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地下帝国、崩落!?
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●シーノと紅梟の謎・その2
「あっれ~? 何も起こらないね」
飛鳥がきまり悪そうに、アハハと笑った。
どれだけ待っても、<紅梟の卵>には何の変化も現れなかった。
みんなのじと目に気づき、飛鳥は慌てて顔の前で両手を振る。
「いや、でもさ、ここ、間違いないでしょ。ものすごく大きさぴったりだし。ここ以外考えられないって」
久雨が首を傾げる。
「……ということはだ、伝承の解釈そのものが違っていたということではないか? 例えば紅梟というのは、本当の鳥の梟ではないとか……」
引き金となったのは、その久雨の言葉。
「ああッ!」
みんながいっぺんに、飛鳥の方を指差した。飛鳥はぎょっとしてたじろぐ。
「な、なにさー!?」
「違うよ、その後ろ!」
飛鳥の後ろは、岩壁だ。
いまはしっかりと嵌められた<紅梟の卵>によって、沁み出ていたお湯がせき止められている。
全員が、持っている灯りをその岩壁に向けた。
そこには。
「なにか描かれてる……?」
赤き湯がせき止められてあらわになったもの、それは、岩壁に赤い塗料で描かれた壁画だった。絵の大きさはタテ横ともに1メートルほどか。壁画といっても絵そのものは稚拙な印象で、子どもが適当に赤で塗りつぶしたかのようだ。紅梟だと思って見れば、顔が大きく翼の小さい梟のような姿に見えなくもない。嘴のあたりはもともとの岩のでこぼこで、尖った山のようになっている。
「『<紅梟の卵>を湯に浸す』というのは、<紅梟の卵>と呼ばれる薄紅色の石を、湯が沁み出ている窪みにはめ込む、ということだったのね……そして『紅梟が生まれる』というのは、そうすることで<紅梟の卵>が湯をせき止めて壁画が現れるということ……」
茫然とつぶやいた梨香を、天野はそっと放した。そして、またその罪な声で梨香の耳元に囁く。
「勘違いしないでね。君たちは宝を見つけた。もう猫鳴館を潰して掘削する必要はなくなった、ってことだろ? それなら……猫鳴館がつぶれなくて済むなら、手を貸してもいいって事……僕も伝説には興味があるからね」そこでひとつ咳払いをし。「言っとくけど、伝説にだけ、ね。……さ、よく見てくれば?」
梨香が壁画のほうに歩み出た。一瞬だけ振り向いた梨香の眼差しには、天野への感謝が混じっていた。
「……はじめまして、紅梟。こんな姿だなんて思いもよらなかったわ……」
梨香の指先が、壁画に触れた。
この紅梟がいったいどのように『伝説の宝の島』に関わっているのか、いまの梨香にはわからない。
それでも。
逢えて、嬉しい。
それが梨香の、偽らざる気持ちだった。
そのとき突然、空音の声がした。壁画のある岩壁の脇にあいた大穴の向こう、裏寝子温泉の方からだ。
「みんなー! 大変だよっ!」
大変だというわりにその声色は明るい。何事かとみんなで駆けつけてみれば、いまだ力尽きたままの赤き湯三銃士たちの脇で、空音、茉菜、海の三人はたっぷり湯船に溜まったお湯に足をつけ、パチャパチャはしゃいでいるではないか。
「みてみて! ちょろちょろしか出てなかったお湯が、急にとぽとぽ出るようになったんだよー!」
空音が嬉しそうに桃ライオンを指差す。桃ライオンの口から流れ出るよだれの量は、たしかに先ほどより増えていた。唐脅しもカッポーン、カッポーンと鳴っている。
「お湯の量が増えたのって、もしかして紅梟と関係があるのかなー?」
という空音の疑問に、「あっ!」と円が声をあげた。
「もしかして、ひとつの湯脈に開いた二つの口のうち、片方の口を塞いだから、内部圧力が上がってこちら側の湯量が増えたってことかな?」
なるほど、と、皇帝はニヤリ笑った。
「そいつぁすばらしいやね! お宝は手に入ったし、裏寝子温泉の湯量は増えたし、いいことずくめだよぃ。あとは早々に部外者には退いて頂き、紅梟とやらの謎をあっしらで解明、お宝ざっくざっく、地下帝国の繁栄間違いなし……」
浮かれる皇帝の前に進み出たのはチカだ。
「その件については私からひとつお願いがあるのですけれど」
「ほう、いまは機嫌がいいからねぇ、言ってみなよぃ」
「梨香たちが、ときどき紅梟を見に来ることを許しては貰えませんか?」
ふむ? と瓢は片眉を吊り上げる。
