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魔界調停室:WIRED
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【願いの果てには】
昨今の寝子島には、魔界から悪魔の類が訪れているのだという。
恵御納 夏朝
も始めは警戒したものだ。
「もしかして、このアプリ……魔界の陰謀?」
などと大いに怪しみながらも起動した『魔界調停室:WIRED』。
しかし光と共に顕現したその姿を目にするなり、懸念は跡形もなく吹き飛び、夏朝はただただ瞳を輝かせることとなった。
「我は『成暖納(ななんな)』。汝、我が絆を望むか?」
「ね……」
「ね?」
「ねこの神さまだああああああ!!」
思わず興奮し飛びついてしまったことを、後に夏朝は謝罪した。
頭にはふんわり猫耳、腰には七本の猫しっぽ。いわゆる猫又というやつらしい。それも霊験あらたかな上位神である。
「そんなお方に失礼を……ご、ごめんなさい」
「よい。人のそのような振る舞いも、我には愛らしいものよ」
かしこまる夏朝に、成暖納様は微笑ましく笑う。
「今でこそ神魔への昇華と成したが、かつては我も、人の世に暮らす一介の猫であった。子猫の時分に我を育み慈しんだ者もまた、人であったよ」
「ななんな様、人間に育てられたんですね……」
「然り」
ただのちっぽけな猫が猫又の神となるまでには、夏朝の考えも及ばない驚くべき波乱万丈があったことだろう。しかし成暖納様はそんな苦労を笑い飛ばし、猫又となってからは自身も多くの子猫たちを育て、新たな子猫神を輩出してきたのだと語った。
「しかし、こうして現へ形を成すのも久方ぶりのこと。しばらく見ぬ間に、人の世も趣きを変えたものよ。娘、かーさと言ったか。良ければ島を案内してくれぬか?」
「よろこんで!」
愛らしい猫神様に舞い上がりすっかり失念していたが、神魔と絆を結ぶ……ワイヤードするためには、神魔たちの願いを叶えることが必要となる。
とはいえ無論のこと、夏朝にそんな打算があるわけもない。成暖納様に現代の寝子島を楽しんでもらいたいという、実に純粋な思いからだ。
「それじゃあ……まずは、ねこでんに乗りましょう!」
「ねこでん? 乗る? 牛車のようなものかの」
小首を傾げた猫神様の意外にもあどけない面持ちに、夏朝は思わずくすりと笑った。
ねこでんに乗りシーサイドタウンへ向かい、星ヶ丘へとそぞろ歩き、旧市街へと戻る。
寝子島のどんな風景にも、成暖納様の瞳は新鮮なきらめきを宿した。大口を開けて観覧車を見上げ、星ヶ丘のきらびやかに目を丸くした。旧市街からはロープウェイに乗り九夜山へ登ったが、最初は震えて乗りたがらなかったのも、失礼ながら夏朝としては愛らしく思えた。神様の手前、口には出さなかったが。
何もかもが珍しい成暖納様に振り回されもしたが、夏朝は楽しいひと時を過ごすことができた。
そうして今、参道商店街にてたい焼きなど頬張りつつ、二人語らい合っている。
「我の我儘によく付きおうてくれたな。さあ、人と神魔の絆を結ぼうぞ」
「あ、ありがとう! 嬉しいな……」
「して、かーさよ」
きっと子猫たちに見せてきたのだろう、慈愛に満ちた表情を浮かべた成暖納様は、夏朝に問う。
「恩人たる汝の願いを、我が叶えよう。無論、神魔とて叶わぬ望みはあるが、我に許された力であれば惜しみなく行使しよう」
「でも、僕、そんなつもりじゃ……それに」
「分かっているとも。遠慮はいらぬ、言うてみよ」
促す成暖納様に、夏朝は躊躇した。
願いは、ある。胸に秘め、滅多なことではさらけだすこともない、けれど心から願う望みが。希望が。
「……ななんな様」
「ん」
言葉として、音に出したことはあっただろうか。
思わずするり、滑り出た。
「僕と、別人格の夏夜ちゃんが……心身ともに分離して、共に並んで暮らせるように」
……その後も数刻を共にしてから、成暖納様は夏朝と寝子島の猫たちにも見送られ、どこかへ去っていった。
絆は結ばれた。ワイヤードした神魔とは、アプリを通じていつかまた出会えることもあるのだろう。
夏朝の願いは、叶わなかった。いかなる神魔とてそれほどの力は持ち得ないだろうと、成暖納様は少し悲しそうに言った。
とはいえ、かすかな期待は抱きつつも半ば無理だろうとは思っていたので、それほどの落胆はない。
それに……夏朝はふわりと微笑んだ。
気まぐれな猫神様の、気まぐれな来訪。
そして、気まぐれな置き土産。
(願いを叶えることは叶わずとも、願いが叶うことを願うことはできよう。どれ、この土産物に我が願いと力を込めようぞ。ふんぬっ。ふんぬっ。ふんぬぬぬぬぬぬ……!)
顔を真っ赤にして祈りを込めてくれる神様の一生懸命さを思い返すだけで、夏朝は幸せな気分になれた。
「ありがとう……」
誰ともなく、そっとつぶやく。
手のひらの上には、手作りの小さな木彫り猫。造りはいささか歪だが、おどけた笑みはいかにも幸福そうに見えた。
「あ、そうだ。夏夜ちゃんにも教えてあげようっと」
机に向かい、鍵のついた日記帳を開くと、夏朝はうっかり鼻歌まじりに綴り始めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年11月27日
参加申し込みの期限
2019年12月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年12月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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