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【お三夜】猫と鼠と人と悪魔、四つの世界が交わる夜
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恵御納 久隆
は車で寝子島へと向かう。
助手席には
恵御納 理沙
が座っていた。スマートフォンを操作して、あら? と言葉を漏らした。
何度か耳にした久隆は脇目を振らずに言った。
「夏朝と連絡が取れないのか?」
「気になるから何度か試しているんだけど、どうしたのかしら?」
「……祭りに夢中になっているのだろう」
久隆はちらりと標識を見た。寝子島に入ったことを知る。程なくしてハンドルを切って有料駐車場に車を入れた。
車を降りると久隆は背筋を伸ばし、ネクタイの位置を正した。
先を行っていた理沙がくるりと振り返る。
「旦那様~、早く~」
無邪気な理沙に久隆は手で抑えるようにして速足で追い付いた。
「もっと気楽な服装でくればいいのよ」
「スーツは着心地も悪くない」
「それと似合っていて素敵よ」
理沙は強引に腕を組んだ。久隆は歩き難そうにしながらも口を閉じ、参道商店街の先を見据えて歩いた。
仲睦まじい様子で二人は寝子島神社に訪れた。
「旦那様~、露店がいっぱいよ~」
「かなりの人だ」
理沙は青い瞳をキョロキョロさせて金髪の髪を弾ませる。対照的に久隆は厳めしい顔で人々を見下ろすように突き進む。強面が幸いして自然に人が避けて道となった。
「目移りしちゃうわ~、じゃなくて今日は目的があるのよ」
「初耳だが」
「この先に耳福池があって、なんか縁起が良さそう。福耳みたいな感じで気になるのよね~」
「理屈はわかった」
久隆が道を作り、理沙は露店に気を取られながら付いていく。
徐々に寂しい場所となる。吊り下げられた提灯が淡く夜道を照らし出す。
逆に声の強さが増した。大勢が集まって酔いに任せた会話を楽しんでいるようだった。
理沙の歩く足が速くなる。
「旦那様、あれを見て~。あんなにたくさんの猫ちゃん達が宴会を楽しんでいるわ~」
「慣れてきたとは言え、不思議な気持ちになる」
人と同じように陽気に語らい、チーズを頬張る。ペットボトルを回し飲みする傍ら、仰向けになって寝ている猫がいた。
理沙は半ば興奮した様子で猫達に声を掛けた。
「こんばんは~、可愛い猫ちゃん! 私達も宴会に混ぜて~!」
「こんばんにゃ」
「今日は飛び入りが多い日にゃ」
「チーズ持ってるにゃ?」
猫達は理沙の周りに集まってきた。
「チーズは持ってないけど、欲しいものがあったら作ってあげるわ。チーズは無理よ~」
「じゃあ、マタタビが欲しいにゃ」
「天然物がいいにゃ」
「マタタビ粉でテンション上げるにゃ」
その要望に理沙は困ったように笑う。側にいた久隆に目で助けを求めた。
「どのような場所に生える木なのだろう」
「日当たりのいいところにゃ」
「白い花の木にゃ」
「秋が狙い目にゃ」
久隆は猫達の声に耳を傾けて口を閉ざす。斜め下を見ていた目が僅かに上がった。
「……要望に近いものを露店で見繕ってくる」
「私はここに残るわ。猫ちゃんに聞きたいこともあるし」
理沙は久隆に向かって小さく手を振った。
「猫ちゃん、こっちにおいで~。なでなでしてあげるよ~」
「お腹なでてにゃ」
キジトラ柄の猫がごろりと仰向けになった。理沙は微笑んで毛並みを確かめるように撫でた。
「気持ちいいにゃ」
「頭をなでて欲しいにゃ」
「喉がいいにゃ」
「尻尾なでなでにゃ」
別の集団の猫もやってきた。理沙の身体に頬を擦り付けてくる。背中に頭を押し付ける猫もいた。
「順番に撫でていくね~。その代わりじゃないけど、質問にも答えてね」
「いいにゃ」
「なんでもこいにゃ」
「おいしい残飯の場所はワシに聞くにゃ」
「それはちょっと~」
理沙は笑って誤魔化した。
「じゃあ、質問いくよ~。みんなは島の暮らしはどう? 不思議なことがあったりする?」
「ネズミがいたにゃ」
「喋ってたにゃ」
「商売してたにゃ。びっくりしたにゃ」
猫達は各々が頷いた。
「猫ちゃんも喋っているんだけど~、えーと、次の質問はお三夜さまはどこにいるのかな~」
猫達は一斉に動きを止めた。糸目のようになって弛緩した。
「見てないにゃ」
「狛猫もいないにゃ」
「マタタビで一杯、やっているにゃ」
「それにゃ!」
「それに違いないにゃ!」
「そうかな~」
理沙は疑うような笑み頭を傾けた。
質問が一段落したところに久隆が戻ってきた。手にはビニール袋を提げている。
「マタタビはなかったが、またたび焼きを購入した」
