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デェト デェト デェト!
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●君がいる、幸せ
それはお三夜も近い11月のある日の事。
木天蓼大学の午前の大講義室。教授がマイペースに講義を進める中、学生達の態度は様々だ。
最前列でしっかりとノートを取る者、隣の友人とたまにお喋りする者。そこに、講義など完全に上の空で頬杖をついている学生がいた。
城山 水樹
。緩やかにウエーブを描く豊かな黒髪と、はっとするような美しい瞳を持ち、学生の傍らモデル業もこなす女子大生だ。
上の空の横顔もまた美しく、周囲の男子学生の視線を集めていたのだが、本人はそんな事微塵も気付いていなかった。彼女の頭の中は講義中にも拘わらず、自身の恋人の面影でいっぱいだったのである。
―――どうしてなのだろう。会いたい気持ちが募ってしまう。
この前
会ったばかりなのに。
水樹はほうっと思わず小さく吐息を漏らした。その艶やかな色に、ちらちら見ていた男子学生達は彼女を凝視しごくりと唾を飲む。しかし水樹はやっぱりそんな熱い視線など全く気付く事なくそのまま物思いにふけっていたが、何を思ったのかおもむろに姿勢を正しうんと1人大きく頷いた。
そして水樹はカバンからこっそりスマホを取り出すと、瞳をキラキラさせながら指を動かし始めたのだが……、突然楽しそうに輝き始めた彼女に、男子学生達の視線はやっぱり釘付けだ。
木天蓼市内のとある老舗のフォトアトリエ。そこにカメラマンとして勤める
ヒュー・ヒューバート
は、昼休み、自身のスマホを確認して思わず微笑んだ。
画面にはNYAINEで送られてきた『今日、寝子島でデートしよっ!』というメッセージ。その送り主は。
(―――ほんとに、どうしてこうこの人は)
ヒューは愛しい恋人、水樹の顔を思い浮かべる。奔放だけれど自分に真っ直ぐで、情の深い美しい恋人。本当はその面影を思い浮かべるまでもない。いつでも彼女の存在は自分の心の大部分を占めているのだから。
ヒューはゆったりとスマホを操作し始めた。今日は残業の予定もないから6時には寝子島で待ち合わせが出来るだろう。
―――時折君のそういう所が羨ましいよ、水樹。僕も会いたいと思ってたんだ。この前会ったばかりだというのにね。
*
残業はなかったが電車のつなぎが少々悪く、6時より5分ほど遅れてヒューは待ち合わせのシーサイドタウン駅に着いた。
改札を出て水樹を探す。と言うよりヒューの目にはすぐに柱の傍に立つ水樹の姿が飛び込んできた。それは水樹が華やかな容姿だからか、それとも愛の力か。多分どちらもだろう。ヒューは水樹の方に歩み寄った。
「―――ごめん、待った?」
声をかけられた水樹はヒューの姿を認め、パッとその表情を明るくした。けれどもすぐにその大きな瞳に悪戯っぽい色を乗せ微笑んだ。
「もう少し遅れてもよかったよ。……その分だけ『好き』が増えるから」
そう言うと水樹はするりとヒューに身を寄せ、指を絡めて手を繋ぐ。人の心というのは触れただけでは伝わらないものだが、今2人が思っている事は同じだった。
―――これ以上、『好き』が増えたらどうなってしまうのか。
とくんと2人の心臓が高鳴る。それをお互い悟られないように、少し指に力を込め手を握り合うと、2人は暗くなり始めた街に歩き出した。
冬の落日は早い。街は赤い優しい夕日色から、闇を明るく照らすショーウインドウの光へと変貌を遂げる。その白い光に温度はなく、キンと冷えた夜の空気が道行く人々を包む。だから、恋人達は手を繋ぐのかもしれない。お互いの体温だけが温もりだから。
指先から伝わる水樹の体温を感じながらヒューは思っていた。どうしてかな。君に触れる度に僕の体温は上がってしまう。この熱さはきっと互いの体温だけじゃなくて、互いを思う心の熱なのかもしれない。
恋人の熱さを愛おしむように、ヒューは彼女の細い指をしっかりと握りしめた。
(どんな事、考えてるのかな……)
水樹は隣を歩く恋人の横顔をちらりと盗み見た。
こんな風に何でもなく手を繋ぎあなたと歩く。それでもその手に指を絡めるだけでドキドキしている私。その触れ合う肌の温度に。
(小娘みたい)
水樹は小さく笑った。手を繋ぐだけでどうしてときめくのだろう。もう既に彼の温もりは何度も全身で感じているというのに。
(だって、この前だって……)
つい思い出したのはWデートの夜の事。友人達を見送った後、結局……。
「―――!」
色々色々生々しく思い出し、水樹はついきゅっとヒューの手を強く握ってしまう。それに反応してヒューが至近距離で振り向いたものだから、彼とまともに目が合ってしまった。
「「!」」
なまじお互い同じ背なものだから、瞳が近い。不意打ちに、水樹の顔はぼっとウブな中学生のように赤くなってしまった。
ヒューも同じだったのだろう。つられるように赤面する。それでも顔を赤くしたまま穏やかに訊いてきた。
「どうかしたの、水樹?」
「ど、どうって……」
―――この前のあなたとの夜の事を思い出し、その上今あなたの瞳が近くてドキドキしています、なんて。
(い、言えない~!)
