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●STEP
モデルで、コスメブランドのイメージガールも務める
城山 水樹
の日常は多忙だ。モデルの仕事だけでなく、木天蓼大学に通う大学生という本来の務めもあるので、結果、生活は東京と寝子島の往復になる。
この日は偶々、仕事もなく大学も休講という貴重な一日で、水樹は旧市街の自宅で惰眠をむさぼっていた。
水樹の寝間着は、ざっくりとしたロングTシャツワンピース1枚。
「くしゅん」
肌寒い。もぞもぞと毛布をかき集め、けれどまだ目は開けたくないぞ、と頑張ってみる。だが。
「……なに、この寒さ」
仕方なしに瞼を開き、ゆっくりとベッドから起き上がる。
窓の外を見て、完全に目が覚めた。
「一面の銀世界……って、なにこれ」
スマホに伸びた水樹の手は、無意識に、恋人の
ヒュー・ヒューバート
へコールしていた。
「これから会えない? 寝子島で」
すると木天蓼市内にある老舗のフォトアトリエに勤務するカメラマンの彼も、ちょうどスケジュールに空きがあるという。それなら話は早い。
「じゃああとで、シーサイドタウン駅前で待ち合わせね」
電話を切り、慌ててクローゼットを引っ掻き回す。
冬物はとっくに仕舞っていたが、探しに探してどうにか見つけたコートを羽織る。
家族へ「出かけてくる」とおざなりに声を掛け、水樹は家を出た。
シーサイドタウン駅の待ち合わせ場所には、ヒューの方が先についていた。
コートを探すのにそんなに時間を食ったかしら、と思いながらも、髪を整え、彼の方へと歩いてゆく。
ヒューは水樹を見つけるなり、手を振って、
「驚いたよ」
と言った。
本土の木天蓼市の方は全然降っていないという。
「寝子島は本当に変わっているね」
「そうね。でもお陰でヒューと雪の日デートができるわ」
この前デート
してからまだ幾日も経っていないのに、またこうして寝子島デートができるなんて。
互いに忙しい二人にとっては奇跡的なことだ。
なんとなく歩き出す。
どこへ行こうとか、なにをしようとか、そんなことは何も決めずに。
ただ雪に白く染まった街の中に溶け込むように歩いてゆく。
そうしながら水樹はこれまでの彼との逢瀬をひとつひとつ思い出していた。
(そう言えばこうして二人で雪化粧の町を歩くのは初めてだった気がする)
ヒューを見つめる。
ほぼ同じ身長なので、同じ高さで目線が合う。
父が英国人だというヒューの瞳は、日本人のそれより淡く灰色がかっていて、不思議な色合いをしている。
ヒューはひとつ瞬きし、優しく灰色の瞳を細めた。
水樹はそれだけで赤面してしまう。
(なんだか私、初恋に浮かれる中学生みたいじゃない?)
