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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
地下帝国、崩落！？
●ひびきちゃんただいま
一方、猫鳴館の台所では、天馬 ひびきが、マウル・赤城・スティックとともに皆の帰りを待っていた。
「ひびきちゃんただいまー！」
響く明るい声。ひびきが大部屋に駆け付けると、そこには、土ぼこりで顔を真っ黒にした緑野 毬藻仔、大田原 いいな、瞬城 真魚の姿があった。
「おかえりっ！」
ひびきは濡れタオルでみんなの顔を拭った。
「どうだった？ 怪我はない？」
「うぬ、怪我は大丈夫じゃ。それに崩落したところは全部開通したからの、もう心配いらぬじゃろう」
いいなの答えに、ひびきは、崩れ落ちるように安堵のため息をつく。
「あ～、よかった～～～」
「私たち、みんなを助けたあと、地下帝国の中をざっと歩いて地図を描いてきたんだ」
地下帝国に入る前に朧げな内部の地図を作成していた毬藻仔は、友人たちの協力もあって、今回、だいたいではあるがその地図をアップデートすることに成功したらしい。毬藻仔は皆の前に、修正版の地図を広げる。
この地図には早くも秘密の小部屋が描き足されていた。迷路のような通路のあたりは相変わらず謎に包まれたままだったが、込み入っている箇所なので仕方がない。
ひびきはしばらくその地図と、泥だらけながらも輝く皆の顔を見比べていたが、やっぱり皆が無事に戻ってきてくれたのが一番うれしいと思った。
「みんな頑張ったね！ お疲れ様！ お腹すいたでしょ？ 泥を落としたら御飯にしよう？」
食堂にずらりと並べられていたのは。お茶に紅茶に、豆腐入りの豚汁、ほかほか御飯、それから薄味の浅漬けもある。すべて、ひびきがマウルに手伝って貰いながら用意していたものだ。
「うわーっ！ 嬉しい！ お腹空いてたんだぁ！」
毬藻仔が感涙にむせびながら、ぶんぶんとひびきの両手を握る。
「ありがとうひびき殿」
またたぎ亭で食べたうどんはすっかり消化されてしまったいいなも、ほっこり笑顔。日頃、またたぎ亭の手伝いをしている真魚は、ひびきたちの苦労が分かり「大変だったでしょう」と労をねぎらう。
「ん。でも、マウル君が手伝ってくれたし」
マウルはすこし遠くで、照れくさそうに頭を掻いている。
「さ、とりあえず――」とひびきは両手を合わせた。
みんなも席について同じように胸の前で合掌。そして大きな声で。
「「「いただきます！！」」」
◇ ◇ ◇
「――以上が、今回の顛末です」
とある酒場の暗がりに、報告を聞くシーノの連絡係、リンコ・ヘミングウェイの姿があった。
彼女に報告をしているのは花村チカ――ではなく、薄紫のカツラと胸パット、女子制服を脱いだ添木 千唐。
そう。シーノの協力者・花村チカの正体は千唐だったのである。
「ご苦労さま。汚れ役だったみたいね」
「お蔭様で。言いづらいことも言いましたしね。でも女の格好だったから、梨香先輩に警戒されずに済みました。もっとも、フィリア先輩対策のパンツは使い所がなかったんですが？」
「アッハッハ。あの子ね、あたしもよく分からないのよね。でも意外と真面目でいいとこあるでしょ？ 信頼はできるわ」
千唐はもうひとつ気になっていたことを訊ねる。
「結局シーノは、猫鳴館や地下帝国と敵対しないと約束してましたが、いいんですか？」
「いいんじゃなーい？ あくまで＜シーノは＞でしょ？ ま、でもあたしたちとの約束に胡坐をかいてちゃダメよねー。あたしたち以外はどうだか知らないし……ツッコミどころはいろいろありそうだものね、あそこ」
くすくすくすくす。リンコは楽しそうだ。
「あくまで猫鳴館や地下帝国次第、ということですか」
「そういうことでしょ？ 知らないけど。しっかりやったらいいんじゃない？ ……ところで、また中華頼むの？ あと、無意識かもしれないけど、へんな鼻歌歌ってるわよ？」
夜は更けてゆく。
ひとまずの安寧を得て。
しかしここは寝子島だから。
いずれまた、なにか起こるのかもしれない。……が、それはまた「いつか」だ。
とりあえず「いま」は、といえば――。
脇道に閉じ込められていた１０人は、蛇那伊の体臭のせいでしばらくの間ゴマ油料理に恋い焦がれるようになった。それに加えて脇道の開通に関わった人々は「ハイホ～ハイホ～スパッツは至高～♪」のあの歌をついつい口ずさんでしまうようになった。極限状態恐るべし。
そうそう。
なりゆきでシーノの手伝いをしてしまった桜庭 円、尾鎌 蛇那伊、十文字 若菜の三人は、秘密の小部屋を掘り当てた仲間として街で一緒にご飯を食べて帰ることにした。円はその途中スパッツを買ってしまったし、入った店はもちろん中華。それから若菜の強い要望で、みんなでアイスを食べましたとさ。
＜了＞
一方、猫鳴館の台所では、天馬 ひびきが、マウル・赤城・スティックとともに皆の帰りを待っていた。
「ひびきちゃんただいまー！」