「……な、なんでもない! ほんと!」
ゆでだこになりながらアハ、アハとぎこちない笑いをする水樹。そんな恋人を愛おしそうに見つめるヒュー。出会った時から大人な関係の2人なのに、いつまでも初々しい恋人達である。
ゆっくりと夜の街を散策していた2人は、猫スポットの1つでもある壁画通りにさしかかった。
「わ、素敵な壁画~!」
水樹が白い息を吐きながらキャットロードの長い壁に駆け寄った。
様々な絵がそこには描かれていた。たくさんの種類の猫がいる、ほのぼのとした絵。愉快な猫もたくさんいる。ファンタジーのような世界の絵。淡い色彩で描かれた幻想的でどこかレトロな絵。様々な服を着て楽しそうに歩く人達を描いた絵。本当にそこで絵を描いている人々がいるかのようなだまし絵まである。
「見て、ヒュー! 猫ちゃんが『にゃおー!』って吼えてるわ!」
水樹が楽しそうに壁を指さす。そこには昔の映画会社のオープニングロゴのような、エンブレムに囲まれた猫が描かれている。寒さも感じさせずキャッキャと楽しそうに見入る水樹の姿に、ヒューは知らず知らずの内に微笑んでいた。
―――冬は僕にとって
あまりいい思い出のある季節ではない
。
水樹が横にいないと気温が2、3度下がった気がする。ヒューは空いてしまった手で軽く体を擦った。
数年前、母が雪崩に巻き込まれ行方不明になった季節。マザコンという訳ではないが、喪失感は強かった。英国人の父は今も音信不通で生死も定かではない。
そんな時に水樹に出会った。彼女も喪失感を抱えていて。お互いの体温で慰め合う事から始まった恋。普通なら爛れてしまってもおかしくないのだけれども。
無邪気にこちらを振り向き笑う水樹。ヒューは小さく手を振った。
君と出会ってからもうすぐ1年が過ぎようとしている。それなのにどうして僕は、君を見る度、変わらないときめきと、言いようのない満たされた気持ちを感じるのだろう。―――これが君の言う『少女漫画みたいな恋』なのかい、水樹?
「ヒュー! 来て! 猫ちゃん!」
水樹の嬉しそうな声がヒューに向けられた。見れば上品な白猫が人懐っこく水樹の足元にまとわりついている。
「うん、行くよ」
色素の薄い灰色の瞳を細め、ヒューは歩き出した。水樹が抱っこしている猫がオスでなければいいな、と思いながら。
(さっき、何か考えている風だったけど)
一緒に白猫を撫でながら、水樹は自分の隣で穏やかに微笑みながら座るヒューを見ていた。
あなたの隣にいるだけで楽しいの。何か特別な事をしなくても。
本音だった。こうやって街を散策したり、猫を可愛がったりするだけでも、充分。
この気持ちを伝えたい。けれども、伝わっている気もする。だってあなたはこんなに自然に私の隣で笑ってくれているんだもの。
ふと、視線が絡み合った。自分に向けられた極上の笑顔にトクンと胸が高まる。
(ああ、そうか)
―――こうして2人でいる事。きっとその事がもう『特別な事』なんだ。
あなたと出会ってから季節が巡り、また冬が来た。それでも変わらず、こうして隣にいてくれる、奇跡。
水樹は白猫を抱っこしながら、すりりとヒューに身を寄せる。ヒューは彼女を抱き寄せ、水樹の頭を優しく撫でてくれた。
にゃーん、と楽しそうに白猫が鳴いた。
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担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年12月22日
参加申し込みの期限
2019年12月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年12月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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