「あっしらの地下帝国にあるものを、シーノの勝手にされるのは好かんねぇ」
おやおや、とチカは余裕を見せた。
「こんなことは言いたくなかったのですが……地下帝国って、掘削作業主任者はいますか? ……無断でしかも主任者も居ない掘削作業はいろいろ問題ですよ? 今回の崩落のことだって、ばれたら猫鳴館の廃寮問題に発展しちゃうかも。地下帝国と猫鳴館はイコールではないということはよく分かっていますが、それでも一心同体と捉える人も少なくないでしょうからね。……ああ、誤解しないでください、廃寮は私も嫌ですし、地下帝国の存続を願ってもいます。訴え出るようなことはしませんよ。……その代りに……ね?」
チカがにっこりとほほ笑む。
「取り引きってわけかい」
「協力しましょうと申し上げているんですよ」
猫鳴館を盾に取られては少々分が悪い。
「軍師殿、どう思う?」
瓢に問われた久雨は顎に手を当て考えて、――それからゆっくりと言葉を紡いだ。
「そうだな、私は……約束が欲しい」
「約束?」
「ここは私にとって、笑っていられる大切な居場所だ。どうか、壊さないと、約束してもらえんか? 無論、今後もな。それさえ誓ってくれれば、私は十分だ」
久雨の願いはあまりに無欲だった。
そして、地下帝国民全員の胸の内を代弁してもいた。
いろいろ思惑はあれども、みんなそれぞれに地下帝国を大切に思い、愛している。
そのことは、梨香もフィリアも強く感じていた。
ふたりは視線を交し、うなずきあった。それから梨香が、すっ……と瓢に右手を差し出す。
「わかったわ。約束する。私たちシーノは、猫鳴館や地下帝国を壊すようなことはしないと。少なくとも私たちは、今後、廃寮を煽ったりもしないわ」
久雨たちの純粋な思いが梨香やフィリアの心を打ったのだ。
わ、と帝国民たちの顔が明るくなる。瓢はしぶしぶと言った。
「ふぅ。あっしとしては、もうちょっと良い条件を引き出したかったんだがね……ま、ここらへんが落としどころってことかねぃ」
これが皇帝の決断だった。瓢は梨香の差し出した右手に握手する。自然と拍手が巻き起こる。
梨香はいった。
「紅梟が見つかった今、何を壊してでも探さなければならない時間は終わったわ。私たちの目的は、あの場所の保存に変わった。まだ解かなければならない謎がある。だからこそ、あなたたち地下帝国とは仲良くやっていけたらうれしいわ」
それを聞き、
美崎 岬
が梨香に抱き着いた。
「うふふっ! あなたたちが敵にならなくて本当にうれしい!」
「な、な!」
ここではじめて、岬が男だということに気づいた梨香は、顔を真っ赤にして慌てる。それを見て、ももも、ほっとした表情を浮かべた。
「そうだね……。まずは今あるところを大切にしていこう……またこんなことがあったら心配だもん……」
「ももはんは心配性だねぃ」
瓢に声を掛けられ、ももはほんのり頬を染める。
「だって……こういう幸せな日々が、ずっと続いてほしいから……」
岬はももの想いに気づき、瓢の代わりにその頭を撫でてあげた。
「そうね。まずは、雑談広間から秘密の小部屋への道を、また崩れちゃわないようにちゃんと整備したいわねー! それと、なんだか温泉とも繋がっちゃったみたいだから、そこもしっかりさせてー」
『こういしつ』
すっとスケッチブックを出したのは
小山内 海
だ。それがあまりに唐突だったので、却ってみんなの視線を引き付けた。海はさらにスケッチブックに文字を綴り、皆の前に掲げた。
『じょしこういしつ ほしい。こべや、こういしつに ちょうどいいよ』
海は、持ってきた水着に着替えて温泉に浸かりたくてうずうずしていた。実は、あの小部屋を見た瞬間から、なんて女子更衣室にちょうどよさそうなんだろう、と思っていたのだ。
『りかせんぱいたち ときどき おんせんに はいりにくればいい。きがえするとき へきが みれるよ』
突如示された秘密の小部屋の女子更衣室化の意見を巡っては、その後喧々囂々意見が交わされたのだが……。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月30日
参加申し込みの期限
2013年09月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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