん、わかる」
「なら、よーし!」
笑顔で頷く武道の横に虚が並んだ。あまりの近さに慌てて場所を開けた。
「ありがとう。だけど、私は少し意見が違うわね。今回のような無差別な攻撃は別として、自分を守る為ならその力を使ってもいいと思うわ。冴来ちゃんは、どう思う?」
いきなり後ろに話を振る。冴来は斜め下に目を落とし、顔を上げた。
「そうね。気持ちはわかるわ。それで解決できるなら」
足を進めて少女の前でしゃがみ込む。
「貴女も白い服を着ているのね」
「あ、はい」
「
白い服は嫌いじゃない
、ね」
冴来は微笑んで少年に目を移す。
「……なんだよ」
チラッと見て深く頭を下げた。
「いつまでも仲良しでいてね」
言い終えたとばかりに立ち上がる。
遠目で見ていた楓が口を開いた。
「二人は自らの足で自首する。出頭よりは罪が軽くなるだろう。俺達はそれを見届ける。どうだ?」
「僕はそれでいいよ」
夏夜は同意を示す。直後に目で問い掛けると武道がにかっと笑う。
「俺もそれで。相手が肉体的な傷を負った訳じゃないから大事にはならないと思う。他のみんなはどうかな」
虚と冴来は顔を見合わせて、それで、と声を合わせた。
さゆるは拘束された二人を一瞥して場を離れる。Maliceは腕にしっかりと絡み付いて逃さない。
「離脱か」
楓の声が飛ぶ。
「あたし達には決められない。すでに壊れているから」
「良い感じにね」
Maliceは自身の胸を揉みしだく。悩ましい腰付きでさゆると共に闇へと身を沈めた。
「話し合いは終わりのようですね」
エレノアはコートのポケットに片手を入れた姿で少年と少女の前に歩み出た。そして一方の少女に優しげな目を向ける。
「本当に愛らしい顔をしていますね。嫉妬の対象になるのもわかります。では、この騒動に幕を下ろしましょう」
引き抜いた手には金槌が握られていた。一切の躊躇いを見せず、少女の片頬を打ち据えた。
短い絶叫が上がる。少女は激しく頭を揺さぶり、手足をばたつかせた。
「みんな、手伝ってくれ!」
武道が叫んで駆け寄る。楓と夏夜は暴れる少女を力で押さえ付けた。
「ありがとう!」
叫んだ武道は少女の腫れた頬を手刀で突いた。『スイ・マー』のろっこんが発動して局所麻酔の効果を生み出した。
少女は呆けた顔で虚脱した。少年は目を見開く。歯をカチカチと鳴らし、目を赤くして震えていた。
エレノアは金槌を自身の掌に打ち付けて一連の行動を眺めている。
「良い連携ですね」
「……どういうつもりだ」
片膝を突いた武道が立ち上がる。眼鏡の奥の目は静かな怒りで満たされた。
「幕引きですよ。ほら、見てみなさい。少女の醜く腫れ上がった頬を。ああ、なんて青黒くて醜いのでしょう。これでは到底、嫉妬の対象にはならないですよね! この私が救ってあげたのですよ!」
「ふざけないで」
夏夜は殺意の籠った目をエレノアに向けた。本人は心外とばかりに声を張り上げる。
「至って真面目ですよ! これで円満解決じゃないですか! これは正義の鉄槌ですよ! それに私は襲われたじゃないですか。立派な正当防衛ですよ!」
「動けなくして金槌で殴ったくせに!」
「二人をよく見てくれます?」
エレノアは冷静に返す。二人に掛けられたろっこんは効力を失い、少女は少年の太腿に力なく横たわる。
「詭弁だな」
楓の一言にエレノアは笑みを深めた。
「物的証拠はありませんよ。それに深い傷は再発も防ぎます。鏡を見る度に忌まわしい過去を思い出して震えればいいのです。その時、深い心の闇から染み出す感情の名は絶望! 壊れた人形として青褪めるのです、ハハハハハ!」
エレノアは目を剥いて哄笑した。悪鬼も怯える変貌に居合わせた者達は口を噤んだ。
「では、皆さん、ごきげんよう」
切れのある動きで踵を返す。エレノアは冴来に目を留めた。真横に来ると立ち止まり、そっと耳に口を寄せた。
「冴来さん、うっとりした目が素敵ですよ。完成に近づいたのではないですか」
「あ、私は……」
去り行く背中に何も言うことができなかった。震える指先で触れた顔は微かに笑っていた。
虚は一人、身を震わせる。
「……私の周りにはどうして、こんなに美味しそうな人が多いのかしら、ふふふ」
その後、救急車が呼ばれた。要請した武道、夏夜、楓が同乗した。冴来と虚はサイレンの音を聞いて、ひっそりと立ち去った。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年03月23日
参加申し込みの期限
2020年03月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年03月30日 11時00分
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