「それ、美味しいにゃ!」
「マタタビの香りがたまらないにゃ!」
だらしなく寝転がっていた猫達が目を輝かせて立ち上がる。一様に尻尾を振り始めた。
理沙は近くにあったチーズを見て、ぽん、と掌を打ち合わせた。
「私に任せてくれたら、もっと美味しいものを作ってあげられるかもしれないわ」
「本当にゃ!」
「頼むにゃ!」
「チーズも使いたいんだけど、どう?」
「美味しくなるならいいにゃ」
一匹の猫に他も同意した。理沙は久隆からビニール袋を受け取った。中身を見てチーズの分量を決めた。
「猫ちゃんに見えないところで作るね。楽しみはあとに取っておくほうがいいから」
理沙は笑顔で離れてゆく。残された久隆は適当なところに腰を下ろした。
多くの猫達を見て寂しげな表情となった。
「少し語ってもいいか」
「もちろんにゃ」
「猫の手を借りてもいいにゃ」
「そうか。ありがとう」
厳めしい顔に微かな笑みが浮かぶ。
「五年前、私は猫を飼っていた。だが、連れて行けなかった。引っ越し先がペットを禁止していて、親族に預けることになった」
「優しいにゃ」
「普通は捨てられるにゃ」
薄汚れた白猫が座った姿で言った。背筋がぴんと伸びて悲壮感は見られない。
久隆は話を続けた。
「預けた猫は元気に育っていった。たまにくつろいだ姿の画像が送られてくる。私は再びの引っ越しで猫を飼えるようになったが、今は猫の幸せを思い、呼び戻すつもりはない。新しい猫は、そうだな。先の猫のこともあるので当分は飼わないと思う」
「親子に別れは付き物にゃ」
「そうにゃ」
「その通りにゃ」
猫達は口々に言った。慰めに類する言葉ではなく、本気の声に思えた。
「そうかもしれない。ありがとう」
「はいはーい、完成したわよ~」
明るい声が飛び込んできた。理沙はビニール袋を掲げて笑顔の小走りを見せた。
「待ってたにゃ!」
「早く食べさせるにゃ!」
「ガツガツ食うにゃ!」
猫達は殺気立つ。だらだらと流れる涎を止めることが出来なかった。
「じゃーん、マタタビ入りチーズ団子よ~」
「おー、丸いにゃ!」
「お月さまにゃ!」
「マタチー団子にゃ!」
その騒動に寝ていた猫が起きた。ふらふらとした足取りで理沙の足元にいく。
「味見してね~」
差し出された団子に鼻を近づけて匂いを嗅ぐ。一口、齧った。
「なんにゃー!」
目を丸くして叫んだ。残りを一口にして猛然と走り出す。
「美味いにゃ! 元気が出たにゃー!」
その劇的な効果に他の猫達も殺到した。
「そんなに元気が出る味なのね~」
理沙はのんびりした声で猫達の様子を眺めた。
無自覚のろっこん『ささやかな手料理を』の影響で美味さに比例した肉体回復を実現していたのだ。
その後、猫達は目を血走らせて理沙と久隆に殺到した。
「これ、持っていくにゃ!」
「マタタビ酒にゃ! 最高にゃ!」
「子供に酒は無理にゃ」
冷静な猫の一言に理沙は笑って手を振った。
「立派な大人なんだから飲めるわよ~」
久隆も同様に酒を勧められていた。
「私は車の運転があるので。あとで飲む」
「あ、そうそう。猫ちゃんの写真を撮ってもいいかしら? 娘も猫ちゃん大好きだから喜ぶと思うのよね~」
「いいにゃ!」
「男前にとるにゃ!」
「みんな、集まるにゃー!」
掛け声によって多くの猫達が集まった。写真を撮る瞬間、理沙は定番の台詞を口にした。
「はい、チーズ~」
「マタチー団子にゃ!」
「美味いにゃ!」
「最高にゃ!」
フラッシュは使わず、騒然とした中で撮られたのだった。
間もなくして二人は猫達と別れた。露店で賑わうところに戻っていく。
俄然、理沙は張り切った。
「夏朝ちゃんも祭りを楽しんでいるはずよ~! 私達も負けてはいられないわ~! 行くわよ、旦那様~!」
理沙は久隆の手を握ると、人込みに突撃した。
「待て、理沙。もっと冷静に、引っ張ると危ない!」
前につんのめりそうになりながらも口元には笑みが浮かぶ。
二人の祭りは始まったばかりであった。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
36人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年01月12日
参加申し込みの期限
2020年01月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年01月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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