響く明るい声。ひびきが大部屋に駆け付けると、そこには、土ぼこりで顔を真っ黒にした緑野 毬藻仔、大田原 いいな、瞬城 真魚の姿があった。
「おかえりっ！」
ひびきは濡れタオルでみんなの顔を拭った。
「どうだった？ 怪我はない？」
「うぬ、怪我は大丈夫じゃ。それに崩落したところは全部開通したからの、もう心配いらぬじゃろう」
いいなの答えに、ひびきは、崩れ落ちるように安堵のため息をつく。
「あ～、よかった～～～」
「私たち、みんなを助けたあと、地下帝国の中をざっと歩いて地図を描いてきたんだ」
地下帝国に入る前に朧げな内部の地図を作成していた毬藻仔は、友人たちの協力もあって、今回、だいたいではあるがその地図をアップデートすることに成功したらしい。毬藻仔は皆の前に、修正版の地図を広げる。
この地図には早くも秘密の小部屋が描き足されていた。迷路のような通路のあたりは相変わらず謎に包まれたままだったが、込み入っている箇所なので仕方がない。
ひびきはしばらくその地図と、泥だらけながらも輝く皆の顔を見比べていたが、やっぱり皆が無事に戻ってきてくれたのが一番うれしいと思った。
「みんな頑張ったね！ お疲れ様！ お腹すいたでしょ？ 泥を落としたら御飯にしよう？」
食堂にずらりと並べられていたのは。お茶に紅茶に、豆腐入りの豚汁、ほかほか御飯、それから薄味の浅漬けもある。すべて、ひびきがマウルに手伝って貰いながら用意していたものだ。
「うわーっ！ 嬉しい！ お腹空いてたんだぁ！」
毬藻仔が感涙にむせびながら、ぶんぶんとひびきの両手を握る。
「ありがとうひびき殿」
またたぎ亭で食べたうどんはすっかり消化されてしまったいいなも、ほっこり笑顔。日頃、またたぎ亭の手伝いをしている真魚は、ひびきたちの苦労が分かり「大変だったでしょう」と労をねぎらう。
「ん。でも、マウル君が手伝ってくれたし」
マウルはすこし遠くで、照れくさそうに頭を掻いている。
「さ、とりあえず――」とひびきは両手を合わせた。
みんなも席について同じように胸の前で合掌。そして大きな声で。
「「「いただきます！！」」」
◇ ◇ ◇
「――以上が、今回の顛末です」
とある酒場の暗がりに、報告を聞くシーノの連絡係、リンコ・ヘミングウェイの姿があった。
彼女に報告をしているのは花村チカ――ではなく、薄紫のカツラと胸パット、女子制服を脱いだ添木 千唐。
そう。シーノの協力者・花村チカの正体は千唐だったのである。
「ご苦労さま。汚れ役だったみたいね」
「お蔭様で。言いづらいことも言いましたしね。でも女の格好だったから、梨香先輩に警戒されずに済みました。もっとも、フィリア先輩対策のパンツは使い所がなかったんですが？」
「アッハッハ。あの子ね、あたしもよく分からないのよね。でも意外と真面目でいいとこあるでしょ？ 信頼はできるわ」
千唐はもうひとつ気になっていたことを訊ねる。
「結局シーノは、猫鳴館や地下帝国と敵対しないと約束してましたが、いいんですか？」
「いいんじゃなーい？ あくまで＜シーノは＞でしょ？ ま、でもあたしたちとの約束に胡坐をかいてちゃダメよねー。あたしたち以外はどうだか知らないし……ツッコミどころはいろいろありそうだものね、あそこ」
くすくすくすくす。リンコは楽しそうだ。
「あくまで猫鳴館や地下帝国次第、ということですか」
「そういうことでしょ？ 知らないけど。しっかりやったらいいんじゃない？ ……ところで、また中華頼むの？ あと、無意識かもしれないけど、へんな鼻歌歌ってるわよ？」
夜は更けてゆく。
ひとまずの安寧を得て。
しかしここは寝子島だから。
いずれまた、なにか起こるのかもしれない。……が、それはまた「いつか」だ。
とりあえず「いま」は、といえば――。
脇道に閉じ込められていた１０人は、蛇那伊の体臭のせいでしばらくの間ゴマ油料理に恋い焦がれるようになった。それに加えて脇道の開通に関わった人々は「ハイホ～ハイホ～スパッツは至高～♪」のあの歌をついつい口ずさんでしまうようになった。極限状態恐るべし。
そうそう。
なりゆきでシーノの手伝いをしてしまった桜庭 円、尾鎌 蛇那伊、十文字 若菜の三人は、秘密の小部屋を掘り当てた仲間として街で一緒にご飯を食べて帰ることにした。円はその途中スパッツを買ってしまったし、入った店はもちろん中華。それから若菜の強い要望で、みんなでアイスを食べましたとさ。
＜了＞
あとがき
担当マスター：
笈地 行
ファンレターはマスターページから！
あーっ！ 難しかった！！！！！
あう……のっけから、失礼しました。
ゲームマスターを務めさせていただきました笈地です。
みなさま、此度はご参加誠にありがとうございました。
じつは今回はガイド時点から迷いながらのスタートでいろいろと反省もあるのですが、
そのあたりは次回以降への課題としまして……（他のマスターさんの爪の垢を煎じる準備）
みなさまからいただきましたアクションのお蔭で、
謎に包まれた地下帝国の一端がすこし明らかになったり、
話が思わぬ方向に進んだり、まとまるのかーと不安になったり……
