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【お三夜】猫と鼠と人と悪魔、四つの世界が交わる夜
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城山 水樹
と
ヒュー・ヒューバート
は仲睦まじい恋人らしく、手を繋いで境内に現れた。
露店を巡っていた何人かは二人を目にして動きが緩慢になった。
水樹は現役モデルで容姿に優れ、身長も高い。側にいるヒューは若々しく、柔和な顔は優しさに溢れていた。
如何なる場所であっても水樹は変わらない。気取ったところはなく、思い返すような表情で声を漏らす。
「……去年とは違って今年はヒューがいるわ」
「……僕もそうだよ。今年は側に水樹がいる」
二人は相手に顔を向けた。目の高さが同じ為、距離が近い。共に照れたような笑みで視線を逸らす。
水樹は握っていた手をそれとなく振った。
「今年は新鮮な気持ちでお祭りを楽しめるわ」
「その猫耳カチューシャ、よく似合っているよ」
「本格的なものではないけどね。私が黒猫でヒューは茶トラ。まあ、似合っているかな」
水樹は視線を上げて、にんまりと笑う。
「その含み笑いが気になるよ」
「可愛いからいいじゃない。細かいことを気にしてないで行くわよ」
水樹はすらりと長い脚で歩き出す。赤いスカートが軽やかに波打つ。
ヒューはダッフルコートのマフラーを靡かせて共に石畳をゆく。
飲食関係の露店が目立つ。ソースの匂いが漂い、肉の焼ける音が聞こえる。
水樹は口を引き結ぶ。目の毒と言わんばかりに横を向くと、そこにはヒューの微笑みがあった。
「な、なによ。私が耐えている姿、そんなに面白い?」
「思ってないよ。仕事柄、大変だとは思うけど」
「本当は笑っていたくせに。いいわ、私にも考えがあるんだから」
パッと手を放して水樹は露店に突き進む。
「たこ焼きを貰うわ!」
「やけ食いはしない方が……」
その場に取り残されたヒューは困ったように笑った。
「買ってきたわ」
水樹は舟に見立てた容器を見せつける。ヒューの背中に手を回して人気の少ないところに誘導した。
「覚悟してね」
言うなり、爪楊枝でたこ焼きの一つを突き刺した。持ち上げると急に甘ったるい表情を浮かべた。
「あーん」
「え、僕が食べるのかい?」
「ヒュー、あーん」
水樹はたこ焼きを口に近づける。爪楊枝を刺した部分が重さで伸びて落ちそうになり、ヒューは慌てて食い付いた。
「これは、あ、熱い、ね……」
最後は言葉にならない。熱さに苦しむ息遣いだけが聞こえてきた。歪む表情を目の当たりにした水樹はおろおろする。
「ヒュー、ごめんね。熱かったら出してもいいのよ」
白い息を吐きながらヒューは掌を見せた。大丈夫、と言うように笑って見せる。
「びっくりしたよ。たこ焼きって一口で食べると、こんなに熱いものなんだね」
「ごめんなさい。火傷しなかった?」
水樹はヒューの唇に目を落とし、顔を近づけていく。自身の唇が僅かに開いた。重なる寸前でヒューは半歩ほど引いた。
「ゆっくり食べれば大丈夫だよ」
「あ、そうね」
我に返ったように水樹は言った。
残りのたこ焼きをヒューに食べさせて、最後の一個は自分の口に入れた。
「少しくらいは大丈夫よ」
「付いている」
ヒューは水樹の口元に付いたソースを親指で拭った。ハンカチの持ち合わせがないのか。迷わずに先端を口に含んだ。
目にした水樹は不満げな顔になる。
「……口でしてくれたらいいのに」
その呟きは近くを通り掛かった子供達の笑い声で消されてしまった。
ヒューは何事もなかったように手を差し出す。
「祭りを楽しもう」
「そうね」
二人は笑顔を交わす。指を絡ませてしっかり握ると人の流れに戻っていった。
飲食系の露店は足早に通り過ぎる。ヒューは水樹を気遣って目が行かないように話題を提供した。
二人は同時に足を止めた。
「あれなら二人で出来るわ」
「そうだね」
露店には『ねこ首輪投げ』と書かれていた。
「よく来たにゃ。もちろん、やっていくにゃ」
水樹は腰を屈めた。垂れる髪を耳に引っ掛けて言った。
「猫ね」
「猫だね」
ヒューが答える。
「当然、猫にゃ」
店主のトラ柄の猫はふんぞり返る。話が平行線になる前に水樹が遊び方を聞いた。
複数の猫の置物がある。いずれかに首輪を付ければ豪華商品が貰えると言う。失敗しても猫のストラップが用意されていて、実際に目にした。
「よく狙うにゃ」
「バスケ部で鍛えた集中力を見せてあげるわ」
