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寝子島高校
欲望の果てに望むものは
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絶神によって暴走している愛の感情。それは寝子ヶ浜にいた全ての人々を巻き込んだ。
もれいびも、人も、ほしびとも。あちらこちらで欲望の花が真夏の陽射しを受け、艶やかに咲く。
(何で、何だ、何なんだーっ!)
吉住 志桜里
と海岸に来た
卵城 秘月
は、体の中心から溢れ出る欲望に思わず身悶えた。
自分の性癖が異常であるのは分かっていた。
肉体フェチ。
勿論観察も好物だが、触れる事ほど至高な事はない。しかしそれは彼女の社会的地位の危機をも意味していて。
(だから、普段からこの欲望を抑えて生活してきたのに)
なのに、何だこの海岸は。
一般人が人目もはばからずいちゃいちゃベタベタさわさわ。まるで世界が己のその欲望を解放せよと言っているようではないか。
普段抑えているだけに、このトリガーが外れてしまったら。そもそも、いつも私がこんなに我慢しているのに何みんな脳天気にこんなに触りまくってるんだ。
風紀の乱れた垂涎ものの光景を見ながら、秘月はこの状態の理不尽さに相反する2つの感情を抱かざるを得なかった。それは怒りと、欲望が解放される悦び。
(ああ、もう駄目だ。とにかく……色々とヤるしかない!)
秘月はふらふらと歩き出した。建前は絶神の情報を聞き込むために。けれども突き動かすのは。
「そう……絶神知らないか。ちょっとごめんね、尻尾チェックさせて」
秘月はそこらを歩く人に手当たり次第に声を掛け、そのお尻をさわさわ。しかし皆欲望に毒されており、拒否する者はいない。それどころか腕を絡め、その尻を押しつけてくる始末。
(確認……そう、私は絶神の確認作業をしているだけだ!)
それはもう理性の残滓でしかない。秘月の欲望は加速していく。
そんな秘月に取り残されてしまった脳筋娘志桜里。彼女もまたこの欲望に飲み込まれていた。
乙女も百合も大暴走。ラップ魂が荒れ狂う。
妙な気に当てられたせいかは分からないしもうどうでもいい位に
心も身体も求めてるヤりたい盛り
なのに当の秘月はそっちのけ ナンパしたりお触りしたり遊びたい限り
そんなの見せられたら余計求めちゃうじゃないの 離せないじゃないの
いっそ岩陰の難破船みたく朽ちるまで滅茶苦茶にしてやろうかしら
悶々としながら秘月を睨み続けても、やっぱり彼女はお構いなし。手当たり次第に人の尻を触りまくっている。
熱くなる身体。溢れ出る欲情。全てを乗せて志桜里はその原因に叫んだ。
「秘ぃ!」
秘月は、ゆっくりと振り返った。憎らしいくらいに鮮やかな笑みを浮かべて。
(ああもうこいつは)
きっと、いや絶対秘月は私の視線に気付いてた。何て憎らしくて……愛しい。
秘月が、志桜里の目の前にやって来る。お互いの視線を挑戦的に絡めながら。どちらも目を逸らさない。秘月はそのまま自分の長いポニーテールを1つ跳ね上げ、クイッと志桜里の顎を持ち上げて言った。
「フフフ……寂しかったのかい?」
「あぁ、もう、この……秘ぃ! それずるい!!」
ガアッ! と叫んで志桜里は乱暴に秘月の手首を掴み―――岩陰に移動した。
限界臨界ぞんざい突破
にっちもさっちもいかないわ
世界? 正解? てかそれどこじゃない
悶えも焼き切れ限界化
この理性のトび方合法
倫理風紀纏めて―――Go home!!!
