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デェト デェト デェト!
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●Sweeeeeet!
「なになに、『仲良く作ろう甘~いお菓子』? へー、ペアで参加するお菓子作りの教室か~」
シーサイドアウトレットで料理教室のチラシを受け取った
高梨 彩葉
は思案顔だった。作るお菓子は旬のものを使うという事で、『リンゴのパイ』と『くりきんとん』。開催日は2週間後。
(ほうほう、これは)
楽しそう、尚且つ美味しそうだね。彩葉は厚い前髪の下の瞳を細めた。……これなら作れるかな? まあ、私が横で目を光らせないとだけど。
彩葉は電話をかけた。甘い物は大好きだけど、お菓子作りの腕は未知数なあの人に。
すぐに電話は繋がり、すぐに元気な答えが返ってきた。
「いく、いきたい!」
(即答だね)
彩葉は恋人、
志波 拓郎
との通話を終えると、にっこりと微笑んだ。
―――お菓子作りでは甘やかしたりしないよ、拓郎。ちょーっとだけ厳しめ彩葉ちゃんでいくからね、覚悟してよ!
という訳で、当日。
講師の話を聞くイベント参加者達の中に、三角巾とエプロンを着けた拓郎と彩葉の姿があった。彩葉は余裕の表情、拓郎は瞳をキラキラさせ少し頬を染めながら意気込んでいた。
(自分だけなら不安だけど……彩葉さんと一緒だから……すごく心強い)
魔法のように美味しいお菓子を作る彩葉さん。彼女と一緒なら、自分もあんな素敵なお菓子を作れるかな? お菓子作りは力作業も多いと聞くし。それなら得意だから、頑張るぞ……!
「……郎、拓郎?」
「! ……な、何? 彩葉さん」
「先生の話、ちゃんと聞いてた?」
少―し自分の世界に入っていた拓郎は、実は講師の話が終わっていたのも気付いていなかったが、こくこくと頷いて見せた。大事な所はきちんと聞いてた……はず。
彩葉は拓郎をじっと見つめ、ちょっと唇を尖らせたが、すぐに笑顔になった。
「ん、ならいいや。お菓子を分担しようよ、拓郎。私はアップルパイを作るから、拓郎は簡単な栗きんとん担当ね」
「栗きんとん……うん……分かった!」
こうして『仲良く作ろう甘~いお菓子』作りがスタートした、のだが。
彩葉は鼻歌を歌いながらシュリシュリとリンゴの皮を剥いていく。あっという間に赤いリンゴは白いリンゴに早変わり。確かに魔法のような手並みだ。さて、これを銀杏に切って……と思った時、彩葉の耳に
どばぁ
という不吉な音が飛び込んできた。
(―――『どばぁ』?)
お菓子作りにおいて、これは聞き捨てならない音。キッと彩葉が眉を顰めながら隣の拓郎を見ると。
拓郎が鍋いっぱいに砂糖の山を作っていた。
「……拓郎サン? 今何シタノ?」
彩葉が抑揚のない声で問う。拓郎がぱちりと瞬きした。
「砂糖を鍋に……入れた」
「計った?」
「えっと……甘い分には……大丈夫……だよね?」
「計ってない……だと……?」
ずもももも。拓郎は確かに感じた。目の前の彩葉が2回りくらい大きくなったのを。不味い、と思った瞬間、彩葉のカミナリが落ちた。
「こりゃー、拓郎! お菓子にとって計量は命とも言われてるんだよ。計量を少しでも間違うと失敗になっちゃうんだからね!」
「ご、ごめん……」
「ああ~、みりん入れちゃってるかー」
「じゃ、じゃあ……栗と芋潰す!」
少し早口になりながら拓郎は慌てて潰し作業に入った。これなら得意! 力仕事だし!
ガシガシガシガシ! 工事現場のようにマッシャーを動かす拓郎。そこにすかさず彩葉の声が飛んだ。
「風味を残すなら粒はある程度残しとかなきゃー!」
「えっ……?」
(あっ、確かに講師の人が言ってた……!)
思い出しても後の祭り。目の前の芋と栗は、ものの見事に潰れていて。
……クゥ~ン。
拓郎の耳が力なく垂れた。
「ご、ごめん……彩葉さん……」
ションモリ。自分の目の前で意気消沈している拓郎。それは大型犬が飼い主に叱られているようで、彩葉は思わず小さく笑ってしまう。けれどもすぐに心を鬼にした。お菓子作りに情けは禁物。ここで甘やかしては美味しいお菓子には辿り着けない!
