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デェト デェト デェト!
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●全ての光は僕達の中
―――それはじいさんの台本の中にあった題材で、俺も1度見てみたいなって思ったもの。
グリーンフラッシュ。
緑閃光。太陽が昇る直後、もしくは沈む直前に一瞬、太陽の光が緑色に瞬く現象。この光景を見られたら幸運が訪れると言われているけれど、様々な気象条件が合わないと見る事が出来ない。けれども。
寝子島なら見られるかもしれない。
鴻上 彰尋
はこの現象を知ってからそう思っていた。勿論、1回で見られるなんて思っていないけど。
街が赤く染まり、ゆっくりとその色彩を落としていく時刻。寝子島街道沿いのコンビニの駐車場で。彰尋は何度目かの観測チャレンジをすべく、温度を失い始めた空気にほうっと微かな白い息を吐いた。
手にしたレジ袋には、熱々の肉まんと温かいお茶。意外に陽が落ちるのは時間がかかり、寒くなる。これで観測準備もばっちりだ。
(確実に経験積んでるな、俺)
では空振りが嫌になるかと言えば、そうでもない。ぼうっと静かに海岸線を眺めるのも、日々忙しい彰尋にとっては極上の時間だった。
さて、とゆったりした気持ちで街道を歩き海岸に向かっていた時、彰尋に可愛らしい声がかけられた。
「あれ? 彰尋君!」
振り返ればそこには
七夜 あおい
の姿。静かだった彰尋の心がさわりと心地よいさざ波を立てた。
あおいは友人達と遊んでいて、これから寮に帰るという。帰っても特にやる事もないというあおいに、彰尋は思い切って声をかけてみた。
「一緒にグリーンフラッシュを観測しないか」
と。
勿論グリーンフラッシュとは何かから説明し、あおいが聞きながら「へぇ~、見るの難しそうだけど、幸運を運んでくれるんだね!」と目を大きくするのが可愛いな、なんて思ったりもしなければならなかったが、彰尋は無事、あおいと日没を過ごす時間を得る事が出来た。
俺の手には肉まんと、温かいお茶。隣には、君。
寝子ヶ浜海岸の一角で、彰尋とあおいは赤い海を前に仲良く並んで座っていた。
太陽はどんどん地上から別れを告げようとしている。その偉大な姿が隠れるにつれ訪れる、しんしんとした寒さ。ここであおいの肩を抱き寄せ……などと不埒な事は彰尋は微塵も考えなかった。だって、隣で座っているだけで嬉しかったし。
ただ、あおいが寒くないかは気にかかった。「わー、夕陽が落ちるのって綺麗だね」と名残の赤い陽を浴びながら言うあおいに、彰尋は買った肉まんとお茶を勧めた。
「え、いいの? 彰尋君は?」
「大丈夫、温かい内に食べなよ。俺、寒さには強いし」
―――方便かもしれないが、彰尋も男の子なので許して欲しい。差し出された袋を前にあおいは「ありがとう!」と受け取ったが、すぐに肉まんを取り出すと、綺麗に半分にして彰尋に差し出した。
「半分こしよう!」
「え? 俺は大丈夫だからあおいさん全部食べなよ」
「いやいや女の子にはダイエットという諸事情がありましてですね! 半分の方が嬉しいなー♪」
これがあおいの方便であったがどうか分からない。けれども彰尋はありがたく片方の肉まんを貰う事にした。
「んー♪ 美味しくてあったかい!」
「そうだね、とても」
夕陽を前に2人で頬張るコンビニの肉まん。体も、心も温まる。どんな三つ星レストランでも体験できない、極上の味だ。
(ちなみに、お茶は全部あおいに渡した事を記しておく。……彰尋も純真な男の子だからね!)
陽が、沈む。影が、夕闇に溶けていく。いつの間にか言葉少なに、夕陽を吸い込まれるように見つめている2人。その静けさの中、彰尋は思っていた。
―――もし、君とこの幸運が見られるなら。その時は
もう1度
、君に、俺は。
君と夕闇に溶け込むようにいるこの自然さが好きだ。この距離をどうしたいのか決めかねてる自分もいる。けれど、グリーンフラッシュが後押ししてくれるなら。……俺は、もっと君に寄り添っていいだろうか?
その時だった。陽が沈む直前。
「「あ!」」
同時に声を上げた。赤色の縁をいよいよ海に沈めようという太陽が、最後の瞬きのように緑色に光ったのだ。
それは一瞬の事。すぐに太陽は見えなくなってしまう。先程の現象など忘れてしまったかのように残り香のような赤色が周囲に漂う。しかしそれさえももう夜の闇に呑み込まれ始めていた。
しばらく2人はただ佇んでいた。何もかも忘れて。本当に本当にしばらくして。ようやくあおいが口を開いた。
「幻じゃ……なかったよね」
「う……ん」
幻では、絶対なかった。
「本当に……太陽が緑だったね」
「うん」
呆然と言うあおいに、彰尋が頷く。あおいはまだそこに太陽があるかのように水平線を見つめて言った。
「ありがとう、彰尋君……何か感動しちゃった」
「ううん、俺こそ! 付き合ってくれてありがとう」
「わたしさ……前ちょっと彰尋君に
弱音吐いちゃった
でしょ」
「……うん」
まだ海を見つめるあおい。その横顔を彰尋は見た。そこには、強い意志の瞳。
「何か、今の光景見て、元気が出た気がする。あの緑の光が『頑張れ!』って言ってくれた気がするの」
そしてふっと瞳を柔らかくし、彰尋に舌を出して笑った。
「へへ、単純かなー?」
「ううん、そんな事ないよ!」
「本当、彰尋君ありがとね。こんな凄いもの見られて良かった」
あおいはまだ感動さめやらぬ様に、赤と黒が混じり合う水平線を見つめる。その横顔を見ながら、彰尋は思っていた。
―――ああそうだ。君は強い人だった。
迷いを見せるのも、弱音を吐くのも自分。それでも這い上がり、踏み出せなくても前を見つめようとするのも自分。そこから君は、逃げ出さないんだ。全部、内包してしっかりと立つんだ。
「太陽……」
「え?」
ぽつり呟いた彰尋にあおいが振り返った。闇が深くなっても、光を失わない青の瞳。綺麗だ、と思った。
「何でもない」
彰尋は笑った。
君は太陽のようだと思ったんだ。この赤い世界も、一瞬の幻のような緑も、全て同じ太陽が持っている。美しくて、強くて、儚くて。そして、輝く。
「また陽は昇る、か」
「?」
不思議そうに小首を傾げるあおいに、彰尋もおどけて小首を傾げる。「もー、彰尋君!」と手を振り上げたあおいに、彰尋は笑いながら逃げた。
君と見る事ができて本当に良かった。
グリーンフラッシュ。それは僕達の輝き。
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あとがき
担当マスター:
KAN
ファンレターはマスターページから!
KANです。
ご参加の皆様、ありがとうございました!
ええと……
だいぶ自由にやらせて頂きました! 特にSで任せて下さった方々。
甘えました。とっても。
(今回は個別コメントをさせて頂いてます)
皆様が楽しい時を過ごせていたら幸いです。
それでは。
またいつか皆様に会える事、楽しみにしています!
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担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
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NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年12月22日
参加申し込みの期限
2019年12月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年12月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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