*
ポン! とセットでほしびと
イダス・アグリオス
と
ペコラ・ペコリ
は突然星幽塔から寝子島に飛ばされてきた。それも欲望覆う寝子ヶ浜海岸に。それも―――水着で。
「わぁ、海だ~!」
ボーイッシュだが動きやすく可愛らしい水着を着たペコラは、目の前の光景に、お日様に負けないくらい金色の瞳をキラキラと輝かせた。
「海……だな……」
ちょっと呆然とイダスが呟く。いきなり寝子島でいきなり海岸でいきなり夏ならそれは呆然ともするだろう。ましてや自分は水着にご機嫌なアロハシャツを羽織り、ハートのサングラス。隣のペコラは可愛らしい水着―――ペコラが、水着?! イダスはサングラスを上げ、叫んだ。
「お前! 何で水着っ!」
「え~、知らないよぅ。でもこれ可愛いし動きやすくていいよね。この島ではいつも不思議なことが起こってて面白いねぇ、イダス?」
「面白くねぇ! いいからこれ着ろ!」
イダスは大慌てで、健康的な肌を惜しげも無く人目に晒していたペコラに自分のアロハシャツをくるむようにかけた。
「?? なんでこれ着るの~? ここ、海だよぉ」
「いーーから!」
つい意地になってシャツをかけたので、ペコラを抱きしめるような形になってしまったイダスは急いで離れた。ペコラの方は何も気にしていないのか「アハハ、この柄すごい派手だね~!」と彼のシャツを羽織り、のんきにくるりんと風を孕ませ遊んでいる。その度に見える彼女の白い肌に、イダスはパッと視線を逸らした。
―――本当は、前も閉めろと言いたかった。
ペコラに対し、いつからおかしくなったのだろう。前に彼女の水着を見た時からかもしれない。
柔らかい声。柔らかい肌。柔らかい笑顔。ずっと見ていたい。でも見ていられない。その柔らかさが自分の心を擽り、温かくし、そして走り出したくなる程恥ずかしくなるのだ。
(何か! ほんとに! 何なんっ!)
持て余してしまう感情。それでもやっぱり彼女の事は気になってしまって。
チラリ、と横目でペコラを見れば、彼女はふふと楽しそうに羽織らせたシャツを摘まんで見ている。その小さい手。大きすぎるシャツ。そぉか俺はあいつよりだいぶでかいんだな……。
その途端に何となく自分がペコラを背後から抱きしめている感覚がして、イダスはパッパとその妄想を両手で消した。違ぇ! ペコラが羽織ってるのはシャツ! 俺じゃねぇ!
その時だった。くるりとイダスのシャツで遊んでいたペコラがぴたりと止まって彼の顔を覗き込んだ。
「素敵なビーチに来たからかなぁ? 何だか楽しい気持ちになってこない?」
「は? ま、まぁ楽しくなくはないな」
それどころかお前の水着姿に色々色々思う所がありますとは言えないイダスだ。明後日を向く彼の返答に、ペコラはにっこり笑った。
(くっそ、かわ……!)
そんな脊髄反射の彼の感情を、次のペコラの言葉が吹き飛ばした。
「ねえねえ、イダス! ハグしようよぉ」
「………はぁっ!?」
イダスの思考が一瞬停止した。ハグ。魚の一種か? いやそんな訳ないだろ。
どう考えても行き着く先は1つだった。先程の己の妄想が途端に現実味を帯びる。俺とペコラが、ハグ―――?!?
「ハっハ……ハグっておま!?」
「ボクなんだかふわふわ楽しい気持ちなんだぁ。……ダメ?」
極上の笑顔に極上のお願い。イダスはごくりと唾を飲んだ。ハグ。つまりこう……肌と肌が……。
「あーー!」
何かの限界点を超えてしまったイダスは、頭を掻きむしってしゃがみ込んだ。
「イダス?」
突然見えた亜麻色のツンツン髪に、ペコラは金色の瞳をぱちくり。でもすぐに笑顔になった。イダスの方が背が高いから、いつもあまり頭が見えないんだよねぇ。ふふ、わしゃわしゃしたい。
そんな事を呑気に考えていたペコラの耳に、唸るような声が届いた。
「ペコラ……手ぇだせ」
「え? 手?」
訳も分からず出したペコラの手を、ぐいっとイダスの手が握る。ペコラの小さい手はすっぽりとイダスのがっしりした手に収まってしまった。俯いていたイダスが少しだけ顔を上げた。
「これだって……手つなぐのだってハグみたいなもんだろ」
口を尖らせながらぶっきらぼうに言うイダス。いつも綺麗だと思うエメラルドの瞳は何だかこっちを見てないけど。
―――キミの手の温かさが、とっても嬉しい。
「……そうだねぇ。じゃあ」
ペコラはぎゅっとイダスの手を握ると、えいと彼を引き上げた。
「このままあっちまで行ってみようよ~!」
「お、おいペコラ!」
ふわふわ海辺を歩くペコラに慌てて足並みを揃えるイダス。キラキラ輝く太陽の下、2人の手は仲良く繋がれたまま。
*
―――気が付けば、真夏の海にいたのだ。
(今は12月なはずなのに、なんで?)