水樹が首輪を手にした。僅かに膝を曲げる。手首の力を利用し、伸び上がって投げた。
首輪は狙った置物に飛んだが頭部に阻まれた。
「普通の輪投げのようにはいかないわね。それなら力で捻じ伏せるだけよ」
浮き上がらないように首輪の速度を上げた。直線的に飛んだが途中で失速。腹部によって弾かれた。
「まだまだ!」
最後の一投に全力を込める。狙った置物を超えた。
「あー、ああ!」
失意の声は喜びに変わる。奥の置物に首輪が嵌ったのだった。
「次はヒューの番よ」
「自信はないけどね」
ヒューは首輪に注目した。切れ目の部分を前にして回らないように投げた。手前の置物の首に当たったが弾かれた。
「回転は止められないみたいだ」
切れ目の位置を微調整。二回目は距離が届かなかった。最後は最前の置物の首に綺麗に付いた。
「やられたにゃー。豪華賞品はこれにゃ! 黒猫と白猫の縫いぐるみにゃ。毛並みの良さで抱き心地もいいにゃ。背中に頭を置けば枕にもなる逸品にゃ」
「ありがとう。大事にするわ」
「僕が持つよ」
水樹が受け取った賞品をヒューは片腕で挟むようにして持った。
二人はかなり奥まで歩いてきた。提灯で照らされて明るいが騒々しさは抑えられて夜を身近に感じられる。
水樹は空いた手を夜空に向けて伸ばす。
「ん~、それにしてもたくさんの店があるわね」
「全てを見るのは大変だ。あそこにも露店があるよ」
二人が行くと猫の店主が声を掛けてきた。
「仲がよさそうな二人にぴったりの水中花火があるにゃ。鼠の店よりも花火が大きいにゃ。しかもお買い得にゃ」
「それよりも水中花火って何よ?」
水樹は訝しい目で言った。
「水中で使う花火にゃ。とても綺麗で雰囲気作りに大いに貢献するにゃ」
「で、これがそうなのね」
水樹は花火を摘まんだ。簡素な丸い玉に導火線が付いていた。
「線の部分を適当なところで擦れば火が付くにゃ。あとは水に投げ入れて楽しんでくれればいいにゃ」
「どのような花火が見られるのかな」
ヒューが猫に聞いた。顔を真横にして、色々にゃ、と素っ気なく答えた。
花火はどれも同じ形をしていた。店主でさえ、見分けが付かないのかもしれない。
「一つ、貰うよ」
「買うのはいいけど、どこで花火をするのよ」
「仕方ないにゃ。手の空いている者に案内させるにゃ。猫吉、頼んだにゃ」
「親方、わかったにゃ」
在庫管理をしていた小柄な白猫が声の方に振り向く。
「今は店長にゃ」
「店主でしょ」
水樹が指摘すると、そうも言うにゃ、と頭を下げた。
「付いてくるにゃ」
白猫が先頭に立ち、二人は大人しく付き従う。
着いた先は耳福池であった。事前に小舟が用意されていて二人は乗り込む。
「乗り終わったら同じところに返すにゃ」
「わかったよ」
ヒューは用意されたオールを握った。池の中央に向かって濃いでいく。
池の周囲には猫達がいた。二人の様子を見て、カップルにゃ、と口々に言った。
「注目されているみたいだね」
「シュー、早く花火を使ってみてよ」
弾む声で水樹は言った。期待に満ちた目が小さな花火に向けられた。
「花火の大きさがわからないから舟の近くに落としてみる」
シューは舟底に導火線を押し付けて擦った。火花が散って燃え始める。水樹の目を見て、行くよ、と言って軽く投げた。
小さな水音がして花火はゆっくりと沈んでゆく。
その瞬間、無音だった。舟が水色の光に包まれる。水中で炸裂した花火は大輪の花となって煌めいた。
「見事にゃ」
「綺麗にゃ」
猫達の興奮した声が聞こえてきた。
水樹は濡れる目で四つん這いとなった。
「ねえ、いいでしょ」
「こんな目立つところでいいの?」
「いいの……見ているのは猫ちゃんだから」
水樹の吐息のような言葉にヒューが引き寄せられる。水中に咲いた花は枯れない。二人は夢心地の表情で唇を重ねた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
バトル
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
36人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年01月12日
参加申し込みの期限
2020年01月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年01月19日 11時00分
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