……あんまりわくわくハラハラドキドキしながらだったせいか、
皇帝陛下と宰相殿と拷問官殿が、最後の晩餐の絵のように白いテーブルに横並びで食事をしているという
夢までみてしまいました。（夢判断が得意な方、その意味をひも解いてほしい・笑）
まずは、舞台にさせていただいた地下帝国さんに最大限の感謝を！ ありがとうございました！
それから、深々と土下座。コミュニティでのすばらしい発展は小耳に挟んでいたのですが、
すべてを採用することは出来ませんでした。ごめんなさい！！！
地下帝国さんの発展具合については、ガイドにありましたとおり、
行動や手段を（部屋を作るなら作り方や持ち込むものなどを）
具体的にアクションに書いてください。この状況でできる範囲で、採用いたします。
ということで、採用できた箇所もあり、できなかった箇所もありということになりました。
地下帝国さんの発展がものすごすぎて、シナリオを経ずに「すでにこうなっている」と
できないものもあったのです。
でもそんな勢いのある地下帝国さんがわたしは好きですし、
プレイヤーさん発の（！）こういう場所がらっかみ！ 世界に存在しているということを
とっても面白いと思っています。
そして、地下帝国に遊びに＆助けに来てくださった沢山のみなさん、ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。此度の冒険を楽しんでいただけましたら幸いです。
それでは、またのご縁がございましたらお会いしましょう。――次は制服トリエン！ な笈地でした。
（あー、わたしも温泉入りたい！）
＜おまけ＞
地下帝国民 役職一覧（敬称略・らっかみ！タイム６月上旬現在・今回のシナリオにご参加いただいた方のみ）
皇帝ホネソギウス：骨削 瓢
宰相：邪衣 士
将軍：初島 優
軍師：浮舟 久雨
拷問官：桃原 空音
土木作業員：難波 辰
癒し担当：美崎 岬
一般帝国民？：花風 もも、緑野 毬藻仔
お疲れ様でした～。
あう……のっけから、失礼しました。
ゲームマスターを務めさせていただきました笈地です。
みなさま、此度はご参加誠にありがとうございました。
じつは今回はガイド時点から迷いながらのスタートでいろいろと反省もあるのですが、
そのあたりは次回以降への課題としまして……（他のマスターさんの爪の垢を煎じる準備）
みなさまからいただきましたアクションのお蔭で、
謎に包まれた地下帝国の一端がすこし明らかになったり、
話が思わぬ方向に進んだり、まとまるのかーと不安になったり……
……あんまりわくわくハラハラドキドキしながらだったせいか、
皇帝陛下と宰相殿と拷問官殿が、最後の晩餐の絵のように白いテーブルに横並びで食事をしているという
夢までみてしまいました。（夢判断が得意な方、その意味をひも解いてほしい・笑）
まずは、舞台にさせていただいた地下帝国さんに最大限の感謝を！ ありがとうございました！
それから、深々と土下座。コミュニティでのすばらしい発展は小耳に挟んでいたのですが、
すべてを採用することは出来ませんでした。ごめんなさい！！！
地下帝国さんの発展具合については、ガイドにありましたとおり、
行動や手段を（部屋を作るなら作り方や持ち込むものなどを）
具体的にアクションに書いてください。この状況でできる範囲で、採用いたします。
ということで、採用できた箇所もあり、できなかった箇所もありということになりました。
地下帝国さんの発展がものすごすぎて、シナリオを経ずに「すでにこうなっている」と
できないものもあったのです。
でもそんな勢いのある地下帝国さんがわたしは好きですし、
プレイヤーさん発の（！）こういう場所がらっかみ！ 世界に存在しているということを
とっても面白いと思っています。
そして、地下帝国に遊びに＆助けに来てくださった沢山のみなさん、ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。此度の冒険を楽しんでいただけましたら幸いです。
それでは、またのご縁がございましたらお会いしましょう。――次は制服トリエン！ な笈地でした。
（あー、わたしも温泉入りたい！）
＜おまけ＞
地下帝国民 役職一覧（敬称略・らっかみ！タイム６月上旬現在・今回のシナリオにご参加いただいた方のみ）
皇帝ホネソギウス：骨削 瓢
宰相：邪衣 士
将軍：初島 優
軍師：浮舟 久雨
拷問官：桃原 空音
土木作業員：難波 辰
癒し担当：美崎 岬
一般帝国民？：花風 もも、緑野 毬藻仔
お疲れ様でした～。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2013年08月30日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年09月06日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年09月06日 11時00分