眩しい陽射しを浴びながら、
仙藤 紫
の頭には疑問符しか浮かばない。
隣には、妹の
仙藤 蒼
。紫も蒼も浜辺に相応しく、水着を着ている。紫は白地に薄い紫の模様が入った腰紐のビキニ、蒼は水色生地の、フリルをふんだんに使った可愛らしいビキニだ。紫はさすが高校時代水泳部で鍛えただけあって、抜群のプロポーションを惜しげも無く晒しており、蒼もボーイッシュな中に可愛らしさがあって、2人はどうしても人目を引いていた。
蒼が、紫の腕に自分の腕を絡め、ぴったりと寄り添い、身を寄せている。
いつも蒼は「お姉ちゃん大好き!」と、可愛らしくじゃれてくるので姉妹で腕を組むのも珍しい事ではない。しかし、今はいつもと少し違っていた。
何と言うのか、熱を帯びているのだ。彼女の身体も、雰囲気も。視線を感じ紫が横を見れば、妹の切なげに、そして艶めかしく揺らぐ瞳。微かに開いた唇から彼女の吐息が漏れる。その妖艶さにどきりとした。
(どうしたのかしら)
普段は元気一杯で健康的な印象なのに。心配になりつつ、彼女を問い正そうとは思わなかった。―――自分も、何か蒼から離れがたかった。触れて、いたかったのだ。
自分がおかしいのは分かっていた。
いつの間にか大好きな姉と海にいた。真冬の筈なのに熱い太陽。キラキラ輝く綺麗な海。何だか分からないけど、ご機嫌なシチュエーションな筈なのに。
紫に触れていないと気が狂いそうになるのだ。この、美しい人に。どうしたんだろうと思う余裕はなかった。心が、紫の全てを欲して飢えていた。
かの人を見上げる。気遣わしげに自分を見つめるその視線に出会う。その綺麗な瞳。もっと、もっと見たい。けれどもどうしてか良く見えないのだ。自分の瞳が潤んでしまうのだ。この人をもっと求めて。
熱い感情に頭をやられながら唇を開く。自分でも驚くほど、低く、甘い声が出た。そう、まるで……睦言を囁くような。
「お姉ちゃん……ずっと、このままでいてもいい? そうしないと私……気が変になっちゃう」
蒼の色をも帯びる吐息に乗せられた言葉。紫はそれを聞くと1度だけその長い睫をゆっくりと伏せる。そして慈しむようにそっと、蒼を抱きしめてやった。
「お姉ちゃん……とてもあたたかいよ……」
蒼は我知らず涙を流していた。
眩しい砂浜。熱い太陽を浴びながら、心と身体を寄り添わせる美しい姉妹がある。
*
初めは、パトロールをしていたのだ。
突然寝子ヶ浜海岸に飛ばされてきたほしびと
ベルラ・ガーネブラッディ
。このなかなかに尋常でない浜辺の雰囲気が絶神のせいだとの情報を得、怪しい人物がいないかと見回っていたのだ。ついつい昔軍人だった頃の癖で。嗚呼、でも今となっては分からない。本当は自分の欲望から意識を逸らせたかったのかもしれない。この、隣にいる愛しい子から。
「……ベルラ……」
一緒に飛ばされてきたほしびと
シーナ・キュクノス
が、熱い息を吐き、身体をもどかしげに自分に密着させてくる。絶神の欲望とやらに、この純粋な子はひとたまりもなかった。それはそうだろう。精神的にも様々な訓練を受けている俺でも、おかしくなりそうなのだから。
シーナの潤んだ情欲を含む瞳。それは夜の秘め事で見る事はあっても、こんな太陽の下で自分に向けられる事などなかなかない。シーナの瞳を受け止めてしまった時、ベルラの欲望が幾つか小さく爆ぜた。
(……このままでは不味い)
ベルラはシーナの手を引き、岩陰に身を寄せた。
シーナは寝子ヶ浜を覆う欲望に呑み込まれていた。
なんだかとってもベルラにくっつきたいんだ。こんな手を繋ぐだけじゃ足りなくて。―――この岩陰なら、もっとベルラにくっついていい?