彩葉は手早く講師に頼んでサツマイモをもう1本貰う。そしてピシリと拓郎に言った。
「私はこれをやり直すから、拓郎はパイを伸ばして。手荒くやっちゃ駄目だよ!」
「う、うん!」
今度こそ間違えないぞ! 拓郎の耳がピンと立った。
ここから彩葉は大車輪の活躍だった。
まず栗きんとんの調整に入る。新たな芋を蒸し器で蒸し、甘くなりすぎたきんとんを丁度良くなるまで芋を加えていく。
それと同時にアップルパイも進めていかなくてはならない。生地は拓郎に任せているから、カスタードを作って、おっと肝心のフィリングも作らなくっちゃ。
そんな中で彩葉は拓郎のチェックも怠らなかった。というより、拓郎がすすんでチェックを受けにきたのだ。
「生地は……これくらいの厚さでいいかな、彩葉さん」
「カット、この幅でいい……?」
行程の逐一を、細い目を少し見開き聞いてくる。
(うん、叱られて確認するようになったね)
これで一安心。しかし指示を出しながらも彩葉はくすりと笑った。
―――拓郎、何だかチワワみたい。
こうして今度は慎重にお菓子作りを進めていた拓郎だったが、くつくつという音につい耳をそばだてた。見れば隣の彩葉は鍋で何かを煮込んでいる。
(リンゴだ)
黄金色になったリンゴがくたっと煮込まれている。美味しそうな甘い匂い。拓郎の視線が鍋に吸い込まれた。
(これ、パイの中身だろうな。味見、したい……けど)
……さっき失敗したしなぁ。だいぶかさが増した栗きんとんを見れば、申し訳なさが募ってくる。でも鍋はくつくつと美味しそうで。
じーっ。ついつい鍋を見てしまう。
その熱い視線を、彩葉は先刻から気付いていた。
(食べたいんだね)
彩葉は軽く肩をすくめると、拓郎に声をかけた。
「味見してもいいよ」
「え?! あ…………ほんと?」
「ちょっとだけならね」
慌て気味の拓郎を置いて、彩葉はちゃっちゃとリンゴのフィリングをスプーンにひとすくい。ふーふーと冷まして、
「はい、どーぞ」
「あ……ありがとう!」
拓郎は素直にそれをぱくり。少しもぎゅもぎゅすると、すぐにその目尻が下がった。
「あぁ……おいしい」
「よし、フィリング成功だね」
アイスとかにのせたいかも、余ったら持って帰って試してもいいね、なんて言葉を交わすふたり。
―――彩葉さん、結局拓郎には甘いようで。
こうして幾多の苦難(?)を乗り越え、無事栗きんとんとアップルパイが出来上がった。
「「いただきまーす」」
拓郎と彩葉は出来たてのお菓子を前に、元気に手を合わせた。
「パイ、すごく、おいしい……!」
アップルパイを一口食べ、拓郎が細い目を大きくした。彩葉の作ったフィリングは勿論の事、自分が慎重に伸ばしたパイ生地もサクサクで、うまくフィリングとカスタードを包み込んでいる。
次は栗きんとん。彩葉の苦闘に思いを馳せ、栗きんとんを前に一礼すると拓郎はそれを口に入れた。
「ん……甘さ、ちょうどいい……! ありがとう、彩葉さん。舌触りは……潰しすぎた分、なめらか……かな?」
そんな拓郎に笑顔を見せ、彩葉も自分達が作ったお菓子を食す。そして大きく頷いた。
「うん、美味しいね! アップルパイも栗きんとんもうまくできてる!」
どうなる事かと思ったが、無事何とかなったお菓子作り。美味しくペロリと食べ終わった後、拓郎がぽつりと呟いた。
「……たのしかった、けど、作るのって……むずかしい、な」
その言葉に彩葉が片眉を上げる。そして苦笑しながら言った。
「拓郎は作るよりも、食べることを専門にした方がいいかもねぇ」
「う……はい」
ぽりぽりと拓郎は頭を掻いたが、すぐ笑顔で顔を上げた。
「だからこれからも……美味しいお菓子を楽しみにしてます、彩葉さん」
瞳をキラキラとさせこちらを見つめる大型犬に、彩葉は為す術もなく少し頬を染めこう言うしかなかった。
「よーし、じゃあ頑張って食べてよ、拓郎!」
「うん……嬉しい!」
―――甘~い時間、ごちそうさま!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年12月22日
参加申し込みの期限
2019年12月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年12月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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