付き合いだして半年。ふたりともいい大人だ。ストロベリーみたいな恋とか、レモン味のキスとか、そんなことでドキドキできる年頃はとっくに過ぎたつもりでいたのに。
彼の瞳を見つめただけで、彼と目があっただけで、こんなに胸の奥がじんと痺れる。
(未だにこんな気持ちでいられるなんて思いもよらなかった)
自分の恋心を改めて認識して、水樹はさらに赤くなった。
思い知ってしまう。
(――私、彼のことが本当に好きなんだ)
「水樹? どうかした?」
彼が不思議そうに水樹の黒い瞳を覗き込んできた。
なぜ突然赤面したのか、説明することなんてできないから、水樹はぱっと駆け出した。
白く舞う雪の中に、水樹の長い黒髪が跳ねる。
「見て、ヒュー、公園があるわ。寄って行かない?」
そこは、風の原公園だった。
拓郎と彩葉の姿はすでになく、ベンチの上に、二人が作った雪うさぎだけが残されていた。
「かわいい。雪うさぎのカップルね」
「そうだね」
「きっと付き合って間もないかわいらしいカップルが作ったに違いないわ」
「熟年夫婦かもしれないよ」
「もう、ヒューったら!」
水樹はちょっぴり頬を膨らませる。
けれど思い直して、作ったのが熟年夫婦だとしたらそれも素敵、と言った。
「私たちもなにか作る? たとえば、雪だるまとか」
「いいよ」
ヒューはたぶん、彼女が何を言っても「いいよ」と言ってしまったと思う。
水樹はしゃがんで雪を集め始める。
彼女の綺麗な指先が、白い雪を丸く形作ってゆく。
ヒューは、ただそれをぼんやり眺めていた。
自分の瞳がカメラになって、いまこの瞬間の彼女の一瞬一瞬をおさめておけたらいいのに。
そう思った瞬間、また目が合った。
水樹の頬が、雪うさぎの目みたいにかあっと赤くなる。
かと思うと、いきなり雪玉をぶつけてきた。
「……もう!」
「わっ」
明らかに照れ隠しだ。
何故だかわからないけれど、水樹は今日は初心な気持ちなのだ。
(僕もだ。この前デートしたばかりなのに、初めてデートするかのような感じがする)
水樹は、雪で真っ白になったヒューの顔を見て、あはは、と鈴みたいな声で笑っている。
こうなったら思いっきり童心に返って遊んでしまおう。
「やったな!」
ヒューも地面の雪をかき集めると、軽く握って水樹に投げた。
――それから、どれくらいふたりきりの雪合戦をしただろう。
普段、物静かなヒューがこんなにはしゃぐなんて珍しいことだった。
そのくらい、彼女との時間は楽しい。
はぁ、はぁ、と笑い声まじりと息を吐き、ふたりは同時に雪の上に仰向けに倒れた。
「雪の日は本当は苦手だった」
ヒューはぽつりと零す。
苦手だった。
三年前、母はスキーリゾートがさんな地で雪崩に巻き込まれた。遺体は結局見つかっていない。
ヒューの中で、雪は、母の喪失と固く結びついてしまっていた。
だから、苦手だった。
地面から寝転がって見る雪は、ハレーションのように中心から外へ向かって放射線状に広がってゆく。
あの雪の生まれるところ、あの雲の向こうに、あの人は行ってしまったのだろうか。
「……」
ヒューは無言になっていた。
だから、灰色と白の世界の中に、突如、水樹の黒髪が覆いかぶさってきて驚いた。
「ヒュー? もしかして……あの時のことを思い出したの?」
水樹の黒い瞳が不安に揺れている。
そういえば、クリスマスに初めて出会ったとき、彼女とそんな話をした気がする。
「ごめんなさい! 私、そんなつもりで……」
ただ雪が綺麗だった。
あなたと見たかっただけなの。
言葉にならないそんな思いが伝わって来て、ヒューは狼狽える水樹の髪に優しく手を伸ばす。
「こちらこそごめん。心配させてしまったね」
ふるふると水樹は首を振る。そんなことない、という言葉の代わりに、じわり、瞳が涙で潤んだ。
ヒューは綺麗な宝玉のような瞳から溢れそうになっている涙を指先でそっと拭う。
そして、その熱に安堵する。
「大丈夫だよ。今はこうして君と一緒にいるから」
ヒューは水樹の手を取って、ゆっくりと立ち上がった。
公園は、とても静かだった。
雪がすべての音を吸い取ってしまったかのようだった。
ヒューと水樹はどちらからともなく抱き合い、キスを交わす。
今までより優しく、甘く、そして激しいキスを。
――神様。どこかでもし見ていたなら、この胸に宿る切なる願いを叶えてください。
どうか、目の前の人をどこにも連れ去らないで。
ずっとこのままでいたいのです――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年12月10日
参加申し込みの期限
2017年12月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年12月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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