シーナは大胆にベルラの膝の上に乗り上げる。そしてその薄い胸をベルラの厚い胸に押し当てた。
「シー君、解っているとは思うが今は……」
お手上げといった状態でベルラが上を向く。シーナは不満だった。どうして触れてくれないの? もっと触って? 僕の身体も心も。
寒い冬の日ならくっつきたくなるのも分かる。けれどこんなに暑いのに少しも離れたくないのは……僕がベルラを求めている証拠。悪い子の僕が止まらない。けれども止めないよ。―――だって、ベルラはもう僕が悪い子だってたくさん知ってるもんね?
「ベルラ……いっぱい触って? 僕の全部をベルラでいっぱいにして?」
シーナがその白い腕をベルラの太い首に回し、甘い声で言う。濡れた薄桃色の唇。艶めいた薄灰色の瞳は己の持て余す欲望に霞んでいて。そんな愛しいおねだりをされたら、誰だってひとたまりもないだろう。ましてや、これ以上ないくらいシーナを愛しく思っているベルラであったなら。
「………っ」
もう、駄目だった。ベルラは黙って膝の上に乗るシーナの艶やかな黒髪を梳きながらその首筋に唇を寄せた。軽く吸いながらシーナの羽耳を触る。「……んっ」とシーナが身を捩り、その瞬間ふんわりと甘ったるい香りがした。
―――カチリ、と最後の理性の枷が外れる音がした。
「ベルラ、あのね……僕ベルラが欲しくて……」
「欲しいと思っているのは……俺もだ、シーナ。あんまり煽ってくれるな。加減が効かなくなる」
シーナの欲望通り、ベルラの腕が自分を抱きしめる。ああ、嬉しい。もっと触って僕をベルラでいっぱいにして。少しもそうじゃないところがないくらいに。
「ん……っ」
シーナはベルラの頭を引き寄せ、拙い口付けをする。唇を触れ合わせるだけの可愛らしい口付け。何度して貰っても上手にできない。だってこれだけで僕はいっぱいいっぱいなんだ。
でも、伝わって欲しい。僕はベルラに溶けちゃいたいくらい夢中なんだ。
1度唇を離しベルラを見つめると、シーナはまた彼に口付ける。一生懸命想いを込めて。少しだけ舌を彼の唇に差し入れて。……これだけじゃ、おかしくなりそうだよベルラ。
そしてシーナは頬を染めたまま、そっと唇を離した。すると自分を見つめるベルラの瞳に出くわした。情熱的な紅い瞳。高揚感と情欲に煙る瞳。僕が震えるくらい大好きなあなた。
「口付け……上手になった?」
シーナが囁くように言う。ベルラは彼の羽耳をいじりながら瞳を絡ませ、小さく笑った。
「そうだな、教えた師匠が良かったのか……でもまだ教え足りないみたいだ」
そう言うと、ベルラは劣情を持ってシーナの後頭部を抱えて深い深い大人の口付けをした。何度も何度も重ねる口付けにたどたどしく慣れていく少年に、少しの申し訳なさを抱えながら。
逃がさないというように絡まり続ける舌。その間もベルラの太い指はシーナの首筋から胸を、太股から腰を何度も優しく往復する。その長い口付けが終わり互いの唇が名残惜しく離れた時には、シーナの息は怪しく上がっていた。
「ベルラ……もっと」
「だめだ、続きは帰ってから」
ベルラは懇願するシーナの可憐な唇にその指を当てる。シーナはぷうと唇を尖らしかけたが、ふとその顔に妖艶な笑みを浮かべた。
(?)
ベルラが思う間もなく、シーナはその艶めかしい舌を出し、ぺろりとベルラの指を舐める。そして丁寧にしゃぶった。
「……っ、シーナ……」
まさかの不意打ちに慌ててベルラは手を引っ込める。シーナは再びベルラの首に腕を回した。
「ね、ベルラ……」
「全く……どんどん悪い子になってないかね」
「知らなかったんですか? 僕がお師匠様から最初にならったのは、諦めの悪さだって」
「……そりゃ、師匠が悪いな……」
こうして、2つの人影が再び1つになる。
―――悦びにまみれた、幸せな時。
*
(あれ? どうして私海岸にいるの?)
眩しい陽射しに
城山 水樹
はその華やかな瞳を何度か瞬かせた。
今は冬のはずなのに、熱い砂浜。そこにお似合いの白地にグリーン系のボーダーが入ったビキニを着て、水樹は立っていた。腰紐タイプのなかなかセクシーな水着。健康的ながら官能的な体型は、さすがモデルをしているだけある。
隣には、愛しい恋人
ヒュー・ヒューバート
がいた。彼もやはり水着で、いつの間にか2人は互いの指と指を絡め合い、手を繋いでいる。大学生(兼モデル)とフォトアトリエに勤めるカメラマン。お互い多忙な身故、クリスマスまでは会えないと思っていたのに。彼の久々の温もりを掌いっぱいに感じ、ドキリとする。絡めた指先から、互いの熱や心臓の鼓動までが伝わってくるようだ。水樹はヒューの指先を愛撫するように自分の指を絡め直した。自分が熱く、おかしくなっているのが分かる。水樹はその想いを包み隠さず自分の瞳に乗せ、隣のヒューを見た。同じ背丈、同じ目線の高さ。あなたを感じ、身体の芯まで燃え上がる。ねえ、伝わる? ヒュー。……これ位じゃ足りないの。
ヒューもその全身に熱を持って、潤んだ水樹の瞳を受け止めていた。
ぎらぎら照りつける太陽。そんな中自分はサーフパンツに白いパーカーを羽織り、水樹の隣にいた。恋人繋ぎに繋いだ手。水樹が自分を求めるように指を絡め直した時、ヒューは強く彼女の手を握り返した。暫く味わえなかった君の温もり。平気なつもりでいたけど、本当は違っていたようだ。もっと、君が欲しい―――我慢していた分、暴走してしまいそうだよ。
水樹の熱い指先はそんなヒューを更に煽る。堪らず横の水樹を見れば、その情熱的な瞳に出くわした。
声もなく、見つめ合う。心はもうおかしくなるくらい荒れ狂っている。
次の瞬間、衝動にかられたように水樹の唇が自分に重ねられた。こんな人目につく所なのにと思う余裕はヒューにはなかった。急き立てられるようにヒューもまたその唇に熱情を持って応えた。甘く、激しく、深く。
2人は互いの頭を抱えあい、欲望のままにキスを交わす。波打ち際に倒れ込み、波に洗われながら激しく抱き合い、キスを交わす。
濡れた肌。ずぶ濡れの髪。互いの唾液が混ざりあって1つになった頃、2人は身を離す。水樹の背には眩しい太陽。常夏の彼女が切なげにヒューの耳朶に唇で触れた。
「こんなところでいきなり……はしたないけど……でも、もう我慢できないの……っ!」
そんな事、分かってる―――俺もだから。
そう言葉で返す代わりに、ヒューは水樹をそっと、けれども熱く抱きしめた。
そうして熱い恋人達は、いつの間にか岩陰へ。熱い太陽の下、お互いを溶かす熱で、愛し合う。
*
―――絶神が尻尾を出す瞬間。どうにかしてつかまなければとは思うのに。
獅子目 悠月
は岩陰で、絶神の尻尾を掴むかわりに、
オルカ・ヴィヴァルディ
に捕まっていた。
「離せオルカ、いい加減に……しろ」
悠月はオルカの腕の中で、彼の程よく鍛えられた胸を両手で押す。しかしどうしても力が入らなかった。こんな事をしている場合ではないのに。頭では分かっているのに身体は別な所に反応している。オルカの肌の温もり。彼の指先の愛撫は結い上げた自分の首筋を撫でる。身体がどんどん熱くなっていく。
「La prego di perdonarmi 悠月」
彼のかっしりした指の愛撫が首筋から自分の耳裏に移動し、その低い声で囁く。ぞくりとした。ああ、彼の胸に置いた手すら離しがたい。
密着した素肌。彼の香りに包まれる。それは嗅ぎ慣れた香り。睦み合う時に自分の全てをいっぱいにする香り。
「……っ」
反応してしまい、思わず掌を胸に置いたまま握りしめた。
欲望が抑えられない状況があって、欲望の先がそこにいたら―――もう結果は決まっている。
悠月をがっちりホールドしながらオルカはその深い海色の瞳を愛おしそうに細めた。
絶神の欲望とやらはよく分からない。いつだって俺の欲は悠月に向かってるから。
ただ、腕の中でか弱い小鳥のように抗う悠月は可愛らしかった。いい加減にしろと言いながら力ない手で自分を押す悠月。その華奢な掌が胸に押しつけられれば自分にはご褒美でしかなくて。拒む言葉も甘い戯れ言に聞こえる。―――本気で拒んでくれなきゃ止まんないよ?
「La prego di perdonarmi 悠月」
そう甘く囁きながら彼を優しく撫で上げていく。汗ばむ互いの素肌。赤銅色の髪が理性と情欲の間で揺れる。そんな悠月の全てがオルカを煽っていく。ああたまらないよ悠月。君の首筋に伝う汗すらキレイだ。
オルカはゆっくりと甘露を味わうように悠月の汗を舌ですくい、その白い首筋に鮮やかな痕をくっきりと残す。
「オ……ルカっ」
思わずオルカの頭を掻き抱く悠月。その自分に対する欲情の熱さを楽しみながら、オルカは離した唇でこう小さく囁くと、もう1度軽く華やかに散った痕に口付けた。
「……Ti adoro Mio」
キレイな歌を奏でる君の白い肌に赤い花を。愛してるよ、悠月。
肌を這う指と舌を、悠月は拒めなかった。
本当にこれはおかしいのか……? 俺だってこんなにも―――こんなにもオルカと愛し合いたいのに。
溶けてしまう。お前の触れる全ての所から。体の芯からドロドロに溶けてしまう。……いや、溶かして欲しいんだ。
オルカの胸に置いた掌は、いつの間にか彼の背に回っていた。
「ん………あ……っ」
もう自分の唇からは意味のある言葉は出なかった。出るのはオルカを求めてしまう甘い声。
ああ、ここが外じゃなければ。ただお前の名前を呼び続けて、お前の声を聴き続けるのに。こんなに開放的な空間は、お前の瞳だけを見続けるには広すぎるんだ。
オルカの唇がゆっくりと自分の顎を這い、唇を悪戯に塞ぎに来る。悠月はその頭を抱えて、黒髪に白い指を絡めながらオルカに深い口付けを与えた。愛が溢れてしまう。溢れてしまうくらいなら―――お前に全部くれてやる。
その瞬間オルカの瞳が驚いたように見開かれたが、すぐに嬉しそうに閉じられた。
可愛い悠月。悠月がこんなに可愛いってみんなに教えて回りたいくらいだけど、独り占めしたいから。
見つからないようにその可憐な唇を塞ごう。その悩ましい吐息も俺への愛も、全部俺の物だから。
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3人まで
シナリオジャンル
バトル
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定員
1000人
参加キャラクター数
90人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年04月11日
参加申し込みの期限
2020年04月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年04月18日 11時00分
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